167 特集 防災の水工学 河川流の乱流力学とモデリング * 名古屋工業大学工学部冨永晃宏 Turbulence Dynamics in River Flows and Its Modeling Akihiro TOMINAGA, Faculty of Engineering, Nagoya Institute of Technology (Received 1 May, ; in revised form 1 July, ) 1 はじめに河川において流れを理解することにはいくつかの意義がある. まず洪水時には堤防高さ ( 実際には余裕高を引いた計画高水位の高さ ) までの水深でどれだけの流量を流しうるかが問題となる. これは開水路乱流の抵抗則の話であり, 河道の摩擦損失を与える粗度係数の評価が最も重要となる. 河川の境界条件は何一つ同じものはなく, 河床材料, 河道内植生, 断面形状, 護岸 護床工の人工粗度等の抵抗の評価や, 断面変化や粗度の急変等の局所的抵抗の評価が必要である. しかし, 流れに抵抗を与えるこれら個々の要素の積み重ねから全体の抵抗を予測することは困難であり, 全体の平均としての, 見かけの粗度係数を経験的に導くにとどまる. また, これらの精度を検証するには, 河川の正確な流量を知る必要があるが, これがまた困難である. 河川はまた, 土砂を境界に持つ河道が洪水によってどのように変形するかという問題も抱えている. この場合はもう少し流れの詳細が必要となり, 流速分布や乱れの大きさが重要となる. 局所的な洗掘や堆積は別にして, 底面の土砂の輸送を考えるには, 掃流力 (= 底面せん断応力 ) の把握が必要であり, 砂粒子の掃流限界には乱れの考慮が不可欠である. 浮遊砂の巻き上げの評価については乱れの組織構造にまで展開することもある. また, 最近では, 河川の自然環境保全の見地から, 特に河川植生が存在する流れ構造の問題が注目を集めるようになった. また, 河川の境界には非一様性が普遍的に存在しているが, 河川の環境的要素を考慮した管理が要求される中で, これまで見かけ上の粗度係数の変化に * 466-8 名古屋市昭和区御器所町 E-mail: tominaga.akihiro@nitech.ac.jp 含められていたような複雑な流れ構造の影響を合理的に説明することが求められるようになった. 河道横断面形状に起因する潤辺粗度の非一様性, 複断面河道や樹木群を有する河道の横断方向流速の不均一に伴う付加せん断応力の評価, 二次流を伴う3 次元的流れの影響の考慮等がなされている. これらは, 近年の実験 観測技術の進歩や数値予測手法の発達によって新たな展開を見せており, 活発な研究が行われている. さらに, 蛇行, 湾曲といった河道平面形状ならびに水制や床止めのような河川構造物の河川流に及ぼす影響も河川工学上は重要な課題であり, 様々な角度から研究されている. ここでは, 河川の実務的側面よりも流体力学的側面から見た流れとしての特性に重点を置き, 河川流において見られる複雑な境界条件のうちできるだけ基本的な要素のみに着目し, これまでの研究成果を振り返るとともに, 今後解決すべき課題を明らかにしようとするものである. 一様な開水路流れの乱流構造河川の流れは言うまでもなく乱流であり, せん断乱流の基本的特性を有しているが, 自由水面を有している点と, 境界条件に自然的要素が強く複雑である点が特徴といえる. 流れのスケールから見れば, 日本の河川では, 水深で数 cm から数 m, 川幅で数 m から数 m の範囲で, 水深で規定されるレイノルズ数は 4 から 8 程度である. 開水路流れの河床の抵抗は最も基本的な課題であり, 水位計算や河床変動計算の基礎となるものである. 河川流の断面形状や粗度の不均一による 3 次元性については次節に譲り, ここでは横断方向には一様な 次元的な流れ場について検討したものを取り上げる.
168.1 滑面開水路の乱流構造 流れの抵抗則を得るには, 流速分布やレイノルズ 応力分布といった乱流の内部構造を明らかにする必要がある. その基本となる滑面開水路の乱流構造については詳細な研究が行われ, 普遍的な乱流特性がかなり明らかとなっている.Nezu & Rodi 1) は, 開水路乱流を LDA を用いて詳細に計測し, 乱れ特性量の普遍分布特性を明らかにした. また, これらは Nezu & Nakagawa の IAHR モノグラフ Turbulence in Open-Channel Flows ) に詳しい. 高い精度の実験結果から, ウエイク関数を付加した開水路乱流の対数則分布式が提案されている. U 1 U* z Π π z = ln + A + sin (1) U κ ν κ h * ここに,U は平均流速, U * は摩擦速度,z は底面からの距離,ν は動粘性係数, h は水深であり, カルマン定数 κ =. 41, 積分定数 A =. 9 であるとした. また, ウエイク関数のパラメータ Π については, レ イノルズ数 R *( = U* h / ν ) 以下ではほぼゼロで, R* 1. では Π. に収束するとしている. 開水路流れは自由水面があるため, 間欠的バルジ運動を有する境界層流れに比べて小さな値となっている. さらに, 乱れ強度については, 重要な普遍分布式が提案されている ). ( Ck z h) ( Ck z h) ( C z h) u' / U* = Du exp / () v' / U* = Dv exp / (3) w' / U* = D exp (4) w k / ここに, u' = u, v' = v and w' = w であり, それぞれ主流方向 ( x ), 横断方向 ( y ) および鉛 直方向 ( z ) の乱れ強度である. 開水路乱流において定数項は, C k = 1., D u =. 3, D v =1. 63, Dw =1.7 が与えられている. これらの結果は開水路乱流の研究者によって数多く引用されている. また, 開水路流れのバースティング現象についても4 象限区分法等により,ejection,sweepの特性が明らかにされている ).. 種々の粗度を有する開水路の乱流構造開水路流において河床はほとんど粗面であり, 移動床では河床が河床波の形成によって変形したり, 粗い河床材料や植生など浸透性のある場合があったり, 多種多様な場合が考えられる. したがって, 河川においては粗面乱流の特性を理解することが必要である. 粗面に対する対数則は, U 1 z + z d = ln + B U k () * κ s と表現され, z d は対数則の仮想底面の粗度頂部高さからの距離, k s は相当砂粒粗度高さである.B は積 + 分定数で, 粗度レイノルズ数 k s = U* ks / ν の関数であり, k + が十分大きい完全粗面では s B = 8. となる. 粗面の形態は多種多様であるが, 代表的に一様稠密粗度, 桟粗度に関して詳細な実験がある. 直径 d の球形の一様稠密粗度では仮想底面高さは z d = d / 4 とされる ). 桟型粗度では桟粗度の高さ d と桟の間隔 L との比によって変化し, L / d が8~で摩擦損失係数が最大となる特性が明らかにされている 3-). いずれの粗度においても, 粗度近傍の粗度の後流に影響される層 (roughness sublayer) 6) より上の外層で対数則が成立し, カルマン定数 κ は滑面と変化がないことが知られている,7). 乱れ強度についても外層ではほぼ普遍分布式に従うが, 底面近傍では滑面に比べて減少する. レイノルズ応力についても底面近傍を除く外層で理論上の直線分布式 uw U = 1 z / h (6) * が成立する. 粗面乱流の抵抗特性は,roughness sublayer より上の外層における乱流構造の普遍特性を利用して, 摩擦速度を適切に見積もることで推測できる. 現地計測においては電磁流速計を用いた計測が主流であったが, 最近では超音波ドップラー流速計 (ADV) を用いた実河川における乱流計測が盛んに行われるようになった. 乱れ計測においてはドップラーノイズの除去が課題となっており種々の議論があるものの, 現地条件下での計測の容易さと比較的高い計測精度により普及が進んでいる. ここでは著者らが河川においてADVによって計測した例を示す 8). 計測条件を表 1に, 図 1,,3に平均主流速, レイノルズ応力および乱れ強度の鉛直分布をそれぞれ示す. ここに, d, d 9 はそれぞれ河床砂礫の% および9% 粒径, U m は水深平均流速, U * は対数則 () のフィッティングから計算された摩擦速度, k s は B=8.として逆算された相当粗度高さ, U *, は 表 1 現地河川における計測条件の例 (Y 川 ) t U * r 地点 A B C h [cm]. 3. 3. d [cm].76 1.19 1.19 d 9 [cm]. 3.8 3.8 U m [cm/s].7 3. 4.6 U * [cm/s]. 4.1 3.67 k s [cm] 3.1. 6.93 U *t [cm/s] 1.74 3.3 3.41 U *r [cm/s]. 3.3 3.43 Re(=U m h/ν) 4.14x 4 1.x.1x Fr(= U m / gh ).1.16.18
169 U/U * -uw/u *t u'/u *r, v'/u *r, w'/u *r 1.1.1 z /k s 1 1.4 1. 1.8.6.4. A B C eq.() 図 1 平均主流速の鉛直分布 (Y 川 ) A B C eq.(6)..4.6.8 1 z/h 図 レイノルズ応力 uw の鉛直分布 (Y 川 ). 1. 1. u'(a) v'(a) w'(a) u'(b) v'(b) w'(b) u'(c) v'(c) w'(c) eq.() eq.(3) eq.(4)..4.6.8 1 z/h 図 3 乱れ強度の鉛直分布 (Y 川 ) それぞれレイノルズ応力分布式 (6) および主流方向 乱れ強度分布式 () に対する外層でのフィッティン グから求めた摩擦速度である. 現地河道では z= とな る底面位置を厳密に決定するのが困難であるため, 計測位置の河床最上部を底面としている. 主流速分布ではB 地点において河床近傍で対数則より小さくなるが, 外層の分布から摩擦速度を求めている. また, この粗面開水路流ではウエイク領域が見られず, 水面まで対数則が成立する. レイノルズ応力 uwは底面近傍でばらつくもののほぼ直線分布に従っている. 乱れ強度はz/h>.ではほぼ普遍分布式に一致しており, 式 () から摩擦速度 U * が良好に評価できる r ことが分かる. また, v ', w' も同様に式 (3),(4) に一致し, 非等方な乱れ特性の普遍性が高いことが確認される.3 種類の方法で得られた摩擦速度は概ね一致することがその他の計測結果からも確認されているが 9), 計測地点の河床砂礫の配列状況や前後左右の河川地形の影響などが局所的に現れることは否めない. 地点 Bでは対数則から求めた U * が乱れから 求めた他の値に比べて大きくなっているが, これは局所的粗度配置の影響が考えられる.Nikoraらは河川乱流の計測においては, 時間平均に加えて空間平均を施すことが有用であると主張している ). 上に示した乱流特性量に関する分布式は基本的に普遍的であり, これから外れる場合には, その原因が粗度の形態や二次流およびはく離流れ等のいずれによるのかを考慮する必要がある. そうした中でも乱れ強度の普遍分布関係から摩擦速度を推定する方法は計測が比較的容易で, 計測値のばらつきも少ないため有用な手法になりうると考えられる. また, 粗度高さに対する相対水深 h / d が数倍程度まで小さくなると,roughness sublayerの占める領域が増大し, レイノルズ応力の直線分布式 (6) に対する欠損が底面近傍領域で顕著となることが指摘されている 11). このレイノルズ応力の欠損は一様な球形粗度の場合にも見られており, 粗度要素間の鉛直平均流速の場所的変化に伴う運動量輸送に起因すると考えられるが, 実験精度の問題から今後も検討すべき課題である 1). 河川乱流においても乱流モデルとしてはk-εモデルが用いられることが多い. 粗面乱流においても滑面と同様の乱れエネルギー発生率と逸散率の平衡を仮定し, 壁面最近点での流速に粗面対数則式 () を用いることでそのまま適用されている. 先述の河川における計測においても主流速変動のスペクトル分布がKolmogoroffの-/3 乗則に従う慣性小領域の存在が確認された 8). これから粘性逸散率 ε を評価でき, k-εモデルの妥当性が概ね確認されたが,roughness sublayerにおける乱れの平衡条件についてはさらに検討が必要であろう. また, 流速の境界条件としては河床粗度に対応する粗度高さ k を決定しておく 必要がある. 砂礫床河川では, 河床材料の粒径分布から得られる代表粒径と関係づけられれば都合がよいが 13), 流れ場に影響される場合が多く一義的に決定するのは困難である. 一方, 自然環境に配慮した河川管理が提唱される中で, 底面に植生を有する開水路流れが多くの関心を集めている. 植生層内では植生密度に応じた固有の流速場が存在し, ここでは乱れ強度はあるものの, レイノルズ応力が発生しない流れ場となる. 植生層と上層との境界面では流速分布に変曲点が現れ, レイノルズ応力が発生する 14). 清水らは植生の個々の要素を空間的な粗視化によって平均した流れの基礎方程式の中に植生の形状抵抗を与えるとともに,k-ε モデルの輸送式の中に植生による乱れの生成項を記述することで計算に取り入れた 1). このような流れ場は通常の粗面流れとは見かけ上 s
17.3 Exp. for squ. (h/d=16) Cal. for squ. (h/d=16). Exp. for squ. (h/d=) Cal. for squ. (h/d=). f.1... L/d 1 図 4 開水路桟粗度乱流における摩擦損失係数 f と 16) 相対桟間隔 L/ d の関係の計算による予測異なるようであるが, 粗度要素の密度が小さい場合には同様の現象が認められ, 粗面流れに含めて考えることができると考えられる, 空間平均的な粗度による形状抵抗を考慮した乱流モデルによって統一的に扱うことも今後検討すべき課題である. また, 空間平均とは逆に粗度要素を一つ一つ境界条件として組み込み通常の滑面の境界条件のもとで乱流モデルを計算することにより, 結果的に粗度要素の効果を予測する手法も考えられる. 桟粗度については, 低 Re 数 k-εモデルを用いて, 正方形断面の相対水深 h/ d が 通りの桟粗度について相対桟間隔 L / d を変えて計算した結果, 摩擦損失係数 f と相対桟間隔の関係を良好に再現することができた 16,17). これを図 4に示す. また, 三角形の断面を持つ桟粗度のケースでは抵抗がこれらよりも増大することが報告されているが 18), 粗度要素の形状に対応した乱れ構造の変化を予測できるかどうかは乱流モデルの検証課題である. 最近では, 河川流にLES 計算を適用する例も見られるが, やはり壁面の境界条件の取り扱いが課題となっている 19,). これについてはさらなる現地での河川乱流に関するデータ収集が必要である. その他の粗度については, 河床波を想定した波状の河床条件の下での乱流構造に関心が高い. この場合は単に河床形状による抵抗の変化よりも,1 波長間の流れ構造の再現や周期的で組織的な流れ構造と浮遊砂輸送プロセスの解明に焦点が当てられている 1,). また, 河床波発達状態で活発になる組織構造と水面にわき上がる渦構造として知られるコルク ボイル渦の形成に関する検討が行われている 3). これらは3 次元の渦構造であることから, 近年では DNSによる数値シミュレーションが行われ, バースティングに見られるヘアピン渦が水面に達してコルク ボイル渦となるプロセスが再現されている 4). 植生についても, 流れに対して変形しない剛な植生に加えて, 変形し揺動する柔な植生も対象とされる ). いずれの場合も植生層と上層の境界における大きな流速勾配によるせん断不安定に起因する組織渦構造が顕著に観察される点が特徴である.Nezu & Sanjoはこうした植生キャノピーが存在する開水路流れの乱流構造に関して詳細なレビューを行っている 6). 植生が流れによって組織的な揺動を示す現象は空気流に対しては穂波と呼ばれるが, 水草に関しては藻波 (Monami) 現象として検討されている. 河川流の防災的な観点からは, 護床ブロックや護岸ブロックの安定性が問題となる. これらについては直接抗力や揚力を計測する実験から経験的な安定限界を算定することが主体となっている. 人工的ブロックはまた, 生態系にとって有益な多様な空間を提供することもあり, 今後は粗度近傍の流れ構造を詳細に把握した上で自身の安定性と周辺への影響を予測していくことが必要となろう..3 自由水面の効果河川流のもう一つの特徴としては自由水面を有する点が挙げられる. 管路流の対称面や境界層外縁と異なり, 自由水面は一種の壁のような働きをし, 長さスケールの減少をもたらす. フルード数が小さい場合には乱れ強度の鉛直成分が自由水面近傍で大きく低減することが知られている,7). これは自由水面で乱れのエネルギーが流速変動の鉛直成分から主流方向および横断方向に再配分される割合が増加するためである.k-ε 乱流モデルにおける自由水面での境界条件としては, 水面で乱れエネルギー k に減衰係数をかけることで表現できる,8). この条件は後の章で述べる乱れに起因する二次流の形成に与える自由水面の効果として重要である. 一方, フルード数が大きくなるにつれて水面変動が増加し, 鉛直成分への再配分率が増加して鉛直方向乱れ強度が増大することが指摘されている 9). 自由水面における乱れの特性は, 水面を通してのガス交換に重要な役割を果たしており, 乱れの組織構造や風による波動と共存する場合の乱れ構造に関する研究も活発に行われている. 3 直線開水路の断面形状と二次流河川の抵抗則や河床変動をより高精度に評価するためには, 開水路の断面形状の違いや側壁 護岸の粗度等が流速の3 次元分布構造や壁面せん断応力の局所的分布に与える影響を明らかにすることが必要とされる. 開水路の3 次元的な流れ構造を支配する
171 要素として壁面の摩擦抵抗とともに二次流がかなり大きな役割を果たしていることが知られている. この二次流の発見は, 幅の狭い開水路の流速分布において最大流速が水面より下に現れる, いわゆる velocity dip 現象を説明するために推測されたものである 3,31). 二次流は非常に流速が小さいため以前は計測が困難であったが, 近年の詳細な計測によってその構造が明らかとなり, 流速分布のひずみや局所的せん断応力の増減との関係が明らかにされてきた. 二次流の生成機構については次の流下方向の渦度方程式で説明される. ξ ξ ξ ξ U U U + U + V + W = ξ + η + ζ t x y z x y z + + x z y y z + + ν ξ vw z y ( v w ) uv uw (7) W V ξ = (8) y z Prandtl の第 1 種の二次流は式 (7) の右辺第 1 項の渦度の引き延ばしに起因するもので, せん断流れに遠心力が働く湾曲部の二次流に代表される流れである. 直線河道の二次流は右辺第 3 項の乱れの非等方, 非一様性に起因し,Prandtl の第 種二次流と呼ばれる. 長方形の閉管路において等流速線が角に向かって突出する現象を説明する二次流パターンでは, 開水路のvelocity dip 現象が説明できず, 開水路では自由水面の存在が二次流パターンを変化させていることが予想される. 図 は長方形断面の閉管路と開水路, 側壁を傾斜させた台形断面開水路および複断面開水路の二次流構造の変化を模式的に示したものである 3-3). これらの二次流構造の変化は, 水平方向と鉛 直方向のレイノルズ垂直応力の差,( v w ) の分布にしたがって二次流の構造が変化することが流下方向の渦度方程式 (7) の解析から示されている 36). 閉管 路では ( v w ) は隅角部の角の 等分線を軸として対称な分布を示すことから, コーナーへ向かう二次流が発生するのに対し, 開水路では自由水面の効果によりコーナー対角線に対する対称性が崩れるため, 側壁側の渦 Aが自由水面に沿って水路中央側へ拡大し, 底面側の渦 Bが縮小する. 水面に沿う二次流 Aによる側壁付近の低速流の中央への輸送が velocity dip 現象をもたらしたのである. このような二次流構造の存在は, 実験水路だけでなく規模の大きい野外の流れ場でも観測された 37). 図 6は, 水路幅 4.1m, 水深 1.6m, 平均流速.4mの用水路で計測さ れた主流速, 二次流, 垂直応力差 ( v w ) の分布で A B (a) 長方形断面閉管路 C A B (b) 長方形断面開水路 C B A (c) 台形断面開水路 (c) 複断面開水路図 断面形状の変化に伴う二次流構造の変化ある. レイノルズ数は6.1x, フルード数は.11で U/U max 1. z/h.... 1. 1... y/h (a) 主流速 Ψ/(U max h) (x 3 ) (v -w )/U * 1. 1. z/h z/h...... y/h 1... y/h 1. (b) 二次流流線 (c) 二次流発生項図 6 開水路乱流三次元構造に関する野外計測結果ある. 最大流速は水面より下に現れ,velocity dip 現象が明らかであり, 二次流構造もNezu & Nakagawa の実験水路における結果 3) とよく一致している. 式 (7) における二次流発生項であるレイノルズ垂直応力差についても実験水路における計測結果と同様であることがわかる. この二次流は乱れの非等方性に起因することから, 壁面の粗度の変化や側壁の傾斜によってその生成機構が影響される. 二次流の直接計測や主流速分布の変化特性より, 長方形断面の側壁の粗度が底面の粗度に対して大きくなるにつれて, 二次流の横断方向スケールが増大することが指摘されている 36). 側壁を傾斜させるとやはり乱れの非等方非一様効果が変
17 化し, 二次流構造が変化する 3,36). 長方形断面における水面側の渦 Aが消滅し, これとは逆回転の新たな二次流 Cが水面と側壁で挟まれた空間に発生し, 底面側の渦 Bがより発達する. その結果 velocity dip 現象は見られなくなり, コーナーへ向かう流れが卓越するようになる. 複断面開水路では低水路と高水敷の境界で斜めに上昇する流れが特徴的である. このような開水路特有な二次流の再現には, 乱れの非等方性を考慮したレイノルズ応力モデルまたは代数応力モデルが適用される 38,39). 水面の境界条件としては, 自由水面を弱い壁と仮定して逸散率に壁関数を適用し, 長さスケールを調整する方法がとられた. 二次流は長時間平均された流れ構造であり, 瞬間的な渦構造の集積された結果であることから, 横断面内の流れの可視化から二次流構造を説明しようとする試みもみられ, 底面隅角部および水面隅角部において拘束された縦渦構造が時間平均され二次流構造をもたらすことが示された 4-4). 一方, 数値計算においてもDNSによる長方形断面開水路の乱流計算が行われており,velocity dipをもたらす水面側の二次流に加えて, 水面と側壁に挟まれた領域にこれとは逆回転の渦 Cの存在を予測している 43). これは河川の側岸付近によく見られるボイル現象を説明するものとされる. また, 台形断面の側壁付近で発達した二次流はこの渦が発達した可能性がある. 以上はいずれも側壁の存在が二次流発生の原因となっていたが, 底面粗度や掃流砂, 浮遊砂等の不均一からも二次流が発生することが知られている. 木下は木曽川の洪水時における水面の航空写真に流れに平行な縞模様ができていることを発見し, 水深規模の縦渦群である並列らせん流を推定した 44). このような例は河床の縦筋の発生や浮遊砂濃度分布の横断方向変化特性などからも推測されている. また, 流れに平行な桟粗度などの縦筋形状の底面への設置や横断方向に不均一な粗度の配置によって二次流を生成させることができる 4-47). この例として, 粗面と滑面を水深間隔で横断方向に配置したときの二次流構造, 主流速コンターおよび乱れ強度コンターを図 7に示す 48). 粗面上で下降流, 滑面上で上昇流を生じ, 主流速は底面粗度よりもむしろ二次流に支配され, 粗面上で増大, 滑面上で減少する. 乱れ強度, レイノルズ応力は底面近くでは粗面上が大きく滑面上が小さいが, 底面から離れると二次流による輸送が卓越し, 粗面上が小さく滑面上が大きくなる. 第 種二次流の流速は, 平均主流速の約 ~4% 程度と小さく, 高精度の計測が必要とされる. しかし, 二次流は継続的に運動量を輸送するため, 主流速分布や底面せん断応力分布には大きく影響する. 逆に 粗面滑面粗面滑面粗面 図 7 粗面と滑面を交互に配置した開水路流れの二次流, 主流速, 乱れ強度の分布主流速や底面せん断応力の分布形状から二次流のパターンをある程度推測することができる. 二次流を強制的に与えたシミュレーションから, 二次流は平均主流速のわずか% でも大きく主流速分布を変化させ, 底面せん断応力 τb に ± % の変動を生じさせることが知られる 49). したがって, 二次流の変形に伴い底面せん断応力の最大値が大きく変化する可能性がある. 特に台形断面ではコーナーへ向かう二次流が発達するためコーナー付近のせん断応力が増大することに注意しなければならない. 4 湾曲開水路の二次流と流れ河道の湾曲部は堤防の洗掘, 水位上昇, 流水抵抗の面から治水上マイナスの働きをすると考えられるが, 豊かな生態系を育む自然環境を提供し, また変化に富む河川の景観美を与えている. 湾曲部の流れは遠心力に起因する二次流の発生と, これによる湾曲部外岸側の洗掘および内岸側の堆積という河床変動によって特徴づけられる. 中小河川のような比較的幅水深比の小さな場合の湾曲部では, 側壁や断面形状の影響を受けて二次流構造が変化しやすいものと考えられ, 構造物による制御を考える上でも, 二次流構造を良く理解することが重要である. 最も単純な長方形断面の湾曲部における二次流構造を図 8に示す ). 図 8(d) に示す (a),(b),(c)3 断面における二次流をそれぞれ示している. 図は下流から見た図となっており, 右側が外岸側である. 二次流は湾曲部入口から発達し始めφ=6 の湾曲出口で最大となり, ここから減衰していく. 二次流渦は通常の湾曲部の二次流に加えて外岸に直線開水路で見
173 z(cm) z(cm) R- (a) φ=3.um z(cm)1 3 4 6 7 8 9 R- (b) 1 φ=6.um 3 4 6 7 8 9 R- (c) x'=13cm 1.Um 3 4 6 7 8 9 FLOW (a) B=.9m (b) (d).8m θ =6 (c) 3.6m R=.7m 図 8 長方形断面開水路湾曲部の二次流の発達過程られた水面側の渦が存在している. 前者を湾曲渦, 後者を外岸渦と名付けることとすると, 外岸渦は流下とともに発達し, 水深規模の渦になり, 湾曲渦は水路幅の約 7% 程度の規模に縮小する. 湾曲上流 9cmの平均せん断応力で無次元化された底面せん断応力の平面コンターを図 9に示す. 底面せん断応力の極大値は, 湾曲開始点近くの内岸沿いから流下するにつれて湾曲終了後の直線部の外岸付近へと移動している. この外岸のピーク位置は明らかに二次流の下降流位置に対応している. 次に, 台形断面開水路の湾曲部における側壁傾斜角の減少に伴う二次流構造の変化を図 に示す 1). θ=6 では基本的に長方形断面と同様の二次流構造を示している.θ=4 では側壁の傾斜角の減少に伴い外岸渦が明確に形成されず, 傾斜側岸上の狭い範囲に限られた小規模の弱い渦構造が残るだけである. その結果, 外岸の側壁コーナー付近で下降する渦が単独で存在するようになる.θ=3 では外岸渦が全く見られなくなり, 湾曲渦が全断面をカバーする単一渦構造となる. ただし, 内岸コーナー付近を中心とする強い回転成分を持つセルの存在が認められる. 以上のような湾曲開水路流れの数値予測については, 杉山らが自由水面の境界条件を直線開水路の場合と同様とした代数応力モデルによって詳細に検討している,3). 特に, 外岸における外岸渦の発達を良好に再現しており, 湾曲部における第 種二次流と第 1 種二次流の相互作用を明らかにしている. η(cm) 9.8.6 6 1 1. 3 1. 1.4 1.6-3 -6-9 - - -18 R- τ bx /τ bxo -.8 1-4 -9 9 18 7 ξ(cm) 治水的には河川湾曲部外岸の洗掘と内岸の堆積が問題となり, これには二次流が大きな役割を果たしていることから, 人工的構造物によって二次流を制御しようとする試みが行われている. この例として, 底面に設置するベーン工や護岸に設置する桟粗度などがある 4,). これに対し, 流れに平行な桟粗度などの縦筋形状の底面への設置や横断方向に不均一な粗度の配置によって二次流を生成させることができる 6-8). このように, 乱流構造の詳細な知見を元に積極的に流れ構造を制御しようとする試みも続けられている. このことは治水と環境の両立を目指す河川管理のあり方を考える上で重要なテーマであり, 複雑な断面形状についても流れ構造を実験的に明らかにすることが必要であると同時に, 数値予測手法の発達に期待するところが大きい. その他の河川乱流の特徴 その他の河川乱流を特徴付ける要素として, 土砂輸送の影響, 洪水時の非定常性の影響, 横断方向の速度差による付加抵抗などがあげられる. 土砂輸送 1.4 1. 1.6 図 9 底面せん断応力コンター T-1 Section 6 6.Um z(cm)1 6 3 4 6 7 8 9 z(cm)1 T- Section 6 6.Um 3 4 T-3 Section 6 6 6 7 1.8 8 4 9.Um z(cm)1 3 3 4 6 7 8 9 図 台形断面湾曲水路の二次流構造の変化
174 の影響については, 浮遊砂を含む流れにおいて, カルマン定数の減少が指摘されている.Nezu & Azuma はPTV 法により流体と粒子の運動を同時に計測した結果, 粒子濃度の増加とともにカルマン定数が減少することを確認している 9). また, 壁面近傍ではより高速な粒子が降下することにより粒子速度が流体より大きくなり, その結果流体の乱れ強度を増大させることを示した 6). 洪水流は現地での観測からその水位上昇期および下降期で大きく流れ構造が変化することが指摘されている. まず, 横断方向に一様な 次元的流れの鉛直方向の乱流構造の非定常流に対する応答特性が実験的に検討されている 61,6). さらに, 時間的非定常性を場所的非一様性に置き換えて, 加速 減速流あるいは圧力勾配の流れに及ぼす効果を検討した研究がある 63,64). 開水路の洪水流では, 水位ピークより前に流速のピークが現れることは知られているが, 乱れ強度およびレイノルズ応力は増水期の方が大きくなり, 減水期は小さくなることが確認された. 管路流と比較すると, 開水路の増水期が管路の減速流すなわち圧力勾配が流れ方向に減少する流れに, 減水期が管路の加速流すなわち圧力勾配が流れ方向に増加する流れに対応付けられることが示された 9). また, これらの研究により, 非定常流れにおいても対数則が成立すること, せん断応力のピークは水位ピークより前に現れることなどが明らかにされている. 洪水時の流れは水面にボイルや砂の巻き上げをともなう激しい流れであり, 河床形態との関連もあるが, これを現地で計測しようという試みがなされている 6,66). 洪水時には大規模な乱流構造が存在し, 強い低速上昇流が発生していることが示され, 水面勾配と摩擦速度の関係が現地計測と実験が比較検討されている. 今後さらに洪水時の河床変動と流れのデータ数を蓄積することが望まれる. 横断方向の河床高や粗度の違い, 植生の分布, 構造物の存在等により横断方向に流速差が生じる. このような横断方向せん断流の存在は, 運動量の活発な交換を引き起こし, 付加的抵抗を生じさせ, 流速の横断分布を支配する. 河川においては洪水時の水位予測に関係する非常に重要なテーマであり, 複断面流れを含め数多くの研究がなされてきた. これについてはあまりに多岐にわたるため, ここでは触れずに別の機会に譲ることとする. 6 おわりに以上, 河川乱流における流体力学的な課題についてこれまでの研究を振り返ってみた. 次元開水路 の基本的乱流特性はかなり普遍性が高く, 実河川への適用可能であることが確かめられているが, 底面粗度の特性値の評価が課題として残されている. 比較的幅の狭い河川では, かなり複雑な境界条件における3 次元的乱流構造が明らかにされ, 抵抗特性もより合理的な評価へと向かいつつある. 流れの内部構造の詳細な検討が, 直接洪水流や開水路流れの抵抗評価には結びつかない場合も多いが, 環境輸送問題を考える上では必要な知見となりうるであろう. また, 河道の安定維持を考える上では, 河床せん断応力の場所的な分布や乱れの大きさ等の情報が必要とされる. 高度な開水路の抵抗評価を行う過程で, これらに関する情報が考慮されていかなければならない. また, 数値シミュレーションは, 個々の抵抗要素を組み合わせて総合的に評価することができ, 有力な手法として確立されてきた. ただし, 河川における実際の粗度係数や抗力係数および混合係数等の評価自体が問題として残されている. 実河川における乱流計測も活発に行われるようになったが, やはり洪水時の乱流構造については計測が困難であり実態は明らかではない. これについては今後さらに観測を続けて解明していかなければならない問題であろう. 引用文献 1) Nezu, I. and Rodi, W.: Open-channel flow measurements with a Laser Doppler Anemometer, J. Hydraulic Engineering, ASCE, 11- (1987) 33-3. ) Nezu, I. and Nakagawa, H.: Turbulence in open-channel flows, IAHR Monograph, Balkema (1993) 3) 足立昭平 : 人工粗度の実験的研究, 土木学会論文集,4 (1964) 33-44. 4) Knight, D. W. and Macdonald, J. A.: J. Hydraulic Engineering, ASCE, -6 (1979) 67-69. ) 冨永晃宏 : 桟粗度の相対桟間隔が開水路の乱流構造に及ぼす影響, 水工学論文集,36 (199) 163-168. 6) Raupach, M. R., Thom, A. S. and Edwards, I. A.: A wind tunnel study of turbulent flow close to regularly arrayed rough surface, Boundary-Layer Meteorology, 18 (198) 373-397. 7) Tominaga, A. and Nezu, I.: Velocity profiles in steep open-channel flows, J. Hydraulic Engineering, ASCE, 118-1 (199) 73-9. 8) 冨永晃宏, 榊卓也 : 川幅急変部を有する砂礫床河川における乱流計測と摩擦速度の評価, 応用力
17 学論文集,1 (9) 673-68. 9) 冨永晃宏, 金田雪雄, 神谷昌文 : 河川湾曲部における3 次元乱流構造の現地計測と底面せん断応力の評価方法, 水工学論文集,38 (1994) 77-73. ) Nikora, V., McLean, S., Coleman, S., Pokrajec, D., McEwan, I., Campbell, L., Aberle, J., Clunie, D. and Koll, K.: Double-averaging concept for rough-bed open-channel and overland flows: Applications. J. Hydraulic Engineering, ASCE, 133-8 (7) 884-89. 11) 中川博次, 辻本哲郎, 清水義彦 : 粗度近傍の組織的流速変動場が相対水深の小さな流れの乱流構造に及ぼす影響, 水理講演会論文集,33 (1989) 487-49. 1) 大本照憲,Sukarno Tohirin, 松田健作 : 開水路粗面乱流における抵抗則と運動量輸送, 水工学論文集,4 () 979-984. 13) Smart, G. M.: Turbulent velocity profiles and boundary shear in gravel bed rivers, J. Hydraulic Engineering, ASCE, 1- (1999) 6-116. 14) 清水義彦, 中川博次, 辻本哲郎, 北村忠紀 : 直立性植生層を伴う流れ場の構造に関する実験的研究, 土木学会論文集,438 (1991) 31-4. 1) 清水義彦, 中川博次, 辻本哲郎 : 直立性植生層を伴う流れ場の数値計算に関する研究, 土木学会論文集,447 (199) 3-44. 16) Tominaga, A., Liu, J. and Nagao, M.: Numerical study of turbulent structure over strip roughness in open channel flow using a low Reynolds number turbulence model, 土木学会論文集,1 (199) 7-37. 17) Tominaga, A., Liu, J., Nagao, M. and Nezu, I.: Numerical study on turbulent structure over square and circular strip roughness in open channel flows, Flow Modeling and Turbulence Measurements, 6, Balkema, (1996) -1. 18) 冨永晃宏, 田本典秀 : 三角形断面桟型粗度を有する開水路流れの乱流構造, 応用力学論文集, () 77-734. 19) 笠井大彰, 中山昭彦 : 複雑境界上乱流の LES 計算における壁面モデルの検証, 水工学論文集, 3 (9) 1-6. ) 柴田良一, 中山昭彦 :LES による実河川河床掃流力の予測, 応用力学論文集,1 (9) 681-689. 1) 禰津家久, 門田章宏, 賀建勳 : 開水路河床波上の乱流構造に関する数値シミュレーション, 水工学論文集,41 (1997) 669-674. ) 野口和則, 禰津家久, 山上路生 : 河床波の発達に伴う浮遊砂流れの乱流構造変化と粒子 流体の相互作用に関する研究, 応用力学論文集, (7) 83-81. 3) 中川博次, 禰津家久, 松本利典, 金沢文彦 : 開水路河床波上の乱流構造と組織渦に関する研究, 水工学論文集,33 (1989) 47-48. 4) 林俊一郎, 大本照憲, 滝川清 :DNS 解析による砂堆型河床上の組織的渦構造の解明, 水工学論文集,46 () 38-39. ) 池田駿介, 金沢稔 : 可撓性を有する沈水性植生内外の流れ及び植生境界で発生する組織渦の3 次元構造について, 水工学論文集,38 (1994) 34-3. 6) Nezu, I. and Sanjo, M.: Turbulence structure and coherent motion in vegetated canopy open-channel flows, J. Hydro-Environment Research, (8) 6-9. 7) 禰津家久, 中山忠暢 : 自由水面近傍の乱流構造と水面変動との関連性に関する研究, 土木学会論文集,93 (1998) 69-78. 8) Gibson, M. M. and Rodi, W.: Simulation of free surface effects on turbulence with a Reynolds stress model, J. Hydraulic Research, IAHR, 7 (1989) 33-44. 9) 中山忠暢, 禰津家久 : 開水路流れにおけるバーストの水面近傍での挙動及び乱れ構造との関連性について, 土木学会論文集,63 (1999) 31-4. 3) Sternes, F.P.: On the current meter, together with a reason why the maximum velocity of water flowing in open channels is below the surface, Trans. of ASCE, 1-16 (1883) 331-338. 31) Gibson, A.H.: On the depression of the filament of maximum velocity in a stream flowing through on open channel, Proceedings of Royal Society, London, England, series A, 8 (199) 149-19. 3) Nezu, I. and Rodi, W.: Experimental study on secondary currents in open channel flows, Proc. of 1st IAHR Congress, Melbourne, (198) 11-119. 33) 冨永晃宏, 江崎一博 : 長方形断面開水路流の3 次元乱流構造に関する実験的研究, 土木学会論文集,37 (198) 81-88. 34) 冨永晃宏, 江崎一博, 禰津家久 : 台形断面開水路流の三次元乱流構造に関する実験的研究, 土木学会論文集,381 (1987) -63. 3) A. Tominaga and I. Nezu, Turbulent Structure in Compound Open Channel Flows, J. Hydraulic
176 Engineering, ASCE, 117-1 (1991) 1-41. 36) Tominaga, A., Nezu, I., Ezaki, K. and Nakagawa, H.: Three-dimensional turbulent structure in straight open channel flows, J. Hydraulic Research, IAHR, 7-1 (1989) 149-173. 37) 禰津家久, 冨永晃宏, 中川博次 : 河川乱流の野外計測と 次流に関する研究, 土木学会論文集, 467 (1993) 49-6. 38) Naot, D. and Rodi, W.: Calculation of secondary currents in channel flow, J. Hydraulics Division, ASCE, 8 (198) 948-968. 39) Naot, D.: Response of channel flow to roughness heterogeneity, J. Hydraulic Engineering, ASCE, 1 (1984) 168-187. 4) 今本博健, 石垣泰輔, 梶間厚邦 : 開水路流れの側壁近傍における3 次元特性について, 水理講演会論文集,31 (1987) 431-436. 41) 今本博健, 石垣泰輔 : 台形断面開水路流れの3 次元構造に関する実験的研究, 水工学論文集,33 (1989) 17-. 4) 石垣泰輔, 今本博健, 塩野耕二 : 開水路側壁近傍の壁面せん断力分布と流れの3 次元構造について, 水工学論文集,39 (199) 761-766. 43) 林俊一郎, 本田逸郎, 大本照憲 : 開水路水面隅角部に生じる二次流の推進機構の解明, 水工学論文集,48 (4) 6-66. 44) 木下良作 : 航空写真による洪水流の解析, 写真測量, 6 (1967) 1-17. 4) 中川博次, 禰津家久, 冨永晃宏 : 各種河床条件における縦渦を伴う流れの乱流構造, 京都大学防災研究所年報,4,B (1981) 31-338. 46) 中川博次, 禰津家久, 冨永晃宏 : 二次流を伴う流れの乱流構造について, 水理講演会論文集,6 (198) 469-474. 47) 中川博次, 禰津家久, 冨永晃宏, 若井健 : 開水路流れの並列らせん流の発生機構について, 水理講演会論文集,7 (1983) 91-96. 48) 冨永晃宏, 中村悦由, 高橋正良 : 縦筋河床上の三次元乱流構造について, 土木学会第 13 回関東支部技術研究発表会講演概要集,(1986) 66-67. 49) 冨永晃宏 : 河川構造物の治水 環境機能, 水工学に関する夏期講習会,4A (6) 7.1-7.. ) 冨永晃宏, 長尾正志, 千葉茂樹 : 幅水深比の小さな長方形断面開水路の湾曲部流れ構造に関する実験的研究, 土木学会論文集,67 (1998) 19-8. 1) 冨永晃宏, 長尾正志, 大沼保仁 : 台形断面開水路湾曲部の 次流構造, 水工学論文集,4 (1998) 89-9. ) 杉山均, 秋山光庸, 亀澤正之 : 曲がり開水路乱流の構造解析と二次流れ遷移に関する研究, 土木学会論文集,7 (1997) 11-1. 3) 杉山均, 杉山真悟 : 粗面河床を有する曲がり開水路乱流に関する研究, 土木学会論文集,747 (3) 71-83. 4) 大同淳之 : 護岸粗度の制御による局所洗掘の防止, 水工学論文集,3 (1991) 49-. ) 仲村学 高松諭 福井吉孝 吉川秀夫 : 河川護岸の設計に関する基礎的研究, 水工学論文集,37 (1993) 69-74. 6) Tominaga, A., Nezu, I. and Nagao, M.: Turbulence control of channel flow by forced secondary currents over longitudinal ridge, Proceedings of 9th Turbulent Shear Flows, (1993) 14.4.1-14.4.6. 7) 杉山均, 秋山光庸, 山中和典, 平田賢 : 縦筋を伴う三次元河川流路の乱流構造解析, 土木学会論文集,479 (1993) 81-9. 8) 杉山均, 秋山光庸, 田島文敬, 佐藤誉之 : 三次元乱流場における第二種ボイル生成に関する研究, 土木学会論文集,33 (1996) 17-136. 9) Nezu, I. Azuma, R.: Turbulence Characteristics and Interaction between Particles and Fluid in Particle-Laden Open Channel Flows, J. Hydraulic Engineering, ASCE, 13- (4) 988-1. 6) 東良慶, 禰津家久 : 浮遊砂流の流速分布と乱流変調に及ぼす壁面粗度の影響, 水工学論文集,49 () 17-. 61) 中川博次, 裲津家久, 石田吉宏, 門田章宏, 藤本英典 : 管路及び開水路における非定常流れの乱流構造の相違について, 水工学論文集,37 (1993) 93-98. 6) 禰津家久, 門田章宏, 中川博次 : 開水路乱流の粘性底層および壁面領域に及ぼす非定常効果, 水工学論文集,39 (199) 833-838. 63) 禰津家久, 門田章宏, 戸田孝史 : 定常開水路における加速 減速流の乱流構造に関する実験的研究, 水工学論文集,4 (1996) 7-76. 64) 鬼束幸樹, 浦勝, 秋山壽一郎, 松岡定和 : 緩やかな逆圧力勾配を伴う開水路流の実験的研究, 水工学論文集,39 (199) 391-396. 6) 日野幹雄, 村山宣義 : 多点同時計測システムによる実河川洪水流中の3 次元大規模乱流構造の測定 (), 水工学論文集,37 (1993) 787-79. 66) 長谷川和義, 市埜順也, 山下彰司, 崇田徳彦 : 洪水時流速分布の計測と結果の解析, 水工学論文集,41 (1997) 977-984.