第二世代 SRKⅡ BinkhorstⅡ OKULIX 術後 IOL の位置の計算要素 水晶体位置の個体差 患者 1 第四世代以降第三世代 第三世代 HolladayⅠ SRK/T HofferQ 1, 1 1 第四世代以降 HolladayⅡ Haigis ( レンス 厚 ) WTW etc 患者 2 2, 2 2 Olsen Barrett U2 Hill-RBF レンス 厚 ( レンス 厚 )(WTW) Barrett IOL パワー計算式 Universal Ⅱ 通常のパワー計算式 ( プラノ ) Toric Calculator ASCRS HP トーリック眼内レンズの計算 True-K Formula ASCRS HP 屈折矯正手術後 : True-K Toric Calculator 屈折矯正手術後 + トーリック Rx Formula ASCRS HP 術後 IOL 交換 ピギーバッグ Universal Universal Ⅱ Barrett 式の発展 第三世代式 第四世代以降式 Toric Calculator True-K Formula 1993 年 JCRS 論文 2009 年レンズスター発売, LT, WTW 論文なし Black Box Universal Ⅰ 式 角膜周辺部半径 眼球後部正円 (%) 誤差 0.5D 以内の割合 眼球前部楕円 角膜中央部半径 LF Lens Factor 91.5 UniversalⅡ 91.0 90.9 Olsen Hill-RBF 89.2 HolladayII 88.7 Haigis 88.3 HolladaⅠ 87.2 SRK/T 84.4 HofferQ 虹彩平面 IOL の第 2 主平面 (Warren Hill ハント アウトより改変 ) 1
Hill-RBF(人口知能のパワー計算式 の開発者 人口知能のIOLパワー計算式 Physician team 現在25名 Warren Hill Doug Koch Li Wang Graham Barrett Adi Abulafia 他 Haag-Streit社 Lenstar製造元 Mathworks社 人工知能のプログラム トーリックのパワー計算の仕組み Warren Hill) 前面乱視量 横軸 と後面乱視量 縦軸 の関係 前面 直乱視 角膜後面乱視 角膜前面乱視 ベクトル合成(加算) 術前全角膜乱視 IOL乱視度数(眼内) 惹起乱視 前面 斜乱視 ベクトル合成(加算) 予想術後角膜乱視 定数法 ２経線法 前面 倒乱視 予想残余乱視 Contribution of posterior corneal astigmatism to total corneal astigmatism D D. Koch JCRS:2080-2012 惹起乱視ベクトルの集計方法 Dr.HillのHPにある SIA calculator 平均値 絶対値の平均 2.4ｍｍ角膜切開で0.4Dくらい 2経線方式 強主経線 K1)と弱主経線 K2 を 別々に計算する 強主経線 弱主経線 中央値: 絶対値の中央値 セントロイド 倍角座標の重心 ベクトル平均 Barrett, Koch, Hillが推奨 2.4ｍｍ角膜切開で0.1Dくらい 2経線のパワー差が予想残余乱視 2
JSOS 教育セミナー 眼内レンズの形状 挿入位置による違い 眼内レンズの形状と着色 北戸田駅前みとおか眼科三戸岡克哉 前房レンズ 後房レンズ 2 眼内レンズの形状 IOL の構造 支持部ループハプティクス 眼内レンズの形状 光学径の違い HOYA Santen 光学部レンズオプティクス YA-60BBR VA-70AD NX-60 NX-70 3 ピースワンピース 嚢外固定など 偏心の可能性が否定できない場合は 光学径が大きい眼内レンズを使用することが望ましい 3 4 眼内レンズの形状 後発白内障予防対策 眼内レンズの形状後発白内障予防対策 シャープエッジ形状 Alcon 社 IQ HOYA 社 NY-60 HOYA 社 PY-60 Santen 社 NX-60,X-60 西起史. 眼内レンズのデザイン. 小原喜隆, 西起史, 松島博之編. 眼内レンズを科学する : メディカル葵出版,2006. AMO 社 ZA9003 AMO 社 ZBC00 Staar 社 KS Ni 6
明るさ感覚 両眼間色合わせ器機 片眼が IOL 挿入眼 / 片眼が有水晶体眼 着色 IOL 非着色 IOL 白色検査光の明るさ感覚有水晶体眼と比較して 非着色 IOL 挿入眼 : 1.9 倍着色 IOL 挿入眼 : 1.3 倍 グレア 報告者, 年 IOL 測定方法結果 Hammond ら,2009 SN60WF vs Clear IOL グレア付加 着色で軽減 コントラスト視力 Muftuogluら,2007 Alcon SN60AT vs SA60AT グレア付加 着色 = 非着色 コントラスト感度 Hayashi ら, 2006 Hoya YA-60BB vs VA-60BB グレア付加コントラスト視力 着色 = 非着色 明るく感じている 7 ( 三戸岡克哉 : Vision 1999 ) 着色 IOL を挿入してもまぶしさ 羞明感 を訴える患者がいる 羞明の脳回路 網膜からの視覚系 三叉神経からの体性感覚系 2 つの下位回路により構成 メラノプシン含有神経節細胞が関与 視覚や痛覚受容器からの入力だけで一義的に決定されるのでなく 感情 認知あるいは瞬目などのような行動の複合によって その強度が決定される ( 仮説 ) 各種着色 IOL の比較 AMO TECNIS OptiBlue KOWA HOYA imics1 年齢 Alcon AcrySof IQ 度数 AMO 社 OptiBlue 13 例 13 眼 70.0± 8.3 20.9±3.0 KOWA 社 7 例 9 眼 70.2± 8.3 17.7±9.3 HOYA 社 imics 1 4 例 4 眼 72.0± 2.9 20.4±1.2 Alcon 社 SN60WF 10 例 11 眼 70.0± 9.9 22.2±1.9 非挿入眼 23 例 30 眼 74.3± 9.3 20.7±2.5 (AMO 社 ZA9003) 正常ヒト水晶体眼 6 例 8 眼 40.5±5.4 堀口浩史. 羞明のメカニズム. 神経眼科 2009;26:382-395 主な IOL の分光透過曲線 各眼底写真の比較 140 120 100 80 ヒト水晶体 (n=8) 非着色 IOL(n=30) Optiblue (n=13) (n=9) HOYA imics 1 (n=4) Alcon IQ (n=11) 60 40 20 0 輝度 R G B 11 12
落とし穴 ( 度数による違い ) Alcon IQ HOYA imics 1 使い分け例 非着色 IOL 薄い着色 片眼にすでに非着色 IOL 挿入緑内障や網膜色素変性症の末期 ( 必要に応じ遮光眼鏡 ) 片眼に挿入されている IOL が非着色か着色が不明若年から壮年 青色の波長 (460nm) でみると Alcon 社の +30D では透過率が 48% とかなり抑えられているが +6D になると 65% 程度となり KOWA 社のものと大差なくなる HOYA 社の IOL は 中心厚を一定にして周辺のデザインによって度数を変化させているため 比較的度数による色の変化は抑えられている 濃い着色 老年 AMD およびそのリスクが高い症例強度近視眼 三戸岡克哉. の使い分け. IOL&RS 2009;23: 198-204. 代表的な着色 IOL の概要 会社 Alcon AMO KOWA KOWA HOYA HOYA 代表的な着色 IOLの概要 会社 HOYA Nidek Nidek Santen Santen Staar 眼内レンズ Acrysof IQ (SN60WF) OptiBlue (ZCB00V) (AN6K) (YP2.2) PY60R NY60 眼内レンズ Vivinex Nex-Acri (N4-18YG) Aktis SP (NS 60YG) Eternity (NX-60) Eternity Uni (W-60R) AQ-Ni 材質アクリルアクリルアクリルアクリルアクリルアクリル 形状ワンピースワンピーススリーピースワンピーススリーピースワンピース 球面非球面 非球面非球面球面非球面非球面非球面 色の濃さ濃い薄い薄い薄い濃い濃い 材質アクリルアクリルアクリルアクリルアクリルシリコーン 形状ワンピーススリーピースワンピーススリーピースワンピーススリーピース 球面非球面 非球面非球面非球面球面非球面非球面 色の濃さ濃い薄い薄い薄い薄い薄い 度数による濃さの違い ありなしなしなし若干あり若干あり 度数による濃さの違い 若干あり不明不明若干あり若干あり若干あり プリセットありありありありありあり プリセットありありありなしなしあり 代表的な着色 IOLの概要 会社 Alcon AMO KOWA KOWA HOYA HOYA 代表的な着色 IOLの概要 会社 HOYA Nidek Nidek Santen Santen Staar 眼内レンズ Acrysof IQ (SN60WF) OptiBlue (ZCB00V) (AN6K) (YP2.2) PY60R NY60 眼内レンズ Vivinex Nex-Acri (N4-18YG) Aktis SP (NS 60YG) Eternity (NX-60) Eternity Uni (W-60R) AQ-Ni 強角膜創 2.4mm レンズの開き 挿入可能挿入可能挿入不可挿入可能挿入可能挿入可能 中程度遅い早い早い遅い遅い Glistening 中 ~ 多い少ない少ない少ない中 ~ 多い中 ~ 多い 後発白内障少ない少ない少ない不明多い多い 強角膜創 2.4mm レンズの開き 挿入可能挿入可能挿入可能挿入可能挿入可能挿入不可 中程度遅い遅い遅い遅い早い Glistening 少ない少ない少ない少ない少ない少ない 後発白内障少ない不明不明多い不明多い そのほか 紫色のみカット PMMA 製ワンピースレンズのような特徴 PMMA とアクリルで構成されたループ そのほか 歴史が長い完成度の高いインジェクター
第 41 回 JSOS 教育セミナー 眼内レンズの選択の基本眼内レンズ選択 ( 付加価値眼内レンズ球面 非球面トーリック ) 獨協医大後藤憲仁 利益相反公表基準の有無 : あり カテゴリー F の Ⅲ HOYA メディカル事業部 参天製薬 千寿製薬 アルコンファーマ ニデック エイエムオー ジャパン ファイザー カテゴリー F の Ⅱ 興和創薬 非球面 IOL の機能 角膜球面収差と各種非球面 IOL 中心付近 周辺部 Lens Spherical Aberration (μm) レンズ周辺部を通る光線の焦点 光軸 レンズ中心付近を通る光線の焦点 球面 IOL 非球面 IOL TECNIS (AMO) SZ-1 (NIDEK)) AcrySof (Alcon) AF-1, XY1 (HOYA) エタニティ (Santen) アバンシィ (KOWA) -0.27-0.23-0.20-0.18-0.13-0.04 Human Corneal Spherical aberration (μm) +0.275 * +0.225 日本人の角膜収差は小さい *Warren E.H.,Cataract & Refractive Surgery Today(2006) 各種非球面 IOL で 球面収差の加入が異なる 偏心量による MTF の変化 非球面 IOL の適応に注意が必要な場合 IOL 偏心が起こる場合 = 正確な嚢内固定ができない場合 (Zinn 小帯脆弱 断裂例 後嚢破損時 ) IOL 縫着 強膜内固定時 非球面 IOL は IOL 偏心の影響を受けて MTF が低下する 角膜疾患 角膜形状異常 = 角膜が正の球面収差を有さない場合 ( 円錐角膜 遠視 LASIK 後 = 負の角膜球面収差を持つ場合が多い ) ( 近視 LASIK 後は正常眼より正の角膜球面収差が大きい )
トーリックIOLによる乱視矯正の仕組み 角膜乱視の分布と年齢 角膜後面 角膜前面 弱主経線 強主経線 強主経線 弱主経線 角膜 IOL クロスシリンダーの原理 角膜の強主経線に対して IOLの弱主経線 マーク部 を合わせることで 角膜乱視 を打ち消して 眼全体の乱視を軽減させる トーリックIOL適応判断フローチャート 若年者 直乱視 加齢に伴い倒乱視化する 5年ごとに0.18Dずつ倒乱視化 全年齢を通じて倒乱視 平均 0.3D程度 Ho JD, et al : Effects of aging on anterior and posterior corneal astigmatism. Cornea 2010. 正確な角膜乱視の評価 術前検査前にCLを中止 HCL, toric-sclは2w前 SCLは1W前より オートケラトを3回測定 バラツキが大きければドライアイ精査 角膜形状解析装置 プラチド型 TMS スリットスキャン型 ORBSCAN シャインプルーフ型 Pentacam 前眼部OCT CASIA 角膜不正乱視の評価 フーリエ解析 球面成分 正乱視成分 非対称成分 高次不正乱視成分 不正乱視を有する症例での トーリックIOLの適応 円錐角膜 角膜変性症 PTK後 角膜移植後など トーリックIOL適応か否かのポイント 術前の矯正方法 眼鏡 or HCL 術後の矯正方法の希望 フーリエ下記席 正乱視成分 vs 非対称成分 フーリエ解析 術前矯正 術後矯正 IOLの適応 正乱視 非対称 HCL(KB矯正困難) HCL Non-TORIC 正乱視 非対称 KB(HCL使用不可) KB TORIC or Non-TORIC 正乱視 非対称 KB(HCL使用不可) KB TORIC トーリックIOLの適応に注意が必要な場合 正確な嚢内固定ができない場合 Zinn小帯脆弱 断裂例 後嚢破損時 若年者 角膜乱視が経年的に変化する 5年ごとに0.18Dずつ倒乱視化 角膜不正乱視を有する症例 アトピー白内障 術後に水晶体前後嚢の癒着が起こらず 術後2年で回旋した報告あり* *高木麻里ら: 術後2年でトーリック眼内レンズの回転を認めたアトピー性白内障の1例. IOL&RS, 2017.
第 41 回日本眼科手術学会学術総会教育セミナー 8 眼内レンズの選択の基本多焦点眼内レンズ 宮前平おがわ眼科クリニック小川智一郎 多焦点 IOL の満足度 患者の求める見え方と実際の見え方 視力 視機能 明視域 コントラスト感度 グレア ハロー 2018.1.27 京都 多焦点 IOL 構造 多焦点 IOL 焦点 屈折型 isii (HOYA) LENTIS Mplus (Oculentis) 回折型 ReSTOR (Alcon) TECNIS Multifocal(AMO) TECNIS Symfony(AMO) FineVision (PhysIOL) 2 焦点 近方加入度数のバリエーション 3 焦点 遠方 中間 近方 EDOF:Extended Depth of Focus 焦点深度拡張型 屈折型多焦点 IOL 光学部が遠方と近方の領域 光は屈折領域別に遠近に分配 瞳孔径により遠 近の光量が変化 遠 近 回折型多焦点 IOL 回折原理で光の焦点を遠近に分ける 遠方 (40%) 近方 (40%) 瞳孔径に依存しない 入射光の 20% を喪失 コントラスト感度の低下 1 次回折 0 次回折 遠 近用焦点 遠用焦点
EDOF(Symfony) 焦点深度を拡張 焦点深度曲線が 1 峰性 自然な見え方 遠方から 65cm(50cm) まで EDOF(Symfony) コントラスト感度低下が軽度 入射光喪失が 8% 色収差を補正 グレア ハローが軽度 近方は眼鏡 多焦点 IOL の比較 多焦点 IOL の選択 遠方視 近方視 コントラスト感度 グレアハロー 瞳孔径 屈折型回折型 EDOF 大変良い明所ではクリア 中距離はクリア近距離は見にくい 明所では良好 3 種の中では最も発生しやすい 影響される若年者向き瞳孔が広がらない高齢者では遠用単焦点レンズと同じ効果 視力は良好クッキリ感が劣る 大変良い薄暗くても良好 少し劣る Waxy vision に注意 発生しやすい夜間運転に注意 影響されない 大変良い 中距離はクリア近距離は見にくい 低下は軽度 発生しにくい 影響されない 種類 加入度数 生活スタイルに合わせて 職業 読書 ( 距離は個人差 ) PC 料理 運転 適応判定 眼鏡をかけない事を重視する人 仕事上 美容上 眼鏡が使えない 今までメガネをかけたことがない 少しぐらい見にくいことは我慢できる 眼鏡をかけてでもくっきりみたい 近方をしっかりみたい 単焦点 IOL 適応判定 白内障である Refractive lens exchange は コントラスト感度低下が問題 良好な術後矯正視力が期待できる 角膜不正乱視 視野 黄斑機能