医療被ばく低減施設認定 に関するアンケート 平成 30 年度技師長サミット 一般社団法人新潟県診療放射線技師会調査 福利厚生部長成田信浩
目的 厚生労働省の 医療放射線の適正管理に関する検討会 の方針として 2020 年 4 月施行を目指し 医療法の省令を改正し 医療被ばく線量記録の義務化 することが示された. CT 血管撮影 IVR-CT SPECT-CT PET-CT は必須 その他は努力義務 医療被ばく線量記録の義務化 のその先へ 将来的に診療報酬 ( 医療放射線安全管理責任者の新設など ) へ反映させることが目標! 医療被ばく低減施設 認定取得の推進 日本診療放射線技師会認定 医療被ばく低減施設 認定取得に向け 県内各施設の現状を把握し認定取得を目指す施設を支援することを目的とする.
被ばく線量の記録を義務化 厚生労働省は医療放射線による患者等の被ばくの低減を図ることを目的に 医療法施行規則を改正し 各医療機関に被ばく線量を記録することを義務化する方針を固めた 厚生労働省の 医療放射線の適正管理に関する検討会 で審議された内容で X 線 CT やIVR 等の被ばく線量が比較的高い検査に関してその線量値の記録を求めるとともに 同一部位の撮影であるにもかかわらず施設間で被ばく線量が数倍も異なる現状を踏まえ 最適化に向けた診断参考レベル (DRL) の導入等も検討されている 法令改正後は医療機関側の対応準備期間を数年設けた上で施行される予定ですが 現在 日本診療放射線技師会が行っている医療被ばく低減施設認定やレントゲン手帳等の施策はより重要視されて行くことが予想される 日本放射線公衆安全学会 HPより
医療被ばく低減施設認定取得セミナー
方法 新潟県診療放射線技師会に所属する診療放射線技師が勤務する施設へのアンケート調査 (web 入力 ) 質問項目 ( 取得するための必須項目が中心 ) 1. 施設状況について 2. 医療被ばく管理について 3. 医療被ばく低減について 4. 医療機器管理について 5. 日本診療放射線技師会認定 医療被ばく低減施設認定 について
アンケート回収 アンケート依頼送付施設数 135 施設事前調査 : 医療施設 129 施設 X 線 CT 保有施設数 循環器撮影装置保有施設数 98 施設 22 施設 有効アンケート回収 ( 回答 ) 施設数 32 施設 ( 回答率 24.8 %)
1. 施設状況について
回答施設分類 施設区分 施設数 回答施設数 循環器撮影装置保有施設数 CT 装置保有施設数 公的機関 ( 国 都道府県 市町村 日赤 済生会 厚生連 国民健康保険団体連合会 ) 45 14 15 38 社会保険 ( 独立行政法人地域医療機能推進機構 健康保険組合及びその連合会 共済組合及びその連合会国民健康保険組合 ) 2 1 1 2 医療法人 49 11 3 39 その他 ( 公益法人 学校法人 社会福祉法人 医療生協 会社 その他の法人 ) 26 5 3 15 個人 7 0 0 4 除外 ( 養成学校, 保健所 ) 6 - - 0 施設規模等不明 - 1 1 1 合計 135 32 23 99
病床数 施設区分 無床 299 100 199 200 299 300 399 400 499 600 699 700 公的機関 ( 国 都道府県 市町村 日赤 済生会 厚生連 国民健康保険団体連合会 ) 社会保険 ( 独立行政法人地域医療機能推進機構 健康保険組合及びその連合会 共済組合及びその連合会国民健康保険組合 ) 4 1 2 1 2 1 1 1 医療法人 1 2 2 3 1 その他 ( 公益法人 学校法人 社会福祉法人 医療生協 会社 その他の法人 ) 1 2 1 1 個人 施設規模等不明 1
平均常勤医師数 ( 総人数 施設数 ) [ 人 / 施設 ] 病床数 公的機関 社会保険 医療法人 その他 個人 不明 無床 1.0 0.0 99 5.4 3.0 100 199 15.0 88.7 9.0 4 200 299 24.0 8.8 14.0 300 399 23.0 49.0 400 499 351.0 35.0 81.0 600 699 180.0 700 288
平均常勤診療放射線技師数 ( 総人数 施設数 ) [ 人 / 施設 ] 病床数 公的機関 社会保険 医療法人 その他 個人 不明 無床 2.0 1.3 99 2.4 3.0 100 199 5.0 9.0 5.0 6.0 200 299 11.0 4.3 10.0 300 399 10.0 11.0 400 499 25.0 8.0 25.0 600 699 29.0 700 32.0
平均非常勤診療放射線技師数 ( 総人数 施設数 ) [ 人 / 施設 ] 病床数 公的機関 社会保険 医療法人 その他 個人 不明 無床 0.0 1.0 99 0.4 2.0 100 199 0.5 1.3 0.5 0.0 200 299 0.0 0.3 0.0 300 399 0.0 1.0 400 499 0.5 0.0 0.0 600 699 5.0 700 10.0
平均放射線管理士 ( 総人数 施設数 ) [ 人 / 施設 ] 病床数 公的機関 社会保険 医療法人 その他 個人 不明 無床 0.0 1.0 99 0.3 0.0 100 199 0.0 0.0 0.0 0.0 200 299 2.0 0.0 0.0 300 399 1.0 0.0 400 499 0.0 0.0 0.0 600 699 0.0 700 0.0 不明は0 人として処理
平均放射線機器管理士 ( 総人数 施設数 ) [ 人 / 施設 ] 病床数 公的機関 社会保険 医療法人 その他 個人 不明 無床 0.0 1.0 99 0.3 0.0 100 199 0.0 0.0 0.0 0.0 200 299 1.0 0.0 0.0 300 399 1.0 0.0 400 499 0.0 0.0 0.0 600 699 0.0 700 0.0 不明は0 人として処理
2. 医療被ばく管理について
2-1 病院職員に医療被ばく低減に関する啓発 ( 教育訓練 ) が行われていますか 施設区分 実施施設数 実施対象 実施回数 公的機関 2 看護師 1 2 社会保険 1 放射線診療従事者 1 医療法人 0 その他 0 個人 0 不明 0 実施率 9.4%
2-2 患者の医療被ばく相談あるいは質問に回答できるための自家データ ( 検査ごとの臓器別被ばく線量等 ) を整備していますか. 検査種 施設数 施設区分 施設数 公的機関 5 社会保険 0 医療法人 1 その他 1 個人 0 不明 0 整備率 12.5% 一般撮影 5 ポータブル 3 マンモグラフィ 4 CT 7 核医学 1 X 線 TV 5 血管撮影 2 オペ室イメージ 0 骨密度 0 その他 0
2-3 患者等からの要請があれば患者が受けた検査 治療による被ばく線量等を示すことができますか検査種施設数 施設区分 施設数 公的機関 10 社会保険 0 医療法人 6 その他 3 個人 0 不明 1 可能率 62.5% 一般撮影 7 ポータブル 2 マンモグラフィ 7 CT 19 核医学 2 X 線 TV 10 血管撮影 8 オペ室イメージ 1 骨密度 0 その他 1
2-4 線量管理システム ( ソフト ) を導入されていますか 施設区分 施設数 公的機関 3 社会保険 0 医療法人 0 その他 0 個人 0 不明 0 検査種名 日本メト ラット Radimetrics GE 社製 DoseWatch 導入率 9.4%
2-5 患者の医療被ばく相談あるいは質問に回答するためのマニュアル ( 資料 ) がありますか. 検査種施設数 施設区分 施設数 公的機関 4 社会保険 0 医療法人 3 その他 1 個人 0 不明 1 設置率 28.1% 一般撮影 8 ポータブル 6 マンモグラフィ 5 CT 8 核医学 5 X 線 TV 6 血管撮影 4 オペ室イメージ 2 骨密度 2 その他 1 放射線被ばく相談員 (JART)
2-6 レントゲン手帳等による患者対応が行われていますか 施設区分 施設数 公的機関 0 社会保険 0 医療法人 0 その他 0 個人 0 不明 0 設置率 0.0%
2-7 検査 治療マニュアル及び手順に医療被ばく低減及び医療安全に関する観点を取り入れていますか検査種施設数 施設区分 施設数 公的機関 4 社会保険 1 医療法人 5 その他 3 個人 0 不明 0 設置率 40.6% 一般撮影 12 ポータブル 9 マンモグラフィ 6 CT 10 核医学 4 X 線 TV 9 血管撮影 5 オペ室イメージ 3 骨密度 4 その他 0
2-8 検査 治療ごとにガイト ライン (DRLs など ) との比較検討が行われていますか 検査種 施設数 施設区分 施設数 公的機関 7 社会保険 1 医療法人 4 その他 1 個人 0 不明 0 一般撮影 7 ポータブル 2 マンモグラフィ 4 CT 12 核医学 1 X 線 TV 4 血管撮影 4 オペ室イメージ 0 設置率 40.6% 骨密度 0 その他 0
2-9 患者の被ばく線量に関するデータを正しく評価し把握していますか 検査種 施設数 施設区分 施設数 公的機関 3 社会保険 0 医療法人 1 その他 2 個人 0 不明 0 一般撮影 3 ポータブル 0 マンモグラフィ 5 CT 6 核医学 2 X 線 TV 6 血管撮影 5 オペ室イメージ 0 把握率 18.8% 骨密度 1 その他 0
2-10 検査 治療毎に患者の被ばく線量あるいは被ばく線量を評価できる情報がすべて記録されていますか 検査種 施設数 施設区分 施設数 公的機関 6 社会保険 0 医療法人 4 その他 4 個人 0 不明 0 一般撮影 5 ポータブル 2 マンモグラフィ 5 CT 12 核医学 3 X 線 TV 5 血管撮影 6 オペ室イメージ 1 記録率 43.8% 骨密度 2 その他 0
3. 医療被ばく低減について
3-1 再撮影 再検査等の防止対策を行っていますか 施設区分 施設数 公的機関 5 社会保険 1 医療法人 8 その他 4 個人 0 不明 0 対策実施率 56.3%
3-2 性腺防護等 患者の被ばく低減基準を定めていますか 施設区分 施設数 公的機関 2 社会保険 0 医療法人 4 その他 1 個人 0 不明 1 対策実施率 25.0%
3-3 小児の撮影条件等の決定方法を定めていますか 検査種 施設数 施設区分 施設数 公的機関 6 社会保険 0 医療法人 2 その他 1 個人 0 不明 0 対策実施率 28.1% 一般撮影 8 ポータブル 3 マンモグラフィ 0 CT 9 核医学 2 X 線 TV 1 血管撮影 1 オペ室イメージ 0 骨密度 0 その他 0
4. 医療機器管理について
4-1 撮影 撮像装置等の主装置の保守管理を行っていますか 検査種 施設数 施設区分 施設数 公的機関 14 社会保険 1 医療法人 10 その他 4 個人 0 不明 1 対策実施率 93.8% 一般撮影 19 ポータブル 11 マンモグラフィ 14 CT 29 核医学 9 X 線 TV 20 血管撮影 13 オペ室イメージ 11 骨密度 10 その他 0
4-2 周辺装置 備品等の保守管理を行っていますか 施設区分 施設数 公的機関 10 社会保険 1 医療法人 7 その他 4 個人 0 不明 0 対策実施率 68.8%
4-2 放射線管理用機器 ( 線量計など ) の保守管理を行っていますか 施設区分 施設数 公的機関 10 社会保険 1 医療法人 6 その他 3 個人 0 不明 0 対策実施率 62.5%
5. 日本放射線技師会が認める 医療被ばく低減施設認定 について
5-1. 医療被ばく低減施設認定 をご存知ですか 施設区分 施設数 公的機関 10 社会保険 1 医療法人 9 その他 4 個人 0 不明 1 知名度 78.1%
5-2 今後 放射線管理士 または 放射線機器管理士 を取得する予定の技師はいますか 施設区分 施設数 公的機関 1 社会保険 0 医療法人 1 その他 0 個人 0 不明 0 取得予定 6.3%
5-3 今後 医療被ばく低減施設認定 を取得する予定はありますか 施設区分 施設数 公的機関 1 社会保険 0 医療法人 2 その他 0 個人 0 不明 0 取得予定 9.3%
5-4 医療被曝の線量記録の義務化 に向けて準備を進めていますか 施設区分 施設数 公的機関 9 社会保険 0 医療法人 0 その他 1 個人 0 不明 0 準備率 31.3%
5-4 医療被曝の線量記録の義務化 に向けて準備を進めていますか はい の場合の具体的な内容について 現システムで既に電子カルテ上に被ばく線量が記録されているため CT の検査数が少ないので EXCEL で対応できるか思案中です 管理ソフトの導入検討及び予算申請. メーカーの勧めで 近々勉強会をやる予定 装置導入を検討中. 被ばく低減認定施設取得する過程にて準備を進める予定 委員会を設けて問題提起をしてもらっている 今後 放射線管理士 機器管理士をスタッフに取得させ 被ばく低減や安全管理意識を芽生えさせたい また線量記録については各モダリティの線量情報を概ね取得しており 後はこの情報をいかに整理するかである 管理ソフトを購入するか自作ソフトで運用するかはまだ決めていない 新規装置導入時 撮影条件の保存と線量ソフトとの接続を予算に組み込み導入していく予定です 情報収集中
5-4 医療被曝の線量記録の義務化 に向けて準備を進めていますか いいえ の場合の理由を教えてください まだ内容を把握しきれていない為. 勉強不足 まだ具体的な内容が不明だから. 医療被曝の線量記録の義務化について詳細を把握していない 管理ソフトの導入等のコストがかかるため 知らなかった. どう対応したらよいかわからないため. 情報収集中. 詳しい情報がわからないから. 具体的な内容や記録事項についての詳細が不明のため 様子見中です. 認識したのが最近であった為 部門長から具体的な指示がない 部署内の動きが鈍い これから 具体的な記録方法が明文化されていないため 医療機器において医療被曝線量の実側値がどのように表示されているのか具体的には不明 これから情報を集める予定. 知らなかったので 厚生労働省からの正式発表を待っている.
まとめ 被ばく線量管理義務化への関心は高い 検査 治療時の被ばく線量を提示できる施設も多い JART の 被ばく低減施設認定 の認知度も高い 取得を目指す施設は 3 施設であった 取得に向けてたハート ルとして レントゲン手帳の導入運用について ( 強制ではない ) 実線量測定 散乱線測定 マニュアルの仕様について ( フォーマットなし オリジナルで OK)