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火山ガスの状況( 図 8-5 図 9-4) 1 日 6 日 8 日 14 日 20 日 22 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の1 日あたりの放出量は700~1,800 トン (10 月 :500~1,70 トン ) と増減しながら 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の

火山ガスの状況 ( 図 8-5 図 9-4) 10 月 2 日 9 日 17 日 18 日 23 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の 1 日あ たりの放出量は 500~1,700 トン (9 月 :90~1,400 トン ) と 概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の状況

火山ガスの状況( 図 8-5 図 9-4) 12 日 18 日 25 日 27 日に実施した現地調査では 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の1 日あたりの放出量は 900~1,600 トン (11 月 :700~1,800 トン ) と 増減を繰り返しながら概ねやや多い状態で経過しました 地殻変動の状

降灰の状況( 図 6 図 8) 8 日実施した現地調査及び電話による聞き取り調査では 15 時現在で熊本県 大分県 愛媛県 香川県で降灰を確認しました 火口から北東約 6km にある阿蘇警察署で約 3cm 積もるなど の北東側で多量の降灰となっています 噴煙の状況( 図 7) 中岳第一火口では 8

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地震や微動の発生状況( 図 8-2~4 図 9-23 図 10~11 表 1~4) 火山性地震は 3 月から5 月にかけて一時的に減少した期間もありましたが 概ね多い状態で経過しました 火山性地震の震源は 主に中岳第一火口付近のごく浅い所から深さ0km に分布しました 孤立型微動は 3 月以降増加し

地震や微動の発生状況( 図 5-23 図 6-2~4 図 7 表 1~4) 火山性微動の振幅は 3 月にやや大きな状態となる期間もありましたが その他の月は概ね小さな状態で経過しました 火山性地震は 1 月から2 月にかけてやや少ない状態で経過しましたが 3 月以降は概ね多い状態で経過しました 火山

火山活動解説資料 ( 令和元年 5 月 ) 栗駒山の火山活動解説資料 ( 令和元年 5 月 ) 仙台管区気象台地域火山監視 警報センター 火山活動に特段の変化はなく 静穏に経過しており 噴火の兆候は認められません 30 日の噴火警戒レベル運用開始に伴い 噴火予報 ( 噴火警戒レベル 1 活火山である

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ガス観測の状況( 図 3-36) 2 日に実施した現地調査では 二酸化硫黄は検出されませんでした ( 最後に検出されたのは 2012 年 9 月 26 日の1 日あたり 10 トン ) 図 1 ( 新燃岳 ) 噴煙の状況 (10 月 18 日 韓国岳遠望カメラによる ) :2015 年 10 月の震

11 月 25 日 10 時 11 分に 阿蘇火山博物館火口カメラで 噴火を確認し 現地調査では 12 時 00 分に灰白色の噴煙が火口縁上 500m まで上がっているのを確認しました 11 月 26 日以降は連続的に噴火が発生し 11 月 27 日には噴煙が火口縁上 1,500mまで上がるなど活発

年間の火山活動

草 津 白 根 山

平成 26 年 NO.47 週間火山概況 ( 平成 26 年 11 月 14 日 ~11 月 20 日 ) 火山現象に関する警報等の発表状況 いずれの火山についても 噴火に関する予報警報事項 ( 警戒が必要な事項 ) に変更はありません 表 1 火山現象に関する警報等の発表履歴 ( 平成 26 年

(3) 爆発的噴火の基準上述の噴火の区分とは別に 爆発的噴火 という呼称を使うことがある 阿蘇山における爆発的噴火とは 爆発地震があり 古坊中 ( 火口から約 1km) の観測点で 30Pa 以上の空振 もしくは仙酔峡 ( 火口から約 2km) の観測点で 20Pa 以上の空振を伴うものとしている

平成 26 年 NO.48 週間火山概況 ( 平成 26 年 11 月 21 日 ~11 月 27 日 ) 火山現象に関する警報等の発表状況 いずれの火山についても 噴火に関する予報警報事項 ( 警戒が必要な事項 ) に変更はありません 表 1 火山現象に関する警報等の発表履歴 ( 平成 26 年


2019 年1月3日熊本県熊本地方の地震の評価(平成31年2月12日公表)

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200km 20 30km EDM GPS JERS-1 SAR

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第 109 回 火山噴火予知連絡会資料 2008 年 2 月 15 日 東北大学大学院理学研究科

地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報

(1) 近年の火山噴火近年 火山活動が全国的に活発化している 図 1 は 日本周辺における火山について 2010 年 1 月から 2016 年 12 月までの噴火警戒レベルが 2 以上 火口周辺危険または周辺海域警戒である火山 ( 以下 活動が活発な火山 とする ) の総数の推移を表したものである

2 月 20 日 に 実 施 した 現 地 調 査 では 2014 年 11 月 25 日 以 降 の 噴 火 活 動 により 中 岳 第 一 火 口 南 側 付 近 に 火 山 灰 やスコリア 6) が6~26cm 堆 積 しているのを 確 認 しました 2 月 23 日 に 熊 本 県 及 び2

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1 計画の目的 当施設は 箱根町地域防災計画に 活動火山対策特別措置法 ( 以下 活火山法 という ) 第 6 条に基づく 避難促進施設 として定められており 活火山法第 8 条に基づき本計画を定める 本計画は 当施設に勤務する者 ( 従業員 ) 施設の利用者 施設周辺にいる登山者 旅行者等の噴火時

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平成 30 年 4 月 9 日 01 時 32 分頃の島根県西部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

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資料1 草津白根火山・本白根山1月23日噴火(東京工業大学草津白根火山観測所資料)

平成28年5月 地震・火山月報(防災編)

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1999年6月福岡水害における博多駅周辺の

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この資料は速報値であり 後日の調査で変更されることがあります 時間帯 最大震度別回数 震度 1 以上を観測した回数 弱 5 強 6 弱 6 強 7 回数 累計 4/14 21 時 -24 時 /15 00 時 -24 時 30

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4

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35.25 MO47 SE22 MO35 SE14 SE16 MO46 SE12 SE13 MY17 MY115 MY63 MY87 MY67 MY117 MY94 MY99 ON97 ON128 MY121 ON122 ON92 ON129 ON134 MO27 YM18 OD4 YM87 ON1

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スライド 1

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同様に急激な地殻変動により励起された構造性の地震と考える方が妥当であって 巨大地震が火山活動を活発化させた証拠と決めつけるのは短絡的である 巨大地震後に噴火が発生した西之島 硫黄島 阿蘇山や口永良部島は震源から 1000km 以上離れている 3.11 巨大地震が近場の火山ではなく 遠方の火山噴火を励

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の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24 分に再びごく小規模な噴火が発生し 噴煙は火口縁上 500mまで上がりました 本日 九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では 中岳第一火口から白色の噴煙が上がっているのを確認しましたが 噴火は観測されませんでした また 中岳第一火口内の一部に湯だまり 1) を確認しました 防災上の警戒事項等 中岳第一火口から概ね1km の範囲では 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください 風下側では 火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください また 火山ガスに注意してください 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください 活動概況 噴煙など表面現象の状況( 図 1~4) 中岳第一火口では 4 月 16 日にごく小規模な噴火が発生しました 本日 08 時 24 分に再びごく小規模な噴火が発生し 灰白色の噴煙が火口縁上 500mまで上がりました その後も ごく小規模の噴火を繰り返しています 本日 九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では 中岳第一火口から白色の噴煙が上がっているのを確認しましたが 噴火は観測されませんでした また 中岳第一火口内の一部に湯だまりを確認しました 赤外熱映像装置による観測では 中岳第一火口内に高温の地熱域が認められました 観測中は 火山ガスによる弱い臭気が認められました 阿蘇火山博物館提供の高感度の火口カメラによると 湯だまりの減少が続いている中岳第一火口では 夜間に火口底の一部が赤く見える赤熱を時々観測しました 火口底で赤熱が観測されたのは 2014 年 7 月以来です 1) 活動静穏期の中岳第一火口には 地下水などを起源とする約 40~60 の緑色の湯がたまっており これを湯だまりと呼んでいます 火山活動が活発化するにつれ 湯だまり温度が上昇 噴湯して湯量の減少や濁りがみられ その過程で土砂を噴き上げる土砂噴出等が起こり始めることが知られています この火山活動解説資料は福岡管区気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/fukuoka/) や気象庁ホームページ (https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/stock/monthly_v-act_doc/monthly_vact.php) でも閲覧することができます 資料で用いる用語の解説については 気象庁が噴火警報等で用いる用語集 を御覧ください https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/stock/kaisetsu/kazanyougo/mokuji.html この資料は気象庁のほか 国土地理院 京都大学 九州大学 国立研究開発法人防災科学技術研究所 国立研究開発法人産業技術総合研究所及び阿蘇火山博物館のデータも利用して作成しています 資料中の地図の作成に当たっては 国土地理院長の承認を得て 同院発行の 数値地図 50m メッシュ ( 標高 ) を使用しています ( 承認番号 : 平 29 情使 第 798 号 ) - 1 -

地震や微動の発生状況( 図 5 図 6-2~4) 火山性微動の振幅は 4 月 14 日以降変動を繰り返していましたが 17 日 15 時頃からは小さな状態で経過しています 火山性地震及び孤立型微動は多い状態で経過しています 火山ガスの状況 ( 図 6-5) 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の放出量は 4 月 12 日には 1 日あたり 3,600 トンと非常に多い状態と なり 昨日 (18 日 ) も 1 日あたり 2,700 トンと多い状態となっています 地殻変動の状況 ( 図 7 8) GNSS 連続観測では 深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線で わずかな 伸びの傾向が認められます 2019 年 4 月 19 日 08 時 25 分 図 1 噴火の状況 ( 上 : 草千里カメラ 下 : 阿蘇火山博物館提供による高感度の火口カメラ A) 本日 (19 日 )08 時 24 分に 中岳第一火口でごく小規模な噴火が発生し 灰白色の噴煙が火口縁上 500m まで上がりました - 2 -

図 2 火口底の赤熱の状況 ( 阿蘇火山博物館提供による高感度の火口カメラ A) 湯だまりの減少が続いている中岳第一火口では 夜間に火口底の一部が赤く見える赤熱を時々観測しました 火口底で赤熱が観測されたのは 2014 年 7 月以来です : 機上観測位置 : 撮影方向 図 3 図 4 の機上観測位置及び撮影方向 地理院地図 - 3 -

2019 年 4 月 19 日 14 時 45 分 ( 晴 ) 九州地方整備局ヘリコプターから撮影 2019 年 4 月 19 日 14 時 22 分 ( 晴 ) 九州地方整備局ヘリコプターから撮影 2019 年 4 月 19 日 14 時 57 分 ( 晴 ) 九州地方整備局ヘリコプターから撮影 図 4 中岳火口及び周辺の状況 (2019 年 4 月 19 日 ) 中岳第一火口内の一部に湯だまりを確認しました ( 上 : 赤破線 ) 中岳第一火口から白色の噴煙が上がっているのを確認しましたが 噴火は観測されませんでした 赤外熱映像装置による観測では 中岳第一火口内に高温の地熱域 ( 下 : 黄破線 ) が認められました 観測中は 火山ガスによる弱い臭気が認められました - 4 -

図 5 火山性微動の振幅の時間変化 ( 中岳西山腹観測点南北動成分の 1 分間平均振幅 2 月 1 日 ~4 月 19 日 14 時 ) 火山性微動の振幅は 4 月 14 日以降変動を繰り返していましたが 17 日 15 時頃からは小さな状態で経過しています - 5 -

図 6 火山活動経過図 (2018 年 1 月 ~2019 年 4 月 19 日 14 時 ) 火山性微動の振幅は 4 月 14 日以降変動を繰り返していましたが 17 日 15 時頃からは小さな状態で経過しています 孤立型微動 火山性地震は多い状態で経過しています 火山ガス ( 二酸化硫黄 ) の放出量は 4 月 12 日には 1 日あたり 3,600 トンと非常に多い状態となり 昨日 (4 月 18 日 ) も 1 日あたり 2,700 トンと多い状態となっています 2 と 3 の赤線は回数の積算を示しています 7 の湯だまり温度等は赤外熱映像装置により計測しています - 6 -

図 7 GNSS 連続観測点と基線番号 小さな白丸 ( ) は気象庁 小さな黒丸 ( ) は気象庁以外の機関の観測点位置を示しています ( 国 ): 国土地理院 ( 防 ): 防災科学技術研究所 - 7 -

図 8 GNSS 観測による基線長変化 (2018 年 1 月 ~2019 年 4 月 15 日 ) GNSS 連続観測では 深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線 (56) で わずかな伸びの傾向が認められます ( 赤矢印 ) これらの基線は図 7 の 1~7 に対応しています 基線の空白部分は欠測を示しています 2016 年 4 月 16 日以降の基線長は 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震の影響による変動が大きかったため この地震に伴うステップを補正しています 2016 年 1 月以降のデータについては 解析方法を変更しています ( 国 ): 国土地理院 ( 防 ): 防災科学技術研究所 - 8 -

火山活動解説資料 平成 31 年4月 19 日 19 時 40 分発表 図9 観測点配置図 小さな白丸 は気象庁 小さな黒丸 は気象庁以外の機関の観測点位置を示しています 京 京都大学 防 防災科学技術研究所 博 阿蘇火山博物館 国 国土地理院 図中の灰色の観測点名は 噴火により障害となった観測点を示しています - 9 -