2. 安全基準 (1) 日米合意による普天間飛行場の安全基準 年 3 月日米合同委員会合意 普天間飛行場における航空機騒音規制措置 日米両政府は 1996 年 3 月 普天間飛行場における航空機騒音規制措置 を日米合意したが 実際の普天間飛行場の運用において以下の通り全く遵守さ れてい

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【提出用】宮本徹議員要求資料

H24年度総合要請文(374あて)

普天間飛行場代替施設の建設は 2014 年までの完成が目標とされる 普天間飛行場代替施設への移設は 同施設が完全に運用上の能力を備えた時に実施される 普天間飛行場の能力を代替することに関連する 航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急 時の使用のための施設整備は 実地調査実施の後 普天間飛行場の返還の

日本語パンフ(最終セット)修正

後を絶たない米軍人 軍属による道路交通法違反事件に対する意見書 沖縄警察署は 7 月 4 日午前 4 時 30 分 米空軍嘉手納基地所属の二等軍曹 (27 歳 ) を北谷町美浜の町道で酒を飲んで車を運転したとして 道路交通法違反 ( 酒気帯び運転 ) の疑いで現行犯逮捕した 同署によると 呼気から基

目 次 1. 日米オスプレイの共通整備基盤について 2 日米オスプレイの配備先と共通整備基盤の位置関係 2. オスプレイとは 3 飛行モードと特徴 3. 共通整備基盤を確立することの意義 4 具体的なメリット 4. 共通整備基盤の具体的な内容 5 木更津駐屯地を共通整備基盤の設置場所とした理由 共通

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News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

横田基地対策に関する要望書(在日米軍第374空輸航空司令部への要望事項)

Ⅳ 騒音・振動の状況

つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という

また 前提となる衝突や紛争といった脅威が不明確であり 在日米軍 海兵隊の出動が見込まれる事例をはじめ 具体的な説明がなく 抽象的である このような内容では 県外移設 ができない理由が説明されているとは言えず 県民の納得のいくものではない 鳩山前総理は 昨年 5 月の記者会見において 何とか県外に見つ

20総合要望書

基地跡地利用の現状について

自衛隊の新たな統合運用体制への移行計画 米軍の変革と世界的な態勢の見直しといった 日米の 役割 任務 能力に関連する安全保障及び防衛政策における最近の成果と発展を 双方は認識した 1. 重点分野 この文脈で 日本及び米国は 以下の二つの分野に重点を置いて 今日の安全保障環境における 多様な課題に対応

日米同盟:

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横田基地対策に関する要望書

計画書

綾瀬市と厚木基地.indd

平和と安定に寄与する在日米軍の抑止力の維持と沖縄の負担軽減が両立する方向で対応することに合意する 2 防衛庁と沖縄県は 平成 18 年 5 月 1 日に日米安全保障協議委員会において承認された政府案を基本として 1 普天間飛行場の危険性の除去 2 周辺住民の生活の安全 3 自然環境の保全 4 同事業

朝日 TV 2015/4/18-19 原発政策安倍内閣は 今後の電力供給のあり方について検討しているなかで 2030 年時点で 電力の 2 割程度を 原子力発電で賄う方針を示しています あなたは これを支持しますか 支持しませんか? 支持する 29% 支持しない 53% わからない 答えない 18%

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平成27年度横田基地対策に関する要望書

Taro-○H 要望書(江渡防衛大臣)

JEGS は英語版が正文である JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても その定義は必ずしも一致するとは限らない 2018JEGS バージョン 1.1 日本環境管理基準 国防省 日本環境管理基準 2018 年 4 月 バージョン 1.1 ( 改訂 :2018 年 12 月 )

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スライド 1

Taro-合同委員会合意

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平成29年度横田基地対策に関する要請書

世帯に付き10,000 円以内とする 2 助成金の交付の対象となる空気調和機器の稼働期間 ( 以下 交付対象期間 という ) は 7 月から10 月までとする 3 助成金の交付の申請をした者 ( 以下 申請者 という ) が 交付対象期間の一部について第 6 条に規定する資格に適合しない場合は 助成

住民説明会説明資料【説明者用】ver.30(0310)

知基第 号 平成 24 年 1 月 23 日 防衛大臣 田中 直紀 殿 沖縄県知事仲井眞弘多 要望書 次のとおり要望しますので 特段の御配慮をお願いいたします

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

岩国基地問題に関する要望 岩国基地周辺の安全性の確保と航空機の騒音軽減を図るための沖合移設事業は 本年 3 月末に完了いたしましたが 基地を抱える周辺自治体といたしましては その存在や運用に伴う 航空機騒音 事故への不安 米軍人等による犯罪など 基地に起因する諸問題がすべて解決したとは言えません ま

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平成25年度横田基地対策に関する要望書

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(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

h301218zenbun

文書管理番号


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記 1. 調査結果で判明した不十分な SR に基づき販売されている商品 企業名を明らかにすべきです消費者庁 報告書 は 届出 SR の報告内容が不十分で ガイドラインに準拠していない報告内容である商品が多数販売されていることを明らかにしました 制度の根幹を揺るがす事態であることを受け止め 消費者被害

企画部長

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

報告事項 5 第 3 委員会報告資料 国による福岡空港におけるヘリ機能の移設及び 混雑空港 指定について 平成 27 年 9 月経済観光文化局

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Microsoft Word - 75_米軍基地環境カルテ_FAC6077_鳥島射爆撃場

特定個人情報の取扱いの対応について

山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る

基地使用協定は 日米地位協定とは別に 航空機などの具体的な米軍の運用を細かく規定するもので 日米合同委員会で合意された 嘉手納飛行場における航空機騒音規制措置 も基地使用協定の一種であり具体的な例を列挙して作成することとした 平成 17 年 10 月米軍嘉手納基地の運用を規制する協定を日米両政府に締

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Ⅳ 工事実施要領 1 一般 (1) 工事区分工事の区分は 次のとおりとする 1 工事の場所による区分 ( 別図 (1) 参照 ) a. 滑走路又は過走帯における工事 b. 滑走路ショルダー ( 所定の幅 強度及び表面を有し 滑走路の両側に接する区域をいう 以下同じ ) における工事 c. 着陸帯 (

TPT859057

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

4. 都市機能誘導区域 4.1 都市機能誘導区域設定の基本的な考え方 (1) 都市機能誘導区域とは医療 福祉 商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことです 原則として 居住誘導区域内において設定します これらの都市機能は

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平成28年度東京都内における航空機騒音の調査結果

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それぞれについて 現地の状況はおおむね次のようなことです 1 岩国市も山口県も 普天間基地の移設の見通しが立たないうちの先行移駐は認めない としてきましたが 政府から 2+2 の前記共同声明を伝えられ 沖縄の負担軽減を目に見える形で実現したい と迫られた福田良彦市長は 11 月に沖縄を視察し 12

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別紙(例 様式3)案

PowerPoint プレゼンテーション

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Taro-全員協議会【高エネ研南】

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Taro-○ H 要望書(岸田外務大臣)

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事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

2-(5)-ア①-1 日米両政府への要請活動

Microsoft Word - [原稿5]別冊表紙.doc

Transcription:

2. 安全基準 (1) 日米合意による普天間飛行場の安全基準 1 1996 年 3 月日米合同委員会合意 普天間飛行場における航空機騒音規制措置 日米両政府は 1996 年 3 月 普天間飛行場における航空機騒音規制措置 を日米合意したが 実際の普天間飛行場の運用において以下の通り全く遵守さ れていない実態がある 3. 措置 a 進入及び出発経路を含む飛行場の場周経路は できる限り学校 病院を含む人口稠密地域上空を避けるよう設定する としているが 普天間飛行場は住宅地に囲まれた飛行場であるとともに 121 箇所以上の公共施設が存在していることからそれらを避けて飛行することは不可能である g 22:00~06:00の間の飛行及び地上での活動は 米国の運用上の所要のために必要と考えられるものに制限される と規定しているが 市が設置している基地被害 110 番には22:00 以降の米軍機騒音による苦情が度々寄せられており また航空機騒音測定結果においても 22:00 から06: 00の間において新城地区で400 回 上大謝名地区においては515 回の騒音が確認されていることから米軍が規定を沿った飛行制限を守っていない現状がある 5. 対外関係 a 普天間飛行場司令官 その部下及び普天間飛行場を使用する飛行部隊司令官は 騒音問題及び規制措置について厳重な注意を払うものとする この意味で 住民の理解と相互協力の促進を図るため 地方公共団体及び国の行政機関の地方支分部局と緊密な連絡をとる b 普天間飛行場司令官は 地元公共団体又は地域住民に対する現地の騒音問題に係るいかなる連絡事項も那覇防衛施設局に前もって通知するよう最大限努力する と規定されているが 騒音問題に関する普天間飛行場司令官や米軍からの本市への連絡 通知は一切なく 市からの騒音に対する抗議を無視した状態であり 最大限努力しているとは決して言えないものである 5

2 2007 年 8 月 10 日日米合同委員会合意 普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる可能な安全対策に関する報告書 場周経路について 昨年 8 月 10 日に日米合同委員会で合意された 普天間飛行場に係る場周経路の再検討及び更なる安全対策に関する報告書 が発表された 示されたヘリ飛行訓練の場周経路は 東側旋回コースは多くが基地内に収まっているのに対し 西側旋回コースは市立普天間中学校を含め 多くの住宅地上空が飛行ルートに示されている この西側旋回コースは1996 年の返還合意後に市の反対を無視して 米海兵隊の一方的な通知により開始され今日に至っており 本市としては学校や公共施設と多くの住宅地上空を飛行する旋回コースを認めることはできない 普天間飛行場の危険性除去に向けた取り組み 2007 年 8 月防衛省発表 6

実際の米軍機飛行形態 ( はみだし飛行 ) について 実態として 普天間飛行場を離着陸する米軍機が日米で合意された場周経路 が守らずに基地施設外に大きくはみ出し 住宅地上空や市役所 商業施設上空 を頻繁に飛行している状況がある 市では平成 20 年 8 月 28 日 ~9 月 3 日のうち4 日間 普天間飛行場を離着陸する米軍機の航跡調査を実施し 調査期間中において市民への騒音被害が大きいヘリの タッチアンドゴー 訓練が行われず 比較的飛行が少なかったものの 場周経路や離着陸経路に違反したはみだし飛行を35 回確認した 市は学校や公共施設と多くの住宅地上空を飛行する旋回コースの設定は決して容認するものではないが 日米間の合意であるならば 海兵隊航空基地の回転翼機は 厳格に基地内の飛行ルートを守るべきであり 民間地域にはみ出して飛行すべきではない 国は合意された飛行ルートが守られているか確認する責任があり 実態に即した長期間の調査を実施 把握し 改善するよう米軍に強く求めるべきである [2008 年 8 月 28 日航跡調査結果 ] [2008 年 8 月 29 日航跡調査結果 ] [2008 年 9 月 2 日航跡調査結果 ] [2008 年 9 月 3 日航跡調査結果 ] 7

(2) 日米合意による在日米軍の安全基準 11999 年 1 月日米合同委員会合意 在日米軍による低空飛行訓練 政府は 平成 10 年 5 月から 低空飛行訓練の安全性確保と地元住民への影響軽減のため具体的措置について米側と協議を行い 平成 11 年 1 月 14 日 高村外相 コーエン国防長官会談で意見の一致が得られたのを受け 同日日米合同委員会を経て 在日米軍による低空飛行訓練について と題する確認文書を公表した 主な合意事項平成 11 年 1 月 14 日 日米合同委員会は 在日米軍による低空飛行訓練について公表することに合意した なお 日米両国政府は 今後 必要に応じ 低空飛行訓練について協議していくこととなっている 1. 最大限の安全性を確保するため 在日米軍は 低空飛行訓練を実施する区域を継続的に見直す 低空飛行の間 在日米軍の航空機は 原子力エネルギー施設や民間空港などの場所を 安全かつ実際的な形で回避し 人口密集地域や公共の安全に係る他の建造物 ( 学校 病院等 ) に妥当な考慮を払う 2. 在日米軍は 国際民間航空機関 (ICAO) や日本の航空法により規定 される最低高度基準を用いており 低空飛行訓練を実施する際 同一の 米軍飛行高度規制を現在適用している 3. 低空飛行訓練の実施に先立ち 在日米軍は 訓練区域における障害物な いし危険物について 定期的に安全性評価の点検を行なう 5. 在日米軍は 日本国民の騒音に対する懸念に敏感であり 週末及び日本 祭日における低空飛行訓練を 米軍の運用即応態勢上の必要性から不可 欠と認められるものに限定する 以上の日米合意からすると人口密集地域や公共の安全に係る他の建造 ( 学校 病院等 ) に妥当な考慮を払うとされているが 普天間飛行場周辺には121 箇所以上の公共施設があり それを回避し飛行訓練を行なうことは不可能なことと言わざるを得ない 8

22000 年 9 月日米合同委員会合意 環境原則に関する共同発表 日米両政府は 2000 年 9 月 11 日に 環境原則に関する共同発表において 日米両政府の共通の目的は 施設及び区域に隣接する地域住民並びに在日米軍関係者及びその家族の健康及び安全を確保することである と宣言し その上で 環境管理基準について 日米の関係法令のうち より厳しい基準を選択するとの基本的考え方の下で作成される日本環境管理基準 (JEGS) に従って行われる としている その日本環境管理基準においては10 章 騒音 が削除され 削除の根拠としては 委員会は 人体の健康と環境を確実に守るのに 海外の国防総省施設の騒音に関する軍規則とプログラム指針が適切であると考えた と記述されている しかしながら 海外の国防総省施設の騒音プログラム ガイダンスである海軍作戦本部長指針 11010.36B(OPNAVINST11010.36B) の航空施設整合利用ゾーンプログラム (Air Installallation Compatible Use Zone Program) を普天間飛行場に適用すると明らかに違反していることが明白であり 日米共同発表における日米両政府共通の目的である 施設及び区域に隣接する地域住民並びに在日米軍関係者及びその家族の健康及び安全を確保すること に反した実態がある 9

(3) 米国海兵隊による安全基準 米国内海軍及び海兵隊航空施設整合利用ゾーンプログラム [AICUZ] 米国内において海軍及び海兵隊の航空基地を対象に適用されているA ICUZ 海軍作戦本部長インストラクション (OPNAVINST11 0.36B) によると 滑走路の両端の延長線上 4,500Mにおいては住宅や学校 病院 集会場などがあってはならないことになっている しかし このインストラクションを普天間飛行場に適合した場合 滑走路北側は普天間第二小学校 普天間小学校 普天間高校等の教育施設が CLEARZONE 若しくはAPZに含まれ 北中城村の一部まで続いている 滑走路南側においては 上大謝名地区 嘉数地区の住宅地域 浦添総合病院 浦添市陸上競技場等 浦添市広域までも含んでいることになる 以上のことから普天間飛行場は米国内においては 米国の基準に照らし合わせて 成り立たない安全上不適格な飛行場であり 欠陥飛行場であると言える [AICUZ による固定翼機事故危険ゾーン ] 10

(4) 普天間飛行場マスタープランによる安全基準 クリアゾーン設定問題 2007 年に本市が入手した海兵隊航空基地普天間マスタープランによると ( 軍事航空施設の ) 運用上の制約について1 航空施設整合利用ゾーン (AICUZ) 2 航空機事故可能性ゾーン (APZ) 3 航空施設安全クリアランス ( クリアゾーン ) の3つの基準を記述している 1について海外基地における航空運用のために行うことができるかもしれないが 必要条件ではない 2について米国内の航空基地では設定されるが 国外の軍用施設には適用されない 3については普天間飛行場のクリアゾーンは滑走路中心線の両側と 滑走路両端から伸びる部分に設定されており 障害物を排除し 離着陸の際の安全を確保するエリアとして開発が制限しており クリアランス表面にかかる建物が過去に存在したが結果的に買い取られ倒壊されたとの記述がある 以上 普天間飛行場マスタープランでは 普天間飛行場のクリアゾーンが確保され傾斜のある空間にも問題なく 米海軍の運用基準を満たしているかのように記述されているが 実態は全く異なり クリアゾーン内に市立普天間第二小学校 新城児童センター等の公共施設や保育所 病院等が18 施設 住宅が約 800 棟 3,000 人余りの住民が居住している状況がある クリアゾーン内には公共施設 保育所 病院が18 箇所 住宅約 800 戸約 3,600 人余の住民が居住している 11

5 航空法による安全基準 航空法においては航空機が安全に離着陸するために 空港周辺の建物等設置 の制限を定め 飛行場周辺の一定の空間を障害物が無い状態にしておくよう制 限表面を設定することになっている 下記制限表面図 航空法第49条 第5 6条の3 しかしながら 米軍基地においては国内法が適用されないことから 普天間 飛行場周辺においては滑走路延長線上においても障害物が設置され 基地が運 用されることによって米軍機及び周辺住民が非常に危険な状況に置かれている 図面引用 大阪航空局ホームページ 空港周辺における建築物設置の制限 普天間飛行場南側 民間鉄塔 位置図 普天間飛行場南側 民間鉄塔 写真 12