事業承継関連税制について 関東経済産業局 平成 30 年 6 月 中小企業金融課

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××税制(所得税・法人税・法人住民税・事業税)

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(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

参考. 改正前の制度概要 ( 改正対象は太字 ) (1) 税の納税猶予の全体像 ( 概要 ) の要件 会社の代表者であったこと 時には代表権を有していないこと と同族関係者で決議数の 50% 超の株式を保有かつを除いた同族内で筆頭株主であったこと 認定対象会社の要件 の要件 会社の代表者であること

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

速報!  平成27年度税制改正セミナー

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

納税猶予打切りリスクの緩和 利子税率の引き下げ 承継 5 年超で 5 年分の利子税の免除 債務控除方式の変更 債務控除を株式以外の財産から行うことで 納税猶予の効果を高める < 平成 27 年度税制改正 > 贈与税の納税猶予 免除制度の拡充 1 代目が存命中に 2 代目が 3 代目に納税猶予 免除制

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

2. 改正の趣旨 背景 中小企業経営者の高齢化が進んでいるが その半数以上が事業承継の準備を終えていない このような現状を放置すると中小企業の廃業の増加により地域経済に深刻な打撃を与える恐れがある 事業承継の円滑な実施は 事業が継続されることによる雇用の維持に加え 休廃業企業のうち一定数は経常利益が

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

スライド 1

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2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

(0830時点)PR版

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

事業承継税制の拡充・資産税逃れ対策等

事業承継支援について

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3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

2018年度税制改正大綱 - 資産税関連の主な改正点

Microsoft Word - 36号事業承継.doc

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

平成16年版 真島のわかる社労士

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

1 設備投資をして生産性を高めたい! ~ 中小企業経営強化税制の創設 ~ ~ 固定資産税特例の拡充 ~ 利用できるのは 法 人 個人事業主 法人税 所得税固定資産税 省力化のため セルフレジ ( 複数台合計で約 1,500 万円 ) を導入したい! 何か使える支援策はないかしら? 経営力を向上させる

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住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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個人事業者向けの事業承継税制が創設

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

目次 特例措置の概要等... 5 ( 問 1) 非上場株式等についての相続税 贈与税の納税猶予及び免除に係る一般措置と特例措置との違い... 5 ( 問 2) 相続開始後の特例承継計画の提出... 8 ( 問 3) 特例措置の対象となる株式等の種類... 9 ( 問 4) 特例措置における雇用確保要

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

経営強化法の執行について

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

(1) 政策目的 多様な就業の機会を提供すること等により我が国の経済の基盤を形成している中小企業の事業承継を円滑化することにより 中小企業の事業活動の継続を実現し 雇用の確保や地域経済の活力維持につなげることを目的とする (2) 施策の必要性 全国の経営者の平均年齢は年々上昇しており 例えば資本金

サービス業 5 千万円以下 100 人以下政令指定業種固定資産税のゼロ特例や国補助金の優先採択を受けることができます! 1 先端設備等導入計画 の概要 中小企業等が 計画期間内に 労働生産性を一定程度向上させるため 先端設備等を導入する計画を策定し その計画が北九州市の 導入促進基本計画 等に合致す

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

2011年税制改正のポイント

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

11

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1 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施 規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適 を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 対象会社要件 中 企業者であること 上場会社等 俗営業会社に該当しないこと 資産保有型会社 は資産運 型会社 ( 以下 資産保有型会社等

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

個人版事業承継税制の創設について 現行税制上の事業承継支援特例を踏まえた検討

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2 b. 廃業 3) 事業承継計画 1 現状の把握 a. 事業承継に係る関係者の状況 中小家の親族関係 その他の関係者 氏名 年齢続柄 備考 氏名年齢 備考 中小太郎 60 歳 本人 T 社の創始者 ( 代表取締役社長 ) A 63 歳 T 社の専務取締役 ( 太郎の右腕 最近病気がち ) 中小花子

中小企業等経営強化法の概要

1 第 2 章都道府県知事の認定について 第 1 節第一種特例贈与認定中小企業者 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施行規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適用を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 1 対象会社要件 中小企業者であること 上場会社等 風俗営業

スライド 1

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

スライド 1

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

平成19年12月○日

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望の内容平成 28 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省経済産業政策局産業再生課 ) 制度名産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条 ) ( 租税特別措置法施行令第 42 条の

贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施 規則第 6 条第 1 項第 13 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適 を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 3 ( 贈与者 ) 先代経営者以外の株主等の要件 先代経営者からの贈与 は相続以後に 贈与を った者であること ( 先代経営者からの贈与 は相

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

相続財産の評価P64~75

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

第 5 章 N

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#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税


税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

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プルータスセミナー 新株予約権の税務について 株式会社プルータス コンサルティング 平成 18 年 12 月 7 日

(4) 宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました 五の三暴力団員等 ( 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者 ) (5) 更新日前でも手数料を

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事業承継関連税制について 関東経済産業局 平成 30 6 月 中小企業金融課

切れのない事業承継の支援策 が決まっている企業には税制措置による円滑な承継を 決まっていない企業には気付きの機会提供 マッチング支援等によ り探しを支援 承継後のチャレンジを支援することも重要 切れのない事業承継支援を 今後10で集中して実施する 承継前の準備 税制 マッチング支援 気付きの機会提供 事業者の身近にいる金融機関 士業等専 門家が経営者に働きかけ プッシュ型事 業承継診断を徹底実施(5万者)し 専 門家を派遣する費用等を支援 休廃業リ スク分析等のデータも活用することで 集中的 効果的な働きかけを行う 中小企業の選定状況 親族外承継の現状 が 決まっていない 58.4% 候補も うち 親族内 いない 未定 28% が 決まっている 41.6% 31% マッチング支援 社内人材 間1千 2千件のマッチングが実現でき るよう 専門家の増員等 事業引継ぎ支 援センター の体制を強化するよう支 援 はいる 13% 27% n=4,036 事業承継税制の以下の要件を 10 限定で抜本拡充 ①対象株式等の上限の撤廃 ②対象者の拡大 ③雇用要件の抜本的見直し ④売却 廃業時の減免制度の創設 近増加する親族外承継を後押しす るため M Aに係る登録免許税 不動産取得税を減免 うち 候補 税制の拡充 うち 社外人材 1% 2016 東商工リサーチへの委託事業 再編 加工 金融支援の充実 承継に必要な資金 M Aや 設備投資に必要な資金 の低 利融資 承継の際の経営者の個人保証 の適正化を検討 承継後のチャレンジ支援 事業承継補助金 事業承継やM Aを通じた事業引継ぎを契機として 経営革新や事業転換に取り組む中小企業の設備投資等を支援する 1

中小企業経営者の次世代経営者への引継ぎを支援する税制措置の創設 拡充 相続税 税 事業承継税制 事業承継の際の税 相続税の納税を猶予する 事業承継税制 を 平成304月1日から平成353月 31日までに特例承継計画を提出し 平成301月1日から平成3912月31日までに承継を行う者を 対象とし 抜本的に拡充 ①対象株式数 猶予割合の拡大②対象者の拡大③雇用要件の弾力化④新たな減免制度の創設等を行う 税制適用の入り口要件を緩和 事業承継に係る負担を最小化 現行制度 特例制度 納税猶予の対象になる株式数には2/3の上限があ り 相続税の猶予割合は80 は事業承継 時に多額の税 相続税を納税することがある 対象株式数の上限を撤廃し全株式を適用可能に また 納税猶予割合も100 に拡大することで 承継時の税負 担ゼロに 税制の対象となるのは 一人の先代経営者から一 人のへ 相続される場合のみ 親族外を含む複数の株主から 代表者である 最大3人 への承継も対象に 中小企業経営の実状に 合わせた 多様な事業承継を支援 税制適用後のリスクを軽減 将来不安を軽減し税制を利用しやすく 現行制度 が自主廃業や売却を行う際 経営環境の変 化により株価が下落した場合でも 承継時の株価 を基に 相続税が課税されるため 過大な税 負担が生じうる 税制の適用後 5間で平均8割以上の雇用を維持 できなければ猶予打切り 人手不足の中 雇用要 件は中小企業にとって大きな負担 特例制度 売却額や廃業時の評価額を基に納税額を計算し 承継 時の株価を基に計算された納税額との差額を減免 経 営環境の変化による将来の不安を軽減 5間で平均8割以上の雇用要件を未達成の場合でも 猶予を継続可能に 経営悪化等が理由の場合 認定支 援機関の指導助言が必要 以上のほか 相続時精算課税制度の適用範囲の拡大及び所要の措置を講じる 2

平成 30 度税制改正の概要 ( 事業承継税制 1 対象株式数上限等の撤廃 ) では 先代経営者から / 相続により取得した非上場株式等のうち 議決権株式総数の 2/3 に達する部分までの株式等が対象 ( / 相続前からが既に保有していた部分は対象外 ) 例えば 相続税の場合 猶予割合は 80% であるため 猶予されるのは 2/3 80%= 約 53% のみ 対象株式数の上限を撤廃 ( 2/3 3/3 ) 猶予割合を 100% に拡大することで 事業承継時の税 相続税の現金負担をゼロにする 改正概要 納税猶予の対象になるのは 発行済議決権株式総数の 2/3 までであり 相続税の納税猶予割合は 80% そのため 実際に猶予される額は全体の約 53% にとどまる 2/3 0.8 = 約 53% 猶予される割合 1/3 猶予対象外 2/3 0.2 対象株式数の上限を撤廃し議決権株式の全てを猶予対象とする 猶予割合を 100% に拡大 事業承継に係る金銭負担はゼロとなる 3

平成30度税制改正の概要 事業承継税制②対象者の拡充 では 一人の先代経営者から一人のへ 相続される場合のみが対象 親族外を含む複数の株主から 代表者である 最大3人 への承継も対象に 中小企業経営の実状 に合わせた 多様な事業承継を支援 改正概要 者は先代経営者に限定せず 複数でも可能とする 同族関係者 先代経営者 配偶者 第三者 同族関係者 先代経営者 配偶者 第三者 対象とならない 長男 次男 1人の先代経営者から1人のへののみが対象 長男 次男 長女 複数の(最大三人)を対象とする それぞれ代表権を有しているものに限る それぞれが 相続後において 議決権割合の10 以 上を有し かつ 同族内で議決権保有割合上位2位 二人 の場合 又は3位 三人の場合 までの者であること 先代からの移転方法が /相続のいずれであるかは問わない 先代から移転を受けているかどうかは問わない 等 4

平成30度税制改正の概要 事業承継税制③雇用要件の抜本的見直し では 事業承継後5間平均で 雇用の8割を維持することが求められている 仮に雇用8割を維持 出来なかった場合には 猶予された税 相続税の全額を納付する必要がある 制度利用を躊躇する要因となっている雇用要件を実質的に撤廃することにより 雇用維持要件を満たせなかった 場合でも納税猶予を継続可能に 雇用維持が出来なかった理由が経営悪化又は正当なものと認められな い場合 認定支援機関の指導 助言を受ける必要がある 改正概要 従業員数 22人 時25人 (8割基準=20人) 5間の雇用平均が8割未達の場合 猶予された税 額を全額納付 17人 15人 14人 12人 5平均16人 5間の雇用平均が8割未達でも猶予は継続 5平均8割を満たせなかった場合には理由報告が必要 経営悪化が原因である場合等には 認定支援機関による指 導助言の必要 1 2 3 4 5 5

平成30度税制改正の概要 事業承継税制④経営環境変化に応じた減免 では が自主廃業や売却を行う際 経営環境の変化により株価が下落した場合でも 承継時 の株価を基に 相続税を納税するため 過大な税負担が生じうる 売却額や廃業時の評価額を基に納税額を再計算し 事業承継時の株価を基に計算された納税額との差額を 減免 経営環境の変化による将来の不安を軽減 制度概要 X社の株価総額の推移 イメージ図 2.0億円 事業承継時の株価を元に税額 相続税額を算定 し 猶予取消しとなった場合には その税額 相続 税額を納税する必要がある 承継時の株価総額 2億円 1.8億円 1.6億円 25後の売却価格 1.2億円 1.4億円 1.2億円 1.0億円 納税猶予額 約1億円 0.8億円 再計算 0.6億円 売却額に 基づいた税額 約0.6億円 0.4億円 0.2億円 経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合にお いて 事業承継時の価額と差額が生じているときは 売却 廃業時の株価を基に納税額を再計算し 減免 可能とすることで将来不安を軽減 0.0億円 承 継 前 承 継 時 5 1 0 1 5 2 0 2 5 6

平成30度税制改正の概要 事業承継税制⑤相続時精算課税制度の適用範囲の拡大 では 相続時精算課税制度は 原則として直系卑属へののみが対象 事業承継税制の適用を受ける場合には 相続時精算課税制度の適用範囲を拡大することにより 猶予取消し 時に過大な税負担が生じないようにする 制度概要 同族関係者 先代経営者 配偶者 第三者 60歳以上の父母又は祖父母から 20歳以上の子又 は孫へのが相続時精算課税制度の対象 相続時精算課税制度の適用範囲の拡大 長男 次男 に加えて 事業承継税制の適用を受ける場 合には 60歳以上の者から 20歳以上の後継 現行の対象者 者へのを相続時精算課税制度の対象とする 者の子や孫でない場合でも適用可能 長女 複数の(最大三人)を対象とする 代表権を有しているものに限る 複数人で承継する場合 議決権割合の10 以上を有し かつ 議決権保有割合上位3位までの同族関係者に限る 7

創設 中小企業 小規模事業者の再編 統合等に係る税負担の軽減措置の創設 が不在のため事業承継が行えないといった課題を抱える場合 いわゆるM&Aにより経営資源や事業 の再編 統合を図ることにより 事業の継続 技術の伝承等を図ることが重要 そのため 中小企業等経営 強化法を改正し M&Aによる事業承継を支援対象に追加することで 第三者への事業承継を後押し 認定を受けた経営力向上計画に基づいて 再編 統合を行った際に係る登録免許税 不動産取得税を軽減 することで 次世代への経営引継ぎを加速させる措置を創設 登録免許税の税率 改正概要 適用期限 平成31度末まで 中小企業等経営強化法 経済産業大臣 主務大臣 基本方針の策定 事業分野別指針の策定 M&Aを通じた事業承継を 経営力向上計画の認定制度 の対象に追加 A社のX事業を B社が引継ぎ 経営を強化 A社 X事業 土地 建物 機械 ほか 事業譲渡等 土地 建物 申請 認定 不動産の 所有権 移転の 登記 Y事業 機械 ほか 登録免許税 不動産取得税 0.4 0.2% 2.0 0.4% 2.0 1.6% 不動産取得税の税率 通常税率 計画認定時の税率 事業譲渡の場合 2 土地 住宅 3.0 1 2.5 (1/6減額相当) 住宅以外の 家屋 4.0% 3.3% (1/6減額相当) B社 土地 建物 計画認定時の 税率 平成313月31日まで 土地を売買した場合には1.5%に軽 減 改正経営力向上 計画 X事業 合併による移転の 登記 分割による移転の 登記 その他の原因によ る移転の登記 通常税率 を軽減 1平成333月31日まで 土地や住宅を取得した場合には3.0% に軽減されている 住宅以外の建物を取得した場合は4.0% 2 合併 一定の会社分割の場合は非課税 3 事務所や宿舎等の一定の不動産を除く 8