土木建設技術シンポジウム2002

Similar documents
4. 粘土の圧密 4.1 圧密試験 沈下量 問 1 以下の問いに答えよ 1) 図中の括弧内に入る適切な語句を答えよ 2) C v( 圧密係数 ) を 圧密試験の結果から求める方法には 圧密度 U=90% の時間 t 90 から求める ( 5 ) 法と 一次圧密理論曲線を描いて作成される ( 6 )

Microsoft Word - CPTカタログ.doc

Microsoft PowerPoint - H24 aragane.pptx

土の段階載荷による圧密試験

<4D F736F F D2081A E682568FCD926E94D592B28DB E94D589FC97C78C7689E62E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

. 既箇所での軟弱地盤対策工法の実施.1 工法の選定について前述した地盤条件下に計画盛土を施工した場合 建設段階時 ( 中 ) の安定確保 と 供用後の過大な残留沈下の発生 が問題となった この問題に対し 以下のように対策工法を実施することとした 建設段階時の安定確保は 緩速載荷工法で対処する 残留

土の三軸圧縮試験

Microsoft PowerPoint - 2_6_shibata.ppt [互換モード]

第 Ⅰ 部 Excel VBA による一次元圧密 FE 解析 1. 軟弱地盤の長期沈下と二次圧密慣用的一次元圧密解析は, 標準圧密試験結果を利用し実際地盤の圧密沈下量とその発生時間を予測する.1 日間隔で載荷する標準圧密試験では, 二次圧密の継続中に次の載荷段階の荷重が載荷される. 圧密期間を長くす

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

H23 基礎地盤力学演習 演習問題

目次 章 本体縦方向計算(設計条件). 設計条件.. 基本条件.. 樋門概略側面図.. 樋門概略平面図.. 堤体形状図. 材料.. 単位重量.. コンクリート.. PC鋼材.. 鋼板(しゃ水鋼矢板). 盛土.. 堤防盛土. 地盤条件 6.. 地層条件.. 沈下量算出点. 函体形状.. スパン ブロッ

Microsoft PowerPoint - 1.せん断(テキスト用)

液状化判定計算(道示編)V20-正規版.xls

6. 現況堤防の安全性に関する検討方法および条件 6.1 浸透問題に関する検討方法および条件 検討方法 現況堤防の安全性に関する検討は 河川堤防の構造検討の手引き( 平成 14 年 7 月 ): 財団法人国土技術研究センター に準拠して実施する 安全性の照査 1) 堤防のモデル化 (1)

<4D F736F F D E682568FCD CC82B982F192668BAD93785F F2E646F63>

Microsoft PowerPoint - suta.ppt [互換モード]

- 14 -

マンホール浮き上がり検討例

<8E9197BF2D375F8DC489748FF389BB82CC8C9F93A295FB964081A695CF8D5882C882B52E786477>




保 証 最 低 基 準

<94F E4F8EB25F >

<897E8C F80837D A815B838B81458FE395948ECE95C7817B8145>

177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 2/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強

01宅地液状化沈下(161008)

<4D F736F F F696E74202D C CC89C88A B8CDD8AB B83685D>

<93798D488E7B8D488AC7979D977697CC E37817A2E786477>

第 4 章軟弱地盤対策 4-1 適用 1. 本要領は 軟弱地盤上に道路を建設する場合に実施する各対策工法の設計に適用する 2. 本章にない事項は 表 4.1 の関係図書によるものとする 表 4.1 関係図書 関係図書発行年月発行 H29.4 道路土工構造物技術基準 同解説 ( 公社 ) 日本道路協会

国土技術政策総合研究所 研究資料

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E6328FCD2E646F63>

Microsoft PowerPoint - ppt8.pptx

地盤工学ジャーナル Vol.6,No.3, 泥炭地盤の圧密沈下挙動と慣用予測式の適用性 山添誠隆 1, 田中洋行 2, 林宏親 3, 三田地利之 4 1 ( 株 ) シーウェイエンジニアリング 2 北海道大学大学院工学研究院 環境フィールド工学部門 3 ( 独 ) 土木研究所寒地土木研

目 次

集水桝の構造計算(固定版編)V1-正規版.xls

<95F18D908F912E4F5554>

Microsoft Word - 第5章07地盤沈下.docx

<926E906B8E9E2D958282AB8FE382AA82E882CC8C9F93A22E626376>

1. 設計手順 ディープウェル工事の設計は 下記に示す手順で実施する 掘削区域内への排水量の検討 ディープウェル仕様の仮定 ( 径 深さ ) ディープウェル 1 本当たりの揚水能力の検討 ディープウェル本数 配置の設定 井戸配置で最も不利な点を所要水位低下させるのに必要な各井戸の合計排水量の検討 -

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月

第 14 章柱同寸筋かいの接合方法と壁倍率に関する検討 510

横浜市環境科学研究所

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

強化プラスチック裏込め材の 耐荷実験 実験報告書 平成 26 年 6 月 5 日 ( 株 ) アスモ建築事務所石橋一彦建築構造研究室千葉工業大学名誉教授石橋一彦

<4D F736F F D20834A C C7997CA89BB298B5A8F708E9197BF28914F94BC AAE90AC816A2E646F63>

(Microsoft Word - \221\346\202Q\211\361\216\221\227\277-\202P-2.doc)

締固めた土の性質 の締固め 既に存在している自然状態の土の対比としての 材料としての土 = ダム 鉄道 道路盛土 宅地等の建設の為の材料としての土 : a) この場合 製造のプロセス ( 盛土材料の選択と締固め作業 ) が 製品 ( 盛土 ) の性能 ( 安定性と変形性 ) を決める b) なんやか

PowerPoint Presentation

Microsoft PowerPoint - elast.ppt [互換モード]

土量変化率の一般的性質 ❶ 地山を切土してほぐした土量は 必ず地山の土量 1.0 よりも多くなる ( 例 ) 砂質土 :L=1.1~2.0 粘性土 :L=1.2~1.45 中硬岩 :L=1.50~1.70 ❷ 地山を切土してほぐして ( 運搬して ) 盛土をした場合 一般に盛土量は地山土量 1.0

ボックスカルバートの沈下被害調査

Microsoft PowerPoint - 知財報告会H20kobayakawa.ppt [互換モード]

平成 28 年度 河川構造物設計のための軟弱地盤の地盤条件把握の向上に向けて 柔構造樋門詳細設計を事例として 札幌開発建設部千歳川河川事務所計画課 濱田悠貴古賀文雄丸山和訓 千歳川流域の多くの地域は 泥炭や粘土等の軟弱地盤層が広がり 正確な地盤条件を踏まえた河川構造物の設計 施工を実施しなければ 施

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷

杭の事前打ち込み解析

平成 28 年度 マスコンクリートにおける強度発現に注目した打設方法 札幌開発建設部千歳道路事務所工務課 梅津宏志札幌開発建設部千歳道路事務所大野崇株式会社砂子組名和紀貴 マスコンクリートの打設におけるひび割れ制御には 主にひび割れ指数が用いられるが 同指数は必ずしも実施工結果と一致しないのことが多

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631318FCD2E646F63>

Transcription:

軟弱地盤上の盛土工事における圧密後の地盤性状について 赤塚光洋 正会員戸田建設株式会社土木工事技術部 ( 4-8388 東京都中央区京橋 -7-) 軟弱地盤上の盛土工事において, 供用開始後の残留沈下を抑制する目的でバーチカルドレーンによる圧密沈下促進工法が用いられることが多い. また, 粘性土地盤は圧密によって強度が増加するので, バーチカルドレーン工法は盛土基礎地盤の強度発現を早める安定対策としても用いられている. 本稿は, バーチカルドレーンを採用した軟弱地盤上の造成盛土工事において, 工事着手前および工事完了後に実施した現地盤の土質試験の結果を比較検討し, 圧密された地盤の物理的, 力学的特性についてとりまとめたものである. キーワード : 軟弱地盤, バーチカルドレーン工法, 圧密促進効果, 強度増加. はじめに 2. 地質の概要 本工事は, 千葉県成田市における開発面積 37ha の土地区画整理事業に伴う造成工事で, 原地盤は非常に軟弱な (N 値 =~) 有機質土およびシルトが層厚 4.~2m で堆積していた. 盛土の高さは平均 7.m で, 最大沈下量は 3.5m に及び, 圧密度が 9% に達するまでの放置期間が, 日以上と予想されたため, バーチカルドレーンによる圧密沈下促進工法を実施した. 工事着手前の土質調査は, 盛土工事の設計 施工に供するために行われたものであるが, 今回の事後調査 室内土質試験については, バーチカルドレーンの効果を, 動態観測による圧密進行の確認に加え, 圧密後の地盤特性の変化から検証するために実施したものである. 本稿は, 圧密地盤の土質試験の結果を踏まえ, バーチカルドレーン工法の改良目的である 圧密促進 と 強度増加 の双方について検証を行い報告するものである. 根木名川 () 地形および地層構成施工箇所の地層想定図を図 - に示す. 施工箇所は成田山と一級河川根木名川に挟まれた埋没谷に位置し, 沖積層の層序としては, 最下位に沖積砂層 (AS2), 腐植土およびシルト (AC3) が不均一にあるいは互層状に堆積する. その上位は均質な海成シルト (AC2) が層厚 ~5m と比較的厚く分布し, 埋没谷の主部を構成する. 沖積層の最上位は氾濫原堆積物である有機物, 腐植物, 細砂を相互に混入した沖積第一粘性土層 (AC), 沖積砂質土層 (Ais), 腐植土層 (AP) が分布する. (2) 代表的な土質柱状図施工箇所の代表的な土質柱状図を図 -2 に示す. 深度 8m まで N 値が であり, 地表部には腐植土層が約 3.m 堆積し, 中間部は均質な海成シルトが分布している. 層厚が m におよぶシルト層にはサンドシームなどが全くみられず, 圧密に非常に期間を要することが予想された. 施工範囲 Ac Ap Ais 国道 成田山 Ac3 Ac2 As2 Ds 図 - 地層想定図 As As2-227-

られるが, 経過日数 6 日前後から理論値に比べ若干圧密の進行が遅れており, 原因としては経年によるドレーン材の透水機能の低下などが考えられる. 8. 盛土高さ h(m) 6. 4. 2. 理論沈下曲線 ( 無処理 ). 理論沈下曲線 (PBD) 沈下量 S(m).5 2. 2.5 沈下実測値 3. 3.5 2 4 6 8 2 4 経過日数 t(day) 図 -3 実測沈下曲線と理論沈下曲線の比較 図 -2 代表的な土質柱状図 3. 圧密沈下対策について 6. 5. 4. AP AC2 AC3 図 -2 の地点における沈下量および沈下時間を算出すると, 施工盛土高さが 7.m の場合, 最終沈下量が S f =3.2m, 圧密度 9% に要する時間が t 9 =3, 日となり, 沈下が長期に亘り継続することが予想された. 対策としては圧密を促進させることを目的にバーチカルドレーン工法を採用し, 供用開始後の有害な残留沈下の発生を抑制するものとした. バーチカルドレーン工法は, ドレーン材の種類によって分類されるが, 本工事においては, 袋詰サンドドレーン工法 ( 以下,PD 工法と称す ) とプラスチックボードドレーン工法 ( 以下,PBD 工法と称す ) の両者を採用した.PD 工法は軟弱層の厚い箇所を対象に,PBD 工法は家屋等の周辺構造物に近接する区域を対象に用いるものとし,PD 工法のドレーン打設間隔を d=.2~.5m,pbd 工法の場合は, d=.~.2m とした. 間隙比 e 圧密係数 Cv(cm 2 /day) 3. 2...E+4.E+3.E+2 圧密圧力 P(kN/m 2 ) 図 -4 原地盤の e~logp 曲線 AP AC2 AC3 4. 実測沈下量と理論沈下曲線の比較 図 -2 の地点における実測沈下量と, 実際の盛土工程を考慮した理論沈下 ~ 時間曲線の比較を図 -3 に示す. 理論曲線は, 図 -4 および図 -5 に示す事前調査の圧密試験のデータを用い, 最終沈下量 S f の算定は Δ e 法, 圧密時間の算定はバロンの式を用いた. また, ドレーンの効果を確認するため, 無対策時の理論沈下曲線も同図中に併記する. なお, この地域の促進工法は PBD 工法によるものである. 計算による最終沈下量は, 実測値に非常に近い値を示している. 実測沈下曲線も理論値に近いものを示し, ドレーンの効果は確実に得られていると考え.E+ 圧密圧力 P(kN/m 2 ) 図 -5 原地盤の logcv~logp 曲線 5. 室内土質試験の結果と考察 事後調査は, 事前調査が行われている軟弱層の比較的厚い箇所 ( 層厚 D=3.~2m) を対象に, 合計 27 試料のサンプリングを行って室内試験を実施した. なお, 事後調査を実施した時点において, 原地盤は双曲線法による評価で圧密度 U=95% 以上に達していた. -228-

() 当該地盤の塑性図による分類サンプリング試料の塑性図を図 -6 に示す. 土質は主にシルトと有機質土に分類され, 液性限界 w L が高いことから, 圧縮性が大きいものと推定できる. 湿潤密度と同様に, 間隙比の変化を図 -8 に示す. 間隙比も深度方向全体に減少傾向がみとめられることから, 圧密が深度に関わり無く進行していると考えられ, 鉛直排水層 ( バーチカルドレーン ) の効果が確実に表れているものと推察できる. 9 8 CH 間隙比 e 2 3 4 5 塑性指数 I p (%) 7 6 5 4 OH-MH..2 盛土後の間隙比 e 3 2 図 -6 塑性図 2 3 4 5 6 7 8 9 2 3 4 5 液性限界 w L (%).3.4.6 盛土前の初期間隙比 e (2) 圧密による物理特性の変化土は圧密が進行すると体積が減少することから, 湿潤密度 ρ t および間隙比 e の変化に着目し, 圧密促進効果を評価するものとする. a) 湿潤密度 ρ t の変化図 -7 は事前および事後調査における湿潤密度の変化を深度別に整理したものである. 湿潤密度は深度方向全体に増加傾向がみとめられ, 特に有機質土の増加率が大きいものとなっている. b) 間隙比 e の変化..2.3.4.6.7.8.9 湿潤密度 ρt(g/cm 3 )..2.3.4.5.6 ρ=.2 ρ=.36 ρ=.37 ρ=.42 図 -7 圧密による湿潤密度 ρ t の変化.7.8.9 図 -8 圧密による間隙比 e の変化 (3) 圧密によるコンシステンシーの改善細粒土の自然含水状態における相対的な硬さを表す指標にコンシステンシー指数 I c があり, 次式で表される. I c =(w L -w n )/I p () ここに,w L は液性限界,w n は自然含水比,I p は塑性指数である. I c の値が に近いほど土は軟らかく, に近いほど硬い状態にある. I c の分布を図 -9 に示すが, 圧密前の I c に比べ, 圧密後の I c が硬い状態に移行しており, 圧密の進行に伴って粘性土地盤のコンシステンシーが改善されていることが判る. (4) 物理特性と圧縮指数の関係液性限界 w L や自然間隙比 e などの物理的特性と土の圧縮性を示す圧縮指数 C c はよい相関があることが知られている. 今回の試料における w L ~C c および e ~C c の関係を図 -, 図 - に示す.w L と C c の関係には, ばらつきがみられるが,e と C c は圧密の前後という地盤の応力履歴に関係なく非常によい相関が得られている. -229-

コンシステンシー指数 -.4 -.2.2.4.6.8. 4 3.5. Cc=.45e.2 3.3 2.5.4.6 圧縮指数 Cc 2.5.7.8.9. 図 -9 圧密によるコンシステンシー指数 I c の変化 2 3 4 5 6 7 8 9 間隙比 e 図 - 間隙比 e と圧縮指数 C c の関係 圧縮指数 C c 3 2.5 2.5 C c =9(w L -) (5) 圧密による力学特性の変化圧密による力学特性の変化を以下に述べる. 図 -2 に, 圧密の前後における一軸圧縮強度 q u の変化, 図 -3 に変形係数 E 5 の変化を示す. q u に関しては, 表層部の有機質土が約 75kN/m 2, 粘性土層で約 45kN/m 2 の強度増加がみられ, 変形係数では有機質土が約 8kN/m 2, 粘性土層で約 36kN/m 2 の増加がみられた. 有機質土は, 粘性土よりも大きな強度増加の傾向を示すが, 変形に関しては強度増加に比べ小さな変化に留まっている. ここで,q u と E 5 の関係を図 -4 に示す. q u と E 5 の関係は, 粘性土層でおおよそ E 5 =65q u, 有機質土で E 5 =3q u となっており, 竹中が提案した粘性土の初期の弾性係数 E=2C u (C u =q u /2 とすると, E=5q u ) に比べると, 今回の E 5 はかなり小さいものとなっている. 5 5 2 25 3 液性限界 w L (%) 図 - 液性限界 w L と圧縮指数 C c の関係 -23-

. 一軸圧縮強度 q u (kn/m 2 ) 2 4 6 8 2 4 6 9 E=5q u 8.2.3 Δq u =75kN/m 2 7 E 5 =65q u.4.6 Δq u =45kN/m 2 変形係数 E 5 (kn/m 2 ) 6 5 4 E 5 =3q u.7 3.8 2.9 図 -2 圧密による一軸圧縮強度 q u の変化 2 4 6 8 2 4 6 一軸圧縮強度 q u (kn/m 2 ) 図 -4 一軸圧縮強度 q u と変形係数 E 5 の関係 変形係数 E 5 (kn/m 2 ) 2 4 6 8. ΔE=8kN/m 2.2.3.4 ΔE=36kN/m 2.6.7.8.9 図 -3 圧密による変形係数 E 5 の変化 6. 粘性土の強度増加率 C u /P について 圧密による強度増加は, 粘性土に作用する圧密応力 P が圧密降伏応力 P y を超えるまで強度は増加しないものと仮定すると, 次のように表すことができる. ここに, C u =C u +m(p -P y +ΔP)U (2) C u : 強度増加後の非排水せん断強度 C u : 原地盤の非排水せん断強度 m : 強度増加率 (=Cu/P) P : 圧密応力 P : 有効土被り圧 P y : 圧密降伏応力 ΔP: 盛土による鉛直増加応力 U: 圧密度 ここで, 今回の圧密による強度増加がどの程度であったかを, 式 (2) の関係に基づき検証するものとする. 式 (2) の各項は室内試験の結果や既往文献から, 以下のように推定できる. () 原地盤の非排水せん断強度 C u 粘性土の非排水せん断強度を C u =q u /2 とすると, 一軸圧縮試験の結果から原地盤の非排水せん断強度 C u は深さ z にほぼ比例して強度が増加しており, その関係は C u =5.+.7z(kN/m 2 ) であった. -23-

(2) 強度増加率 m(c u /P) 強度増加率は地盤の土質や深さなどの条件によって異なるが, 日本道路公団では強度増加率の範囲として, シルトは m=.25~.4, ピートでは m=.35~ を与えている. 2 4 粘着力 Cu=q u /2(kN/m 2 ) 2 3 4 5 6 7 8 (3) 有効土被り圧 P 原地盤の有効土被り圧 P は, 原地盤の平均有効湿潤重量が γ =4.5kN/m 3 なので,P =4.5z(kN/m 2 ) と表すことができる. 深度 z(m) 8 Cu/P=.2 Cu/P=.4 6 (4) 有効土被り圧 P と圧密降伏応力 P y の関係原地盤における有効土被り圧 P と圧密降伏応力 P y の関係を, 図 -5 に示す. P と P y の関係は, ほぼ P y =.5P の関係であり, 軽い過圧密の状態 (OCR=.5) である. 圧密降伏応力 Py(kN/m 2 ) 2 8 6 4 2 OCR=.5 2 4 6 8 2 有効土被り圧 P (kn/m 2 ) 図 -5 有効土被り圧 P と圧密降伏応力 P y の関係 (5) 盛土による鉛直増加応力 ΔP と圧密度 U 鉛直増加荷重 ΔP は, 盛土の単位体積重量が γ= 8.kN/m 3, 平均高さが h=7.m であるので,ΔP= γh=26.kn/m 2 とし, 圧密度は双曲線法による推定から U=.95 とする. 上記の関係を式 (2) に代入すると, 以下の式を得る. C u =(.7-2.4m)z+9.7m+5. (3) 式 (3) より,m(=C u /P) を決定すれば Cu は深さ z の一次関数で表されることになる. ここで,m=C u /P=.2 および m=c u /P=.4 とした場合の C u と z の関係を図 -6 の非排水せん断強度の深度分布図に記入する. 圧密後の非排水せん断強度が, ほぼ C u /P=.2~.4 の範囲に分布していることが判る. 2 4 6 8 2 Cu=5.+.7z 図 -6 非排水せん断強さの分布 7. まとめ軟弱地盤上の盛土工事において, バーチカルドレーン工法により圧密が促進された地盤の物理的および力学特性の検証を実施した. その結果を以下に示す. () 圧密による物理的特性の変化について事後調査の物理試験の結果から 圧密により地盤の物理特性が深度方向全体に亘って変化していることが確認できた 特に間隙比については軟弱層の中間部でも確実に減少しており 鉛直排水層を設けた効果が確実に表れていると考える また 間隙比と圧縮指数の相関が高く 盛土の前後で相関性に変化が見られないことから 今後 物理試験から概略の沈下性状を判断する上で 有意義な資料になりうると考えられる (2) 圧密による力学特性の変化について地盤の一軸圧縮強度は 圧密により深度方向全体に増加しており 確実な強度増加が認められた また 変形係数も上昇しており 地盤のせん断変形に対する抵抗力も増加していると考えられる 有機質土が強度増加の割合に比べ変形係数の増加が小さいことは 有機質土の特性と考えられる 今回 圧密に伴う粘性土の強度増加率の推定を試みたが シルト層では少なくとも C u /P=.2 以上の強度増加が期待できると考えられ 今後の軟弱地盤上の盛土の安定検討に活かしていきたいと考える -232-