Microsoft PowerPoint  講演資料.pptx

Similar documents
どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

JIS Q 27001:2014への移行に関する説明会 資料1

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

AAプロセスアフローチについて_ テクノファーnews

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

ISO 9001:2015 から ISO 9001:2008 の相関表 JIS Q 9001:2015 JIS Q 9001: 適用範囲 1 適用範囲 1.1 一般 4 組織の状況 4 品質マネジメントシステム 4.1 組織及びその状況の理解 4 品質マネジメントシステム 5.6 マネジ

ISO/IEC 改版での変更点

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

ISMS認証機関認定基準及び指針

<4D F736F F F696E74202D E291AB8E9197BF A F82CC8A A390698DF42E707074>

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

Microsoft PowerPoint - 第6章_要員の認証(事務局;110523;公開版) [互換モード]

ISO/TC176/SC2/N1291 品質マネジメントシステム規格国内委員会参考訳 ISO 9001:2015 実施の手引 目次 1.0 序文 2.0 ISO 9001:2015 改訂プロセスの背景 3.0 ユーザグループ 4.0 実施の手引 4.1 一般的な手引 4.2 ユーザグループのための具

9100 Key Changes Presentation

JISQ 原案(本体)

IAF ID 2:2011 Issue 1 International Accreditation Forum Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document ISO/IEC 17021:2006 から ISO/IEC 17021:2011 への マネ

ソフトウェア資産管理(SAM)に関する調査研究の概要

JAB の認定 ~ 最新情報 公益財団法人日本適合性認定協会認定センター

Information Security Management System 説明資料 2-2 ISMS 適合性評価制度の概要 一般財団法人日本情報経済社会推進協会情報マネジメント推進センター副センター長高取敏夫 2011 年 9 月 7 日

5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

< C582C C58B4B8A6982C682CC95CF8D58935F88EA C30382D31312D33302E786C73>

ISO19011の概要について

< E9197BF C C A88D5C BA492CA29817A C982A882AF82E98FEE95F1835A834C A CE8DF4834B BD82BD82AB91E4816A5F34325F E977095D E786C7

PowerPoint プレゼンテーション

進化する ISMS ISMS 適合性評価制度の認証用基準 (ISO/IEC 27001) は 改定の度に進化している Ver. Ver. I

<90528DB88EBF96E2955B2E786C73>

図表 11に都道府県別取得件数 ( 上位 10 位 ) を 図表 12に産業分野別取得件数 ( 上位主要産業分野 ) を 図表 13に産業分野別取得件数の推移を示します 産業分野別件数 ( 図表 12) では最も多いのが 建設 の15,084 件 次いで 基礎金属 加工金属製品 の6,434 件 電

スキル領域 職種 : ソフトウェアデベロップメント スキル領域と SWD 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

5. 規格はどこから入手できますか? 規格は 国家標準化機関又は ISO から購入することができます また 多くの国では 現地の言語で入手できます 6. ISO 9000 ファミリー規格に関する情報はどこから入手できますか? ISO 9000 の品質マネジメントシステ

Copyright Compita Japan ISO33k シリーズとは? これまで使用されてきたプロセスアセスメント標準 (ISO/IEC 本稿では以降 ISO15504 と略称する ) は 2006 年に基本セットが完成し 既に 8 年以上が経過しています ISO

Microsoft Word - IRCA250g APG EffectivenessJP.doc

Microsoft PowerPoint - メイテツコム事例(掲載用)

目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

ITSMSユーザーズガイド(案)

<4D F736F F F696E74202D2091E6368FCD5F95F18D908B7982D D815B >

Microsoft Word - JSQC-Std 目次.doc

Microsoft Word - con 監査チェックリスト QMR

IAF ID X:2014 International Accreditation Forum, Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document IAF Informative Document for the Transition of Food S


4.4 マネジメントシステム プロセス 5 リーダーシップ 5.1 リーダーシップ コミットメント 組織の状況を考慮し リスク ( 不確かさに影響 ) 及び機会 ( 何かをするのによい時期 ) として取り組むことを決定した情報から適用範囲に含まれていない範囲が存在していませんか恣意的に限定した適用範

IAF 活動報告 公益財団法人日本適合性認定協会認定センター

第 5 部 : 認定機関に対する要求事項 目次 1 目的 IAF 加盟 ISO/IEC 認定審査員の力量 連絡要員... Error! Bookmark not defined. 2 CB の認定

Information Security Management System ISO/IEC 27001:2005 ISMS A Copyright JIPDEC ISMS,

実地審査チェックリスト (改 0) QA-057_____

FSMS ISO FSMS FSMS 18

15288解説_D.pptx

ビジネスにおける適合性評価の活用

する 2 利害関係者がこれを入手できる ISO14001 では利害関係者が入手可能なものとして 環境方針がある 環境方針と併せて利害関係者が要請した場合 渡すことが出来る状態にすることが必要である 一般的には自社のホームページに掲載していれば 誰でも入手可能な状態と言える (3) 環境マニュアルの例

16年度第一回JACB品質技術委員会

Microsoft Word - ISO 9001要求事項のエッセンス 改 国府保周

Microsoft Word - RM最前線 doc

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

White Paper: ISO 9001: 2015 Update – Preparing for Transition

統合化の概要次回の改訂時迄には ISO D Guide83 に沿って整合性を図った 要求事項の定義 要求事項タイトル 要求事項の順番 そして定期的な適切性や妥当性有効性等の強化を含む見直しによって追加補充や変更点への対応を含めた対応が必要とされるが 統合化の構成の概要は 以下の通りススムパートナーズ

ISO9001-whitepaper.pdf

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

ASNITE 試験事業者認定の一般要求事項 (TERP21) ASNITE 校正事業者認定の一般要求事項 (CARP21) ASNITE 試験事業者 IT 認定の一般要求事項 (TIRP21) ASNITE 標準物質生産者認定の一般要求事項 (RMRP21) ASNITE 試験事業者認定の一般要求事

<4D F736F F D2095B68F E838A F939D8D8794C55F>

ISO 制定 / 改訂の経緯 1996 年 : ISO 発行 (JIS Q14001 発行 ) 2004 年 : ISO 第 2 版発行 (JIS Q14001 発行 ) 2011 年 : ISO/TC207/SC1において 改訂を行うことを決定 2012 年 ~

目次序文 適用範囲 引用文書 用語と定義 一般要求事項 法的及び契約上の事項 法的責任 認証の合意 ライセンス, 認証書及び適合マークの使用... 5

<4F F824F B4B8A B818E968D802E786C73>

ISO/FDIS 9001 の概要 TC 176 国内委員会委員 中條武志 ( 中央大学 ) 1

JIP-IMAC a

BCMSユーザーズガイド -ISO 22301:2012対応-

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

京橋スマートコミュニティ協議会 制定 改訂履歴 改廃年月日版改訂理由作成者承認者 制定 XXXX XXXX 一次審査 XXXX XXXX 2/21

セキュリティ委員会活動報告

<4D F736F F F696E74202D2091E63389F15F8FEE95F1835A834C A CC B5A8F FD E835A835890A78CE C CC835A834C A A2E >

ISO/IEC 27000family 作成の進捗状況

目次 0. 序文 適用範囲 引用文書 用語と定義 一般要求事項 法的及び契約上の事項 法的責任 認証の合意 ライセンス, 認証書及び適合マークの使用.

Microsoft Word - ㆿㆡㆮ㆑EMS覑怼ï¼ı第丛盋_å“°å‹·çfl¨

<4D F736F F D20939D8D87837D836A B B816996E BB8DEC8F8A816A F90BB8DEC E646F63>

Microsoft PowerPoint - ISO9001規格要求事項の理解

PowerPoint Presentation

Microsoft Word HPコンテンツ案 _履歴なし_.doc

IATF16949への移行審査

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

提出を求めることが想定される 本連載は 2015 年版によるシステム変更をマニュアルに反映させるため 要求項目順に 2004 年版と FDIS の差異の説明 マニュアルの改訂例という構成で 6 回に渡り整理するものである 2.FDIS と 2004 年版の構成比較 FDIS と 2004 年版の構成

untitle

3 参照基準次に掲げる基準は この基準に引用される限りにおいて この基準の一部となる - プライバシーマーク付与適格性審査実施規程 - プライバシーマーク制度における欠格事項及び判断基準 (JIPDEC) 4 一般要求事項 4.1 組織 審査業務の独立性審査機関は 役員の構成又は審査業務

ISO/FDIS ISO 9001 の主要な変更点 1. 附属書 SL の適用 2. 組織の状況の理解と QMS の適用範囲の決定 3. プロセスアプローチの適用向上それを支援する PDCA サイクルとリスクに基づく考え方 4. リーダーシップの強化 5. 組織の意図した結果 顧客満足の向上 パフォ

レジリエンスの取り組みに 関わるディスカッション

IT コーディネータ協会と SLA ~SLA サンプルと記述のポイント ~ 特定非営利活動法人 IT コーディネータ協会 2013 年 11 月 27 日 SLA-ITSM コンサルティング 古川博康 IT コーディネータは IT 経営を実現するプロフェッショナルです

恣意的に限定した適用範囲になっていませんか 主力サイトは適用範囲外になっていませんか ( 当該サイト活動を適用範囲外することにより経営的に大きな影響を受けていませんか ) 環境マネジメントシステムの意図した成果 ( 箇条 4.1) に影響する部門 部署を除外していませんか 適用範囲に含まれるサイトと

Microsoft Word 移行監査の着眼点160402

1 主要機関の情報 ISO 改訂に関する情報 ( 調べ ) (1)( 一社 ) 日本規格協会 (JAS) の情報 第 21 回 ISO/TC207( 環境管理 ) 総会報告

2 序文この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 14001:2004,Environmental management systems -Requirements with guidance for use を翻訳し, 技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

SJAC規格の作成及び発行手順

< E F824F F C581408B4B8A B818E968D80815E F824F825794C582C682CC918A88E1935F2E786C7378>

IAF-MD 3:2008 ASRP

組織 (organization) 自らの目的を達成するため 責任 権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ 個人 又は人々の集まり 注記 1 組織という概念には 法人か否か 公的か私的かを問わず 自営業者 会社 法人 事務所 企業 当局 共同経営会社 非営利団体若しくは協会 又はこれらの 一部若しく

スライド 1

IAF MD 21:2018 International Accreditation Forum, Inc. IAF Mandatory Document OHSAS 18001:2007 から ISO 45001:2018 への移行 (Migration) に関する要求事項 Issue 1 (IA

文書管理番号

Microsoft Word - JIS_Q_27002_.\...doc

Transcription:

ISO/IEC20000 導入の ポイント 留意点について 2013 年 11 月 28 日 JIPDEC( 一般財団法人日本情報経済社会推進協会 ) 情報マネジメント推進センター副センター長高取敏夫

JIPDEC 組織図 JIPDEC( 一般財団法人日本情報経済社会推進協会 ) 設立 : 昭和 42 年 12 月 20 日 事業規模 :26 億 4,300 万円 ( 平成 25 年度予算 ) 職員数 :126 名 ( 平成 25 年 4 月現在 ) JIPDEC 広報渉外部 総務部電子情報利活用研究部プライバシーマーク推進センター 情報マネジメント推進センター 総務課 事務局 経理課 安信簡情報環境推進部 審査業務室 電子署名 認証センター 情報通信管理課 reserved 2

情報マネジメント推進センターの 主な業務内容 情報技術に関連するマネジメントシステムの認定機関としての業務及び各制度に関連する普及業務 ISMS/ITSMS/BCMS 認定システム実施に伴う諸業務 ISMS/ITSMS/BCMS 認定審査の実施 ISMS/ITSMS/BCMS 関連の委員会事務局業務 IT 資産管理 (ITAM) に関する調査研究業務 国際認定機関やフォーラム ( IAF PAC 等 ) との相互連携の推進 ISO/IECなど( 国際規格 ガイド策定等 ) への積極的貢献 reserved 3

ISMS/ITSMS/BCMS 認定システムの 実施 ISMS(Information Security Management System) とは 組織の所有している情報資産を適切に保護するために 情報セキュリティを継続的に改善するための仕組みのことである 認証機関 :26 認証取得組織数 :4,406(2013.11.6 現在 ) 認証規格 :ISO/IEC 27001(JIS Q 27001) ITSMS() とは 顧客の要件に適合したレベルの IT サービスの運用管理を実施し そのサービス品質を継続的に改善するための仕組みのことである 認証機関 :9 認証取得組織数 :183(2013.11.6 現在 ) 認証規格 :ISO/IEC 20000-1(JIS Q 20000-1) BCMS(Business Continuity Management System) とは 組織における重要業務を中断 阻害することなく 事業継続を確実にするための仕組みのことである 認証機関 :6 認証取得組織数 :47(2013.11.6 現在 ) 認証規格 :ISO 22301:2012 reserved 4

ITSMS(ISO/IEC20000-1) 適合性評価制度 ITSMS( IT サービスマネジメントシステム ) 適合性評価制度の目的は 組織における IT サービス運用管理の品質を継続的に維持 改善させることにより わが国の IT サービスの信頼性の向上に貢献することを目的とする ITSMS 適合性評価制度は JIS Q 20000-1(ISO/IEC 20000-1)( ) を認証規格とした IT サービスの運用管理に対する第三者認証制度である 情報技術 - サービスマネジメント - 第 1 部 : サービスマネジメントシステム要求事項 (Information technology-service Management-Part1 : service management system requirements :) reserved 5

サービスマネジメントシステム (SMS) の定義 3.30 サービスマネジメント (service management) サービスの要求事項を満たし, サービスの設計, 移行, 提供及び改善のために, サービス提供者の活動及び資源を, 指揮し, 管理する, 一連の能力及びプロセス ( サービスの要求事項 (3.34) を満たしたサービスの提供を実現するための サービス提供者におけるサービスの管理活動全体 ) 3.31 サービスマネジメントシステム,SMS(service management system) サービス提供者のサービスマネジメントの活動を指揮し, 管理するためのマネジメントシステム 注記 1 マネジメントシステムは, 方針及び目的を定め, その目的を達成するための, 相互に関連する又は相互に作用する要素の集まりである 注記 2 SMS には, サービスの設計, 移行, 提供及び改善のため, 並びにこの規格の要求事項を満たすために必要な, 全てのサービスマネジメントの方針, 目的, 計画, プロセス, 文書, 及び資源を含む 注記 3 JIS Q 9000:2006 の 品質マネジメントシステム の定義から部分的に採用 JIS Q 20000-1:2012 より引用 reserved 6

サービスマネジメントに適用される PDCA 方法論 Do ( 実施 ) Plan ( 計画 ) サービスマネジメントシステムサービスマネジメントプロセス Act ( 処置 ) サービス Check ( 点検 ) JIS Q 20000-1:2012 より引用 reserved 7

ITSMS ユーザーズガイド ~ 導入のための基礎 ~ の内容 基礎用語の解説 基礎的な用語 マネジメントシステムとの関係性が強い用語 IT と関係性が強い用語 適用範囲の考え方 規格の適用範囲 ( 規格の位置付けや想定される活用方法 ) ITSMS の適用範囲 ( サービス提供者が確立 ) 認証取得の適用範囲 ( 審査によって認められた範囲 ) 他のマネジメントシステムの視点からみた ITSMS 品質マネジメントシステム (JIS Q 9001) 情報セキュリティマネジメントシステム (JIS Q 27001) ITIL(IT Infrastructure Library) 導入のポイント ISO/IEC 20000-3(ITSMS の適用範囲設定に関する手引 ) ISO/IEC TR 20000-5(ITSMS の段階的導入に関する手引 ) ソフトウェア資産管理 (SAM) と ITSMS との関係 reserved 8

ガイドの構成 対象 マネシ メントシステム初めての方 ISMS ユーザ QMS ユーザ ITIL ユーザ 章 1.ITSMSとは 2. 用語の解説 3. スコーピング 4.ITSMSの段階的導入 ~ISO/IEC TR 20000-5の要点 ~ 5.ISMSユーザのためのITSMS 入門 6.QMSユーザのためのITSMS 入門 7.ITILユーザのためのITSMS 入門 8. ソフトウェア資産管理と ITサービスマネジメント 9

ISO/IEC 20000 国際規格の開発状況 国際規格規格名称最新版 ISO/IEC 20000-1 (JIS Q 20000-1:2012) ISO/IEC 20000-2 (JIS Q 20000-2:2013) サービスマネジメントシステム要求事項 サービスマネジメントシステムの適用の手引 IS IS ISO/IEC 20000-3 サービスマネジメントの適用範囲の指針 IS ISO/IEC TR 20000-4 サービスマネジメントのプロセス参照モデル TR ISO/IEC TR 20000-5 サービスマネジメントの段階的適合に関する手引き TR ISO/IEC 20000-7 サービスマネジメントのクラウドの適用に関する指針 WD ISO/IEC 20000-8 小規模組織のためのサービスマネジメントシステムの利用と利益の指針 NP ISO/IEC TR 20000-10 IT サービスマネジメントの概念と用語 DTR ITIL is a Registered Trade Mark of the Cabinet Office. reserved 10

ITSMS の適用範囲 サービス提供者は ITSMS を確立する前に ITSMS の適用範囲を定義する サービス提供者のトップマネジメントは サービスマネジメントの計画が作成され ITSMS の適用範囲が含まれていることを確実にする ITSMS と適用範囲の定義は維持してゆくこと トップマネジメントは 有効性及び妥当性を可能にする ITSMS の適用範囲のレビューに責任を持つこと 11

適用範囲に関する事例 データセンタ事業者における適用範囲設定 データセンタ事業者 ( 情報システムの運用業務やサービスを受託する企業等 ) は 規格の要求事項に相当する業務やプロセスが既に存在していることも多く あるいは適合しやすい業務があり JIS Q 20000 との親和性の高い業態であると考えられる また 第三者認証取得を公表することにより 自らの組織の管理態勢やサービスレベル及びサービス品質などが 顧客やマーケットに対するアピール材料のひとつになる データセンタ事業者は JIS Q 20000 の第三者認証制度を活用することが有効である reserved 12

企業等の IT 部門及び システム子会社における適用範囲設定 企業等における IT 部門 は 当該組織内のユーザが利用する情報システムの運用 保守などを行っている この場合は 情報システムの仕様を決定するとか 主に利用する オーナー部門 に対するサービス提供として捉えることができる また IT 部門の機能をシステム子会社としていることもあり この場合は親会社に対するサービス提供と捉えることができる このように 広く一般から受託するようなサービス提供者ではなくとも ある組織に対して IT サービスを提供し その品質の維持 向上を実践する組織は JIS Q 20000 の認証取得に対して効果的に取組むことができる reserved 13

コールセンター事業者における 適用範囲設定 reserved 14

Web システムを利用した サービス提供者における適用範囲設定 reserved 15

クラウドサービス (SaaS 型 ) における 適用範囲設定 クラウドサービス (SaaS) とは インターネットを経由して何らかのアプリケーション機能を提供するサービス形態であり クラウドサービスそのものが スコープの対象となる 顧客はクラウドサービスに対して データの所在 セキュリティ 可用性 継続性 性能 採用するフレームワークや標準などが見え難いことに対して不安を抱いている傾向にある サービス提供者はこの不安を払しょくするためにサービス品質の見える化や信頼性確保の表明が必要であり その 1 つの方法として JIS Q 20000-1 の認証取得が大いに貢献すると考えられる reserved 16

ITSMS 段階的導入 JIS Q 20000-1 の要求事項に基づく ITSMS の導入は 段階的な取組みが可能である 段階的な導入は 導入時の影響範囲を極小化することにより 関係者の理解が得られやすい場合が多く 各種資源の投入も一度に多くの資源配賦を必要としなくなる そのほか 小規模な取組みを通じて組織内外の関係者が成功体験を得られやすい 一定期間の継続的な取組みを通じて顧客 供給者との信頼関係を築きやすいなどのメリットがある 段階的な導入としては JIS Q 20000-1の要求事項を特定のサービスや特定の組織 拠点等に適用範囲を限定する場合などが考えられる ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 17

導入プロジェクトの検討事項 - ビジネスケースの策定 -( 例 ) ITサービスマネジメントシステム導入目標 ITサービスマネジメントシステムの適用範囲案 サービスレベルの改善目標 実施事項と各段階の達成目標 導入による影響度 影響範囲 ( 負荷及び資源の増減 各種変更点 ビジネスの発展 リスク 利害関係者等 ) 直接的 / 間接的なメリット及びデメリット プロジェクト体制 スケジュール 費用など ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 18

コミットメントと方針 JIS Q 20000-1 の要求事項に基づく ITSMS を導入する場合 一般的にはプロジェクトを組成することになる この ITSMS 導入プロジェクトには 実施するための資源 ( 例えば 適切な力量を持った要員 必要な調達をするための資金 ) が必要になる また 利害関係者に対する協力の要請等も含む指示 命令 報告等が必要となる したがって ITSMS 導入の際には 適切な組織決定を実施し トップマネジメントの支援及びコミットメントを得た上でプロジェクトを進めることが肝要である ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 19

ギャップ分析の考え方 JIS Q 20000-1 の要求事項を満たすマネジメントシステムを構築することを達成すべきゴールと考えた場合 JIS Q 20000-1 の要求事項に対して 現状のマネジメントシステムがどの程度一致しているかを分析することはゴールへ到達するための大変重要な活動である このギャップ分析は様々な詳細さで行うことができる 一般的には サービス提供者のニーズ そのサービス提供者の顧客基盤のニーズに合わせて調整することが望ましい ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 20

導入プロジェクトのガバナンスと マネジメント 導入プロジェクトを始めるにあたり プロジェクトチームを組成する必要がある 組織はプロジェクトが開始される前にこのプロジェクトチームの役割や権限と責任を明確にするとともに プロジェクトリーダーを特定する必要がある プロジェクトチームにはプロジェクトを成功に導くための強いリーダーシップが求められる プロジェクトリーダーには サービスマネジメントの理解のみならずプロジェクトマネジメントに関する力量をもつ要員を任命することが望まれる また 組織のガバナンスの原則や方針 組織文化等を理解しておくことが重要である ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 21

ITSMS の段階的導入目的 (1) 第 1 段階 ギャップ分析の結果 (findings) 及びビジネスケースの取り込み 確立 導入されたSMSの構成 これには サービスマネジメントの計画 初期方針 コミットメント / 説明責任 危機管理 / 事後対応的プロセスを含む 第 1 段階の完了時には サービス提供者は サービスの中断及び要求に対して迅速かつ有効に対応することに重点を置くとともに 基本的なSMS についてISO/IEC 20000-1の要求事項を満たす 方針 プロセス 手順を導入しているようになる サービス提供者は すべてのサービスと関連するコンポーネントとについての知識をもち この知識によってこうしたサービスの中断又は要求に対応できるようになる 第 1 段階終了時の状況 (status) の分析 第 1 段階の終了までに SMS が第 2 段階の基盤を提供するようになる ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 22

ITSMS の段階的導入目的 (2) 第 2 段階 第 1 段階終了時の成果分析 (achievement analysis) に基づく 計画の調整 方針の改訂 追加のプロセス 既存プロセスの統合 手順 その他の支援文書 サービス提供者は 第 2 段階完了時には サービスの中断及び要求の予測 回避を可能にする 活動 プロセス 手順 コンポーネントの管理を導入しているようになる サービス提供者は より信頼できるサービスを顧客に提供するために 自らのプロセス及び活動を安定化させているようになる また 顧客のニーズを計画に組み込むために 将来のサービス要求事項について顧客との話し合いを開始しているようになる 第 2 段階終了時の状況の分析 第 2 段階の終了までに SMS が第 3 段階の基盤を提供するようになる ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 23

ITSMS の段階的導入目的 (3) 第 3 段階第 2 段階終了時の成果分析に基づく 計画の調整 方針の改訂 ( 事前対応的な ) 最終プロセス すべてのプロセスの統合 基盤となる手順及び他の支援文書の文書化 サービス提供者は サービス文化を築き かつ 顧客の事業 / 業務及びサービス要求事項について十分に理解を深めているようになる また サービスとプロセスの有効性及び効率の測定が行われるようになる ( これには 顧客満足と提供したサービスの継続的改善とを含む ) サービス提供者は 供給者及び顧客の両方との取引関係を理解し 確立しているようになる 結果として サービス提供者は ISO/IEC 20000-1のすべての要求事項に適合するようになる 第 3 段階終了時の状況の分析 これには 完全な内部監査を含む また必要な場合には ISO/IEC 20000-1への適合のための準備を含む 第 3 段階の終了までに SMS が安定化のための基盤と継続的改善とを提供するようになる ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 24

ITSMS のガバナンスの維持 及びサービスの改善 JIS Q 20000-1 の要求事項が引き続き満たされていることを確実にするための一つの方法は ガバナンスの維持と継続的改善に対するコミットメントを確実にすることである また 継続的な改善の対象には ITSMS 提供したサービスなどにおいて 改善に必要なあらゆるプロジェクトが含まれる 従って 組織の ITSMS におけるガバナンスを維持し 継続的な改善を実施していくことが ポイントである 利害関係者のグループを任命することなどがある ( 出典 :ISO/IEC TR 20000-5:2010) reserved 25

QMS から見た ITSMS JIS Q 9001(QMS) と JIS Q 20000(ITSMS) は マネジメントシステムの基本的な形態でほぼ同じ構造を持っているが ITSMS では IT サービスの提供管理に不可欠なプロセスを特定して そのプロセスに対する要求事項が詳細に規定されている 既に QMS を導入している IT サービス事業者においては QMS で構築したマネジメントシステム部分をシステムの基礎として その上に ITSMS 固有の設計と運用のプロセスが付加できるので 効果的に ITSMS のシステムが構築できる また IT サービスに限らず事業活動が広い場合にはより広範な活動を対象とする JIS Q 9001(QMS) と JIS Q 20000(ITSMS) との共有のマネジメントシステムにすることで会社全体の管理を統合化できる reserved 26

ISO/IEC 27001 と ISO/IEC 20000-1 の対比 ( 出典 :ISO/IEC 27013:2012) reserved 27

マネジメントシステム規格の統合 組織 組織 他の MS QMS ( 品質 ) ITSMS (IT サービスマネジメント ) 統合 QMS ( 品質 ) ITSMS (IT サービスマネジメント ) ISMS ( 情報セキュリティ ) QMS:ISO 9001:2008 ITSMS:ISO/IEC 20000-1:2011 QMS:ISO 9001:2008 ITSMS:ISO/IEC 20000-1:20011 ISMS:ISO/IEC 27001:2005 reserved 28

ご清聴ありがとうございました 問い合わせ先一般財団法人日本情報経済社会推進協会情報マネジメント推進センター TEL: 03-5860-7570 FAX: 03-5573-0564 Web: http://www.isms.jipdec.or.jp/ 登録商標など引用された社名 製品名は各社の商標もしくは登録商標です reserved 29