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西川町下水道長寿命化計画 ( 西川浄化センター ) ( 様式 1) 1. 対象施設及びその選定理由 1 対象施設の概要本町の下水道事業は 平成 6 年に公共下水道事業計画の認可を受け事業に着手し その後 4 回の変更認可により下水道整備を行ってきた 平成 22 年度末の整備状況としては 行政人口 6

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橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

2) 管理数量 下水道 終末処理場には汚水と雨水用の施設があります 管理数量は次のとおりで す 表 2-26 下水道 終末処理場の管理数量 施設名種別数量備考 下水道 ( 汚水 ) 下水道 ( 雨水 ) 汚水管きょ下水道終末処理場中継ポンプ場汚水低地排水ポンプ雨水管きょ雨水低地排水ポンプ雨水ゲート

下水道管路の維持管理高度化に向けた仙台市の取組み

§1 業務概要

東日本大震災(浦安市の記録).indd

ける改築事業量によって検討を行う これらの目的は,A 町の下水道管きょ施設が, 現在どの ような状態にあり, 今後どのように変化し, どの時点でどのような管理を実施すべきかなど を予め把握 検討することである 3. 既設施設の状況 ( 情報整理 ) 既存施設情報として, 汚水管きょでは, 現在, 処

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計画 として採択を受けた施設 ( 対象管路延長 L=10.94km 図 1) は 昭和 12 年 ~ 昭和 59 年に建設された合流管であり このうち 9.80km(90%) が標準耐用年数 50 年を超過 70 年を経過している施設も 8.38km(77%) となっている 対象施設の約 50% は

H29 審議会次第

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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表 1 福岡市下水道ビジョン 2018 における施策目標と 16 の主要施策 施策体系施策目標主要施策 1 総合的な雨水対策の推進 1 災害に強い下水道 2 地震対策の推進 3 維持管理の効率化 4 アセットマネジメントシステムの確立 2 下水道機能の維持 向上 5 処理施設等の再構築 6 市民に身

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平成9年度水道事業年報 1概況 2施設

技術報告集第 32 号平成 3 年 3 月 AWSCJ 支援において 現地本部が設置されたことはなく 今回が初の試みであった 水コン協現地本部が実施した主な業務を以下に示す 1 合同連絡会議への参加 調査会社 市 支援自治体 一次調査 二次調査 (TV カメラ 人孔調査 ) 不良箇所の判定 4/17

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硫化水素の 特集管路資器材腐食劣化の予防保全 図 -1 硫化水素による腐食のメカニズム 4+C(H)2 CS4 2H2( 水 ) C(H)2+4+C 2+2H2 C 2 CS4 2H2( トリン ト ) +2 4 硫 の H2 硫 化 度 に よる S4 2- S4 2- ム 硫化水素の 域 S4

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相馬市 橋梁長寿命化修繕計画 平成 28 年 12 月 福島県 相馬市建設部土木課

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0 事前準備 公共施設等の更新費用比較分析表作成フォーマット の作成に当たっては 地方公共団体の財政分析等に関する調査研究会報告書 公共施設及びインフラ資産の更新に係る費用を簡便に推計する方法に関する調査研究 における更新費用試算ソフト ( 以下 試算ソフト という ) を用います 試算ソフトは今回

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資料 1 3 小規模附属物点検要領 ( 案 ) の制定について Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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新たな管路内調査方式(ミラ-方式及び展開図化)の導入について

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下水管ストックマネジメントの 最新動向 下水道研究部長 髙島英二郎 1

(2) 当該幹線管渠は この地域 ( 砂丘周縁部 ) 特有の土質特性 ( 軟弱な腐植土層 ) などの 不安定な堆積層による不等沈下の発生現象が予想された 一般的な下水道管路の流下 方式は 自然流下方式であるが 当該地域は全般に平坦な地形である事や流入点の無 い路線の区間距離が非常に長い事などから 圧

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官 処理場管理 Ⅱ 専攻は 第 1 回が

AM部会用資料(土木・建築構造物)

表 2 下水道施設の種類等種類概要うすいばきしつ 管きょ マンホール 雨水吐室 ます 取付管等の総称管路施設 汚水や雨水を収集し ポンプ場 処理場又は河川等の放流先まで流下させる役割を担う施設 管路施設に接続して下水を処理するために設けられた処理施設の処理場施設総体 管路施設や処理場施設を補完するた

別添フロー 地すべり 事業着手の前年度まで 全体計画と構造協議の流れ 事業着手年度以降 ( 整備計画や事業実施計画に位置付け ) 時間の経過 事前協議に必要な地質調査等の実施 詳細設計を実施するための 地すべりブロックの特定 対策工の概略設計 追加調査の実施 事前協議 事業の必要性 費用対効果 交付

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目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

Q01 A01 Q02 A02 Q03 A03 Q04 A04 研修会に関する回答 複合管の場合 耐用年数 (50 年 ) によって決まってしまうというお話がありましたが 更生されて一体となったにも関わらず 外側の既設のヒューム管は経年劣化して強度がなくなるという考えなのでしょうか 更生する際には強

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イ使用年数基準で更新する施設 ( ア ) 使用年数基準の設定使用年数基準で更新する施設については 将来の更新需要を把握するためにも 更新するまでの使用年数を定める必要がありますが 現時点では 施設の寿命に関する技術的な知見がないことから 独自に設定する必要があります このため あらかじめ施設を 耐久

市民皆様が安心して利用していただくために 佐伯市橋梁長寿命化修繕計画 佐伯市建設課 2018 年 12 月

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立川市雨水浸透施設設置基準 1. 目的この設置基準は 立川市雨水浸透施設設置補助金交付要綱 ( 以下 要綱 という ) の雨水浸透施設の設置にあたり 必要な事項を定めることを目的とする 2. 用語の定義補助対象の雨水浸透施設とは 雨水浸透ます 及び 雨水浸透管 とし 雨水浸透施設の設置に伴い発生する

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平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

社会資本の維持管理 更新 社会資本は日々の生活を支えるとともに 産業 経済活動の基盤であり 社会資本がその役割を十分果たすことができるよう 適切な維持管理 更新が必要 道路分野 河川分野 港湾分野 橋梁点検堤防巡視床版の打ち替え トンネル補修排水機場の補修水中溶接による電気防食の施工 1

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橋梁長寿命化修繕計画 ( 案 ) 平成 25 年 3 月 那覇市役所 建設管理部道路管理課

4 健全度の把握及び日常的な維持管理に関する基本的な方針 健全度の把握の基本的な方針橋梁の長寿命化を図るため 定期点検要領に基づき5 年に1 回の定期点検を実施していきます また 定期点検の結果に基づく診断結果 ( 健全度 ) を長寿命化修繕計画に反映させていきます 日常的な維持管理に関する基本的な

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構造 用途 鉄筋コンクリート造鉄骨 鉄筋コンクリート造 高品質の場合 普通の品質の場合 高品質の場合 重量鉄骨 鉄骨造 普通の品質の場合 軽量鉄骨 ブロック造れんが造 木造 学校庁舎 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 100 以上 Y 60 以上 Y 40 以上 Y 60 以上 Y 60 以上

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たたら製鉄についてのまとめ

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目次 1 第 2 回検討委員会での決定事項 2 (1) 市街化調整区域の受益者分担金制度について 2 (2) 取付管設置工事費算定の基本方針について 2 (3) 都市計画税の不公平感について 2 2 第 2 回検討委員会における質問事項等に対する回答 2 (1) 国の提言との比較について 2 (2)

SCプラグ工法

社会資本総合整備計画 ( 防災 安全交付金 ) 計画の名称 計画の期間 計画の目標 命と暮らしを守る安全 安心な施設づくり ( 下水道 ) 平成 27 年度 ~ 平成 31 年度 (5 年間 ) 平成 29 年 3 月 13 日重点配分対象の該当 下水道管路及び下水道施設の長寿命化 耐震化を図り安全

まずは 見る 次に叩くと更にわかる事があり 老朽化した管路が増加し 社会問題にまでなっている下水道 下水道の老朽管路の調査を正確にすることは 管路の改築や 補修方法を選定する上でとても大切です 人が入れないよう な口径の下水管の中の管路調査診断は一般的に状況映像を 撮る TVカメラ が用いられ TV

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各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

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1. ストックマネジメント等の計画策定 交付金活用について Q1-1 設置後 30 年以上経過していないものも交付対象となりますか? 道路付属物であるよう 下水道施設のストック総点検とし交付メニューができれば良いと思う A1-1 マンホールふたの標準耐用年数は 車道用で 15 年 その他で 30 年

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流動資産 3 流動比率 (%) 流動負債短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 当該指標は 1 年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を示す 100% 以上であることが必要である 一般的に 100% を下回るということは 1 年以内に現金化できる資産で 1 年以内に支

国土技術政策総合研究所 プロジェクト研究報告

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台東区橋梁長寿命化修繕計画 平成 30 年 3 月 台東区

資料1-2 「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」(案)」(事例・参考資料等)(4/5)

舗装長寿命化修繕計画 平成 30 年 11 月 長野県埴科郡坂城町

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設計162 外壁リフォーム事前調査の方法標準施工法外壁リフォームモエンサイディング重ね張り工法モエンサイディング張り替え工法モエンサイディング張り替え工法 外張り断熱センターサイディング重ね張り工法設計屋根リフォームセンタールーフ重ね葺き工法アルマ重ね葺き工法参考資8-1 適用条件 8-2 屋根リフ

Microsoft Word パブコメ資料_案.doc

Microsoft Word - rfi-h03_ _besshi02

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参考資料 Ⅴ 下水道長寿命化計画の検討例 ( 管路施設 )

目次 1 施設概要... 1 2 計画策定フロー... 1 3 対象施設の選定... 2 4 調査と調査項目の検討... 5 5 診断 ( 健全度評価等 )... 6 6 対策範囲の検討 ( 改築か修繕か )... 6 7 更新 長寿命化の検討 ( 布設替えか更生工法か )... 7 8 ライフサイクルコスト改善額の算定... 8 9 年度別事業実施計画... 9 10 予防保全的な維持管理の実施について... 9

1 施設概要 (1) 名称 : 処理区, 処理区, 処理区, (2) 排除方式 : 合流式 ( 一部 ) 分流式 (3) 規模概要 : 管きょ延長合流 40km, 汚水 400km, 雨水 40km 計画面積全体計画 3,200ha, 認可計画 3,000ha 2 計画策定フロー 下水道長寿命化計画は, 図 1 に示すフローに基づき 策定を行う ( 基本情報 ) 工事情報 施設情報 ( 日常的な維持管理 ) 日常 定期点検の実施 清掃 修繕等の実施 対象施設の選定 ( 検討対象区域 路線等の選定 ) 情報システム ( データベース ) 調査と調査項目 調査方法の検討 調査項目の選定 調査 診断 対策が必要 対策範囲の検討 ( 改築か修繕か ) 対策不要 維持 修繕 改築 更新 長寿命化対策の検討 長寿命化対策検討施設の選定 対象 対象外 更新 長寿命化対策の検討 更新 長寿命化対策 更新 下水道長寿命化計画の策定 図 1 長寿命化計画策定フロー 参考資料 Ⅴ-1

3 対象施設の選定対象施設の選定はリスク評価により行う 評価にあたっては リスクが発生した場合の被害規模と発生確率をそれぞれ点数化して評価する方法により行う また, リスクの点数化にあたっては, それぞれのリスク項目では重さが異なるため,AHP( 階層分析法 ) によりリスク項目間の重み付けを行う 1 被害規模 ( 影響度 ) の検討 1) リスク項目の設定被害規模のリスク項目は, 用途地域による要因, 管きょの構造特性による要因, 人口密度地域の有無による要因, 災害対応による要因, 管きょ能力による要因 を設定する 表 1 被害規模 ( 影響度 ) のリスク項目 要因細目 商業系地域 1 用途地域による工業系地域 要因 住宅系地域 その他の地域 圧送管 管きょの地 2 管きょ構造特性 河川横断 域 構造特性による要因 軌道横断 による要因 特殊な構造ではない 3 人口密度地域 人口密度あり の有無による要因 人口密度なし 緊急輸送路下 4 災害対応による避難所 災害拠点 病院下流要因 その他 ( 条件に当てはまらない管きょ ) 管きょ能力 ( 管径 規模 ) による要因 補足等都市計画で用途が指定されていない地域 DID 地区地域防災計画管径 主要な管きょもしくは排水面積により算出 2)AHP によるリスク項目の重み付けの設定 管きょの維持管理に日常的に関わっている下水道課職員に対して,AHP アンケートを実施 し, リスク項目の重み付けを設定する 評価基準 1 表 2 被害規模 ( 影響度 ) のリスク項目の重み付け結果 大項目ウェイト 評価基準 2 1 用途地域による要因 2 管きょ構造特性管きょの地域 構造特性による要因 0.489 による要因 3 人口密集地域の有無による要因 4 災害対応による要因 中項目小項目評価基準 3 ウェイトウェイト 大 中 小 商業地域 0.392 0.029 工場地域 0.169 0.012 0.151 住宅地域 0.383 0.028 その他 0.056 0.004 圧送管 0.322 0.040 河川横断 0.291 0.036 0.253 軌道横断 0.309 0.038 特殊な構造ではない 0.078 0.010 人口密集あり 0.848 0.125 0.300 人口密集なし 0.152 0.022 緊急輸送路下 0.574 0.083 0.296 避難所 災害拠点 病院下流 0.342 0.049 その他 ( 条件に当てはまらない管きょ ) 0.084 0.012 管きょ能力 ( 管径 規模 ) による要因 0.511 1.000 1.000 0.511 合計 1.000 2.000 5.000 1.000 参考資料 Ⅴ-2

2 発生確率 ( 不具合の起こりやすさ ) の検討 1) リスク項目の設定被害規模のリスク項目は 経過年数による要因, 管材料による要因, 地盤状況による要因, 民間開発の有無による要因, 特殊排水による要因, 道路規模による要因 を設定する 表 3 発生確率 ( 不具合の起こりやすさ ) のリスク項目 要因細目 補足等 1 経過年数による要因 各年度 各施工年度に応じて設定 2 管材料による要因 陶管ヒューム管塩ビ管等圧送管 ( 鋳鉄管 鋼管 ) ボックスカルバートその他の管 3 地盤条件による要因 液状化の危険が高い地盤 PL 値データ 表層地質 微地形区分等液状化の危険が低い地盤 4 民間開発の有無による要因 民間開発有り民間開発無しビルピット排水 明らかな不具合等が認められる場合ビルピットが確認された場合 接続箇所から100m 程度を対象 工場排水 5 特殊排水による要因繁華街 ( 油 ) 圧送管下流 維持管理履歴等によって 個別に不良箇所が確認できた場合圧送管開放点より100m 程度を対象 通常汚水 6 道路規模による要因 国道 都道府県道市道 ( 国道 都道府県道以外 ) 2)AHP によるリスク項目の重み付けの設定管きょの維持管理に日常的に関わっている下水道課職員に対して,AHP アンケートを実施し, リスク項目の重み付けを設定する 表 4 発生確率 ( 不具合の起こりやすさ ) のリスク項目の重み付け結果 評価基準 1 大項目小項目評価基準 1 ウェイトウェイト 大 小 1 経過年数による要因 0.259 1.000 0.259 陶管 (CP) 0.260 0.027 ヒューム管 (HP) 0.260 0.027 2 管材料による要因 塩ビ管等 (VU,VP) 0.236 0.025 0.105 鋳鉄管, 鋼管等 (CIP,DCIP) 0.120 0.013 ボックスカルバート等 0.063 0.007 その他の管 0.062 0.007 3 地盤状況による要因 液状化の危険度が高い 0.746 0.298 0.399 液状化の危険度が低い 0.254 0.101 4 民間開発の有無による要因 移管された管 0.759 0.056 0.074 公共下水道で整備した管 0.241 0.018 ビルピット排水 0.080 0.009 工場排水 0.175 0.021 5 特殊排水による要因 0.117 繁華街 ( 油 ) 0.427 0.050 圧送管下流 0.160 0.019 通常汚水 0.158 0.019 6 道路規模による要因 国道 都道府県道 0.497 0.022 0.045 市道 0.503 0.023 合計 1.000 6.000 1.000 参考資料 Ⅴ-3

3 リスク評価リスク値は管きょのスパン毎に設定するが, 膨大な作業量となるため, 台帳として整備しておいた管きょデータを活用し, 効率的に算定する 被害規模( 影響度 ) と 発生確率( 不具合の起こりやすさ ) を, それぞれ値として算定し, 掛け合わせることで, スパン毎にリスク値を点数化したものを表 6に, 図化したものを図 2 に示す なお 経過年数 の点数化は以下の年度区分に基づき得点化したものに, リスク項目の重み付けを乗じることで算定した 表 5 経過年数の年度区分と得点 年度区分 得点 10 年未満 0 10 年以上 20 年未満 0.2 20 年以上 30 年未満 0.4 30 年以上 40 年未満 0.6 40 年以上 50 年未満 0.8 50 年以上 1 表 6 リスク評価結果 ( 一部抜粋 ) 管きょ発生確率被害規模リスク管理 1 2 3 4 5 6 得点 _ 1 2 3 4 5 計得点 _ 計評価結果番号経過年数管材料地盤状況民間開発特殊排水道路規模用途地域構造特性人口密集災害対応管渠能力 10 0.104 0.025 0.298 0.018 0.019 0.023 0.485 0.029 0.010 0.125 0.012 0.220 0.395 0.192 11 0.104 0.025 0.298 0.018 0.019 0.023 0.485 0.028 0.010 0.125 0.012 0.220 0.394 0.191 12 0.104 0.025 0.298 0.018 0.019 0.023 0.485 0.029 0.010 0.125 0.012 0.220 0.395 0.192 13 0.104 0.027 0.298 0.018 0.019 0.023 0.488 0.028 0.010 0.125 0.012 0.317 0.491 0.240 14 0.104 0.027 0.298 0.018 0.019 0.023 0.488 0.028 0.010 0.125 0.012 0.220 0.394 0.192 15 0.104 0.025 0.298 0.018 0.019 0.023 0.485 0.028 0.010 0.125 0.012 0.220 0.394 0.191 16 0.104 0.025 0.298 0.018 0.019 0.023 0.485 0.028 0.010 0.125 0.012 0.220 0.394 0.191 17 0.104 0.027 0.298 0.018 0.019 0.023 0.488 0.028 0.010 0.125 0.049 0.414 0.626 0.305 18 0.104 0.027 0.298 0.018 0.019 0.023 0.488 0.028 0.010 0.125 0.049 0.414 0.626 0.305 19 0.104 0.027 0.298 0.018 0.019 0.022 0.488 0.029 0.010 0.125 0.083 0.317 0.563 0.274 20 0.104 0.025 0.298 0.018 0.019 0.022 0.485 0.029 0.010 0.125 0.083 0.220 0.466 0.226 21 0.104 0.025 0.298 0.018 0.019 0.023 0.485 0.028 0.010 0.125 0.012 0.220 0.394 0.191 リスク評価結果の算定例 例として 管きょ管理番号 10 についてのリスク評価結果を示す 発生確率 1 経過年数 20 年 (0.4 0.259=0.104) 2 管材料塩ビ管 (0.025) 3 地盤状況液状化の危険が高い (0.298) 4 民間開発公共下水で整備 (0.018) 5 特殊排水通常汚水 (0.019) 6 道路規模市道 (0.023) 被害規模 1 用途地域商業地域 (0.029) 2 構造特性特殊な構造ではない (0.010) 3 人口密集人口密集あり (0.125) 4 災害対応その他 (0.012) 5 管渠能力 φ200mm(0.220) * 口径区分ごとに得点を設定した 参考資料 Ⅴ-4

低 図 2 リスク評価結果 ( 図化 ) 4 調査と調査項目の検討 対象路線について, リスク値の高いものから調査を実施する 表 7 目視 テレビカメラ調査結果 ( 一部抜粋 ) 管番号 上下方向管の破損 管の腐食管の破損管のクラック浸入水小計管本数不良発生率 (%) スパン全体の評価のたるみ継手ズレマンホーズレ =a カメラ調査管径ル間延長管種結果によ (mm) 不良発腐食たるみ A B C A B C a b c a b c a b c a b c A B C (m) ( 本 ) a b c の有無る緊急度生率 306-2 2 2 45.39 800 HP 18 11% - C - - Ⅲ 306-3 1 1 47.84 800 HP 19 5% - C - - Ⅲ 306-4 1 2 1 2 46.70 800 HP 19 5% 11% - B - - Ⅲ 306-5 1 1 45.55 800 HP 17 6% - B - - Ⅲ 306-6 1 1 2 1 1 3 45.91 800 HP 18 6% 17% - B - C Ⅲ 213-1 1 1 1 1 1 60.01 800 HP 24 4% 4% A A - C Ⅱ 213-2 2 3 2 3 48.32 800 HP 19 11% 16% - B - - Ⅲ 213-3 40.52 800 HP 16 - - - - - 213-4 1 1 1 1 50.66 800 HP 20 5% 5% - B - - Ⅲ 303-3 2 6 2 6 47.53 800 HP 19 11% 32% - B - - Ⅲ 303-4 12 12 48.16 800 HP 19 63% - B - - Ⅲ H128 3 3 66.42 900 HP 27 11% - C - - Ⅲ 303-1 1 5 1 5 45.08 800 HP 18 6% 28% - B - - Ⅲ 303-2 1 2 8 2 9 48.21 800 HP 20 10% 45% - B - - Ⅲ 510-2 1 1 42.97 600 HP 17 6% - C - - Ⅲ 1126-5 1 1 25.26 200 VU 7 14% - C - - Ⅲ 210-1 2 2 30.77 600 HP 12 17% - B - - Ⅲ 2206 1 1 1 2 15.75 400 HP 6 33% - C - C - 2213 1 1 14.39 450 HP 6 17% A A - - Ⅱ 2218-1 2 1 1 2 2 83.36 350 HP 40 5% 5% - B - - Ⅲ 2219 1 1 1 1 2 8.12 600(350) HP 6 17% 33% - B - - Ⅲ 3001 2 1 2 1 28.41 300 HP 15 13% 7% - B - - Ⅲ 3002 2 1 3 30.63 300 HP 18 17% - C - - Ⅲ 3003 1 2 3 32.20 300 HP 16 19% - C - - Ⅲ 3017 1 1 2 22.22 300 HP 11 18% - C - - Ⅲ 3018 1 1 1 1 2 32.42 300 HP 17 6% 12% - B - - Ⅲ 3019 1 1 27.45 300 HP 11 9% - C - - Ⅲ 3047 1 1 10.15 300 HP 5 20% - B - - Ⅲ 3048 1 2 3 1 5 38.99 300 HP 19 5% 26% - B - - Ⅲ 3049 1 1 4 1 5 40.31 300 HP 20 5% 25% - B - - Ⅲ 3050 2 3 2 3 36.99 300 HP 19 11% 16% - B - - Ⅲ 3051 1 1 3 1 4 28.88 300 HP 15 7% 27% - B - - Ⅲ 3052 1 3 4 28.05 300 HP 15 27% - C - - Ⅲ 3056 1 1 32.62 300 HP 16 6% - C - - Ⅲ 3058 1 1 1 4 1 5 31.82 300 HP 16 6% 31% - B - C Ⅲ 3059 1 1 3 1 4 28.04 300 HP 15 7% 27% A A - - Ⅱ 参考資料 Ⅴ-5

5 診断 ( 健全度評価等 ) 対象路線の調査結果から判定基準と比較 検討を行うことにより 現在の緊急度を評価する 表 8 健全度及び緊急度判定結果 ( スパン数及び延長 ) 緊急度判定スパン数延長 (m) 判定結果 - 21 806 Ⅲ 94 3,711 Ⅱ 14 573 Ⅰ 11 430 対策不要 ( 維持 ) 対策が必要 ( 対策範囲の検討へ ) 6 対策範囲の検討 ( 改築か修繕か ) 対策範囲の検討は, 管の腐食, 上下方向のたるみ, 管の破損, 管のクラック, 管の 継手ズレ, 浸入水 について検討を行った 調査延長 140 スパン 5,520m 維持 緊急度 Ⅲ 以下 115 スパン 4,517m 診断結果 対策が必要 25 スパン 1,003m 修繕 緊急度 Ⅰ Ⅱ 0 スパン 0.00m 対策範囲の検討 ( 改築か修繕か ) 図 3 対策範囲の検討フローと結果 改築 25 スパン 1,003m 参考資料 Ⅴ-6

7 更新 長寿命化の検討 ( 布設替えか更生工法か ) 更新 長寿命化の検討は, 図 4 のフローにより行った 検討の結果, 単独事業のものや, 計画降雨 の変更により当初から流下能力不足であった ものを除き, 下水道長寿命化支援制度の申請 が可能となったのは,14 スパン,582m となっ た 表 9 更新 長寿命化対策検討結果 スタート [ 既設管の状況 ] 劣化等の状況から明らかに更生工法が適用できないと判断される NO [ 流下能力の確保 ] 更生後の流下能力を確保できない YES YES 緊急度 Ⅰ Ⅱ 二次判定 延長 (m) スパン数 事業費 ( 千円 ) 長寿命化 318 8 37,000 更新 47 1 44,000 長寿命化 49 1 3,000 更新 168 4 76,000 合計 582 14 160,000 YES NO [ 現場条件 ] 社会的影響等により開削での施工が難しい [ 経済性 ] 更生工法が総合的な経済性に優れる 更生工法 NO YES NO 図 4 更新 長寿命化の検討フロー 布設替え 改築 25 スパン 1,003m 更新 長寿命化対策の検討 ( 布設替えか更生工法か ) 更新 ( 布設替え ) 12 スパン 487m 長寿命化対策 ( 更生工法 ) 13 スパン 516m 対策事業の判定 下水道長寿命化支援制度 14 スパン 582m 事業認可など他事業 8 スパン 324m 単独事業 3 スパン 97m 図 5 更新 長寿命化の検討結果 参考資料 Ⅴ-7

8 ライフサイクルコスト改善額の算定 1 対象延長ライフサイクルコスト改善額は, 更新対象となった 318m+49m=367m を対象とする 2ライフサイクルコスト算定結果維持管理費は, これまでの予算規模等を考慮して, 年間 35,000 千円とした 結果としてライフサイクルコスト改善額は 38,000 千円となった 表 10 ライフサイクルコスト算定結果 採用工法 布設替え 管番号 上流人孔下流人孔マンホール管径番号番号間延長 (mm) 管種 緊急度 費用 ( 円 ) 採用工法名 費用 ( 円 ) 510-2 1502 1501 43 600 HP Ⅰ 6,832,230 改築 ( 更生 ) 40,005,070 3047 32 830 10 300 HP Ⅰ 680,050 改築 ( 更生 ) 2,436,000 3048 830 828 39 300 HP Ⅰ 2,612,330 改築 ( 更生 ) 9,357,600 3049 828 762 40 300 HP Ⅰ 2,700,770 改築 ( 更生 ) 9,674,400 510-3 1501 1500 45 600 HP Ⅰ 7,126,380 改築 ( 更生 ) 41,727,420 510-6 1499 1463 57 600 HP Ⅰ 9,053,460 改築 ( 更生 ) 53,011,140 H705 7862 7863 49 250 HP Ⅱ 2,766,400 改築 ( 更生 ) 11,411,400 K129 2536 2537 22 450 HP Ⅰ 2,330,460 改築 ( 更生 ) 5,945,940 S306 5090 5087 62 400 HP Ⅰ 5,778,090 改築 ( 更生 ) 16,153,800 合計 367 39,880,170 189,722,770 維持管理費 5,000,000,000 2,500,000,000 年価 52,296,029 円 / 年 53,794,455 円 / 年 ( 更生 + 布設替え )/100 ( 布設替え )/50 毎年度の改善 53,794-52,296 = 1,498 千円 / 年 ;X 社会的割引率 4.0% で割り戻したライフサイクルコスト改善額 38,188 千円 ;X + X/1.04^1 + + X/1.04^99 参考資料 Ⅴ-8

9 年度別事業実施計画計画期間は概ね 5 年以内と考えるが, 今回申請箇所の改築延長及び本市の財政状況を踏まえると,4 年間による計画が妥当と判断し, 平成 26 年度 ~29 年度までの 4 ヵ年で計画を実施するものとする 市における平成 26 年度から平成 29 年度までの年度別事業実施計画を表 11に示す 表 11 年度別事業実施計画 項目平成 26 年平成 27 年平成 28 年平成 29 年 合計 ( 百万円 ) 管きょ 設計 10 10 10-30 事業 - 41 55 64 160 合計 10 51 65 64 190 10 予防保全的な維持管理の実施について下水道施設を適正に管理していくため, 今後は施設情報システムを活用し, リスク評価に基づいた優先度と, 改築事業量に基づいた調査延長を考慮し, 計画的に改築更新を行う方針とする 参考資料 Ⅴ-9