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図 1 連続再生式接触改質装置フロー図及び火災発生個所 シェル側 チューブ側 流体 : HC( ナフサ ) 4MPa 蒸気 温度 : 215 229 410 249 圧 : 1.12MPa 3.9MPa 材質 : SM400B SCMV4 使 期間 : 21 年 8 年 (2009 年更新 ) 図 2 熱交換器概略及び漏れ発生部位

1 約 400 で入ってきたスチームは熱交換により温度が下がり 250 ( 飽和温度 ) になると液 ( コンデンセート ) が出始める スチームコンデンセート出口ラインに付いている調節弁により 液 ( コンデンセート ) は常に排出されるように制御される 3 すべて液化された後 液は速やかに ( チューブ内に長時間滞留することなく ) チャンネル側出口ノズルより排出されるため 温度はほぼ飽和温度である 250 のままとなる 2 更に熱交換が進むと スチームはどんどん液化されていき その結果 液の割合が増えていく スチームがすべて液化されるまでは温度は 250 ( 飽和温度 ) のままとなる 図 3 通常運転時 1 約 400 で入ってきたスチームは熱交換により温度が下がり 250 ( 飽和温度 ) になると液 ( コンデンセート ) が出始める スチームコンデンセート出口ラインに付いている調節弁により 液 ( コンデンセート ) は留まっている状態となるよう制御される チューブ内に滞留する要因 運転停 作業 ( 運転調整 ) フ ロセス側負荷軽減 HE 下流コンテ ンセート FCV 開度 ( 運転停 作業時のみ ) 3 すべて液化された後も液 ( コンデンセート ) はチューブ内に長く滞留するため さらにシェル側流体と熱交換が進み 温度は飽和温度である 250 から下がっていく チューブ内滞留時間が長くなると液 ( コンデンセート ) とシェル側流体の熱交換が進むことになり 最終的に液 ( コンデンセート ) 温度はシェル側入口流体であるスタビライザー塔底液温度の 190 に近い温度まで下がると推定される 2 更に熱交換が進むと 最終的にスチームはすべて液化する すべて液化された時点では温度は 250 ( 飽和温度 ) のままとなる その結果 フランジ上部温度 400 ( スチーム 温度とほぼ同じと推定 ) フランジ下部温度 190 ( 図中 3 参照 ) となり 温度差 ΔT:210 (400-190) となる著しい温度勾配変化が じ ボルト軸 が低下した 図 4 シャットダウン時 ( 運転調整 ( ロードダウン ))

ボルト No. 最 圧 (SD 操作時 ) 1.17MPa 本体フランジ必要最 圧 : 4.2MPa 必要最 圧 (4.2MPa) > 実際の 圧 (1.17MPa) 圧ハ ラツキ 図 5 ボルトの締付状態 ( 残軸力実測値 ) 事業所側で講じた対策 ( 再発防止対策 ) 熱交換器本体フランジのボルトの締結管理フランジ強度 ガスケットの推奨締付面圧およびボルト強度を加味した締付管理値を採用し 超音波ボルト軸力管理にてボルト締結を行う 締結管理を実施した場合には フランジ必要最小面圧 (4.2MPa) を下回らないことをシミュレーションで確認 ( 図 6 参照 ) 熱交換器本体フランジの保温撤去熱によるボルト軸力低下を軽減するために 本体フランジに施工されていた保温材および保温カバーを撤去する ボルティング時加圧時運転時運転停止時 軸 管理実施ケース実測された残軸 からの想定 ( 締め ) 図 6 フランジのボルトの軸力変化 ( シミュレーション )

教訓 ( 事故調査解析委員会作成 ) 1 運転停止等の移行操作時には 熱交換器の内部流体により著しい温度勾配が生じるおそれがあるから フランジのボルト締結には十分留意する必要がある 2 運転開始後 温度変化が生じるフランジについては必要に応じて ホットボルティングなど フランジのボルト締結管理を行うことが重要である 3 保温材および保温カバーの必要性を見直す必要がある 事業所の事故調査委員会 5 月 8 日 ( 月 ): 第 1 回原因調査検討会 5 月 17 日 ( 水 ): 第 2 回原因調査検討会 5 月 25 日 ( 木 ): 第 3 回原因調査検討会 6 月 1 日 ( 木 ): 第 4 回原因調査検討会 6 月 8 日 ( 木 ): 第 5 回原因調査検討会 6 月 30 日 ( 金 ): 第 6 回原因調査検討会 ( 最終回 ) 備考なしキーワード接触改質装置 熱交換器 運転停止時の温度変化 ボルト締結管理関係図面 ( 特記事項以外は事業所提供 )