資産課税についてのアンケート調査結果について 平成 23 年 1 月 31 日財団法人関西社会経済研究所問合先 ( 鈴木 ) 平成 23 年度税制改正において 資産課税 に関する改正が行われ 高額の遺産相続に対する課税が強化されました そこで関西社会経済研究所では 今回の税制

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図 3 世界の GDP 成長率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas Piketty ホームページ 図 4 世界の資本所得比率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas P

78 成蹊大学経済学部論集第 44 巻第 1 号 (2013 年 7 月 ) % % 40%


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野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

構成 Ⅰ 所得税改革 下向きジェットコースターの不安 格差への対応 - 所得税の四位一体改革 日本の所得税 - 負担の実態 税額控除制度の効果 Ⅱ 納税者番号制度 適正課税と利便性のための基盤整備 ドイツ ( 税務識別番号 ) イギリス ( 国民保険番号 NINO) オランダ ( 市民サービス番号

孫のために教育資金を支援するならどの制度?

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

相続対策としての土地有効活用

3. 研究の概要等 1 章では 第 1 節で相続税法の歴史的経緯について 特に贈与の位置づけの変遷を中心に概観し 明治 38 年に創設された相続税法での贈与に対する扱いはどうであったのか また 昭和 22 年のシャベル勧告により贈与税が導入され 昭和 25 年のシャウプ勧告で廃止 その後 昭和 28

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

資料 5_ 世帯年収額 世帯消費支出額 1.23 区全体 図表 1 23 区全体でのひと月当たり平均世帯消費支出額の分布 1 万円未満 万円以上 2 万円未満 万円以上 3 万円未満 万円以上 4 万円未満 27 4 万円以上 5 万円未満 万円以上

01 公的年金の受給状況

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

調査概要 調査方法 インターネット調査 調査目的 相続財産の受け取り経験や今後の可能性 相続対策の実態 相続税 贈与税改正論への意識などを把握し 今後の施策作りへの一助とする 調査対象者 50 歳以上の既婚者 サンプルソース 弊社インターネットモニター 調査実施期間 12 年 5 月 18 日 (

1 1. 課税の非対称性 問題 1 年をまたぐ同一の金融商品 ( 区分 ) 内の譲渡損益を通算できない問題 問題 2 同一商品で 異なる所得区分から損失を控除できない問題 問題 3 異なる金融商品間 および他の所得間で損失を控除できない問題

平成 22 年 11 月 25 日 資料 ( 資産課税 )

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった

資料9

税・社会保障等を通じた受益と負担について

図表 1 金融や貯蓄への関心

図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

減税のメリットが生じる 一方定額減税の場合は年収 600 万円を超える所得階級については ほぼ同じ減税のメリットを生じることになる 年収 600 万円に満たない所得階級については 現行制度のもとで 所得税をほとんど負担していないために 定額減税でもほとんど減税の恩恵は生じない 一方 定額給付金は 現

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

新信託商品受容性把握のための基礎調査 調査結果報告書 相続意識編 2013 年 8 月

(0830時点)PR版


注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

「個人投資家の証券投資に関する意識調査」の結果について

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

公益法人の寄附金税制について

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

(2) みなし相続財産ものか13 第1 章12 2 課税される 相続財産 の範囲 海外にある財産も課税対象となる 贈与税の暦年課税適用財産も 3 年以内は課税対象となる 葬式費用 墓地や墓碑 仏壇 仏具等は非課税 相続税の課税対象となる相続財産は (1) 被相続人が亡くなったときに所有していた財産

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.....J (Page 1)

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

- 平成 28 年度税制改正について ( 税制改正大綱 の概要解説 ) - 1. 法人税 改正の概要 (1) 法人税率の引下げ等 現行 28 年度 30 年度 法人税率 23.9% 23.4% 23.2% 法人事業税所得割 6.0% 3.6% 3.6% ( 標準税率 ) 法人実効税率 32.11%

住宅建築・購入者アンケート実施報告

第 7 表企業規模別及び給与階級別の給与所得者数 給与額 ( 合計 )( 続 ) その2 企業規模資本金 2,000 万円未満の株式会社 (1 年を通じて勤務した給与所得者 ) 100 万円以下 , , , ,

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おき 太郎様 Inheritance Report 相続診断書 税理士法人おき会計 平成 28 年 7 月 20 日作成

20 金融資産目標残高 今後の金融商品の保有希望 元本割れを起こす可能性があるが 収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 日常的な支払い ( 買い物代金等 ) の主な資金決済手段 ( 続き )

個人投資家の証券投資に関する意識調査(結果概要)

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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第23回税制調査会 総23-1

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

. 個人投資家の年齢層と年収 個人投資家 ( 回答者 ) の年齢層 8% 6% 28% 2~3 代 5% 2% 3% 4 代 5 代 6~64 歳 65~69 歳 7 代以上 個人投資家 ( 本調査の回答者 ) の過半数 (56%) は 6 歳以上のシニア層 昨年調査 6 歳以上の個人投資家 56%

< E9197BF88EA8EAE817995F18D D9195DB8E5A92E895FB8EAE8CA992BC82B5816A817A2E786264>

中国初の家計資産調査が示す収入・資産格差

2 累計 収入階級別 各都市とも 概ね収入額が高いほども高い 特別区は 世帯収入階級別に見ると 他都市に比べてが特に高いとは言えない 階級では 大阪市が最もが高くなっている については 各都市とも世帯収入階級別の傾向は類似しているが 特別区と大阪市が 若干 多摩地域や横浜市よりも高い 東京都特別区

税制が家計に与えた影響

第2回税制調査会 総2-2

平成19年度税制改正.xls

平成 22 年 12 月 7 日 資料 ( 資産課税 )

雑貨・インテリア店の利用に関する 調査結果

日本の富裕層は 122 万世帯、純金融資産総額は272 兆円

 

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

b. 世帯主年齢階級別 負担率 図表 II- 6-4 墨田ブロックの世帯主年齢階級別 平均負担率 図表 II- 6-5 墨田ブロックの世帯主年齢階級別 負担率の分布 合計 5% 未満 % 以上 1% 未満

相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

家計と景気に関する意識・実態調査報告書

Microsoft Word - 36号事業承継.doc

例えば毎年 子供 2 人に対し110 万円づつ贈与し続けるのであれば 10 年間で2,200 万円の財産を無税で子供に移すことができます 贈与税の基礎控除額を上手く活用する方法だけでも 計画的に行うことがどれだけ大切なのかご理解いただけると思います とにかく財産を所有している人が高齢になればなるほど

基本情報調査 性別 年齢 合計 合計男性女性その他不明 18~19 歳 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~64 歳 65~69 歳 70 歳以上不明 性別 男性女性その他不明 合計

<88F38DFC E8F8A93BE92BC914F979D985F837D E815B816A>

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927


<4D F736F F D A30318F8A93BE8A698DB782C689C692EB82CC C838B834D815B8EF997762E646F63>

参考資料

3種類の贈与税非課税制度を使いこなす

平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 日常生活に関する事項

No.21 消費税率引上げと増税対策が家計に与える影響について(全国)

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

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2017 年度税制改正大綱のポイント ~ 積立 NISA の導入 配偶者控除見直し ~ 大和総研金融調査部研究員是枝俊悟

No.21 消費税率引上げと増税対策が家計に与える影響について(全国および三重県)

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

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「生活意識に関するアンケート調査」(第6回)の結果

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2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

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Microsoft PowerPoint EU経済格差

表1.eps

平成 21 年 11 月 26 日 照会先 社会 援護局障害保健福祉部障害福祉課企画法令係 ( 担当 内線 ) 課長補佐伊藤経人 (3090) 企画法令係吉井彰規 (3148) ( 代表電話 ) 03(5253)1111 ( 直通電話 ) 03(3595)2528 障害者自立支援法の施行前後における

Transcription:

資産課税についてのアンケート調査結果について 平成 23 年 1 月 31 日財団法人関西社会経済研究所問合先 06-6441-0550( 鈴木 ) 平成 23 年度税制改正において 資産課税 に関する改正が行われ 高額の遺産相続に対する課税が強化されました そこで関西社会経済研究所では 今回の税制改正の効果を検討するため 資産課税に関し 資産課税についての調査 :18 歳以上の子どもがいる世帯主 1000 人全国アンケート を実施しました この度その調査研究結果がまとまりましたので ご報告いたします なお 本研究は当研究所の抜本的税財政改革研究会 ( 主査 : 橋本恭之教授 ( 関西大学経済学部 )) が中心になってとりまとめたものです 1. 調査研究の狙い 資産形成における相続 贈与の比重の大きさについて 相続税負担の現状について 相続及び贈与と階層の固定化の関係について 所得 保有資産と教育の関係について 2. アンケート調査結果のポイント ( 平成 22 年 11 月 29 30 日アンケート実施 ) 所得上位層(8%) に多くの資産 (24%) が集中している ( 図表 1) 資産全体の半分は資産家上位 10% に保有されて 資産保有は偏っている ( 図表 2) 高額資産保有者の資産形成は相続によるものが大部分と判明 ( 図表 3 図表 4) 3 億 ~9 億円の資産保有者の約半数は資産の 8 割が相続によるもの 高額の資産保有者の相続税実効税率は高くない ( 図表 5) 高所得層ほど子どもへの贈与が多い ( 図表 6) 階層の固定化が観察できる ( 図表 7) 例会社役員の親の 40% は会社役員 所得階層が高い家庭ほど子供に対する高額な教育投資を行い 結果としていわゆる難関校に進学させている ( 図表 8 図表 9) 3. 提言 今回の相続税改正は再配分という方向性としては評価できるものの 最高税率の引上げは金額的には効果が小さいといえる 土地を優遇する制度を改めるのが効果的である 親の資産による教育格差が存在する現状を踏まえ これ以上の教育格差拡大を防ぐため 子ども手当は必ず教育費に充当されるような支給方法 ( 教育バウチャー ) が望ましい 以上 1

図表一覧 図表 1 所得階級別資産保有シェア 所得階層上位 8% が資産の 24% を保有している 図表 2 資産保有分布 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ Ⅹ 資産階級分位 資産保有額順に並べると 上位 10% が資産全体の半分を保有している 2

図表 3 資産保有額別相続割合 ( 土地 + 金融資産 - 負債 ) 資産保有額相続割合 3 億 ~9 億円 (11 世帯 ) 4 世帯 : 相続なし 2 世帯 : 相続の割合が 8% または 14% 5 世帯 : 相続割合 80% 以上 1 億 ~2 億円 (37 世帯 ) 28 世帯 : 相続なし 9 世帯 : 相続割合 50% 超 7000 万 ~1 億円未満 (57 世帯 ) 平均資産形成相続割合 21% 4000 万 ~7000 万円未満 (137 世帯 ) 平均資産形成相続割合 21% 3~9 億円という高額資産を保有する世帯は 11 世帯存在するが 彼らの中の 5 世帯は その資産の 80% 以上が相続である 図表 4 所得階級別の相続資産継承 所得階層世帯数相続あり世帯数 相続あり世帯平均 相続あり世帯平均 割合相続資産額資産形成相続割合 1500 万円以上 4.4% 31.8% 1 億 7795 万円 49.9% 1250~1500 万円未満 4.0% 3% 3109 万円 51.8% 1000~1250 万円未満 9.4% 34.0% 2053 万円 59.0% 高所得階層では 平均相続資産額も多く 資産形成に占める相続資産の比率も 大きい 図表 5 相続資産階級別の相続税実効税率 相続資産 世帯数 実効税率 7 億 ~11 億円 2 億 ~5 億円 1 億 ~2 億円未満 5000 万 ~1 億円未満 3 5 8 25 3.7% 4.3% 2.9% 1.4% 実効税率 = 相続税負担額 / 相続資産額 相続税の負担は実効税率で見ると少ない 3

図表 6 所得階層別の子に対する定期預金状況 1,500 万円以上 2 15.9 2.3 56.8 1,250~1,500 万円未満 27.5 2 2.5 4 1,000~1,250 万円未満 29.8 12.8 1.1 56.4 700~1,000 万円未満 26.5 12.4 1.0 60.1 600~700 万円未満 28.3 14.2 57.5 500~600 万円未満 2 12.2 0.9 67.0 400~500 万円未満 13.9 12.7 2.5 70.9 300~400 万円未満 11.0 14.6 1.2 73.2 200~300 万円未満 18.3 11.7 6 100~200 万円未満 21.7 4.3 73.9 100 万円未満 13.5 13.5 73.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 毎年数年おき数十年おきおこなっていない % 高い所得階層において定期預金を通じた生前贈与 ( 節税策 ) を行っている傾向がある 贈与による格差拡大が懸念される 例 )1250~1500 万円所得階層で 52.5% が 毎年と数年おき に定期預金を行っている 一方 300~400 万円所得階層ではこの値は 25.6% になっている 図表 7 職業の連鎖 本人が会社役員の人の 40% は親も会社役員である ( 階層固定化 ) 自営業の 31% は親も自営業である 4

図表 8 所得階級別教育投資額の分布 1,500 万円以上 9.1 2.3 13.6 18.2 20.5 18.2 6.8 11.4 1,250~1,500 万円未満 2.5 22.5 27.5 17.5 1 1,000~1,250 万円未満 8.5 4.3 7.4 23.4 33.0 13.8 6.4 3.2 700~1,000 万円未満 9.2 4.6 12.4 23.9 33.3 11.8 4.2 0.7 600~700 万円未満 14.2 6.7 1 18.3 29.2 8.3 3.3 500~600 万円未満 15.7 3.5 20.9 22.6 27.8 6.1 2.6 0.9 400~500 万円未満 10.1 11.4 13.9 38.0 17.7 7.6 1.3 300~400 万円未満 15.9 4.9 14.6 20.7 29.3 8.5 4.9 1.2 200~300 万円未満 16.7 8.3 13.3 3 21.7 6.7 1.7 1.7 100~200 万円未満 8.7 21.7 17.4 8.7 21.7 8.7 4.3 8.7 100 万円未満 21.6 8.1 5.4 18.9 24.3 16.2 2.7 2.7 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 なし 5,000 円未満 5,000~1 万円未満 1~2 万円未満 2~4 万円未満 4~6 万円未満 6~10 万円未満 10 万円以上 % 所得階層が高い家庭ほど子供に対する高額な教育投資が行われている 1 か月 10 万円以上の教育投資となるとこの傾向はさらに顕著である 例 )4~6 万円の教育投資は 1500 万円以上世帯では 18.2% 600~700 万円世帯では 8.3% である 5

図表 9 所得階層別の子どもの進学状況 ( 長子 )60 歳以上サンプル除去 1,500 万円以上 39.0 39.0 9.8 7.3 4.9 1,250~1,500 万円未満 3 32.5 22.5 7.5 2.5 1,000~1,250 万円未満 2 40.2 19.6 6.5 2.2 3.3 3.3 700~1,000 万円未満 17.7 30.1 26.1 12.0 4.7 8.4 1.0 600~700 万円未満 13.9 21.7 22.6 2 12.2 8.7 0.9 500~600 万円未満 12.8 21.1 31.2 18.3 5.5 10.1 400~500 万円未満 6.5 22.1 27.3 18.2 7.8 18.2 300~400 万円未満 9.5 28.4 16.2 17.6 4.1 24.3 200~300 万円未満 9.6 26.9 26.9 19.2 1.9 13.5 1.9 100~200 万円未満 2 2 2 1 100 万円未満 23.5 32.4 29.4 2.9 5.9 5.9 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 レベル A レベル B レベル C レベル D レベル E 大学進学しなかった大学進学前の年齢である % 所得階層が高い家庭ほどレベルの高い大学に子供を進学させている 例 )1500 万円以上世帯では 40.9% がレベル A( 旧帝大 医学部 早慶 ) に入学させている この値は 400~600 万円世帯に至るまで下がり続ける (400~600 万円世帯では 6.3%) 6

得階層層補足資料付表 1 世帯主の年齢分布 60 代 50 代 40 代 30 代 0 10 20 30 40 50 60 % 付表 2 世帯主所得分布 所得階1,500 1,250~1,500 万円未満 1,000~1,250 万円以上所万円未満 700~1,000 万円未満 600~700 万円未満 500~600 万円未満 400~500 万円未満 300~400 万円未満 200~300 万円未満 100~200 万円未満 100 万円未満 0% 10% 20% 30% 40% 7

付表 3 職業別平均年収職種平均所得会社員 727 万円会社役員 801 万円公務員 団体職員 788 万円専門家 1101 万円自営業 507 万円自由業 411 万円アルバイト 172 万円 付表 4 所得階層別年齢分布 (1)100 万円未満 1.6% 1.4% 1.2% 1.0% 0.8% 0.6% 0.4% 0.2% % 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳 65 歳以上 8

付表 5 所得階層別年齢分布 (2)100~200 万円未満 1.0% 0.9% 0.8% 0.7% 0.6% 0.5% 0.4% 0.3% 0.2% 0.1% % 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳 65 歳以上 付表 6 所得階層別年齢分布 (3)200~300 万円未満 2.5% 2.0% 1.5% 1.0% 0.5% % 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳 65 歳以上 9

付表 7 所得階層別年齢分布 (4)500~600 万円未満 % 4.5% 4.0% 3.5% 3.0% 2.5% 2.0% 1.5% 1.0% 0.5% % 40~44 歳 45~49 歳 50~54 歳 55~59 歳 60~64 歳 65 歳以上 10