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計算対象居室 基本計画の段階の計算例を示します 計算対象とする居室を図 1, スラブの断面図を図 2 に示します 今回の計算における音源室と受音室は同一プランとします 建物諸元スラブ : 波型中空スラブ ( 密度 ρ=2300kg/m 3, ヤング係数 E=2.4 10 10 N/m 2 ) スラブの支配面積 59.0m 2 (8,870mm 6,650mm) 居室 (LD): 面積 15.4 m 2 床仕上げ直張りフローリング天井高さ 2400mm( 二重天井 ) 梁下開口なし 梁下開口あり 梁下開口あり 4 LD 3 1 4,350 6,650 y 5 2 x 梁下開口なし 8,870 3,545 図 1 対象居室平面図 ( 単位 :mm) 図 2 スラブ構造断面図 ( 単位 :mm)

1 物件情報の入力 計算対象とする建物の物件情報 ( 予測対象建物名, 音源室, 受音室 ) を入力します 図 3 に入力例を示します なお, この項目は未入力でも計算結果に影響はありません 1 物件情報の入力 予測対象建物音源室受音室 ( 仮称 ) 計画新築工事基本設計 タイプ LD タイプ LD 図 3 1 物件情報の入力 の入力例 2 床スラブ条件の入力この項目では, スラブ断面の構造種別 と 断面寸法値 を入力します 図 2 で示したスラブの断面構造種別および断面寸法値を読み取り, 計算シートに入力したものを図 4 に示します スラブ断面の構造種別はリストから選択し, 矢印 ( ) の部分に 1~7 の数字を入力します 断面寸法の入力は図 5 に示す,, B, C, B, BB に対応する値を入力します 寸法の単位は mm で入力します 計算例では, スラブ断面構造種別は 7. 波型中空スラブ です したがって, 断面寸法値入力欄に表示される,, C, B, BB を入力します なお, 断面寸法入力欄はスラブ断面構造種別の選択項目によって必要な入力項目が表示されます 大脇 山下式 2006 からの入力方法の変更点 1) 大脇 山下式 2006 では断面寸法の入力の項目の単位は計算の便宜上 m としていまし た しかし, 改訂した計算シートでは一般的な図面上の表記と同じ単位に変更し mm で入力します 2) 6. 波型中空合成スラブ, 7. 波型中空スラブ の断面寸法値の入力項目を変更しました 大脇 山下式 2006 では図 5 中の B を入力していましたが, 一般的に図面上に表記され ている寸法と異なるため, 図面に表記のある寸法 C を入力項目としました 2 床スラブ条件の入力 1) スラブ断面構造種別の入力 7 1. 均質単板スラブ (RCスラブ) 2. 矩形中空合成スラブ ( エスレンボイドスラブ カイザーボイドスラブなど ) 3. 穴あきPC 板合成スラブ ( スパンクリートなど ) 4. ハーフPCa 合成スラブ (PCa 板 + 現場まし打ちボイドなし ) 5. 円形中空スラブ ( 円形ボイド + すべて現場打ち ) 6. 波型中空合成スラブ 7. 波型中空スラブ 2) 断面寸法値の入力注! 3) 密度 4) ヤング率 85 mm 単層の場合の密度 単層の場合のヤング率 175 mm 2300 kg/m 3 2.40E+10 N/m 2 C 100 mm 二層の場合の密度 二層の場合のヤング率 B 400 mm 上層 2300 kg/m 3 上層 2.40E+10 N/m 2 BB 150 mm 下層 2300 kg/m 3 下層 2.40E+10 N/m 2 密度およびヤング率の値は変更できません スラブ断面構造の種別によって必要な項目が表示されます 図 4 2 床スラブ条件の入力 の入力例

1. 均質単板スラブ (RC スラブ ) 4. ハーフ PCa 合成スラブ 2. 矩形中空合成スラブ B BB B 5. 円形中空スラブ B B BB 3. 穴あき PC 板合成スラブ BB B B 6. 波型中空合成スラブ 7. 波型中空スラブ B BB C B 図 5 スラブの断面寸法 3スラブ寸法の入力スラブの寸法を入力します スラブの寸法の項目は大脇 山下式 2006 と異なり,x 方向, y 方向の入力となります ( スラブの一次固有振動数の計算で短辺方向と長辺方向を自動的に判断するようにしました ) 大脇 山下式 2012 では, 特に短辺, 長辺は気にせずに入力しやすい ( 図面の向きなどにあわせて ) 方向で統一して寸法の入力を行います 基本計画の段階の計算など梁幅が未定の場合, 通芯で寸法を取ります 梁幅が決まっている場合, 梁の内面でスラブの寸法を取ります 梁幅が明らかな場合 梁幅 通芯 梁幅未定の場合 図 6 スラブ寸法の読み取り例 3 スラブ寸法の入力 x 方向寸法 8,870 y 方向寸法 6,650 mm スラブ面積 mm 59.0 m 2 計算方式大型スラブ式 ( 大脇 山下式 2012) 図 7 3 スラブ寸法の入力 の入力例

4 加振点位置の入力 ( 梁からの距離 ) 加振点の取り方加振点は,JIS A 1418:2000 に規定されているように居室に均等に設定します 図 8 に加振点のとり方の一例を示します 居室 1 の室形状では, 長方形となる部分の対角線をとり,4 等分する点が加振点となります なお, 加振点位置を設定する際には, 廊下につながる通路の部分は含みません 居室 2 の室形状では,2 つのうち長いほうの対角線で 4 分点の 3 点を採用し, 短いほうの対角線で 4 分点の中央を除く 2 点を採用します 居室 3 の室形状では, 長いほうの対角線の中央 1 点を採用し,2 つの室 ( リビング ダイニング ) に分けて均等に分散するよう残りの点を設定します なお, バルコニー, キッチン等水廻りには加振点は設定しません 居室 1 居室 3 ハ ルコニー 居室 2 キッチン 図 8 加振点の取り方の例加振点と梁等との距離の取り方 梁からの距離 の入力欄に加振点に最も近い 2 方向 (X 方向,Y 方向 ) の梁との距離を入力します (X,Y 座標原点からの距離ではありません ) なお,X 方向,Y 方向は計算者が任意に設定できます ただし, 梁等からの距離 と 梁等の種別( 種別 梁せい 比 ) の X 方向,Y 方向は対応を取る必要があります ( スラブ寸法の入力の際の X 方向,Y 方向と統一します ) なお, 単位は mm で入力します 基本計画の段階で梁幅が未定の場合は, 通芯からの距離を入力します X 方向の梁からの距離 加振点 Y 通芯 梁幅 Y 方向の梁からの距離 X 通芯 図 9 梁等からの距離の取り方

梁等の種別の選択基本計画の段階では, 開口部の大きさが未定の場合が多い この場合には, 4. 大梁 ( 梁下に開口あり ) を選択します 開口部がない場合には, 3. 大梁 ( 梁下に開口なし ) を選択します 大梁以外の種別としては 5. 小梁, 6. アウトフレーム工法の外壁部, 7. スラブ段差, 8. 柱, 9. 垂壁 が選択できます 梁せいの入力大脇 山下式 2012 では梁下に開口がある場合, スラブ周辺拘束によるインピーダンスレベル上昇量の計算式をスラブ厚と梁せいの比で選択します 基本計画の段階などスラブ厚と梁せいが未定の場合, 梁せいの入力欄は空欄とします 計算シートでは スラブ厚と梁せいの比が 2.5~3.5 の計算式を用いてインピーダンスレベル上昇量を計算しています 4 加振点位置の入力 ( 梁からの距離 ) 加振点 X 方向 Y 方向梁等種別選択に注意!! 距離 (mm) 種別梁せい比距離 (mm) 種別梁せい比 3. 大梁 ( 梁下に開口部なし ) S1 886 4 3,263 3 4. 大梁 ( 梁下に開口部あり ) S2 886 4 1,088 3 5. 小梁 S3 1,773 4 2,175 3 6. アウトフレーム工法の外壁部 S4 2,659 4 3,263 3 7. スラブ段差 S5 2,659 4 1,088 3 8. 柱 判定 OK 9. 垂壁 梁種別選択時の注意 : 居室の対象壁面の1/2 以上が開口部の場合 "4. 大梁 ( 梁下に開口部あり )" を選択する 梁種別が 4. 大梁 ( 梁下に開口部あり ) のとき, 梁せいが未定の場合には空欄とする 図 10 4 加振点位置の入力 ( 梁からの距離 ) の入力例 実施設計の段階などでは開口部の大きさなど各種条件や梁せいが決まっているため, 4. 大梁 ( 梁下に開口あり ) を選択した場合, 同時に梁せいの入力も行います 梁せいを入力すると, スラブ厚と梁せいの比が自動的に計算され表示されます 例えば, 等価スラブ厚 258mm, 梁せい 700mm の場合, スラブ厚と梁せいの比は 2.7 となります 4 加振点位置の入力 ( 梁からの距離 ) 加振点 X 方向 Y 方向梁等種別選択に注意!! 距離 (mm) 種別梁せい比距離 (mm) 種別梁せい比 3. 大梁 ( 梁下に開口部なし ) S1 913 4 700 2.7 2,681 3 4. 大梁 ( 梁下に開口部あり ) S2 913 4 700 2.7 1,044 3 5. 小梁 S3 1,725 4 700 2.7 1,988 3 6. アウトフレーム工法の外壁部 S4 2,538 4 700 2.7 2,931 3 S5 2,538 4 700 2.7 894 3 判定 OK 梁種別選択時の注意 : 居室の対象壁面の1/2 以上が開口部の場合 "4. 大梁 ( 梁下に開口部あり )" を選択する 梁せいを入力すると, スラブ厚と梁せいの比が自動的に計算され表示されます 図 11 4 加振点位置の入力 ( 梁からの距離 ) の入力例

5 有効放射面積の入力各周波数帯域 (63~500Hz 帯域 ) の有効放射面積の算出方法を図 12 で示します 有効放射面積はスラブ (Ⅰ) からスラブ周辺の拘束条件によって定められた距離 (0.19λb,0.20λb) を除いた範囲 (Ⅱ) で, 計算対象の居室に囲まれる部分の面積 (Ⅲ) になります 有効放射面積を算出する際の拘束条件の種別は a ~ に示す種別となっています それぞれに有効放射面積の計算で除かれる距離が異なるので十分に注意して距離の選択を行う必要があります なお, スラブスパンが小さく, 曲げ波波長がスラブスパンより長くなる場合にはスラブスパンの 1/4 の距離で計算しています 梁下開口部ありで梁せいが未定の場合には e. 梁 ( スラブ厚と梁せいの比が 2.5~3.5) の梁から除かれる距離を用い, 有効放射面積を計算して入力します なお, 梁下開口部ありで扁平梁の場合には d. 梁 ( スラブ厚と梁せいの比が 2.5 未満 ) を用います 梁下開口なし 梁下開口あり Ⅰ 0.19λ b 0.20λ b Ⅱ 0.20λ b 梁下開口あり Ⅲ 4 LD 1 6,650 3 4,350 Y 0.19λ b 5 2 X 梁下開口なし 3,545 8,870 図 12 有効放射面積の算出例 梁下開口部ありで梁せいが未定の場合には e. 梁 ( スラブ厚と梁せいの比が 2.5~3.5) を用いる 5 有効放射面積の入力 有効放射面積を計算して入力 ( m2 ) 有効放射面積の計算で除かれるスラブ端部からの距離 (m) 63Hz 8.77 x 方向 125Hz 10.51 a b c d e f g 250Hz 11.86 63Hz 0.930 0.930 0.979 1.567 1.322 0.783 500Hz 12.85 125Hz 0.660 0.660 0.695 1.112 0.938 0.556 a. 大梁 ( 小型スラブ式 ) 250Hz 0.467 0.467 0.492 0.786 0.664 0.393 b. 小梁 ( 小型スラブ式 ) 500Hz 0.330 0.330 0.348 0.556 0.469 0.278 c. 梁 ( 梁下に開口部なし ) y 方向 d. 梁 ( スラフ 厚と梁せいの比が2.5 未満 ) a b c d e f g e. 梁 ( スラフ 厚と梁せいの比が2.5 以上 3.5 未満 ) 63Hz 0.930 0.930 0.979 1.567 1.322 0.783 f. 梁 ( スラフ 厚と梁せいの比が3.5 以上 ) 125Hz 0.660 0.660 0.695 1.112 0.938 0.556 g. アウトフレーム工法の外壁部 250Hz 0.467 0.467 0.492 0.786 0.664 0.393. 垂壁 500Hz 0.330 0.330 0.348 0.556 0.469 0.278 有効放射面積算出時の注意 : 梁せいが決まっていない場合には e. 梁 ( スラブ厚と梁せいの比が2.5 以上 3.5 未満 ) を選択する 梁下開口部なしの場合には c. 梁 ( 梁下に開口部なし ) を用いる 図 13 5 有効放射面積の入力 の入力例

図 12 のプランでは,63Hz 帯域の有効放射面積は (3.545-0.979) (4.350-0.930)= 8.77 m 2 となります 6 受音室条件の入力大脇 山下式 2012 の場合は, 図 15 に示すように 受音室の種類 によって 1 ~ 4 の中から選択します 小型スラブ式 ( 日本建築学会編 : 建物の遮音設計資料, 技報堂出版, 1988.8) の場合, 5. 小型スラブ式 (α=0.2) を選択します 次に, 受音室面積, 受音室周長, 受音室天井高 を入力します 単位はそれぞれ 受音室面積 が m 2, 受音室周長 が m, 受音室天井高 が mm です 基本計画の段階では, 内寸が正確にわからない場合が多い この場合には, 壁芯で算出した値を入力します 大脇 山下式 2006 からの入力方法の変更点大脇 山下式 2006 では 受音室天井高 の入力項目の単位は受音室面積や周長に合わせて m としていました しかし, 改訂した計算シートでは図面上の表記と同じ単位に変更し mm で入力します 6 受音室条件の入力 受音室の種類 1 受音室床面積 受音室周長 受音室天井高 1.LD( フローリング仕上げ ) 14.35 m 2 15.27 m 2,400 mm 2. 和室 ( 畳仕上げ ) 吸音率 3. 洋室 ( フローリング仕上げ ) 63Hz 125Hz 250Hz 500Hz 1kHz 2kHz 4. 洋室 ( カーペット仕上げ ) 0.08 0.09 0.09 0.08 0.07 0.07 5. 小型スラブ式 (α=0.2) スラブ面積 25m2未満の場合は 受音室の種類を "5" を入力する 25m2以上の場合は1~4から選択する 図 14 6 受音室条件の入力 の入力例

スラブ支配面積 25m 2 未満の小型スラブの場合の予測計算についてスラブ支配面積 25m 2 未満の場合の重量床衝撃音レベルの計算法は下記の文献の方法によって行います 計算シートでは, 4 加振点位置の入力 の梁種別の選択時の番号が異なり, 1. 大梁, 2. 小梁 の 2 種類の選択となります なお, 梁せいの入力は必要ありません 同様に, 5 有効放射面積の入力 についても, スラブ端部から除かれる距離が a. 大梁, b. 小梁 の 2 種類となります また, 受音室の吸音率も異なり, 5. 小型スラブ式 を選択します ( 図 16 参照 ) 文献日本建築学会編 : 建物の遮音設計資料, 技報堂出版,1988.8 1 物件情報の入力 予測対象建物 ( 仮称 ) 計画新築工事基本計画 音源室 タイプ洋室 1 受音室 タイプ洋室 1 2 床スラブ条件の入力 1) スラブ断面構造種別の入力 1 1. 均質単板スラブ (RCスラブ) 2. 矩形中空合成スラブ ( エスレンボイドスラブ カイザーボイドスラブなど ) 3. 穴あきPC 板合成スラブ ( スパンクリートなど ) 4. ハーフPCa 合成スラブ (PCa 板 + 現場まし打ちボイドなし ) 5. 円形中空スラブ ( 円形ボイド + すべて現場打ち ) 6. 波型中空合成スラブ 7. 波型中空スラブ 2) 断面寸法値の入力 3) 密度 4) ヤング率 200 mm 単層の場合の密度 単層の場合のヤング率 2300 kg/m 3 2.40E+10 N/m 2 二層の場合の密度 二層の場合のヤング率 上層 2300 kg/m 3 上層 2.40E+10 N/m 2 下層 2300 kg/m 3 下層 2.40E+10 N/m 2 3スラブ寸法の入力 x 方向寸法 3,800 mm スラブ面積 計算方式 y 方向寸法 6,000 mm 22.8 m 2 小型スラブ式 4 加振点位置の入力 ( 梁からの距離 ) 加振点 X 方向 Y 方向梁等種別選択に注意!! 距離 (mm) 種別梁せい比距離 (mm) 種別梁せい比 1. 大梁 S1 1,050 1 2,145 1 2. 小梁 S2 825 1 715 1 S3 1,650 1 1,430 1 S4 2,485 1 2,145 1 S5 2,550 1 715 1 判定 OK 梁種別選択時の注意 : 居室の対象壁面の1/2 以上が開口部の場合 "4. 大梁 ( 梁下に開口部あり )" を選択する 5 有効放射面積の入力 有効放射面積を計算して入力 ( m2 ) 有効放射面積の計算で除かれるスラブ端部からの距離 (m) 63Hz 4.19 x 方向 125Hz 5.31 a b c d e f g 250Hz 6.40 63Hz 0.95 0.95 500Hz 7.23 125Hz 0.765 0.765 a. 大梁 ( 小型スラブ式 ) 250Hz 0.541 0.541 b. 小梁 ( 小型スラブ式 ) 500Hz 0.383 0.383 c. 梁 ( 梁下に開口部なし ) y 方向 d. 梁 ( スラフ 厚と梁せいの比が2.5 未満 ) a b c d e f g e. 梁 ( スラフ 厚と梁せいの比が2.5 以上 3.5 未満 ) 63Hz 1.078 1.078 f. 梁 ( スラフ 厚と梁せいの比が3.5 以上 ) 125Hz 0.765 0.765 g. アウトフレーム工法の外壁部 250Hz 0.541 0.541. 垂壁 500Hz 0.383 0.383 有効放射面積算出時の注意 : 梁せいが決まっていない場合には e. 梁 ( スラブ厚と梁せいの比が2.5 以上 3.5 未満 ) を選択する 6 受音室条件の入力 受音室の種類 5 受音室床面積 受音室周長 受音室天井高 1.LD( フローリング仕上げ ) 9.44 m 2 12.32 m 2600 mm 2. 和室 ( 畳仕上げ ) 吸音率 3. 洋室 ( フローリング仕上げ ) 63Hz 125Hz 250Hz 500Hz 1kHz 2kHz 4. 洋室 ( カーペット仕上げ ) 0.20 0.20 0.20 0.20 0.20 0.20 5. 小型スラブ式 (α=0.2) スラブ面積 25m2以下の場合は 受音室の種類を "5" を入力する 25m2をこえる場合は1~4から選択する 図 15 25m 2 未満のスラブの計算シートの入力例