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水工学論文集, 第 巻,213 年 2 月 出水時複断面河道における横断方向水位変動特性の検討 STUDY ON LATERAL VARIATION OF WATER ELEVATION IN A COMPOUND CHANNEL UNDER FLOOD EVENTS 中山朝陽 1 2 二瓶泰雄 Tomoharu NAKAYAMA and Yasuo NIHEI 1 学生員学 ( 工 ) 東京理科大学大学院理工学研究科土木工学専攻修士課程 ( 2-1 千葉県野田市山崎 21) 2 正会員博 ( 工 ) 東京理科大学准教授理工学部土木工学科 ( 同上 ) Although water elevation is generally assumed to be uniform in the lateral direction, there has been little information on measured results for lateral variations of water elevation in rivers under floods. In the present study, we performed water elevation measurements at several cross-sections of the Edogawa River. Results showed that the differences of water elevation between the main channel and the floodplain that occurred during flooding were mainly due to a small mound that was formed between the main channel and the floodplain that prevented any water exchange between the two. The influence of lateral variations of water elevation on the evaluation of roughness parameters and river discharge was examined. Key Words: lateral variation of water elevation, compound channel, discharge, field measurement 1. はじめに河川管理を行う上では, 雨量 水位 流量は常時連続的なモニタリングが必要な最重要項目である. 一般に, 河川流量は各断面における H-Q 式と水位実測データから算出されるため 1),2), 実質的には, 地上雨量と河川水位に関する観測ネットワークが全国各地で整備されている. 特に, 河川水位は, 洪水氾濫への準備や避難開始の直接的な判断材料となるため, 確実で高精度な水位モニタリングを行うことは必須である. 一般的に, 水位計測は河川横断面内における一地点で行われており, これは時々刻々計測された水位が 河川横断方向に一様である という前提に立っている. この前提に基づいて河川流量も算出されている. しかしながら, 各地における洪水後の痕跡水位データを見ると, 河川両岸で痕跡水位が異なることはしばしば観測されており 3)~), 上記の前提条件には疑問が残る. また, 河川横断方向に水位変化が生じていると, 流量の算出結果にも何らかの誤差が生じる可能性がある. これまでの水位計測では縦断方向変化を詳細に捉える調査事例はあるものの ), 出水中の横断方向変化を計測した事例は皆無であり, 上述した 横断方向に水位が一様である という前提条件の妥当性は不明なままである. そこで本研究では, 顕著な水位横断方向変化が予想される複断面河道において複数の横断面での多点水位連続観測を実施し, 出水時における横断方向の水位変動を捉え, 横断方向の水位変化が生じる要因を検討することを目的とする. そのため, 複断面河道を有する江戸川中流部において, 計 1 台の自記式タイプの圧力式水位計を横断面内の複数地点に設置したところ, 二つの台風出水における水位計測を行うことができた. その中で, 特に顕著な特徴が見られた同一横断面におけると高水敷間の水位変動特性の素過程について記述する. また, これらの水位の横断方向変化が, 粗度係数評価や流量算定結果に及ぼす影響も合わせて検討する. 2. 現地観測の概要観測サイトは, 図 -1(a) に示すように, 複断面河道を有する江戸川中流部 野田橋付近であり, 幅は約 1m, 堤間幅は約 m である. この区間では, 同図中に示される横断面形より, 左岸側よりも右岸側の高水敷の幅が非常に広く, そのような状況が河口から km 地点より 2.km 地点まで続く. この広大な高水敷の一部はグランドやゴルフ場として利用され, その他はヨシ等の植生群落が形成されている ). 観測対象断面は, 河口か

地盤高さ [Y.P.m] 地盤高 [Y.P.m] 3k k 3k 1 1... k 2k 高水敷 3k 左岸 3k 12 1 k 123 左岸からの距離 [m] 1k 3k 3k k 2k 野田橋 3k 3k 3k 1k (a) 平面図と観測点位置, 横断面形 右岸 高水敷 1 高水敷 N 1m 水位計設置位置 玉葉橋 3k 高水敷 2 水位計設置位置 1 2 3 左岸からの距離 [m] (b) 横断面内の水位計設置状況の一例 (3.1km 断面 ) 図 -1 観測サイト ら.km,3.1km,3.km,3.km の つとした. 各 断面では, 図 -1(b) に例示するように, 内の左右岸 1 箇所ずつと右岸側高水敷 2 箇所 ( 近くを 1 とそ の反対側を 2 と称す ) の計 箇所に自記式水位計 (U-2 Water Level Logger,Onset 製 ; 計測範囲 m, 精度 2cm) を設置した. なお, 観測断面間の間隔は 1km を基本とし ているが,3.1km 断面には野田水位観測所があるため観 測断面として選定した. また,3km 断面では, 測器数 の関係で, 内は右岸側のみに観測点を設けた. 本 研究では, 高水敷まで冠水する規模の出水時の水位変動 特性を捉えるために, の観測期間は 211//2~ 1/12 とし, 高水敷では台風 12 号 (/1~) と 1 号 (/21 ~22) に合わせて水位計を設置 撤収した. 水位計の設 置高さを計測するために,RTK-GPS(Trimble R, 米国 Trimble 製 ; 精度 cm) を用いた. 本研究で用いる水位計は圧力式であり, 水圧センサー が流れと直に当たると動圧を感知し, 正確な水位を計測 1 /1 1 高水敷 図 -2 水位計設置状況 左岸右岸 高水敷 1 高水敷 2 /2 /3 / / / / / / /1 (a).km /1 /2 /3 / / / / / / /1 1 (b)3.1km /1 /2 /3 / / / / / / /1 (c)3.km 図 -3 水位の時系列変化 ( 台風 12 号時 ) できない. この影響を排除するために, 水位計を塩ビパ イプ内に格納して設置する必要がある. 本観測では, 図 -2 のように, では両端が開いている塩ビパイプ内 に水位計を固定し, その塩ビパイプを単管の下流側に設 置した. 一方高水敷では, 水位計を設置した塩ビパイプ の両端に土砂流入防止用のネットを張り地中に埋めた. 3. 横断面内の水位時間変動特性の比較 出水時のと高水敷における水位の時間変動特性 を比べるために,.,3.1,3.km 断面における低水 路 ( 右岸と左岸 ) と高水敷 (1,2) における水位時系 列データを図 -3 に示す. ここでは, 台風 12 号時を対象 に, 水位計冠水以降の結果が図示されている. なお, 図 中の右岸側と高水敷 1 の直線距離は 2~3m と 近い. これより,km 断面では, 2 地点の水位

は /1 時半頃に上昇し始めるが, 高水敷ではその 12 時 間半後に冠水 水位上昇しており, と高水敷で水 位上昇のタイミングが大きく異なる. また, の水 位は 2 地点共に高水敷 2 地点の水位を全般的に上回って おり, 減水期後半 (/) にその両者の大小関係が逆転す る. また, 右岸と左岸の結果を比べると, 増水期 初期は概ね一致しているが, 水位ピーク期においては左 岸側の水位の方が右岸側よりも高くなっている. また, 高水敷 2 地点の水位については, 洪水期間全般にわたり 概ね一致している. 次に,3.1km 断面については, と高水敷の水位 差が有ることや高水敷 2 地点での水位差が無い, という 点に関しては.km 断面と類似している. しかしながら, 2 地点の水位差はほとんど見られず,.km 断面 とは異なる結果となった. 図示していない 3.km 断面の 結果は 3.1km 断面と一致した傾向が確認されている. こ れに対して,3.km 断面では, 高水敷共に水位 上昇のタイミングが一致し, その後も明確な水位差は生 じないまま増水期から減水期を迎える. 以上の結果より, 横断方向水位変化の特徴としては, 1 と高水敷間の水位差は 断面中 3 断面 (., 3.1,3.km) で見られた. 2 内の水位差は 断面中 1 断面 (.km) のみで 見られた. 3 高水敷内の水位差は全断面において生じなかった. と 3 つが挙げられる. 以下では,1 の - 高水敷間 の水位差の実態やその要因などについて検討する. なお, 2 の内の水位差に関しては, 現段階では生成メカ ニズムは不明であり, 今後, 河道法線形の影響等を考慮 し, より広範囲の追加観測等を行い検証する必要がある.. - 高水敷間の水位差の形成メカニズムとその影響解析 (1) - 高水敷間の水位差と水位のヒステリシス と高水敷間における水位差の実態を詳細に調べ るために, 台風 12 1 号時におけると高水敷間の 水位差と水位のヒステリシスを図 - に示す. ここでは, データとしては右岸側の実測値を, 高水敷 データは近くに位置する高水敷 1 の結果を用い, 水位差としてはから高水敷の値を引いたものとす る. また, つ全ての横断面における結果が表示されて いる. まず,3.km,3.1km,.km 断面の結果に着目する と, と高水敷間の水位差は, 増水期初期には 1m 程度もしくはそれ以上あり, その後も正となっており, の水位は高水敷よりも高くなっている. その後, 1... 台風 12 号台風 1 号 -...... 1. 1... (a).km -...... 1. 1... (b)3.1km -...... 1. 1... (c)3.km -...... 1. (d)3.km 図 - 各断面におけると高水敷間の水位差と水位ヒステリシス 水位ピーク期に近づくと水位差は相対的に減少し, ほぼ となる. その後の減水期では, 水位差は増水期より小 さいものの正となっている. 減水期後半において 水位が [Y.P.m] 以下になると, 水位差は負となり, 高水 敷の水位がを上回る. これらの結果は, 二つの台 風出水時共に見られており, 再現性が高い現象であるも のと考えられる. 一方,3.km 断面では, 図 -3(c) で見られたように, 二つの出水時共に水位差はほぼ である. このように, と高水敷における水位差の様子は, 台風 12 1

増水期水位ピーク期減水期 ( 前半 ) 減水期 ( 後半 ) (a) 3.km (b) 3.km~.km 図 - と高水敷間の水位差形成状況の模式図 水位高水敷 < 図 - 減水期前半のと高水敷間における水位差形成メカニズム 号で共通し, かつ, 横断面によって異なることが明らか となった. (2) 高水敷 - 間の水位差形成メカニズム 前節の結果をまとめるために, 洪水中における水位横 断パターンの推移を図 - に示す. ここでは,3.km 断面 と 3.~.km 断面に分けて, 水位変動状況と典型的な 横断面形状を表示している. まず,3.km 断面では, ど の時点でも水位は横断方向に一様であるが,3.~.km 断面における水位大小関係は, 増水期では > 高水敷となり, 水位ピーク期では > 高水敷か低 水路 高水敷であり, 減水期の前半では > 高水敷, 後半では < 高水敷, という パターンとなってい る. 横断面形状の違いとしては, 図 -1 に示すように,3. ~.km 断面では, と右岸側高水敷の間に大きな マウンド ) が形成されているのに対して,3.km 断面で はマウンドは見られない. このマウンドは 3km から 3.km まで存在している. マウンドがある断面では増水期においてから高水敷への流入が遅れ, かつ, 流入量も抑制されるため, と高水敷間に水位差が形成されるが, マウンドが無く, 高水敷形状が平らな断面では, そのような水位差は生じない. 上記のように, マウンドがある場合, 増水期では, から高水敷への流入遅れのため, 水位の大小関係は > 高水敷となる. 一方, 減水期では, 逆に高水敷からのへの流出が抑制され, < 高水敷という水位差になることが考えられるが, 実際には, 減水期の前半では, 逆の大小関係となっている. そこで, 減水期前半において, 高水敷の水位低下量がよりも大きく, 結果として, > 高水敷となる水位差形成要因を検討する. 上下流の断面形を調べたところ, 図 -1 に示すように,3km~2km 断面では右岸側高水敷の中央付近で窪んだ地形となっているが,3km より上流ではそのような地形は見られず, かつ, 高水敷高さも高い. そのため, 水位ピーク後には,3,km 断面の右岸側高水敷は早々に干出したものと考えられる. その場合, 図 - に模式的に示すように, 右岸側の高水敷では, 上流側が干出し, 高水敷では干出部からの水の流入がなくなる一方, 下流側への流出は存在しているため, よりも水位低下量が大きかったものと考えられる. なお, これらの現象はと高水敷の比高差も関係しており, 比高差により高水敷上での底面摩擦や貯留量が変化し, 上述した水位差の時間変化の様子が変わるものと推測される. 以上より, - 高水敷間のマウンドの存在により, から高水敷への流入状況が抑制され, 増水期ではの水位が高水敷より高く, その後, 減水期前半も, 高水敷では上流部干出のため水位低下量が大きく, 増水期と同じ水位大小関係となる. その後, 減水期後半では, 高水敷全体の水深が小さくなり底面摩擦が増大するために高水敷からの流出量が抑制され, 結果として, 水位の大小関係が逆転する ( < 高水敷 ). このように, マウンドを介して, と高水敷間には顕著な水位横断方向変化が形成されることが明らかとなった. (3) と高水敷の水位縦断勾配の比較このようなと高水敷間の水位差が存在すると, 水位縦断勾配やそれにより得られる粗度係数 n の逆算結果が異なることが予想される. そこで, 台風 12 号時におけると高水敷の水位縦断勾配 I の時間変化を図 -(a)~(c) の上半分に示す. ここで,3 組の断面間 (. -3.1km,3.1-3.km,3.-3.km 断面 ) における水位データから求められる水位縦断勾配 I を 高水敷に分けて算出している. なお, では右岸側デ

粗度係数 n[m -1/3 s] 水位勾配 ( 1 )I 粗度係数 n[m -1/3 s] 水位勾配 ( 1 )I 粗度係数 n[m -1/3 s] 水位勾配 ( 1 )I. 3. 1. -1..2.1.1 I( ) I( 高水敷 ) 1 水位 高水敷 ( 水位勾配 : ) 高水敷 ( 水位勾配 : 高水敷 ) と同程度かやや小さい. 一方, 高水敷の水位縦断勾配 I は, よりも小さく, 区間によってはほぼ ( 水平勾配 ) となる時間帯も見られる. このように, と高水敷間の水位差に伴って, 縦断方向の水位勾配も大きく異なっていることが示された. これらの水位縦断勾配データを用いて, 粗度係数 n を逆算した結果も各図中の下半分に示す. 粗度係数 n の算定に際しては, と高水敷に分割し, それぞれに対して, 次のマニングの平均流速公式を用いる.. /31 /2 / / / /1 /12 /1. 3. 1. -1. (a).km-3.1km 1....3.2.1 /31 /2 / / / /1 /12 /1. 3. 1. -1..2.1.1. (b)3.1km-3.km /31 /2 / / / /1 /12 /1 (c)3.km-3.km 1 図 - 水位 (3.1km 断面, ) 及び 高水敷の水位縦断勾配 ( 上 ) と逆算粗度係数 n( 下 ) の時系列変化 ( 台風 1112 号出水時 ) ータ, 高水敷では 1 地点の水位データをそれぞれ用いて いる. 図中には合わせて,3.1km 断面のにおける 水位変化も表示している. これを見ると, の水位 縦断方向 I は, 水位ピーク時において 1.~2. 1 - (=1/1~1/) となり, 平均的な河床勾配 (=1/) 2 3 1 2 R I n (1) Q / A ここで,R は径深,Q は流量,A は断面積である. 水位 縦断勾配 I は各断面間の実測値を与え, 径深 R と断面積 A は 2 つの断面のうち下流側断面における水位と断面形 から算出する. 流量 Q に関しては, 著者らが江戸川の 3.1km 断面で行った H-ADCP 計測と数値解析法 (DIEX 法 ) を用いた流量推定結果 ) から 高水敷の流量 を抽出し, それらを全断面で与える. なお, 粗度係数算 定にあたり, 高水敷の水位データが無い場合には, 低水 路のみのデータから推定することがある. そこで, 低水 路の n 算定にはの I を用い, 高水敷の n 算定には 高水敷との I を与える. これより, 高水敷の粗度係数 n は, 全般により も大きく,1 オーダー程度の差となっている場所もある. これは, 高水敷にはヨシなどの植生群落が存在している ためである. また, 高水敷の粗度係数 n に関する二種類 の算定結果を比べると, 水位勾配の違いを反映し, 低水 路の水位縦断勾配 I を用いる方が, 高水敷の結果を用い るよりも全般的に大きい. これらの平均値を求めると, 水位を用いた粗度係数は, 高水敷の場合の ~ 2.3 倍と過大評価しており, 複断面河道における高水敷で の水位計測の重要性が示された. () 流量算定精度に及ぼす影響 と高水敷間の水位差が流量算定に与える影響に ついて検討する. ここでは, もしくは高水敷で計 測された水位が横断面内で一様とした場合に生じる流量 誤差を算定する. そのため, 同じ台風 12,1 号時に江戸 川 野田橋 (3.2km 地点 ) において得られた ADCP 流量 観測データ ) を用いた. 具体的には,ADCP データより 得られた水深平均流速 U obs はそのままとし, 各横断位置の水深には観測値 hobs から水位観測誤差 h を引いたものを用い, 次式で流量 Qcal を求める. Qcal Uobs hobs h dy (2) ここで,y は横断方向である. の観測水位を用い

誤差率 [%] 誤差率 [%] 2 1 水位を一様とした時 高水敷水位を一様とした時 1... -1. -2. 水位 -3. - -.. /2 /3 / / / / / 2 1-1 -2-3 - - (a) 台風 12 号 3 12 1 1 21 1........ (b) 台風 1 号 (/22) 図 - と高水敷それぞれの水位を用いた場合の流量誤差率と水位の関係 (3.1km 断面の水位を使用 ) る場合には高水敷部分で水位誤差 h が生じ, 高水敷の 観測水位を用いる場合には, で h が発生するこ とになる. この解析には, 流量観測断面に近い 3.1km の 水位データを用いる. 図 - は両台風出水時における流量の誤差率 (=( 推定 値 - 観測値 )/ 推定値 1) の時系列変化を示す. これ より, 水位一様とする場合には誤差率は +1%, 高 水敷水位一様の場合には誤差率は -% に達している. こ のように, 水位の与え方により, 流量誤差は 1~% にな り, 有意な誤差が生じることが明らかとなった.ADCP による流量観測では,ADCP を横断方向に移動させるこ とにより, 横断面内の水深や流速を直接計測しており, 断面積算定用に水位データを用いる必要はない. 一方, 一般的な流速計 ( 電波流速計等 ) を用いる場合には, 流 量算定に水位データは必須であり, これらの高精度化の ためにも, 複断面河道では 高水敷で別々に水位 データを取得する必要があることが示唆された.. おわりに 本研究で得られた主な結論は, 以下の通りである. 1) 複断面河道の複数の横断地点において水位計測を出 水時に行ったところ, と高水敷間に顕著な水位差 が確認された. 内の水位差は 断面中 1 断面のみ で見られ, 高水敷内での水位差は生じなかった. 2) - 高水敷間の水位差の発生状況と要因として は, と高水敷の間のマウンドにより, から 高水敷への流入出が抑制され, 洪水全般にわたり の水位の方が高水敷より高かった. このような水位差が 減水期前半でも維持するのは, 高水敷の上流部が干出し たためであり, 高水敷における地形効果が - 高水 敷間の水位差と密接に関与していることが明らかとなっ た. 3) - 高水敷間の水位差が存在するため, 水位縦 断勾配やそれにより得られる逆算粗度係数の算定結果が 用いる水位データにより大きく変化することが示された. また, この水位差により, 流量算定時の誤差が 1~% 程 度と有意になっており, 複断面河道の流量計測には, 低 水路 高水敷各々の水位計測が必要であることが示唆さ れた. 謝辞 : 現地観測に際して, 東京理科大学理工学部土木工 学科水理研究室学生諸氏の惜しみないご協力により本研 究を行うことができた. ここに感謝の意を表します. 参考文献 1) 建設省河川局,( 社 ) 日本河川協会編 : 改訂新版建設省河川砂防技術基準 ( 案 ) 同解説調査編,pp.33-,1. 2) 土木学会 : 水理公式集 [ 平成 11 年度版 ], 丸善,pp.-, 1. 3) 国土交通省中国地方整備局 ( 案 )[ 国管理区間 ]: 太田川水系河川整備計画,pp.22-,211. ) 後藤岳久, 福岡捷二, 児子真也, 中須賀淳 : 複断面蛇行河川における洪水流による樹木群の倒伏 破壊機構と樹木管理への活用, 土木学会論文集 B,Vol.,No.1,pp.-, 21. ) 重枝未玲, 朝位孝二, 坂本洋, 長太茂樹, 秋山壽一郎, 樋口直樹, 重岡広美, 徳永智宏 : 樹木群を考慮した平面 2 次元数値モデルによる乙津川の洪水流解析, 水工学論文集, Vol.,pp.111-11,2. ) 福岡捷二 : 洪水流の水面形観測の意義と水面形に基づく河川の維持管理技術, 河川技術論文集,Vol.12,pp.1-,2. ) 加茂川優紀, 二瓶泰雄 : 出水時における河川内草本類の破壊条件に関する基礎的検討, 河川技術論文集,Vol.1, pp.23-2,211. ) 有田正光, 池田裕一, 中井正則, 中村由行, 道奥康治, 村上和男 : 水圏の環境, 東京電機大学出版局,pp.3-32, 1. ) 御厨純, 二瓶泰雄, 鈴木大樹, 中山朝陽 :2 台の H-ADCP 計測と DIEX 法に基づく複断面河道の洪水流量計測 ~ 台風 1112 号出水を例に ~, 土木学会論文集 B1( 水工学 ), Vol.,No.,pp.Ι_13-Ι_13,212. (212..3 受付 )