練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

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1. 趣旨 目的 香川県糖尿病性腎症等重症化予防プログラム 香川県医師会香川県糖尿病対策推進会議香川県国民健康保険団体連合会香川県 本県では 糖尿病患者の人口割合が全国上位にあり 糖尿病対策が喫緊 の課題となっている 糖尿病は放置すると網膜症や腎症 歯周病などの合 併症を引き起こし 患者の QOL

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

福井県糖尿病性腎症重症化予防プログラム福井県医師会福井県糖尿病対策推進会議福井県 1 趣旨 目的本プログラムは福井県医師会 福井県糖尿病対策推進会議および福井県の三者で策定し 県内の医療保険者 ( 以下 保険者 という ) が医療機関と連携して糖尿病性腎症等の重症化予防の対策が容易となるよう基本的な

小松市医師会糖尿病連携推進協議会の取り組み 受診につなげる取り組み 1) 特定健診後 小松市からの受診勧奨 2) 地区別健康懇談会 等 3) 一般社団法人小松能美薬剤師会が主導した 薬局での血糖測定のモデル事業 合併症発症予防の取り組み 4) 診療所における栄養指導 運動指導の強化ー小松市の試みー

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岡山県糖尿病性腎症 重症化予防プログラム 平成 30 年 3 月 岡山県医師会岡山県糖尿病対策推進会議岡山県糖尿病医療連携体制検討会議岡山県糖尿病対策専門会議岡山県 CKD CVD 対策専門会議岡山県国民健康保険団体連合会岡山県

資料 6 広島市健康福祉局保健部保健医療課 元気じゃ健診 ( 特定健診 ) の受診に関する地域包括支援センターから地域住民への呼びかけについて 1. 趣旨 広島市は 全国平均に比べて 平均寿命は長いが 健康寿命は短くなっている また 広島市国民健康保険の 1 人当たり医療費は 政令市の中で最も高くな

3 対象者への案内の方法 当該年度の特定保健指導対象者全員 ( 基準では非該当だが 医療保険者の判断で特定保健指導対象となる方 も含む ) に対して 参加案内を郵送して 結果説明会を実施するとともに 特定保健指導における初回時面接を行います また 初回時面接未参加者に対しても 再度 特定保健指導の参

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

宗像市国保医療課 御中

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

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1. まとめ 1 糖尿病の現状と課題 予備群を含め 2000 万人を超える生活習慣病 糖尿病 医療体制の整備に匹敵する治療の鍵は 患者の行動変容 である そのために必要なのが (1) 予防から合併症予防まで切れ目のない対策 (2) エビデンスに基づくチーム医療 ( 3) データを活用して様々なステー

図表 糖尿病の患者の状況等 宮城県全国出典 メタボリックシンドローム該当者 予備群割合糖尿病の総患者数 ( 人口比 ) 29.3% 26.2% 62,000 人 3,166,000 人 (2.7%) (2.5%) 特定健康診査 特定保健指導の実施状況に関するデータ ( 平成 27(2

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調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

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小松市医師会 糖尿病連携推進協議会 の取り組み 小松市医師会糖尿病連携推進協議会湯淺豊司

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糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから

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表 糖尿病が強く疑われる者 ( 年齢調整後 ) の割合推移 (%) 糖尿病が強く疑われる者 ( 糖尿病有病者 ( 成

第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

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為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

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3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

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1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律の公布について(厚生労働省健康局長:H )

News Release 報道関係各位 2015 年 6 月 22 日 アストラゼネカ株式会社 40 代 ~70 代の経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんと 2 型糖尿病治療に従事する医師の意識調査結果 経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんは目標血糖値が達成できていなくても 6 割が治療

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

《印刷用》ためしてガッテン:糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬


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求する診療報酬明細書の件数 ( 入院以外 ) は 糖尿病や高血圧 心疾患などの生活習 慣病が約 4 割を占めている 生活習慣病患者が増加することにより 医療費は年々増 大していくことが考えられる 図 2 戸田市の医療費の推移 ( ウ ) 健康寿命の延伸県は健康寿命を 65 歳に達した県民が自立した生

第 3 章特定健診 特定保健指導の実施 1 特定健診実施等実施計画についてこの計画は 国の定める特定健康診査等基本指針に基づく計画であり 制度創設の趣旨 国の健康づくり施策の方向性 第 1 期の評価を踏まえ策定するものです この計画は 5 年を一期とし 第 2 期は平成 25 年度から 29 年度と

2 月 22 日市町村自治会館 平成 28 年熊本県保険者協議会第 4 回保健事業部会 KUMAKOKU REPORT(2 月 ) 各医療保険者から 13 人の出席のもと開催した はじめに 向山照美部会長 ( 美里町 ) が平成 28 年度の取り組みを振り返って実施状況を一つずつ確認した

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1 国保データベース (KDB) の活用 糖尿病性腎症の視点で見える化 平成 26 年度皆野町国保医療費総医療費約 9 億円 (902,237,380 円 ) 順位疾患名 全体に占める割合 (%) 1 統合失調症 糖尿病 慢性腎不全 高血圧症 関節疾患

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特定健康診査等 ( 平成 30 年度 平成 35 年度 ) 背景 現状 基本的な考え方 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 事業所数が多く その健康課題も多岐にわたるため対策実施に当たっては事業所の協力が欠かせない 被保険者の特定健診受診率は 95% 前後であり 事業主健診は

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はじめに

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-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

看護師の注射指導スキルを高め 治療介入が容易となる環境を整える これらを効率的に安全に達成するためには地域内での情報交換も必須であり 医療者の 顔のみえる 関係も重要である また正しい知識を共有しそれに基づいた指導をすること 他職種の業務範囲を厳密に把握することも必要である また このようなネットワ

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リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

平成 27 年 10 月 6 日第 2 回健康増進 予防サービス プラットフォーム資料 協会けんぽ広島支部の取り組み ~ ヘルスケア通信簿について ~ 平成 27 年 10 月全国健康保険協会広島支部 協会けんぽ 支部長向井一誠

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高齢化率 総人口 454, , , ,839 老年人口 83, , , ,264 生産人口 307, , , ,138 年少人口 63,286 52,436 41,712 36,437

大阪府医師国民健康保険組合 特定健康診査等実施第 2 期計画 ( 平成 25 年 7 月 1 日 ) 1. 計画策定の背景昭和 36 年の国民皆保険の成立により わが国の平均寿命は飛躍的に伸び 今や世界一の長寿国となった しかし 世界に冠たるこの国民皆保険制度は 平均寿命の伸びによる高齢化の急激な進

施策評価シート ( 平成 30 年度評価実施 ) 担当部課名 市民福祉部健康推進課 関連部課名 第四次蒲郡市総合計画 ( ~ ) 施策名 健康づくり 基本目標 笑顔で安心して暮らせるまちづくり 健康 福祉 施策の説明 生涯を通じてすべての市民が健康で幸せに過ごし 健康

問 3 問 2 で と回答した方は 上記対策で何を見て知ったか ( 複数回答可 ) % 問 4 問 2で と回答した方は 下記対策で利用したいまたは既に利用しているものは 問 4 何か ( 複数回答可 ) 特定健診 特定保健指導対策 10 (41.9%) がん ( 婦人

近畿税理士国民健康保険組合 第二期特定健康診査等実施計画 ( 案 )

(7)健診データの受領方法

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

ストレスチェック制度は 従業員 50 名以上の事業所が対象となっているため 中小企業の多くが適用外となっている そのような中小企業のメンタルヘルス対策の現状はいかがか 現在 宮城支部ではメンタルヘルス関連事業として セミナー 出前講座 カウンセリング事業を実施しているところであるが 申し込み状況等か

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

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都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

第3章 調査のまとめ

スライド 1

Ⅳ. 事例紹介 大阪府内の糖尿病対策の取り組みの中から阪南市と島本町 国内の事例として 埼玉県を紹介する なお 以下に示す府内の特定健診対象者数 受診率 特定保健指導実施率は 平成 26 年度大阪府国民健康保険課提供の法定報告値 未治療の糖尿病疑い者 (HbA1c 6.5% 以上 ) の割合は 同年

2009年8月17日

(この実施計画は「高齢者の医療の確保に関する法律」第19条の規定に基づき作成し、

ビジネスパーソン外飲み事情

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第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

評価項目 A Bともすべての項目に を入れてください 評価項目 A 宣言内容 ( 共通項目 ) チェック項目 取り組み結果 出来た概ね出来た出来なかった 1 経営者が率先し 健康づくりに取り組みます 健康宣言証の社内掲示など 健康づくりに関する企業方針について 従業員へ周知していますか? 経営者自身

もくじ 目的 目標 支援体制図 4 運用規準 ) 運用地域 ) 運用開始時期 ) 実施方法 4) 実施手順 5) 個人情報の取扱い 6) 運用に関する留意事項 5 資料 精神障害者の治療中断 4 精神障害者の治療中断の アセスメント項目 適用例 考え方 6

特徴計画策定時実績値増減値 健診 特定健診受診率が低く 未受診者の中に生活習慣 病重症化の恐れがある人が隠れている 男性は メタボ予備群 BMI, 腹囲の有所見者が多 い 健診受診者の服薬治療者が少ない 男女とも血糖 LDL コレステロール 拡張期血圧 尿 酸 ALT(GPT) の有所見者が多い 喫

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

Transcription:

練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

経過 背景 24 年度糖尿病ハイリスクで未受診の者に対する勧奨を開始 ( 区の専門職による ) 26 年度民間事業者に業務を委託新たに 個別支援 ( 保健指導 ) を試行的に開始 28 年 3 月 (27 年度 ) データヘルス計画策定 厚労省 日医 日本糖尿病対策会議 の三者による連携協定の締結 28 年 4 月厚労省が 糖尿病性腎症重症化予防プログラム を策定 28 年 5 月厚労省の研究事業に参加 ( 全国約 80 保険者 23 区では練馬区のみ ) 2

区の支援 未受診者の受診勧奨 1 受診継続 効果を高める +α かかりつけ医と糖尿病専門医との連携 歯科医 眼科医との連携 区の支援 健康教育(セミナー)発 趣旨普及3 治療中断者のフォロー啓糖尿病重症化予防 = 血糖コントロール 2 正しい病識の理解 定着 効果を高める +α 氾濫する情報の取捨選択 合併症発症リスクの理解 3 つのポイント の改善 維持 効果を高める +α 長期的な目標 ( モチベーション ) 家族等身近な人の協力や理解 心のケア 区の支援 個別的な栄養指導 運動指導3 生活習慣

練馬区国保の糖尿病重症化予防事業実施内容 (1) 未受診者に対する医療機関受診勧奨 特定健診の受診結果 (HbA1c egfr 尿たんぱく ) が一定基準を超えているが 医療機関未受診の方を抽出 文書および電話で受診を勧奨 (2) 面談等による個別支援 ( 保健指導 ) 糖尿病治療中で 腎症病期が3 期の方糖尿病患者向けの食事 運動等の生活改善に関する支援を6 か月間実施合併症やシックデイ 低血糖に関する注意等の情報提供個別面談 ( 自宅訪問 ) 電話 手紙等 厚労省作成の 糖尿病性腎症重症化予防プログラム をベースとして 委託事業者が作成した指導プログラムを実施 4

事業実施にあたり 心がけていること ( 厚労省プログラムを踏まえて ) 1 医師会の理解と協力を得ること 事業趣旨の理解と会員への周知 事業評価 課題の共有 2 かかりつけ医と専門医 医科 歯科 眼科 総合病院と診療所など 様々な機関による連携を図ること 糖尿病医療連携検討専門部会の活用 糖尿病専門医からの技術的助言 連携ツールの検討 3 庁内での実施体制 ( 保健師 管理栄養士との緊密な連携 ) を確保すること 5 効果的なプログラムの実施 委託業務の質の維持 向上 糖尿病に関するポピュレーションアプローチの検討 実施

6 未受診者に対する医療機関受診勧奨

医療機関受診勧奨の実績 26 年度実績 27 年度実績 特定健康診査受診者 48,714 人 48,825 人 抽出対象の基準該当者 247 人 272 人 未受診者 = 医療機関受診勧奨の対象 ( 1) 36 人 69 人 勧奨後に受診が確認できた者 ( ) は勧奨による受診開始率 18 人 (50.0%) ( 2) 47 人 (68.1%) ( 2) 1: 治療中断の者および糖尿病以外の生活習慣病で治療している者も含む 2: 勧奨後 受診した者のうち 約 8 割は練馬区内の医療機関を受診 7

医療機関受診勧奨 送付したリーフレット 8

医療機関受診勧奨 送付したリーフレット 歯科 の受診も促すメッセージを追加 9

医療機関受診勧奨の事例 (1) 50 代女性 HbA1c8.2 egfr91 尿たんぱく (-)BMI29. 8 特定健診の受診 20 年度から8 年間一度も受診無し 28 年度に初めて特定健診を受診 治療歴 生活習慣病の治療歴は確認できず 文書発送後 電話による受診勧奨を実施 10 年位前に 別の住所の時に糖尿病で受診して以降 多忙等の理由で治療中断となっていることが判明 糖尿病は 自覚症状が無くても合併症が進む場合があるなど リスクについて丁寧に説明 食事についても簡単にアドバイス その後 区内医療機関への通院を確認 (DPP-4 阻害薬の服薬を開始 ) 10

医療機関受診勧奨の事例 (2) 60 代女性 HbA1c9.2 egfr13 尿たんぱく (3+)BMI26. 6 特定健診の受診 20 年度から8 年間一度も受診無し 28 年度に初めて特定健診を受診 治療歴 高血圧症での治療歴はあるが糖尿病は確認できず 文書発送後 電話による受診勧奨を実施 既に 高血圧症のかかりつけ医に相談 区内の総合病院を紹介され 通院中であることが判明 40g のたんぱく制限あり 飲み薬 (DPP-4 阻害薬 ) の処方と食事指導を受けている 他の疾病があるため 運動は医師から制限 これからも 医師の指導に従って 服薬治療と食事習慣の改善を続けるように励まし 11

12 面談等による個別支援 ( 保健指導 )

個別支援 ( 保健指導 ) のイメージ 内容は 平成 28 年度のものであり 今後 変更となる場合があります 13

指導教材のサンプル ( 一部 ) 14 支援ツール ( アセスメント用 ) 支援ツール ( 手紙支援用 )

個別支援の実績 (27 年度実施分 ) 実施期間 : 平成 27 年 9 月 ~ 平成 28 年 3 月 1 70 代男性 2 70 代女性 3 70 代女性 4 60 代男性 HbA1c( 1) egfr( 2) 介入前介入後介入前介入後 7.9 6.3 49 42 8.1 6.5 87 76 9.1 8.5 39 35 9.1 7.4 105 84 行動変容 飲酒量の減少 運動 ( プラス 10) の継続 体重のレコーディングも習慣化した 間食の量と回数を自分で改善しコントロールしている 休止していた運動も再開できた 野菜の摂取量の増加 血糖値が高くなったことへの気づき 主治医と相談し軽い運動を開始 歯科も受診を開始 食生活の改善 ( 野菜摂取 間食制限 盛付の工夫等 ) に取り組む 身体活動も増加した 1:HbA1c は 全員が改善 2:eGFR は 全員が低下 15

16 練馬区国保における主な課題および改善の方向性

課題 (1) 効果的 効率的な勧奨の実施 受診勧奨 電話連絡が困難な場合 文書による勧奨で終わってしまい 受診に繋がりにくい 書 + 電話の勧奨の後 実際に通院を開始する割合は 6 割程度 せっかく 電話で接触ができた でも その後 受診しないケースも られる 受診するかどうかは リスクが いことの相関はない ( 例えば HbA1c が 10% を超えるような人が放置してしまう ) 改善 接触できた場合 一定期間経過後に フォローアップを実施 委託業務ではカバーしきれないケースは 地域を担当する保健師が引き継ぎ 訪問等による対応を実施 17

課題 (2) 治療中断者の対応 受診勧奨 中断者の中には 年々 健診結果が悪化している等 早期の再開が望ましい方も多い 相当の期間が経過してから 受診を再開した場合 合併症が進 してしまっていることも少なくない これまでの実績から 治療中断に る理由は多様 ( 国保の場合 経済的な理由を挙げる も多い ) 中断理由や 活状況に応じたアプローチが必要 ( 単なる 未治療者 とは違う ) 改善 治療中断の理由を特定し 再開に対する障壁を除去できるような 丁寧な対応を実施 できるだけ 治療を中断させないような工夫も検討 18

課題 (3) 実績拡大と関係者の連携 個別支援 ( 保健指導 ) 区が提供する個別 援 ( 保健指導 ) は 院で 常駐の管理栄養 や糖尿病療養指導 を配置しているなど 糖尿病患者に対する保健指導体制が整っている医療機関での活 は無いと考えている ( 総合病院や糖尿病専 医など ) で ニーズがある医療機関については 積極的に活 していただきたい 医師会の協 により 政 ( 国保 ) が本事業を実施することについての合意形成は整いつつある 今後は 各医療機関 ( 主治医 ) に どのようにしたら活用していただけるのか検討 改善 医師会や糖尿病専門医の助言をいただきながら 説明会や講演会など 区の取組を積極的に周知 19

課題 (4) 高い個別性と委託業務の困難さ 個別支援 ( 保健指導 ) 個別 援 ( 保健指導 ) では 治療中の患者に対して 区職員ではなく委託事業者が介入する 対象者が 医師や専門職からの指示内容 ( 目標体重 摂取カロリー たんぱくや塩分量 運動等 ) を きちんと理解できていないなど 指導が難しいケースも られる 指導期間はあくまでも 6 か月間だけ 委託では 医師等から指示内容を入手して伝達するだけが目的ではなく 患者のモチベーションを上げ 治療効果を高め 継続性を持たせるために いかにして本人が主体的に治療に向かえるような 援ができるか がポイント 主治医との信頼関係に配慮することも重要 改善 質の高い委託事業の確保 実例を踏まえた指導のレベルアップ 区の委託管理能力向上等 20

課題 (5) 事業評価のあり方 受診勧奨 個別支援 ( 保健指導 ) ハイリスクアプローチ 政が実施する保健事業としては 1 件あたりのコストが高く 成果 効果をしっかり把握する必要がある PDCA サイクルを回すためにも アウトカム評価が重要 しかし 評価指標 (HbA1c?eGFR? 動変容? 治療内容?) はどれが適切なのか 厚労省のプログラムでも 具体的な 評価 法 までは されていない 改善 医師会や糖尿病専門医からも助言をいただき 適切な事業評価を実施 6 か月間の保健指導期間だけでなく 数年後など 長期的な視点で患者の状況を見て評価できないか 検討 21