第 2 章 CLT パネル工法における鋼板挿入型接合部の 耐力向上に関する研究
2.1 一般事項 試験概要 1. 試験名称 CLT パネル工法における鋼板挿入型接合部の耐力向上に関する研究 2. 試験の目的 内容 試験目的 ~ 補強用長ビスを面外方向に用いることによる割裂抑制の効果 ~ CLT パネルを用いた鋼板挿入型接合部の試験体に引張力を加えたと き 鋼板挿入部から割裂が生じることが確認され 接合部の最大耐力 まで引き出せていないと考えられる 本研究では鋼板挿入部からの割 裂抑制 最大耐力の向上を目的する パラメータは補強用長ビスの本 数 種類 打ち込む位置とし それらの最適な組み合わせを提案する 試験体概要 試験体名説明 ボックス金物 A-0 i1i2 1 : ボックス金物 :A 2 : ビス本数 :0 本 板状金物 B-0-1 i1i2i3 1 : 板状金物 :B 2 : ビス本数 :0 本 3 : 試験体番号 :1 2 3 B-6-U20-N-1 i1i2 i3 i4i5i 1 : 板状金物 :B 2 : ビス本数 :0 本 6 本 12 本 3 : 補強位置 : ドリフトピン孔より 20 mm下にビス補強 :U20 ドリフトピン孔より 60 mm下にビス補強 :U60 4 : ビス種類 :TBB-75:T ネダノット :N 5 : 試験体番号 :1 2 3 使用材料 試験体 ドリフトピン 鋼板 ネダノット カラマツ SS400 SS400 φ5.5 L=70 mm TBB-75 φ8 L=75 mm 3-2-1
仕様 鋼板改良前ボックス金物 無補強 n=1 断面 300 mm 90 mm試験体長さ i1000 mmスリット部長さ i550 mm 鋼板改良後板状金物 ビス 6 本補強 ( ネダノット ) n=3 各ドリフトピン孔より 20 mm下にビス補強断面 300 mm 90 mm試験体長さ 1000 mmスリット部長さ 540 mm 550 mm 650 mm ビス 6 本補強 ( ネダノット ) n=3 各ドリフトピン孔より 60 mm下にビス補強断面 300 mm 90 mm試験体長さ 1000 mmスリット部長さ 540 mm 630 mm 650 mm ビス補強 12 本 (TBB-75) n=2 各ドリフトピン孔より 20 mm 70 mm下にビス補強断面 300 mm 90 mm試験体長さ 1000 mmスリット部長さ 630 mm 660 mm ビス 12 本補強 ( ネダノット ) n=1 各ドリフトピン孔より 20 mm 70 mm下にビス補強断面 300 mm 90 mm試験体長さ 1000 mmスリット部長さ 540 mm 試験方法 200t アムスラー試験機を用いた単調引張試験 (0.5kN/s) 3. 試験依頼者日本 CLT 協会 4. 試験協力者シネジック株式会社 5. 試験実施者日本工業大学木質構造研究室 6. 試験実施期間平成 29 年 7 月 24 日 8 月 24 日 9 月 5 日 9 月 6 日 9 月 12 日及び実施場所日本工業大学キャンパス内 W5 建築学科実験研究棟埼玉県南埼玉郡宮代町学園前 4-1 7. 試験報告書作成者那須秀行 ( 教授 ) 須田雅彦 (B4) 3-2-2
2.2 実験方法 2.2.1 加力方法試験機は 200t アムスラー試験機を使用し 引張試験は荷重速度を 0.5kN/ 秒とし 実験を行った 加力は最大荷重後の 0.8Pmax もしくは板状金物が破断するまで行った 2.2.2 測定方法測定はデータロガー (TDS-530) を用いて 一般変位計 (CDP-50C) から出力される高さ方向の変位と試験機から出力される荷重を測定する 2.2.3 補強方法鉄工用六角軸ドリル (φ2.2 L=6.35) を用いて下穴を開け ビス補強を行った CDP-50C CDP-50C ボックス金物 板状金物 図 2-2.1 試験体設置図 ( ボックス金物 ) 図 2-2.2 試験体設置図 ( 板状金物 ) 3-2-3
2.3 金物一覧 100 25 50 25 4.5 100 25 50 25 6 400 120 120 40 17 120 120 40 17 19 12 120 110 650 140 32 45 35 80 370 15 4.5 101 15 4.5 図 2-3.1 ボックス金物 ( 改良前 ) 図 2-3.2 板状金物 ( 改良後 ) 6 1 8 5 1 8 75 5 75 5 図 2-3.3 ドリフトピン加工前 図 2-3.4 ドリフトピン加工後 8. 0 1 75 ND 70 10.5 70 8 5.5 図 2-3.5 TBB-75 図 2-3.6 ネダノット ib-12-t-2 は試験体のドリフトピン孔と板状金物のドリフトピン孔にズレが生じていたため ドリフ トピン径 φ16 から φ15 に加工した 3-2-4
2.4 試験体一覧 (1/2) 160 300 90 7 1000 仕様名 :A-0 寸法 : 断面 300 mm 90 mm長さ :1000 mm 備考 試験体名 : スリット部長さ A-0-1:550 mm n=1 金物 : ボックス金物 550 300 90 仕様名 :B-0 寸法 : 断面 300 mm 90 mm長さ :1000 mm 備考 試験体名 : スリット部長さ 160 7 1000 B-0-1:550 mm B-0-2:650 mm B-0-3:540 mm 550 n=3 金物 : 板状金物 540 100 120 120 300 160 15 10 90 7 1000 仕様名 :B-6-U20-N 寸法 : 断面 300 mm 90 mm長さ :1000 mm 備考 試験体名 : スリット部長さ B-6-U20-N-1:540 mm B-6-U20-N-2:550 mm B-6-U20-N-3:660 mm n=3 金物 : 板状金物ビス : ネダノット 3-2-5
2.4 試験体一覧 (2/2) 540 50 120 120 300 160 15 10 90 7 1000 仕様名 :B-6-U60-N 寸法 : 断面 300 mm 90 mm長さ :1000 mm 備考 試験体名 : スリット部長さ B-6-U60-N-1:540 mm B-6-U60-N-2:630 mm B-6-U60-N-3:650 mm n=3 金物 : 板状金物ビス : ネダノット 540 70 50 70 50 15 160 300 10 90 7 1000 仕様名 :B-12-T 寸法 : 断面 300 mm 90 mm長さ :1000 mm 備考 試験体名 : スリット部長さ B-12-T-1:540 mm B-12-T-2:640 mm n=2 金物 : 板状金物ビス :TBB-75 50 540 70 50 70 50 50 15 160 300 10 90 6.5 1000 仕様名 :B-12-N 寸法 : 断面 300 mm 90 mm長さ :1000 mm 備考 試験体名 : スリット部長さ B-12-N-1:540 mm n=1 金物 : 板状金物ビス : ネダノット 50 50 3-2-6
2.5 実験データ本章では引張試験体の荷重 変位曲線ならびに特性値の一覧を表記する なお 荷重 - 変位曲線に用いる変位のデータは高さ平均変位を元に作成した 2.5.1 無補強 (A-0-1) 200 180 160 140 ( k N ) 重荷 120 100 80 60 40 20 0 A-0-1 0 5 10 15 20 25 変位 (mm) 図 2-5.1 荷重 - 変位曲線 初期剛性 (kn/mm) 表 2-5.1 特性値 Pmax (kn) エネルギー吸収量 (kn mm) 密度 ( kg /m 3 ) A-0-1 15.40 129.67 995.38 492.45 エネルギー吸収量は最大荷重後の 0.8Pmax までの荷重を変位で積分した値とした この試験体はボックス金物の隅肉溶接部分の剥がれが生じたため 実験は 1 体のみとし た ( 写真 2-5.6) 3-2-7
実験写真 A-0-1 写真 2-5.1 試験体全体 写真 2-5.2 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.3 加力前スリット部 写真 2-5.4 最終破壊スリット部 写真 2-5.5 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 写真 2-5.6 隅肉溶接部分の剥がれ ( 下治具 ) i 3-2-8
2.5.2 無補強 (B-0-1 B-0-2 B-0-3) 200 180 160 ( k N ) 重荷 140 120 100 80 60 40 20 0 B-0-1 B-0-2 B-0-3 0 5 10 15 20 25 変位 (mm) 図 2-5.2 荷重 - 変位曲線 初期剛性 (kn/mm) 表 2-5.2 特性値一覧 Pmax (kn) エネルギー吸収量 (kn mm) 密度 (kg/m 3 ) B-0-1 21.55 183.89 2209.74 492.45 B-0-2 23.56 155.86 1549.88 485.62 B-0-3 29.75 165.97 i926.60 495.92 平均 24.99 168.57 1562.57 エネルギー吸収量は最大荷重後の 0.8Pmax までの荷重を変位で積分した値とした B-0-1 は A-0-1 のボックス金物を板状金物に変更した試験体 3-2-9
実験写真 B-0-1 写真 2-5.7 試験体全体 写真 2-5.8 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.9 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.10 加力前スリット部 写真 2-5.11 最終破壊スリット部写真 2-5.12 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) い 3-2-10
実験写真 B-0-2 写真 2-5.13 試験体全体 写真 2-5.14 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.15 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.16 加力前スリット部 i 写真 2-5.17 最終破壊スリット部写真 2-5.18 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-11
実験写真 B-0-3 写真 2-5.19 試験体全体 写真 2-5.20 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.21 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.22 加力前スリット部 i 写真 2-5.23 最終破壊スリット部写真 2-5.24 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-12
2.5.3 ビス 6 本補強 (B-6-U20-N-1 B-6-U20-N-2 B-6-U20-N-3) ドリフトピン孔より 20 mm下にビス補強を行った 200 180 160 ( k N ) 重荷 140 120 100 80 60 40 20 0 B-6-U20-N-1 B-6-U20-N-2 B-6-U20-N-3 0 5 10 15 20 25 変位 (mm) 図 2-5.3 荷重 - 変位曲線 初期剛性 (kn/mm) 表 2-5.3 特性値一覧 Pmax (kn) エネルギー吸収量 (kn mm) 密度 (kg/m 3 ) B-6-U20-N-1 27.58 185.22 2420.11 504.95 B-6-U20-N-2 30.24 168.98 1822.02 500.25 B-6-U20-N-3 26.70 148.00 2175.59 503.85 平均 28.17 167.40 2139.24 エネルギー吸収量は最大荷重後の 0.8Pmax までの荷重を変位で積分した値とした 3-2-13
実験写真 B-6-U20-N-1 写真 2-5.25 試験体全体 写真 2-5.26 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.27 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.28 加力前スリット部 i 写真 2-5.29 最終破壊スリット部写真 2-5.30 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-14
実験写真 B-6-U20-N-2 写真 2-5.31 試験体全体 写真 2-5.32 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.33 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.34 加力前スリット部 写真 2-5.35 最終破壊スリット部写真 2-5.36 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-15
実験写真 B-6-U20-N-3 写真 2-5.37 試験体全体 写真 2-5.38 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.39 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.40 加力前スリット部 写真 2-5.41 最終破壊スリット部写真 2-5.42 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-16
2.5.4 ビス 6 本補強 (B-6-U60-N-1 B-6-U60-N-2 B-6-U60-N-3) ドリフトピン孔より 60 mm下にビス補強を行った 200 180 160 ( k N ) 重荷 140 120 100 80 60 40 20 0 B-6-U60-N-1 B-6-U60-N-2 B-6-U60-N-3 0 5 10 15 20 25 変位 (mm) 図 2-5.4 荷重 - 変位曲線 初期剛性 (kn/mm) 表 2-5.4 特性値一覧 Pmax (kn) エネルギー吸収量 (kn mm) 密度 (kg/m 3 ) B-6-U60-N-1 32.56 190.93 2955.96 489.70 B-6-U60-N-2 28.22 192.54 2682.06 470.12 B-6-U60-N-3 31.77 191.78 2765.13 494.44 平均 30.85 191.75 2801.05 エネルギー吸収量は最大荷重後の 0.8Pmax までの荷重を変位で積分した値とした B-6-U60-N-2 と B-6-U60-N-3 は板状金物が破断した 3-2-17
実験写真 B-6-U60-N-1 写真 2-5.43 試験体全体 写真 2-5.44 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.45 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.46 加力前スリット部 写真 2-5.47 最終破壊スリット部写真 2-5.48 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-18
実験写真 B-6-U60-N-2 写真 2-5.49 試験体全体 写真 2-5.50 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.51 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.52 加力前スリット部 i 写真 2-5.53 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 写真 2-5.54 板状金物引張破壊 3-2-19
損傷写真 B-6-U60-N-3 写真 2-5.55 試験体全体 写真 2-5.56 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.57 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.58 加力前スリット部 写真 2-5.59 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 写真 2-5.60 板状金物引張破壊 3-2-20
2.5.5 ビス 12 本補強 (B-12-T-1 B-12-T-2) ドリフトピン孔より 20 mm 70 mm下にビス補強を行った 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 B-12-T-1 B-12-T-2 0 0 5 10 15 20 25 ( k N ) 重荷 変位 ( mm ) 図 2-5.5 荷重 - 変位曲線 初期剛性 (kn/mm) 表 2-5.5 特性値一覧 Pmax (kn) エネルギー吸収量 (kn mm) 密度 (kg/m 3 ) B-12-T-1 27.10 157.44 i509.97 494.59 B-12-T-2 22.04 183.54 2685.51 471.90 平均 24.57 170.49 1597.74 エネルギー吸収量は最大荷重後の 0.8Pmax までの荷重を変位で積分した値とした B-12-T-2 は試験体のドリフトピン孔と板状金物のドリフトピン孔にズレが生じていたた めドリフトピン径を φ16 から φ15 に加工し 実験を行った 3-2-21
実験写真 B-12-T-1 写真 2-5.67 試験体全体 写真 2-5.68 加力前ドリフトピン正面 i 写真 2-5-.69 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.70 加力前スリット部 写真 2-5.71 最終破壊スリット部写真 2-5.72 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-22
実験写真 B-12-T-2 写真 2-5.73 試験体全体 写真 2-5.74 加力前ドリフトピン正面 i 写真 2-5.75 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.76 加力前スリット部 写真 2-5.77 最終破壊スリット部写真 2-5.78 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 3-2-23
2.5.6 ビス 12 本補強 (B-12-N-1) ドリフトピン孔より 20 mm 70 mm下にビス補強を行った 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 B-12-N-1 0 0 5 10 15 20 25 ( k N ) 重荷 変位 ( mm ) 図 2-5.5 荷重 - 変位曲線 初期剛性 (kn/mm) 表 2-5.5 特性値一覧 Pmax (kn) エネルギー吸収量 (kn mm) 密度 (kg/m 3 ) B-12-N-1 31.67 189.61 I2148.68 470.49 エネルギー吸収量は最大荷重後の 0.8Pmax までの荷重を変位で積分した値とした 3-2-24
実験写真 B-12-N-1 写真 2-5.79 試験体全体 写真 2-5.80 加力前ドリフトピン正面 写真 2-5.81 最終破壊ドリフトピン正面 写真 2-5.82 加力前スリット部 i 写真 2-5.83 最終破壊スリット部 ( 拡大 ) 写真 2-5.84 板状金物引張破壊 3-2-25
2.6 特性値の比較 全試験体の荷重 - 変位曲線及び特性値一覧 計算値一覧を示す 200 180 160 140 ( k N ) 重荷 120 100 80 60 40 20 0 0 5 10 15 20 25 変位 (mm) 図 2-6.1 荷重 - 変位曲線 A-0-1 B-0-1 B-0-2 B-0-3 B-6-U20-N-1 B-6-U20-N-2 B-6-U20-N-3 B-6-U60-N-1 B-6-U60-N-2 B-6-U20-N-3 B-12-T-1 B-12-T-2 B-12-N-1 初期剛性 (kn/mm) 初期剛性平均値 (kn/mm) 表 2-6.1 特性値一覧 Pmax (kn) ipmax 平均値 (kn) エネルギー吸収量 (kn mm) A-0-1 15.40 129.67 995.38 B-0-1 21.55 183.89 2209.74 B-0-2 23.68 24.99 155.86 168.57 1549.88 B-0-3 29.75 165.97 926.60 B-6-U20-N-1 27.58 185.22 2420.11 B-6-U20-N-2 30.24 28.17 168.98 167.40 1822.02 B-6-U20-N-3 26.70 148.00 2175.59 B-6-U60-N-1 32.56 190.93 2955.96 B-6-U60-N-2 28.22 30.85 192.54 191.75 2682.06 B-6-U60-N-3 31.77 191.78 2765.13 B-12-T-1 27.10 157.44 509.97 24.57 170.49 B-12-T-2 22.04 183.54 2685.51 B-12-N-1 31.67 189.61 2148.68 エネルギー吸収量平均値 (kn mm) 1562.07 2139.24 2801.05 1597.74 エネルギー吸収量は最大荷重後の 0.8Pmax までの荷重を変位で積分した値とした i B-6-U60-N-2 B-6-U60-N-3 B-12-N-1 は板状金物が破断した i A-0-1 はボックス金物の隅肉溶接部分の剥がれが生じた 3-2-26
全試験体の特性値の比較グラフを以下に示す ) ( k N / mm性剛期初 35 30 25 20 15 10 5 1 体目 2 体目 3 体目平均値 0 B-0 B-6-U20-N B-6-U60-N B-12-T B-12-N 図 2-6.2 初期剛性の比較グラフ 250 1 体目 2 体目 3 体目平均値 ( k N ) 重荷大最 200 150 100 50 0 B-0 B-6-U20-N B-6-U60-N B-12-T B-12-N 図 2-6.3 最大荷重の比較グラフ ) ( K N mm量収吸ーギルネエ 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 1 体目 2 体目 3 体目平均値 B-0 B-6-U20-N B-6-U60-N B-12-T B-12-N 図 2-6.4 エネルギー吸収量の比較グラフ 3-2-27
ビス無補強試験体とビス有補強試験体についての比較 比較グラフ及び特性値より無補強試験体とネダノットを用いたビス 6 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 20 mm下にビス補強 ) の平均値で比較した場合 ビス 6 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 20 mm下にビス補強 ) の方が初期剛性は約 1.12 倍 エネルギー吸収量は約 1.37 倍高い値を示した 最大荷重はほぼ同等の値を示した 無補強試験体とネダノットを用いたビス 6 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 60 mm下にビス補強 ) の平均値で比較した場合 ビス 6 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 60 mm下にビス補強 ) の方が初期剛性は約 1.24 倍 最大荷重は約 1.14 倍 エネルギー吸収量は約 1.77 倍高い値を示した 無補強試験体と TBB-75 を用いたビス 12 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 20 mm 70 mm下にビス補強 ) の平均値で比較した場合 ビス 6 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 20 mm下にビス補強 ) の方がエネルギー吸収量は約 1.19 倍高い値を示した 初期剛性と最大荷重はほぼ同等の値を示した 無補強試験体とネダノットを用いたビス 12 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 20 mm下にビス補強 ) の値で比較した場合 ビス 6 本補強試験体 ( ドリフトピン孔より 20 mm 70 mm下にビス補強 ) の方が初期剛性は約 1.28 倍 最大荷重は約 1.13 倍 エネルギー吸収量は約 1.38 倍高い値を示した 2.7 まとめ ビス補強をすることで無補強に比べて十分な割裂抑制効果があることがわかった また ビス補強をすることで耐力低下には影響はないとわかった ネダノットを用いた 6 本補強 ( ドリフトピン孔より 60 mm下にビス補強 ) は無補強 他のビス有補強に比べて初期剛性 最大荷重 エネルギー吸収量が高い値を示した 上記よりネダノットを用いた 6 本補強 ( ドリフトピン孔より 60 mm下にビス補強 ) は割裂抑制 最大耐力の向上に十分な効果があり 最適な補強方法といえる 3-2-28