食品衛生管理の考え方 第 5 章食品衛生管理 適切な取り扱い 良好な作業環境 ( 一般衛生管理 ) SSOP 増やさない排除する 汚染させない 汚染が無い 安全な原材料 ( コンプライアンス ) 1 安全な食品を調理する条件 1) 安全で衛生的な かつ品質の良好な原材料の使用 2) 食品取扱い者を含めて清潔で衛生的な作業環境の確保 ( 汚染防止 ) 一般的衛生管理プログラム 殺す 増やさない つけない 持ち込まない 3) 食品の取扱いにより危害発生を防止 ( 増幅防止および排除 ) 増やさない 殺す Hazard Analysis Critical Control Point 危害分析必須 ( 重要 ) 管理点モニタリング ( 監視 ) システム 内容 食品の製造 加工過程において重点的管理箇所を常時集中的に管理管理内容をすべて記録製品の衛生的安全確保を図る Hazard Analysis and Critical Control Point あらかじめ HA( 危害分析 ) を行って最終製品に存在してはいけない危害要因を明確にして危害要因を管理するための方法 ( 管理手段 ) も明確にして危害分析に基づいて決定された CCP( 重要管理点 ) で食品中の危害要因を人の健康を損なわないレベルに確実に減少させることによって 食品の安全を確保する衛生管理手法 システムの歴史 1960 年代アメリカアポロ計画の宇宙食 1993 年 Codex 委員会 システムの適用に関するガイドライン 1994 年 FDA 食品の加工輸入に導入を提案 1995 年 FDA 水産食品に規定策定 1
わが国におけるシステムの導入 1995 年食品衛生法改正 による衛生管理手法を取り入れた 総合衛生管理製造過程 の承認制度導入承認の対象食品 1 乳 2 乳製品 3 食肉製品 4 魚肉練り製品 5 容器包装詰加圧加熱食品 ( 缶詰 レトルト ) 6 清涼飲料水 営業者が自ら直接厚生労働大臣に申請する個別認証制度 承認基準に適合していた場合 厚生労働大臣は承認を与える システムとは ~ 危害の発生を予防する道具 ~ どのような危害があるかを分析 (HA) 重要なチェックポイントを決める (CCP) 徹底的にそのポイントを管理 記録 食品の危害が出ないようするシステム システムの特徴 1. 食品の安全性確保 2. 予防を目的とした衛生管理 3. 科学的根拠に基づくシステム 4. 原材料の搬入から最終製品の搬出まで 5. 工程 ( 集中 ) 管理システム 6. マニュアル化 : 7 原則 12 手順 7. 記録化 ( 文書化 ) 8. 自主衛生管理システム 導入の利点 1) 従来の出荷前検査が軽減 2) 衛生管理の透明性と強化 3)システム ( の考え方 ) の導入が取引条件 4)PL 法対策 導入にあたっての問題点 1) コスト ( 設備導入など ) 食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法 ( 手法支援法 ) ハードの弱点はソフト ( 一般的衛生管理プログラム ) でカバー 2) 従業員教育 システム 洗浄 殺菌 微生物など 一般的な 積み上げ = 順序がある PRPs Education 重大な事故を防ぐ 2
調理での 全て同じ重要度 = 全てやらないと機能しない 一般的衛生管理フ ロク ラム PP=PRP =Prerequisite Programs 不可欠の 必須の 必須条件 前提条件 1 施設設備 機械器具の衛生点検 2 施設設備 機械器具の保守点検 3 従事者の衛生教育 4 鼠族 昆虫等の防除 5 使用水の衛生管理 6 排水及び廃棄物の衛生管理 7 従事者の衛生管理 8 食品等の衛生的な取り扱い 9 製品等の回収方法 10 製品等の試験検査に用いる機械器具の保守点検 一般的衛生管理プログラム PRP 整備しておかなければならない衛生管理計画製造環境を整備し 清潔にして CCP の管理に注意を集中させることができる 10 項目 管理事項を SSOP に基づいて実施し その結果を記録 検証する このプログラムが正しく実行されれば, で管理する項目が減り, 効率よく危害を排除できる 一般的衛生管理プログラム システムを構築するための前提条件 1)GMP(Good Manufacturing Practice) 適正製造基準調理施設などのハード面 ( 施設設備 ) の約束事 2)SSOP(Sanitation Standard Operating Procedures) 衛生標準作業手順書調理施設におけるソフト面 ( 洗浄 殺菌など ) の手順書 SSOP (Sanitation Standard Operating Procedure) 衛生標準作業手順書 1) いつ どこで 誰が 何を どのようにするか を決めたもの 2) 要件実行可能 具体的 裏付け ( 理由 ) がある 誰でもできる 手順が明示 責任と権限 見やすい 使いやすい 常識に頼らない 人の良識や善意に依存しない すぐに取り出せる 実行できる環境を整える 実行できないときへの対応 実行したかどうかを点検 評価 改善 改良 5S 躾 ( しつけ ) または習慣 ( しゅうかん ) 整理整頓清掃清潔 改善活動 =5S 活動 3
整理 : 必要なものと必要でないものとにわけ不必要なものを取り除く 整頓 : 必要なものを必要なところへ必要な量だけ用意し 誰にでもわかるように表示する 清掃 : 微生物や異物をなくしたり減らしたりする 掃除ではない 洗剤殺菌剤を使うのが清掃 整理 整頓 片付ける 清潔 : 安全な食事提供ができる環境を整理 整頓 清掃で維持する 厨房だけでなく事務所も廊下ももちろんトイレや玄関も 作業前 作業中 作業後 日常の作業と 食品への汚染 / 混入源の排除 PRP 施設 設備 機械 器具が正常か確認 SSOPに従い 食品との接触部分の洗浄 殺菌 作業環境の管理 PRP 食品周囲の環境からの汚染を防止危害要因を確実に減少 / 排除 HA 危害要因の増加を防止する CCP ( 温度 時間管理 ) 次の作業に備える PRP マニュアルに従い後片付け 洗浄 殺菌 の基本は HA( 危害分析 ) 危害を認知していなければ管理できない 経験と勘ではなく科学的に 現場の実態を踏まえて 微生物の知識が必須 アレルゲン 化学物質などの知識も 一人でやらずにチームで は記録書類 食品に関わること 1CCP の記録 2 冷蔵庫 冷凍庫の温度管理 3 検収記録などなど 場所に関わること 1 使用水 2 排水 3 廃棄物 4 ごみ置き場 5 グリストラップ 6 トイレの清掃 消毒 7 ネズミや害虫の駆除などなど 例 人に関わること 1 健康状態 2 出勤時 3 定期 4 行為などなど システムによる衛生管理計画 手順 1 チームの編成 この計画は 12 手順を経て作成される 手順 1 ( 専門家 ) チームの編成手順 6 危害分析 (HA) 手順 2 製品の記述手順 7 重点管理点 (CCP) の特定手順 3 意図される使用方法の確認 ( 仕様用途の記述 ) 手順 8 管理基準の設定手順 4 製造工程一覧図 ( フローチャート ) 手順 9 モニタリング方法の設定及び施設の図面 SSOPなどの作成手順 5 現場での確認手順 10 改善措置の設定 製品について専門的な知識や技術をもつ人や, 機械 設備の専門家などをメンバーとするチームを編成 このチームが以下の作業を行い プランを作成します 手順 11 検証方法の設定 これは システムの 7 原則 手順 12 記録保存及び文書作成規定の設定 4
手順 2. 製品の記述 製品について, 名称および種類, 原材料, その特性, 包装形態などを明らかにします 手順 3. 使用用途の記述 いつ, だれが, どこで, どのようにして食べるのか, 製品の意図される用途を明確にします 手順 4. 製造工程図 ( フローダイヤグラム ), 図面,SSOP などの作成 原材料の収受から製品の出荷までの製造工程図や施設内の施設設備の構造, 製品の移動経路などを記載した施設の図面, 機械器具の性能, 作業の手順など製造加工上の重要な衛生管理項目を記載した SSOP を作成します 手順 5. 現場での確認 手順 4. で作成した図面や SSOP について, 製造現場で実際の作業内容と一致しているかを確認します 5
手順 6. 危害分析 ( 原則 1) 食中毒などの危害発生の可能性について考え, その原因となる危害原因物質について, どこで発生 増加するのか, その発生要因や防止策は何かなどを科学的根拠により明らかにします 手順 7. 重要管理点 (CCP) の設定 ( 原則 2) 危害の発生を防止するうえで重要 ( 必須 ) な管理点 (CCP) をどこにするのかを危害分折の結果に基づいて判断します 手順 8. 管理基準 (CL) の設定 ( 原則 3) 危害の発生を防止するためのチェック項目や基準 ( 値 ) を決めます 手順 9. モニタリング方法の設定 ( 原則 4) 危害原因物質が確実に管理基準内に収まり, コントロールされているかをチェックする方法を決定します 手順 10. 改善措置の設定 ( 原則 5) 管理基準を逸脱した場合, とるべき改善方法をあらかじめ決めておきます 原因究明や復旧作業, 製品回収も改善措置に含まれます 手順 12. 記録と保存手順の設定 ( 原則 7) 以上の手順や判断結果について, 記録する事項, 方法, 担当者, 文書の作成 管理方法などを決めておきます 手順 11. 検証方法の設定 ( 原則 6) が適切に稼働しているか, 定期的に確認するための検証方法と, 不適切な場合の修正方法をあらかじめ決めておきます 6