WG3: 車両 インフラ共通領域 WG 主査高木靖雄 ( 東京都市大学教授 ) 門出政則 ( 佐賀大学教授 ) 実施者リーダー田島正喜 ( 東京ガス株式会社 ) 山梨文徳 ( 日産自動車株式会社 )
車両 インフラ共通領域の役割 JHFC の目標 1. 水素インフラに関する目標 1 将来の商用インフラモデルの検討 提案 2 水素インフラの実使用条件における運用と その際の課題明確化 3 水素インフラの安全性 規制見直しの具体化 2. 燃料電池自動車等に関する目標 4 燃料電池自動車等の実使用条件における運用と その際の課題明確化 5 省エネルギー効果 ( 燃費 ) 環境負荷低減効果の確認 3. 車両 インフラ共通領域に関する目標 6 車両 インフラ間で協力して検討すべき項目の対応策検討 4. 成果の普及 / 理解促進 / 国際化 / 地方実証に関する目標 7 理解促進のための広報 教育活動 8 海外技術 政策動向の把握 提案 9 地方実証のあり方の検討 5.2015 年の普及開始に向けた技術課題検討 1
JHFC セミナー WG3 報告 1. 共通領域 WG の活動とその背景 2. 実証試験および活動結果充填試験実績 3. 70MPaフル充填水素ステーション 3-1)70MPa フル充填 3-2) 充填技術の主要な課題 3-3) 次期実証への提言 4. 共通領域 WG の活動のまとめ 2
共通領域 WG の活動とその背景 Ⅰ 背景水素充填技術はインフラ側単独では開発できず 車両側との相互の技術協力が不可欠である 従って 双方で同一の場で論議する共通領域 WG を立ち上げた Ⅱ 活動内容 1. 実証試験での検証 2. 重要技術課題の検討 高流量化 (3 分充填 ) 通信充填技術 プレクール技術 充填時安全対策 3. 次期技術実証でのステーションの最大圧力検討 70MPaフル充填水素ステーション提案 3
JHFC セミナー WG3 報告 1. 共通領域 WG の活動とその背景 2. 実証試験および活動結果充填試験実績 3. 70MPaフル充填水素ステーション 3-1)70MPaフル充填 3-2) 充填技術の主要な課題 3-3) 次期実証への提言 4. 共通領域 WG の活動のまとめ 4
首都圏の実証試験水素ステーション 35MPa : 有明 船橋 川崎 相模原 市原 35/70MPa : 千住 横浜 大黒 霞ヶ関 横浜 旭有明霞ヶ関千住 通信充填実証 霞ヶ関 千住 船橋 有明 船橋 相模原 相模原 横浜 旭 川崎 横浜 大黒 市原 ( 協賛 ) 横浜 旭 市原 横浜 大黒 川崎 5
充填試験実績 (1) 充填回数 7,634 回 ( 計画走行車両 2,167 回 一般車両 5,467 回 ) 水素量 12,399kg ( 計画走行車両 2931kg 2,931kg 一般車両 9,468kg) 700 600 充填填回数 500 400 300 200 100 0 霞ヶ関大黒旭千住有明川崎相模原船橋市原 2006FY 2007FY 2008FY 2009FY 2010FY 首都圏 9 ステーションの充填実績 (35MPa,70MPa) 6
充填試験実績 (2) 70MPaステーション (4ヶ所) 649 回充填充填量 1,809kg 千住旭大黒霞ヶ関 10-12 月 7-9 月 4-6 月 1-3 月 0 50 100 150 200 250 300 充填回数 0 50 100 150 200 250 300 充填回数 70MPa ステーションの充填実績 (2008/9~2010/9) 7
充填試験実績 (3) 35MPa 充填 大きなトラブルなく 安全に充填できた 70MPa 充填 35MPa との差 : 作業性に差はなく 良好 プレクールの影響 : 霜は付くが着脱に影響はなし 70MPa 運用での安全上の課題 : 特になし その他 : 終了時の脱ガス時間が長いステーションあり 8
充填時間短縮 高流量化 (70MPa) 目標 : 5kg/3 分充填 (WG3 目標値 ) の達成 ( 改造前 :0.4 kg/ 分 ) 施策 : ステーション各部位の改造 ( 各配管部の圧損の低減 ) 蓄圧器 1 蓄圧器 2 蓄圧器 3 ディスペンサ 流調弁 流量計 熱交換器 ノズル 車両側圧損の低減 ( 今後の検討課題 ) )( レセプタクル FCV タンク バンク強化配管内径高圧化拡大 40 41MPa41MP その他の 80 82 低減手法高圧バンク 4 本 8 本 φ2.5 6.4 φ3.1 6.4 φ3.1 4.8 φ1.6 2.2 流量調節弁制御ソフト 2 分割並列化 圧損低減 1/43 1/18 1/46 1/3.6 9
n -1 流量 /kg mi 3.0 2.5 2.0 1.5 充填時間短縮 高流量化 (70MPa) 3 次改造 Max:2.6kg/min 2 次改造 Max:2.0kg/min 1 次改造 Max:1.1kg/min 改造後の平均流量 当初 0.4kg/min 1 次改造 0.7kg/min 2 次改造 1.0kg/min 3 次改造 1.6kg/min 1.0 当初 Max:0.9kg/min 注 1 2 次改造までは 0.5 第 1バンク40MPa 級注 2 3 次改造は 第 1 バンクも 80MPa 級 0 0 100 200 300 400 500 600 経過時間 /s 改造による充填流量の推移 (100l 模擬タンク ) 実車で 5 kg/3minを確認 高流量化を達成 10
非通信プロトコル実証試験 (1) SAE TIRJ2601 準拠充填プロトコル試験 (70MPa) 回数 36 回 (Type3 Tank 9 回 Type4 Tank 27 回 ) 試験温度 : 低温域 ~ 高温域 タンク残圧 : 10~40MPa 11
非通信プロトコル実証試験 (2) ク温度 ( ) プレククール温温度 タン タンク温度 速度 (MP Pa/min) 平均昇圧 外気温とタンク温度 結論 : 外気温が高くても タンク温度は 85 以下を確認 12
非通信プロトコル実証試験 (3) 試験実績 :SOC( タンクの充填率 ) は 87~98% 結論 : 非通信充填にて 85 100% 超えない充填プロトコルを実証 S OC 100% 95% 90% SOC95% 確保 通信充填 70MPa 超充填 85% 80% -30-25 -20-15 -10-5 0 プレクール温度 ( ) 13
JHFC セミナー WG3 報告 1. 共通領域 WG の活動とその背景 2. 実証試験および活動結果充填試験実績 3. 70MPaフル充填水素ステーション 3-1)70MPa フル充填 3-2) 充填技術の主要な課題 3-3) 3) 次期実証への提言 4. 共通領域 WG の活動のまとめ 14
70MPa フル充填 充填量増大のため 70MPa フル充填を導入 1 通信充填導入 2 基準温度見直し ( 欧米基準 15 ) 15
JHFC セミナー WG3 報告 1. 共通領域 WG の活動とその背景 2. 実証試験および活動結果 充填試験実績 3. 70MPaフル充填水素ステーション 3-1)70MPa フル充填 3-2) 充填技術の主要な課題 3-3) 3) 次期実証への提言 4. 共通領域 WG の活動のまとめ 16
充填技術の主要な課題 1) 通信充填技術 2) プレクール技術 3) 充填時安全対策 17
通信充填技術 : 導入のメリット 車載タンク内の温度 圧力 容積等の情報をステーション側へ 送信 タンク内の状態把握により 以下が可能となる 急速充填 : 充填速度マージン削減による充填時間の短縮 フル充填 : 正確な充填率 (SOC) の把握 JHFC での取り組み 2009 年度 : 調査開始 2010 年度 : 通信基礎試験 海外実績調査 実証試験への導入 18
通信充填技術 : 基礎試験 基礎試験の結果 通信エラーなどの問題が起きないことを確認 光 ( 太陽光 照明等 ) 車両側発光部ノズル側受光部 IR 埃 障害物外乱試験 1. 間隔 : 15mm 55mm 2. 光 21 2.1 種類 : 太陽光 蛍光灯 白熱灯霜 2.2 放射距離 : 18mm 24mm 2.3 放射角度 : 30 3. 障害物 : 霜 露 埃 4. 温度 : 常温 -10 40 19
通信充填技術 : 海外調査 欧米では 通信充填で1.5 万回以上の実績があり 大きな課題無し -40 プレクール充填でノズルの氷結固着発生 要対応 70MPa ステーション :SAE J2799 準拠の IR 通信を標準装備通信の本質的なトラブルはなく 技術的信頼性高い 欧州は -40 プレクールを用い 3 分フル充填を実現 約 2 年間で欧米合計 1.5 万回以上の充填デモを実施 20
充填技術の主要な課題 1) 通信充填技術 2) プレクール技術 3) 充填時安全対策 21
プレクール技術 :70MPa シミュレーション結果 70MPa/3 分充填には -40 の仕様 ( 能力 ) が必要 (-20 プレクールでは 気温 0 以上で 3 分充填ができない ) 解析手法: 門出シミュレーション 検討条件 タンク : Type4 内容積 : 157 L 終了温度 : 85 終了圧 : 70MPa 初期圧 : 2MPa 3 分充填 プレクール温度による外気温と充填時間の関係 22
プレクール技術 :35MPa シミュレーション結果 35MPa/3 分充填には -20 のプレクール能力が必要 (-10 プレクールは 気温 15 以上で 3 分充填出来ない ) 解析手法 : 門出シミュレーション 検討条件 タンク : Type4 内容積 : 249 L 終了温度 : 85 終了圧 : 35MPa 初期圧 : 2MPa SAE J2601 FIGURE A3 指定条件 10 0-10 -20 3 分充填 プレクール温度による外気温と充填時間の関係 23
充填技術の主要な課題 1) 通信充填技術 2) プレクール技術 3) 充填時安全対策 24
充填時安全対策誤発進対策 緊急離脱カプラ取付を必須とし 70MPa 対応水素ステーション例示基準案 に反映 他の有効な対策は見つからなかった 国内製国内製緊急離脱カプラ 35MPa 35MPa 緊急離脱カプラ 70MPa 海外製 70MPa 緊急離脱カプラ 35MPa 70MPa 25
緊急離脱カプラ : 離脱性能試験 ディスペンサ取付状態での 離脱性能試験を提案 離脱カプラ 試験装置 離脱カプラ 支柱 ホースガイド ホース ロードセル 引張荷重 ロードセル 離脱カプラ 荷重条件 : 車両前後 2 方向 電動ウインチ 26
JHFC セミナー WG3 報告 1. 共通領域 WG の活動とその背景 2. 実証試験および活動結果 充填試験実績 3. 70MPaフル充填水素ステーション 3-1)70MPa フル充填 3-2) 充填技術の主要な課題 3-3) 3) 次期実証への提言 4. 共通領域 WG の活動のまとめ 27
次期実証への提言 商用化に向けて必要な以下の項目を中心に 70MPa 充填技術課題の実証を継続する 1. 通信充填の技術 プロトコル実証 2. 3 分間 充填の実証 3. プレクールの実証 (-40 の実現 ) 4. 緊急離脱カプラー 弁類など付属機器の実証 5. 規制の見直しへの実証データ収集 提供 6. 70MPa(35MPa) フル充填 技術の実証 28
70MPa フル充填水素ステーション仕様 < 提案仕様 > 最大充填圧力 : 87.5MPa 通信充填 : IR 通信プレクール能力 : -40 充填方式 : 圧縮機直接充填 原料原料 55MPa 級設備 1500l 水素製造装置圧縮機蓄圧器 充填圧力ディスペンサー 87.5MPa 緊急離脱カプラ 70MPa 級設備 ( 最大 87.5MPa) プレクール 通信 直充填用圧縮機 100MPa 900Nm 3 /h 29
70MPa フル充填ステーション仕様 充填後の脱圧範囲が2つのケースが想定されるが 現時点で優劣がつけられないため 判断は次期実証試験のなかで実施実 畜圧器 Case プレクーラ内脱ガス放出水素停止時プレクーラ内圧力変化 1 する 多量 圧力上昇なし 2 しない 少量 圧力上昇あり ( 要対策 ) 30
JHFC セミナー WG3 報告 1. 共通領域 WG の活動とその背景 2. 実証試験および活動結果 充填試験実績 3. 70MPaフル充填水素ステーション 3-1)70MPa フル充填 3-2) 充填技術の主要な課題 3-3) 3) 次期実証への提言 4. 共通領域 WG の活動のまとめ 31
1 JHFC2 技術実証実績 : JHFC2 活動のまとめ 1 1) 非通信充填 35MPa 充填 : 実証終了 ( 一定流量充填プロトコル 容積推定 ) 70MPa 充填 : 非通信充填プロトコルの実証実施タンク85 以下 SOC 87~98% 達成プレクール実証終了 -20 達成 2) 70MPa 充填技術急速充填技術 : 実証ステーションの高流量化対応にて目標性能達成 (5kg/3 分充填 ) 通信充填技術 : 基礎技術試験にて信頼性評価終了海外実績調査 (USA EU 派遣 ) 終了 3) 70MPa フル充填ステーション仕様検討 70MPa フル充填ステーション仕様検討緊急離脱カプラ技術調査と試験方法検討 32
JHFC2 活動のまとめ 2 2 次期実証に向けた技術課題 : 充填技術の重要課題 1) 通信充填 3 分充填 : 車両と実証ステーションでの技術 プロトコル実証 2) プレクール : シミュレーション計算検証とション計算検証と-40 性能実証 3) 緊急離脱カプラ : 提案した試験手法での実証試験 4) 規制見直しを反映したフル充填ステーション仕様検討 : 仕様違いの長所短所を判断した仕様決定 3 次期実証への提言 : フル充填技術の開発 実証のスケジュールを想定し 必須となる技術課題の解決と 2015 年に向けたステーション実証試験を提言する 33