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海洋汚染の現状とその防止対策 海上保安庁警備救難部刑事課環境防災課 海上保安庁では 我が国の四方を取り巻く海を美しく保つため 未来に残そう青い海 をスローガンに 巡視船や航空機により我が国周辺海域における油 有害液体物質 廃棄物等による海洋汚染の監視取締りを実施するとともに 海上保安協力員等の民間ボ

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Robin Middleton完訳c.PDF

Microsoft Word IHO S-66 日本語版(表紙・目次).docx

平成 27 年共同研究の成果について ポイント 以下 1~3 については 平成 27 年 7 月 ~11 月の動向です 1 北極海航路を横断した船舶の航行数 北極海航路( ロシア側 ) を横断した船舶は24 航行 ( 前年は31 航行 ) 前年の航行数はノルウェーの研究機関 CHNLの分析結果 2

<4D F736F F F696E74202D20345F8EA993AE895E8D EA997A5895E8D CC8A54944F90DD8C7682C98AD682B782E9834B C982C282A282C42E >

このような IUU 漁業の現状があります 本レポートは IUU 漁業の日本における リスクを把握するために 行った分析研究です 調査の背景 1974年から2013年までの水産資源 の状態を比べてみると 健全な資源 状態の水産資源が占める比率が確実 IUU漁業の現状 100 政府 NGO 漁業産業は

個人情報保護規定

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2

附属 バラスト水交換に関する設計及び建造基準のためのガイドライン (G11) 1 序文 目的 1.1 本ガイドラインは バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条約 ( 条約 ) の規則 D-1 ( バラスト水交換基準 ) に船舶が応諾することを支援するための設計及び構造についての勧告を概説し

平成19年6月  日

電波法施行規則等の一部改正案の概要

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Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

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2 農業委員会の運営 2 農業委員会は 市町村長が議会の同意を得て任命した 農業委員 で組織され 農業委員は 合議体としての意思決定 ( 農地の権利移動の許可 不許可の決定など ) を担当 農業委員会は 農地利用最適化推進委員 ( 以下 推進委員 という ) を委嘱し 推進委員は 担当区域における農

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

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市町村合併の推進状況について

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諮問第 30 号説明資料 無線従事者規則の一部を改正する省令案について - 営利法人による無線従事者の認定講習課程の実施等について - 1 改正の理由 無線従事者制度における受益者の利便性の向上等を図るため 以下のとおり 無線従事者規則の見直しを行うこととした (1) 災害発生時における特例規定の制

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8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は


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港則法 海上交通安全法改正に伴う AIS の目的地入力について >JP FNB >JP TYO >JP CHB >JP KWS >JP ANE >JP YOK >JP KZU >JP YOS 第三管区海上保安本部

ISPM 案 海上コンテナによる病害虫移動の最小化 をめぐる議論 ~ 経緯 2013 年 2 月農水省 国内関係者との意見交換会 ( 関係省庁 関係団体 ) 3 月農水省 IPPC 基準委員によるセミナー 4 月 IPPC 総会 (CPM-8) 暫定 ISPM 案を議論 11 月我が国コメントを I

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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資料4_1いじめ防止対策推進法(概要)

ではないが そのような基準は 例えば保険のカバーなどの例のように 民と民の関係には意味を持つ さらに業界は アデン湾で展開する軍と密接に協力し BMP( ベストマネジメントプラクティス ) を作成している BMP は ハイリスクエリアにおけるシージャックの危険を減らすために船会社および船長が実施する

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船舶プロダクト検討について 背景 船舶の情報はユーザーの注目が高く その情報は主に AIS( 後述 ) や衛星画像 ログ情報等から得られる そして海象 気象情報との連携や統計情報等の大量データから得られる情報等から新しい価値の創出も期待できる このことからコアサービスから提供するプロダクト検討の一環

2. Monitoring Plan 作成支援サービス 3. IMO Data Collection System (DCS) 2

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5 ii) 実燃費方式 (499GT 貨物船 749GT 貨物船 5000kl 積みタンカー以外の船舶 ) (a) 新造船 6 申請船の CO2 排出量 (EEDI 値から求めた CO2 排出量 ) と比較船 (1990~2010 年に建造され かつ 航路及び船の大きさが申請船と同等のものに限る )

た指定地外貨物検査許可書を添付する 4. 指定地外貨物検査許可申請 業務 (AEC) が登録済みで 指定地外貨物検査許可手数料がMPN 納付済みの場合 (1) NACCSから配信された指定地外貨物検査許可申請控情報 2 通 ( 原本用 許可書用 ) に申請者印を押印の上 指定地外貨物検査許可手数料を

海上安全管理 (Marine Safety Management) 海上安全 + 安全管理 海上安全 船 - 操船者 - 環境 の相互連環システムに視点をおいた安全施策 安全管理 安全性を高めるために関係者のモチベーション醸成とコンセンサス形成を図ること 井上欣三著 海上安全管理 研究 (2006

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目 次 はじめに 1 1 立入検査の状況 2 2 命令に係る事項 3 3 その他輸送の安全に重大な関係を有する事項 (1) 船舶事故等の発生状況 6 (2) 船種別事故等の発生状況 7 (3) 主な指導内容 9

している 特に 08 年以降深刻化したソマリア海賊は 各国海軍による海賊対処活動 民間武装警備員の乗船 海賊防止マニュアルである ベスト マネジメント プラクティス (BMP) に基づく各船舶の自衛措置によって大幅に減少したとされる(IMB 海賊レポート ) が ソマリア海賊の指揮命令系統などは依然

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SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

MARPOL 条約によるものに加え 欧州連合 (EU) や米国などでは独自の基準に基づく地域規制も導入されている 例えば EU では既に 2010 年から港内停泊中の船舶を対象に硫黄分 0.1% 以下の燃料油の使用が義務付けられており 米国カリフォルニア州でも 2014 年から沿岸 24 カイリ域内

岩手医科大学医学部及び附属病院における人を対象とする医学系研究に係るモニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学医学部及び附属病院における 人を対象とする医学系研究に係る モニタリング及び監査の実施に関する標準業務手順書 岩手医科大学 第 1.0 版平成 29 年 10 月 1 日

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

海上で捕らえられた容疑者のみならずそのような攻撃を計画し 準備し 助長し 若しくは違法に資金を供給しまたは利益を得る海賊行為に関与した犯罪ネットワークの主要人物を含む 海賊活動を扇動するか若しくは意図的に助長する者はだれでも調査しまた起訴する必要性を認識し そして裁判にかけられることなく釈放された海

1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

第1回 オリエンテーション

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ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

過去に官邸対策室を設置した事例 2 平成 18 年 7 月 5 日 北朝鮮による飛翔体発射事案に関する官邸対策室設置北朝鮮による弾道ミサイル発射事案に関する官邸対策室に名称変更 10 月 9 日 北朝鮮による核実験実施情報に関する官邸対策室設置 平成 19 年 3 月 25 日 石川県能登を中心とす

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資料3 船舶ワーキンググループにおける検討方針等について

4 各締約国は 第九条の規定によりこの条約に署名し又は批准書若しくは加入書を寄託する際に 登録簿に掲げるため少なくとも一の湿地を指定する 5 いずれの締約国も その領域内の湿地を登録簿に追加し 既に登録簿に掲げられている湿地の区域を拡大し又は既に登録簿に掲げられている湿地の区域を緊急な国家的利益のた

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概要 国際補償制度の原理 法的枠組み IOPC 基金の仕組み 補償請求の査定 最近のトピックス

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1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について 平成 28 年 8 月 9 日 事案の概要 (1) 平成 28 年 8 月 5 日午後 1 時 30 分頃 中国漁船に続いて 中国公船 ( 中国政府に所属する船舶 )1 隻が尖閣諸島周辺領海に侵入した その後 8 日午後 6 時までに

とが最も望ましいが, 十分な隻数の日本船舶を確保するには相当の時間を要すると見込まれたことから, 我が国の経済安全保障の早期確立を図るため, 日本船舶を補完するものとして, 我が国外航海運事業者の海外子会社が保有し, 当該外航海運事業者が運航する外国籍船であって, 海上運送法に基づ く航海命令が発せ

自動運転に係る国際基準の動向

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農業委員会法改正の全体像 農業委員会が その主たる使命である 農地利用の最適化 ( 担い手への集積 集約化 耕作放棄地の発生防止 解消 新規参入の促進 ) をより良く果たせるようにする 農業委員会 都道府県農業会議 全国農業会議所 農業委員会業務の重点化 農業委員会の業務の重点は 農地利用の最適化の

第 10 回児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会 平成 29 年 1 月 16 日 参考資料 2 児童虐待対応における司法関与の在り方について ( これまでの議論の整理 ) 1. はじめに 平成 28 年 3 月 10 日に取りまとめられた 新たな子ども家

項目ご意見等の概要部会の考え方 ( 案 ) 1 操業中及び猶予中の工場等における土壌汚染状況調査 有害物質使用届出施設等の廃止後の土壌汚染状況調査が実施されておらず かつ 調査の猶予を受けていない土地についても 土地の利用履歴等の報告や土壌汚染状況調査の対象とする規定を設けるべきである 有害物質使用

はじめに本学情報セキュリティポリシーは, 国立情報学研究所 (NII) で公開されている高等教育機関における情報セキュリティポリシーのサンプル規程集を基に策定している サンプル規程集は, 政府機関統一基準を踏まえ, 各機関の事情に合わせて作成する際の具体的な参考として役立つよう, 大学に適した標準的

既存の船舶に関する情報 1

14個人情報の取扱いに関する規程

活用しよう 海の安全情報 マリンレジャーを安全に楽しむために 当協会では 海上保安庁をはじめ 海事関係団体 企業などにご協 をいただきながら 船舶の海難防 や海洋汚染防 の調査 研究を う とともに 沿岸域における海浜事故防 やマリンアクティビティの安全 対策などにも取り組んでおります これからマリ

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検査若しくは修理又は補給 ( 武器の提供を行う補給を除く ) エ自然災害によって被害を受けた施設又は設備であってその被災者の生活上必要なものの復旧又は整備のための措置オ宿泊又は作業のための施設の維持管理 3 国際平和協力業務の実施の方法 (1) 実施計画及び実施要領の範囲内において 事務総長等による

別紙第 1 職員の給与 ( 海事職給料表の導入等 ) に関する報告 本委員会は 船舶に乗り組む職員 ( 以下 船舶乗組員 という ) の給与について 昨年 10 月 9 日の職員の給与に関する報告でも言及したとおり 勤務の特殊性から見直す必要があると考え 検討を重ねてきた その結果は 次のとおりであ

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

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Microsoft Word - 29年度論文 docx

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MSC Flaminia 号事故について海上保安大学校山地哲也 日本海洋政策学会 第 4 回年次大会 平成 24 年 12 月 1 日 [http://www.odin.tc/2012/mscflaminiaen.asp]

1: 船舶の避難場所の概要 年月 事故 IMO( 国際海事機関 ) EU( 欧州連合 ) UK( 英国 ) 99.10 SOSREP 任命 99.12 ERIKA 号 00.6 避難場所規定 ( 指令 ) 提案 00.12 CASTOR 号 01.5 避難場所審議 02.6 避難場所規定 ( 指令 ) 採択 02.11 PRESTIGE 03.12 IMOガイドライン採択 05.11 避難場所規定 ( 指令 ) 改正提案 07.1 MSC Napoli 号 3:IMOガイドライン避難場所収容 09.4 避難場所規定 ( 指令 ) 改正規定採択 12.3 Stolt Valor 号 4:EU の避難場所を巡る動向 12.7 MSC Flaminia 号?? 2:F 号事故概要 12.11 ICS 等提案 (MSC91) 5:F 号事故後の避難場所を巡る展開

避難場所 (Place of Refuge) のイメージ 避難場所収容 SOSREP 介入 指示 事故海域 沖合海域 船体折損沈没大規模海洋汚染

1: 船舶の避難場所の概要 年月 事故 IMO( 国際海事機関 ) EU( 欧州連合 ) UK( 英国 ) 99.10 SOSREP 任命 99.12 ERIKA 号 00.6 避難場所規定 ( 指令 ) 提案 00.12 CASTOR 号 01.5 避難場所審議 02.6 避難場所規定 ( 指令 ) 採択 02.11 PRESTIGE 03.12 IMOガイドライン採択 05.11 避難場所規定 ( 指令 ) 改正提案 07.1 MSC Napoli 号 3:IMOガイドライン避難場所収容 09.4 避難場所規定 ( 指令 ) 改正規定採択 12.3 Stolt Valor 号 4:EU の避難場所を巡る動向 12.7 MSC Flaminia 号?? 2:F 号事故概要 12.11 ICS 等提案 (MSC91) 5:F 号事故後の避難場所を巡る展開

事故の概要 9/9 ドイツ入港 8/20 ドイツ決定 9/2 英国海峡通航 7/14 火災爆発 [http://www.odin.tc/2012/mscflaminiaen.asp]

時系列 ( その 1) 月日 内容 (NSB 広報発表等 ) 7/14 米国から欧州向け航行中のF 号火災発生 乗組員等総員退船 7/17 タグボート現場着 7/23 火災コントロール 7/24 欧州向け曳航開始 寄港地入港手続き検討 7/26 沿岸閉鎖水域入域許可は近日中に英国当局決定予定 7/31 沿岸閉鎖水域入域許可は近日中に決定予定 8/3 沿岸閉鎖水域入域許可は近日中に決定予定 8/6 沿岸閉鎖水域入域許可は未決定 8/9 沿岸閉鎖水域入域許可は未決定 沿岸国及びドイツと協議中 8/13 沿岸閉鎖水域入域許可は未決定 8/14 沿岸閉鎖水域入域許可は未決定 8/15 沿岸閉鎖水域入域許可は未決定 沿岸国と協議中 8/20 ドイツへの入域決定

時系列 ( その 2) 月日 内容 (NSB 広報発表等 ) 8/20 ドイツへの入域決定 8/28 英国海峡通航のための沿岸国チーム検査 8/31-9/1 英国海峡沿岸国による海峡通行許可 9/2 英国海峡通航開始 9/8 ドイツ沖合錨地到着 9/9 ドイツJade-Weser-Port 入港

1: 船舶の避難場所の概要 年月 事故 IMO( 国際海事機関 ) EU( 欧州連合 ) UK( 英国 ) 99.10 SOSREP 任命 99.12 ERIKA 号 00.6 避難場所規定 ( 指令 ) 提案 00.12 CASTOR 号 01.5 避難場所審議 02.6 避難場所規定 ( 指令 ) 採択 02.11 PRESTIGE 03.12 IMOガイドライン採択 05.11 避難場所規定 ( 指令 ) 改正提案 07.1 MSC Napoli 号 3:IMOガイドライン避難場所収容 09.4 避難場所規定 ( 指令 ) 改正規定採択 12.3 Stolt Valor 号 4:EU の避難場所を巡る動向 12.7 MSC Flaminia 号?? 2:F 号事故概要 12.11 ICS 等提案 (MSC91) 5:F 号事故後の避難場所を巡る展開

3 IMO ガイドライン 1999.12 ERIKA 号事故 2001.5 IMO として Place of Refuge 問題審議開始 2003.12 第 23 回 IMO 総会 (A23) 船舶の避難場所に関する総会決議採択 =IMO ガイドライン 条約のような強制力はなく 任意的指針 3.12 沿岸国は 船舶の避難場所への収容の承認が要請された場合にはこれを認める義務は生じないが 公平な見地ですべての要因及びリスクを評価し 合理的に可能と判断される場合には避難場所を与えるべきである

1: 船舶の避難場所の概要 年月 事故 IMO( 国際海事機関 ) EU( 欧州連合 ) UK( 英国 ) 99.10 SOSREP 任命 99.12 ERIKA 号 00.6 避難場所規定 ( 指令 ) 提案 00.12 CASTOR 号 01.5 避難場所審議 02.6 避難場所規定 ( 指令 ) 採択 02.11 PRESTIGE 03.12 IMOガイドライン採択 05.11 避難場所規定 ( 指令 ) 改正提案 07.1 MSC Napoli 号 3:IMOガイドライン避難場所収容 09.4 避難場所規定 ( 指令 ) 改正規定採択 12.3 Stolt Valor 号 4:EU の避難場所を巡る動向 12.7 MSC Flaminia 号?? 2:F 号事故概要 12.11 ICS 等提案 (MSC91) 5:F 号事故後の避難場所を巡る展開

4 EU の船舶の避難場所を巡る動向 ( 船舶通航監視指令審議 ) 避難場所に関する規定 (2009.4) 1) 収容の原則 : 導入せず (IMOガイドライン考慮した計画) 2) 収容判断権者 : 独立した決定を行うために (to take independent decisions) 権限ある当局 (competent authority) を指定 独立した権限ある当局 (independent competent authority) SOSREP

英国 SOSREP 制度 1999 年導入 権限を有する閣僚は救助活動に介入せず 閣僚 : 権限代行者を任命 (SOSREP) The Secretary of State s Representative for Maritime Salvage and Intervention 高度の知識 経験 SOSREP: 閣僚を代行し権限行使 何が最善か 政治的影響力から独立 Either back SOSREP or sack him

1: 船舶の避難場所の概要 年月 事故 IMO( 国際海事機関 ) EU( 欧州連合 ) UK( 英国 ) 99.10 SOSREP 任命 99.12 ERIKA 号 00.6 避難場所規定 ( 指令 ) 提案 00.12 CASTOR 号 01.5 避難場所審議 02.6 避難場所規定 ( 指令 ) 採択 02.11 PRESTIGE 03.12 IMOガイドライン採択 05.11 避難場所規定 ( 指令 ) 改正提案 07.1 MSC Napoli 号 3:IMOガイドライン避難場所収容 09.4 避難場所規定 ( 指令 ) 改正規定採択 12.3 Stolt Valor 号 4:EU の避難場所を巡る動向 12.7 MSC Flaminia 号?? 2:F 号事故概要 12.11 ICS 等提案 (MSC91) 5:F 号事故後の避難場所を巡る展開

5 F 号事故後の避難場所を巡る展開 1 Lloyd s List(8/21):EU への SOSREP 導入 2 Lloyd s List(8/24): 避難場所に係る国際的議論再開の方向性 EU 規定は国際水域に位置する船舶に対する避難場所提供は対象外 3 Fairplay(9/10): ドイツ船主協会は EU 規定運用の失敗を指摘 欧州委員会による再検討を要求 4 Fairplay(10/19): 欧州議会運輸委員会議長は避難場所に関する法令改正を言及

5 F 号事故後の避難場所を巡る展開 タンカー Stolt Valor 号事故 ( リベリア船籍 25,269DWT) 3/15 サウジアラビア沖合 40 マイルで火災 爆発事故 4/29 バーレーンに対し 修理のため造船所入域要請 6/25 入域許可 6/29 Lloyd s List: IMO ガイドラインに対する沿岸国の意図に疑念 入域許可まで 3 か月間の待機 避難場所への迅速な接近に係る問題再燃

5 F 号事故後の避難場所を巡る展開 5 Lloyd s List(10/22) 国際海運集会所 (ICS) は避難場所提供に係る強制的規定の必要性に言及 6 ICS 等 (11/26~30:IMO MSC91) S 号の入域までの期間及び IMO ガイドラインの適用を誤ったことに深く憂慮 避難場所が早期に提供されていたならば 貨物 燃料油の除去は安全に 早い段階で実施 適切な追加的措置を検討し また 全ての国が IMO ガイドラインを適用する必要性を強調

まとめ (1) 船舶の避難場所への船体の収容 及び これら事案に関わる政府介入権限について調査研究 (2) MSC Flaminia 号事故 7/15 事故 8/20 ドイツ収容決定 9/2 英国海峡 9/9 ドイツ入港 (3) 避難場所を巡る国際 地域 英国動向 IMO ガイドライン EU 規定 英国 SOSREP (4) F 号 (S 号 ) 事故を踏まえた今後の展開の可能性メディア論調 関係団体見解 EU 展開 IMO 審議