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平成 27 年 2 月神戸税関監視部保税総括部門 平成 26 年度保税業務担当者研修会

1. 外国貨物を置く場所の制限 ( 他所蔵置 ) 2. 外国貨物の廃棄 滅却 3. 関税納付義務 ( 倉主責任 ) 1

1. 外国貨物を置く場所の制限 ( 他所蔵置 ) 2

1. 外国貨物を置く場所の制限 事例 保税蔵置場に蔵置してあった外国貨物について 悪臭が発生していたことから 貨物管理責任者の指示で 他所蔵置許可を受けることなく 同社敷地内の保税地域ではない倉庫に蔵置した 処分 ( ) 他所蔵置とは? 3

1. 外国貨物を置く場所の制限 税関の役割 関的機能 輸出入が規制されている物品の不正な輸出入の水際取締 輸入 : 社会秩序の維持 国民生活の健康や安全の確保等 輸出 : 国際的な平和維持 環境保護等 税的機能 関税や消費税等の税収確保 国内産業の保護 発展途上国経済援助等 4

1. 外国貨物を置く場所の制限 保税制度の役割 外国貨物 外国貨物 外国貨物 効率的かつ効果的な輸出入検査等の実施 保税地域 に集中 輸入貨物を担保とした関税債権の確保 貿易の促進 税関手続きに係る利便性の向上 5

1. 外国貨物を置く場所の制限 ⑴ 外国貨物を置く場所の制限 ( 関税法第 30 条第 1 項 ) 外国貨物は 保税地域以外の場所に置くことはできない 例外 難破貨物 ( 第 1 号 ) 保税地域に置くことが困難又は著しく不適当な貨物 ( 第 2 号 ) 特定郵便物 刑事訴訟法の規定により押収された物件その他政令で定める貨物 ( 第 3 号 ) 信書便物のうち税関長が取締り上支障がないと認めるもの ( 第 4 号 ) 特例輸出貨物 ( 第 5 号 ) 6

1. 外国貨物を置く場所の制限 相談事例 大阪から OLT で神戸に運送されてきた豚肉について 到着地でコンテナを開扉したところ 肉が血まみれになっていた このまま搬入すると他の貨物に臭いがうつり商品価値がなくなってしまうことから搬入ができない 一時的に他所蔵置の許可は受けれるか 回答 関税法基本通達 30-2(4) 腐敗変質し 又は他の貨物を汚損するおそれがある貨物 に該当し 他所蔵置は可能である 7

1. 外国貨物を置く場所の制限 (2) 保税地域に置くことが困難又は著しく不適当な貨物 ( 関税法第 30 条第 1 項第 2 号 関税法基本通達 30-2) 他所蔵置が認められる貨物 巨大重量物 大量貨物 交通不便 腐敗変質 他の貨物を汚損 貴重品 危険物 生鮮食料品 税関長がやむを得ないと認めたもの 他所蔵置の許可は 個々の貨物について保税地域以外の場所に置くことについての禁止を解除するものであり 保税地域以外の場所について特例的に保税地域の機能を持たせるものではない したがって 対象となる貨物が物理的に保税地域に置くことが困難な貨物についてのみ認められる 場所 期間を指定 税関長の許可 許可 8

1. 外国貨物を置く場所の制限 相談事例 貨物は衣類であるが 近隣に保税蔵置場がないわけではないが 運送経費がかかるため 荷主の要望により 荷主の敷地内に貨物を置きたい 他所蔵置は認められるか 回答 関税法基本通達 30-2 の貨物の要件を満たしておらず また コスト削減を目的とした他所蔵置は認められない 9

1. 外国貨物を置く場所の制限 (3) 他所蔵置に係る保税地域についての規定の準用等 1 ( 関税法第 36 条 ) 見本の一時持出 ( 関税法第 32 条 ) 公的機関の検査 成分分析等のため持出 ( 課税上問題がなく 少量のものに限定 ) 外国貨物の廃棄 ( 関税法第 34 条 ) 腐敗 変質等により本来の用途に供されなくなった外国貨物をくずとして処分 関税納付義務 ( 関税法第 45 条 ) 外国貨物の亡失時 ( 紛失 盗難等 ) における関税の納付義務 ( 倉主責任 ) 10

1. 外国貨物を置く場所の制限 事例 保税運送されてきた貨物について 原産地表示シールの添付作業のため他所蔵置許可を受けることなく同一敷地内の保税蔵置場の許可を受けていない区域に置き 税関に届出を行うことなく 6PP だった貨物を 10PP に改装した 11

1. 外国貨物を置く場所の制限 (3) 他所蔵置に係る保税地域についての規定の準用等 2 ( 関税法第 36 条 ) 貨物の取扱い ( 関税法第 40 条第 1 項 ) 保税地域においては 内容の点検 又は改装 仕分けその他の手入れをする場合 保税台帳に記帳すればでき得る行為 ( 自主記帳 ) とされているが 他所蔵置場所においては予め税関長への届出を要する! ( 他所蔵置場所は 保税地域ではない!!) 法 40 条第 2 項税関長の許可が必要となる見本の展示 簡単な加工その他に類する行為は不可! 12

2. 外国貨物の廃棄 滅却 13

2. 外国貨物の廃棄 滅却 事例 植物防疫検査で不合格となった球根 3 ケースについて 貨物管理責任者の指示のもと 外国貨物のまま承認を受けることなく滅却されたことが判明した 処分 ( ) 廃棄 滅却とは? 14

2. 外国貨物の廃棄 滅却 ⑴ 外国貨物の廃棄 ( 関税法第 34 条 ) 保税地域にある貨物を廃棄しようとする者は あらかじめその旨を税関に届け出なければならない 保税地域にある外国貨物が 腐敗 変質等により輸入できなくなったり あるいは 他法令の規定による許可 承認を受けることができず 積戻しもできないような場合 あらかじめその旨を税関に届け出なければならない ただし ( 関税法第 45 条第 1 項ただし書 ( 許可を受けた者の関税の納付義務 ) の規定により ) 滅却について承認を受けた場合は この限りでない 15

2. 外国貨物の廃棄 滅却 (2) 外国貨物の廃棄の意義及び取扱い等 1 ( 関税法基本通達 23-9, 34-1, 45-2) 廃棄 外国貨物を滅却し 又は腐敗 変質等により本来の用途に供されなくなった外国貨物をくずとして処分すること 滅却 焼却等により貨物の形態をとどめなくすること 廃棄 滅却 廃棄が滅却を含む概念であり 関税の納付義務が免除される段階まで経済的価値を減少させ処分することを滅却という 16

1. 外国貨物を置く場所の制限 相談事例 輸入者から 外国貨物であるタピオカ粉が目的用途に使用できなくなったことから 滅却手続きを行いたい旨相談があった 滅却方法として産業廃棄物業者に委託し たい肥製造原料 ( リサイクル ) として使用するとのことだが 滅却として認められるか 回答 本来の使用目的価値がないものとしても たい肥原料として経済価値を残す処理では滅却は認められない 17

2. 外国貨物の廃棄 滅却 (2) 外国貨物の廃棄の意義及び取扱い等 2 ( 関税法基本通達 23-9,34-1,45-2) 廃棄 ( 届出 ) 貨物の原型を留めることなくして捨て去ること くずとして処分すること 経済的価値残存 輸 売却も可能 入 滅却 ( 承認 ) 貨物の原型を留めることなくして処分すること 経済的価値なし 申告 税関長の承認を受けて関税の納付義務が免除される段階まで経済的価値を減少させる 処分 18

2. 外国貨物の廃棄 滅却 相談事例 昨年 9 月に中国向けに輸出した貨物 ( 食品類 ) が 現地で 日本の公的機関が発行する放射能の安全証明がない という理由から通関できず シップバックとなり 賞味期限も切れていることから滅却したい 輸出貨物であっても滅却は可能か 回答 関税法基本通達 45-2(2) に該当するかどうかであるが 賞味期限が切れており 国内消費の需要に適合しない貨物に該当するものと考えられることから 再輸入貨物であっても滅却は可能である 19

3. 関税納付義務 ( 倉主責任 ) 20

3. 関税納付義務 ( 倉主責任 ) (1) 外国貨物の亡失 ( 関税法第 45 条 ) 外国貨物が亡失し 又は滅却されたときは 当該保税地域の許可を受けた者から 直ちに関税を徴収する 21

3. 関税納付義務 ( 倉主責任 ) (2) 外国貨物の亡失の意義及び取扱い 1 ( 関税法基本通達 23-9, 45-1) 亡失とは 原則として 貨物が物理的に存在しなくなることをいい その原形をある程度とどめている場合であっても その課税物品の本来の性質 形状 商品価値等を失い これを事故前の状態に復元するには 新たに製造する場合と同等の行為を要すると認められる状況にある場合をいう 22

3. 関税納付義務 ( 倉主責任 ) 事例 保税蔵置場において荷崩れが発生し 外国貨物であるスパークリングワインを破損 亡失させた 発生原因は? 23

3. 関税納付義務 ( 倉主責任 ) (2) 外国貨物の亡失の意義及び取扱い 2 ( 関税法基本通達 23-9, 45-1) あらかじめ税関長の承認を受けて滅却した場合 災害その他やむを得ない事情により亡失した場合 災害 とは 震災 風水害等の天災 又は火災その他人為的災害で自己の責任によらないもの その他やむを得ない理由 とは 災害に準ずるような理由 誤送や窃盗による盗難は その他やむを得ない理由 に該当しない! なぜか? 倉主には貨物の保全義務があるから 24

神戸税関監視部 無許可見本持出 無届 ( 工事 増減坪 亡失 ) 10 件 延長未承認蔵置 6 件 未承認保税運送 3 件 2 件 無許可他所蔵置 2 件 ( 搬入停止処分 1 件 ) 計 104 件 ( うち処分 4 件 ) 18 件 記帳義務違反 81 件 ( 搬入停止処分 3 件 ) 18 件 は処分になり得た件数 ( 内書 ) 合計点数が 10 点を超えることとなったものの 直ちに社内管理体制の改善に取り掛かった場合等により減算措置が講じられた結果 処分に至らなかったもの

お疲れ様でした お疲れ様でした 質問があればお願いします ご質問があればお願いします カスタムくん 26