透析学会2010年

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本書の読み方 使い方 ~ 各項目の基本構成 ~ * 本書は主に外来の日常診療で頻用される治療薬を取り上げています ❶ 特徴 01 HMG-CoA 代表的薬剤ピタバスタチン同種同効薬アトルバスタチン, ロスバスタチン HMG-CoA 還元酵素阻害薬は主に高 LDL コレステロール血症の治療目的で使 用

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(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

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PWV 3500 3000 76/115 肢 (66.1%) EPA/AA と PWV の関係 ( 図 1) EPA 内服 (-) 10/115 肢 (8.7%) PWV の正常範囲 (1400 未満 ) EPA/AA の正常範囲 (0.6 以上 ) 2500 CORREL-r= 0.084 CORREL-l =0.066 2000 r-pwv 1500 l-pwv 線形 (r-pwv) 1000 500 0 26/115 肢 (22.6%) 3/115 肢 (2.6%) 線形 (l-pwv) Y = 185.8x + 1828. R² = 0.007 y = 135.3x + 1796. R² = 0.004 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 EPA/AA の平均 0.348±0.250 EPA/AA

PWV 3500 3000 2500 透析歴と PWV の関係 ( 図 2) EPA 内服 (-) PWV の正常範囲 PWV 正常値 (1400 未満 ):29/115 肢 (25.2%) r-pwv l-pwv 線形 (r-pwv) 線形 (l-pwv) 2000 1500 1000 500 0 0 5 10 15 20 25 30 35 y = -10.88x + 1980. R² = 0.019 CORREL-r =-0.152 CORREL-l =-0.088 y = -6.785x + 1899. R² = 0.007 year

PWV 3500 3000 2500 年齢と PWV の関係 ( 図 3) EPA 内服 (-) PWVの正常範囲 r-pwv l-pwv 線形 (r-pwv) 線形 (l-pwv) 2000 1500 1000 500 y =18.17x + 761.8 R² = 0.249 CORREL-r =0.499** CORREL-l =0.567** y = 20.23x + 593.7 R² = 0.321 0 0 20 40 60 80 100 年齢

PWV 3500 3000 心血管合併症の有無による EPA/AA と PWV の関係 ( 図 4) 心血管系合併症 (-)57/89 肢 (64.0%) 心血管系合併症 (+)20/26 肢 (76.9%) EPA 内服 (-) 心血管系合併症 (-)9/89 肢 (10.1%) 心血管系合併症 (+)2/26 肢 (7.6%) PWV の正常範囲 EPA/AA の正常範囲 2500 2000 1500 1000 r-pwv 心血管系合併症 (-) l-pwv 心血管系合併症 (-) r-pwv 心血管系合併症 (+) l-pwv 心血管系合併症 (+) 心血管系合併症 (-)50 例 (75.8%) 心血管系合併症 (+)16 例 (24.2%) 500 0 心血管系合併症 (-)22/89 肢 (24.7) 心血管系合併症 (+)3/26 肢 (11.5%) 心血管系合併症 (-)1/89 肢 (1.1%) 心血管系合併症 (+)1/26 肢 (3.8%) 0 0.5 1 1.5 EPA/AA

ABI 2 EPA/AA と ABI の関係 ( 図 5) EPA 内服 (-) 8/59 症例 (13.6%) ABI の正常範囲 EPA/AA の正常範囲 1.8 1.6 16/120 肢 (13.3%) 4/120 肢 (3.3%) 12/58 症例 (20.7%) 1.4 1.2 1 81/120 肢 (67.5%) 7/120 肢 (5.8%) 12/58 症例 (20.7%) 0.8 0.6 0.4 0.2 0 7/120 肢 (5.8%) 5/120 肢 (4.2%) CORREL-r =0.310* CORREL-l =0.310* y = -0.2457x + 1.2606 R² = 0.0996 y = -0.2362x + 1.2043 R² = 0.0981 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 EPA/AA 9 /58 症例 (15.5%) r-abi l-abi 線形 (r-abi) 線形 (l-abi)

DHA EPA/AA と DHA の関係 ( 図 6) EPA 内服 (-) 400 350 300 250 200 150 DHA ト コサヘキサエン酸 線形 (DHA ト コサヘキサエン酸 ) 100 50 0 CORREL =0.770*** y = 149.88x + 37.95 R² = 0.5922 0 0.5 1 1.5 EPA/AAA

PWV EPA 内服患者の EPA/AA と PWV の関係 ( 図 7) PWV の正常範囲 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 y = 291.42x + 1573.2 R² = 0.3734 y = 239.12x + 1765.9 R² = 0.1502 CORREL-r= 0.611** CORREL-l= 0.388 * r-pwv l-pwv 線形 (r-pwv) 線形 (l-pwv) EPA/AA >0.6 18 肢 PWV 正常 2/18 肢 (11%) PWV2000 8/18 肢 (44.4%) 0 0 1 2 3 4 5 EPA/AA

PWV 4000 EPA 内服患者の透析歴と PWV の関係 ( 図 8) PWV の正常範囲 3500 3000 2500 2000 1500 r-pwv l-pwv 線形 (r-pwv) 線形 (l-pwv) 1000 500 0 y = -8.5092x + 2158.1 R² = 0.0333 y = -11.039x + 2299.5 R² = 0.0335 0 10 20 30 40 CORREL-r =0.183 CORREL-l =0.183 透析歴

PWV 4000 EPA 内服患者の年齢と PWV の関係 ( 図 9) PWV の正常範囲 3500 3000 2500 2000 1500 CORREL-r =0.899*** CORREL-l =0.838*** r-pwv l-pwv 線形 (r-pwv) 線形 (l-pwv) 1000 500 0 y = 61.807x - 1862 R² = 0.8091 y = 74.459x - 2553.9 R² = 0.7015 40 50 60 70 80 年齢

ABI 1.8 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 EPA 内服患者の EPA/AAA と ABI の関係 ( 図 10) y = -0.0046x + 1.169 R² = 0.0004 y = 0.0285x + 1.0987 R² = 0.1367 ABI の正常範囲 EPA/AA の正常範囲 CORREL-r =0.021 CORREL-l= 0.370* r-abi l-abi 線形 (r-abi) 線形 (l-abi) 0 0 1 2 3 4 5 EPA/AA

目的 動脈硬化の進展予防効果があると言われているエイコサペンタエン酸 (EPA) ドコサヘキサエン酸 (DHA) の透析患者の摂取量について 又動脈硬化との関係について調べる 方法 対象は当院にて透析を行っている 75 名 (EPA 内服未症例 66 例 内服症例 9 例 ) 男性 57 人 女性 18 人 平均年齢 61.5±14.4 年 透析歴 9.0±7.8 年である 透析導入疾患は慢性腎不全 31 例 糖尿病性腎症 21 例 IgA 腎症 7 例 腎硬化症 4 例 先天性低形成腎 1 例 Alport 症候群 1 例 多発性嚢胞腎 1 例であった その脂肪酸 4 分画 [EPA DHA アラキドン酸 (AA) ジホモ -γ- リノレイン酸 ] を測定 動脈硬化の指標として PWV ABI を測定した EPA/AA と PWV 透析歴と PWV 年齢と PWV 心血管系合併症の有無による EPA/AA と PWV EPA/AA と ABI の関係について EPA 内服症例と未症例に分けてそれぞれ調べた また EPA 内服未症例の EPA/AA と DHA の関係について調べた 相関の強さを CORREL を用いて調べた (CORREL:0~0.2 相関なし 0.2~0.4 やや相関あり * 0.4~0.7 かなり相関あり ** 0.7~1 強い相関あり ***)

結果 EPA 内服未症例の平均 EPA/AA は 0.348±0.250 であった 図 1: EPA 内服未症例の EPA/AA と PWV には相関はなく EPA/AA<0.6 の低値群が 88.7% と低値であった PWV>1400 の動脈硬化群は 74.8% EPA/AA<0.6+ PWV>1400 は 66.1% と多かった 図 2:EPA 内服未症例の透析歴と PWV に相関はなかった 最長期透析患者では PWV が低く PWV を低く保ったからこそ長生きしたものと考えられた 図 3: 内服未症例での年齢と PWV にはかなり相関があった 図 4 心血管系合併症の有無による EPA/AA と PWV との相関関係は無かったが 心血管系合併症有は EPA/AA<0.6+PWV>1400 に 76.9% と集中していた 図 5 EPA 内服未症例の EPA/AA と ABI にはやや相関があった ABI 正常例は 73.3% であった 図 6 EPA 内服未症例の EPA/AA と DHA には強い相関があり食生活における魚の摂取量と関係があると思われた EPA 内服例は 9 例と少なかったが同様に調査した EPA/AA の平均は 1.621±1.185 で全例 EPA/AA>0.6 であった 図 7:EPA/AA と PWV 図 8: 透析歴と PWV 図 9: 年齢と PWV 図 10:EPA/AA と ABI の関係については EPA 内服未症例と同様の傾向であった EPA 内服にもかかわらず PWV 正常値は 11.1% と低く PWV1400 は 83.3% と多かった

考察 図 11: 透析患者の EPA/AA(0.348±0.250) は JELIS control 群より低値で日本人農村よりもさらに低値であり JELIS の結果等を考えるともっと積極的に EPA 接種を啓蒙すべきであると考えられた 透析患者の動脈硬化は一般的危険因子である高血圧 喫煙 高脂血症以外に尿毒素 Ca P 代謝異常 体液量の増加など より複雑でより進展していると思われるが 今回 EPA/AA と年齢で相関が明らかで 透析歴では相関が無かったことから 加齢による動脈硬化の進行は明らかであるが 透析開始以降の動脈硬化の進展は明らかではなかった 透析は動脈硬化の伸展因子ではないと考えられるのか むしろ最長期透析患者の PWV が低い事から腎不全により飛び抜けた PWV 高値症例は何らかの脳 心臓血管径合併症にて長期生存していないと言うことかもしれない まとめ 以上の結果と JELIS を踏まえ透析患者の EPA 内服による心 脳血管障害に対する 1 次予防の有効性について調査する必要があると考えられる

PWV 糖尿病の有無による PWV の比較 ( 図 11) 3000 * EPA(-) ** 2500 2000 2163.7 2067.6 1774.3 1758.3 1500 1000 500 *=0.022 **=0.054 r-pwv(nondm) l-pwv(nondm) r-pwv(dm) l-pwv(dm)

血中 EPA/AA 比の比較 ( 図 11) グリーンランドイヌイット 7.0 EPA 1,800mg/ 日服用者 ( 開発時 ) 1.9 JELIS EPA 群 1.2 JELIS Control 群 0.6 日本人漁村 0.5~0.6 日本人農村 0.4 欧米白人 0.1

JELIS JELIS 試験 JELIS(Japan EPA Lipid Intervention Study) は 日本人男女の高脂血症患者 (TC 250mg/dL) を HMG-CoA 還元酵素阻害剤投与群と HMG-CoA 還元酵素阻害剤 + 高純度 (>98%) EPA 製剤投与群の 2 群に分け 冠動脈イベントの発症について検討し EPA が冠動脈イベント発症予防に有用であることが明らかになった大規模臨床試験である 冠動脈イベント累積発生率(%0 症例数 対照群 EPA 群 冠動脈イベント累積発生率 4 3 対照群 2 EPA 群 1 )0 19% 低下 ハザード比 : 0.81 (0.69 0.95) P=0.011 1 2 3 4 5 ( 年 ) 9,319 8,931 8,671 8,433 8,192 7,958 9,326 8,929 8,658 8,389 8,153 7,924 Yokoyama M, et al. Lancet 2007; 369: 1090-8

80 (総脂肪に対する重量%)亡率(10 万人当たり)EPA 消費量と動脈硬化性疾患死亡率 ( 人 ) E P A 推定消費量比の1.50 1.00 (%) 総脂肪に対するEPAの推定比 1.44 脳梗塞死64.8 42.0 51.4 39.6 60 40 0.50 0 9.9 3.6 虚血性心疾患 1950 55 60 65 70 75 80 85 0.16 20 0 ( 年 ) 秦葭哉, 他. わが国の栄養における EPA と EPA エチルエステルの血清脂質に対する効果. 動脈硬化の発症と多価不飽和脂肪酸 - 第 3 回心臓血管薬物療法国際会議サテライト シンポジウム講演記録集 -. メディカルトリビューン ; 1990. p.48 より改変

試験方法 JELIS 試験 対象患者 高脂血症患者血清総コレステロール値 250 mg/dl 以上 男性 40 歳 ~75 歳 女性閉経後 ~75 歳試験デザイン PROBE 法 ( 前向き ランダム オープン エンドポイント盲検化比較試験 ) 観察期間 5 年間

試験スケジュール JELIS 試験 対照群 プラバスタチン 10 mg/ 日またはシンバスタチン 5 mg/ 日 EPA 群 EPA 1,800 mg/ 日 プラバスタチン 10 mg/ 日またはシンバスタチン 5 mg/ 日 臨床検査 血清脂質 血漿脂肪酸 0.5 1 2 3 4 5 登録追跡期間 ( 年 )

Matsuzaki M, et al. Circ J 2009; 73: 1283- 症例構成 JELIS 試験 19,466 例選択基準 除外基準に従うことを確認 821 例不適格として除外 18,645 例ランダムに割り付け 14,981 例一次予防群 3,664 例二次予防群 1,841 例対照群 1,823 例 EPA 群 15 例 (0.8%) 追跡不能 114 例 (6.2%) 試験中止 1,712 例 (93.0%) 5 年間追跡 1,826 例 (99.2%) 罹患まで追跡 15 例 (0.8%) 追跡不能 126 例 (6.9%) 試験中止 1,682 例 (92.3%) 5 年間追跡 1,808 例 (99.2%) 罹患まで追跡

AHA Scientific Statement グループ CHD( 冠動脈疾患 ) 非合併患者 CHD 既往患者 要 TG 低下治療患者 ( 高 TG 血症患者 ) n-3 系脂肪酸摂取の推奨 推奨内容 様々な種類の魚 ( なるべく脂肪分が多い魚 ) を少なくとも週 2 回食べる α- リノレン酸が豊富な油 ( 亜麻仁油 菜種油 大豆油 ) や食物 ( 亜麻仁 クルミ ) も含む 1 日に約 1g の EPA+DHA を なるべく脂肪分の多い魚から摂取する 医師と相談の上 EPA+ DHA のサプリメント摂取でも良い 1 日あたり 2~4g の EPA+DHA を医師の指導のもとでカプセルとして摂取する Kris-Etherton PM, et al. Circulation 2002;

EPA は細胞膜に取り込まれ多彩な作用を示す EPA を含まないリン脂質 EPA を含むリン脂質 生理活性物質 (TXA 3 PGI 3 など ) を産生する EPA が細胞膜に取り込まれる 情報伝達物質 ( サイトカインなど ) を制御する 膜タンパク

魚油はプラークにおけるマクロファージの集積を抑制する 対象 頸動脈血管内膜切除術の待機患者 188 例 方法 対照群 ( パーム油 : 大豆油 =80:20) ヒマワリ油群 ( リノール酸 3.6g/ 日 ) 魚油群 (n-3 系脂肪酸 1.4g/ 日 ) へ無作為に割り付け 手術施行前まで投与 手術後 頸動脈プラーク中のマクロファージ集積を免疫組織学的染色で検討 2.6 免疫組織学的染色の強度 : 0 1 2 対照群 13.2 84.2 ヒマワリ油群 19.4 80.6 魚油群 38.1* 61.9 * 0 20 40 60 80 100 (%) 構成割合 *p<0.05 vs. 対照群 ヒマワリ油群 Thies F, et al. Lancet 2003; 361: 477-85 より

魚油はプラークを安定化させる 対象 頸動脈血管内膜切除術の待機患者 188 例 方法 対照群 ( パーム油 : 大豆油 =80:20) ヒマワリ油群 ( リノール酸 3.6g/ 日 ) 魚油群 (n-3 系脂肪酸 1.4g/ 日 ) へ無作為に割り付け 手術施行前まで投与 手術後 AHA 分類に基づき 頸動脈プラークのグレードを評価 AHA の分類 ク レート Ⅲ ク レート Ⅳ ク レート Ⅴ ク レート Ⅵ ( 脂肪線条 ) ( 粥状プラーク ) ( 不安定プラーク ) ( プラーク破綻 血栓 ) 動脈硬化の発症 進展 対照群 ヒマワリ油群 魚油群 15.1 29.8 32.2 * *p<0.05( オッズ比 ) vs. 対照群 ヒマワリ油群 0 10 20 30 40 (%) 不安定プラーク構成割合 Thies F, et al. Lancet 2003; 361: 477-85 より作成

動脈硬化領EPA 投与により動脈硬化が抑制される 方法 ApoE 欠損マウスに西洋食 (0.15% コレステロール +15% 無塩バター ) または西洋食 +5%EPA-E を投与し 動脈硬化病変を観察 対照群 EPA 群 (%) 20 10 域0 18.7±3.1% 5.1±1.2% * *p<0.01 vs. 対照群 mean±se 対照群 (n=5) EPA 群 (n=7) Matsumoto M, et al. Atherosclerosis 2008; 197: 524-33

EPA は炎症マーカー高感度 CRP を抑制する 対象 高脂血症合併のメタボリックシンドロームの日本人 92 例 方法 対照群 (n=46) と EPA 群 (EPA 1,800mg/ 日投与 )(n=46) に割り付け 3 ヵ月後の高感度 CRP の変化量を検討 2.0 高感度CRP(µg/mL) 1.8 1.6 1.4 1.2 p<0.01 1.0 0 mean±se 前 3ヵ月後前対照群 3ヵ月後 EPA 群 Satoh N, et al. Hypertens Res 2009; 32:

EPA の多彩な作用 動脈硬化 JELIS 冠動脈疾患狭心症心筋虚血 心筋梗塞脳卒中再発 不整脈 突然死 リスク因子高脂血症高血圧糖尿病など EPA 多彩な作用 抗血栓作用血清脂質改善作用抗動脈硬化作用各種イコサノイド産生抑制抗炎症 免疫調節 リモデリング 心血管死 心室拡張 心不全

動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007 年版 EPA の位置付け [ 推奨レベル Ⅰ エビデンスレベル A] 高リスクの脂質異常症においては イコサペント酸エチル (EPA) の投与を考慮することは妥当である 推奨レベル Ⅰ: その処置や治療に有用性 効果がある エビデンスレベル A: 多くのランダム化試験やメタ解析に基づくデータがある 日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007 年版. 協和

日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007 年版. 協和 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007 年版高リスクとは 冠動脈疾患なし主要危険因子 3 つ以上 加齢 ( 男性 45 歳 女性 55 歳 ) 高血圧 糖尿病 ( 耐糖能異常を含む ) 喫煙 冠動脈疾患の家族歴 低 HDL-C 血症 (<40mg/dL) 冠動脈疾患あり糖尿病脳梗塞閉塞性動脈硬化症

篠原幸人, 他編. 脳卒中治療ガイドライン 2009. 協和企画 ; 脳卒中治療ガイドライン 2009 脳梗塞慢性期 脳梗塞再発予防 ( 脂質異常症 ) 1. 脳梗塞の再発予防に脂質異常症のコントロールが推奨される ( グレード C1) 2. 高用量のスタチン系薬剤は脳梗塞の再発予防に有効である ( グレード B) 3. 低用量スタチン系薬剤で脂質異常症を治療中の患者において EPA 製剤の併用が脳卒中再発予防に有効である ( グレード B) グレード B : 行うよう勧められる ( 良くデザインされた比較研究または準実験的研究以上 ) グレード C1: 行うことを考慮しても良いが 十分な科学的根拠がない