分水ます (2 段オリフィス方式 ) を用いた地下貯留槽の計算方法 (~ 貯留浸透施設の計算も含む ) 分水ます (2 段オリフィス ) を用いた地下貯留槽の容量は 調整池容量計算システム では算出が出来ないため 以下の手順により計算して下さい ( 下図参照 ) ( 手順 ) (1) 調整ますの計算を実施し ますの容量と下段オリフィスからの放流量を算出します (2) 地下貯留施設の計算を行います ( 構造の一例 ) A 地下貯留浸透施設空気抜き管地下流入管宅地内集水管地下流入桝 ( 密閉蓋 ) 上段オリフィス調整桝 ( ク レーチンク ) 宅地内側溝下段オリフィス道路側溝 A A-A 断面 地下流入管 上段オリフィス 上段オリフィス管底高 -100 下段オリフィス管底高 -150 下段オリフィス ±0 調整枡の容量 -155 地下流入桝 ( 密閉蓋 ) 調整桝 ( ク レーチンク ) 8 割水深 地下貯留浸透施設 PU3 型 300 300 の場合 < 注意事項 > 1 下段オリフィス管底高 放流先の 8 割水深高 2 下段オリフィスと上段オリフィスの管底高 ( 敷高 ) の相対差を変化させると放流量は変わります 3 地下流入桝及び流入口 ( 流入管 ) の構造は任意です 4 ただし 空気抜き管を別に設置しない場合は 流入管の断面及び勾配について 上段オリフィスからの最大放流量をマンニング式で計算し 5 割水深以下で流入できることを確認することが望ましい 5 地下貯留槽へゴミ等が流入しないように ゴミ除去フィルターを設置することが望ましい
計算例 : 区画面積 150m2( 全体面積 1,000m2 未満 ) 流出係数 0.2 0.9 の場合まず 調整ますの計算をシステムを用いて行います 1 計算ソフトに面積を入力する 流出計算 の計算実行のあと タブ 浸透能力の算出 の計算実 2 流出量を計算する 行をクリックすること 全体が 1,000 m2未満なので 3 年に 1 回の降雨強度を使用します 全体面積が 1,000 m2以上の場合は 10 年に 1 回を選択 計算実行をクリックします
3 調整計算 (2 段 ) のタブへ移り 調整池 ( 桝 ) オリフィス諸元を入力する 4 上段オリフィスの諸元も入力する 水深 - 容量データ 下段オリフィス 諸元を入力します 計算実行をクリックします 上段オリフィス 諸元も入力します 比較 池の容量不足 欄が 無 最大放流量 ( 下段 ) 欄の値が許容放流量 ( 全体区域内に直接放流域が有る場合はそれを考慮した許容放流量 ) 以内であることを確認します システムでの計算 ( 調整ますの計算 ) はここで終了です
ここからは 地下貯留浸透槽の計算を行います まず 貯め切り方式 ( 浸透を考慮しない ) 場合の貯留量を算出します 5 エクスプローラーを開き 計算ソフトのプログラムホルダーから計算結果データを表示する 計算ソフトの計算実行をクッリックすると計算結果データが Program Files TYKSys2007ASys Fort 006 のホルダー内の 060602.dat ファイルに保存されます 計算実行をクリックする度にデータはこのファイルに上書き更新されます 060602.dat ファイル位置で 右クリック をします プログラムから開く(H) プログラムの選択(C) をクリック プログラムから開く (O) をクリック 一覧からプログラムを選択する(S) を指定して OK をクリック Microsoft Excel を指定して OK をするとエクセルファイルが開きます 6 ソフトの計算結果データをエクセルのファイル形式にする A 列を指定します A 列のセルには 15 個の数値がスペースを挟んで並んでいます この 15 個の数値を A 列から O 列の各セルに区切ります メニューバーの データ 区切り位置(E) 区切り位置指定ウィザード が開きます スペースによって右または左に揃えられた固定長のデータ (W) を指定して 次へ 次へ完了
7 ソフト計算結果データから必要なデータを取り出す A 列から O 列に区切ったデータの下の方 ( 最後列に近いあたり ) へセルを送るとデータ列が 8 列 (H 列 ) に変わります この 8 列の先頭行 A 列から最後行 H 列までのデータを指定してコピーします ( 右クリック コピー (C) ) を選択 ) 8 別途エクセルファイル 地下貯留浸透施設の容量計算 を開く http://www.sougo-chisui.jp/shinkawa/yoshiki.html よりエクセルファイル 地下貯留浸透施設の容量計算 をダウンロードし 開きます
9 データ貼り付け シートに先にコピーしたソフト計算結果データを貼り付ける 地下貯留浸透施設の容量計算 ファイルを開いたら データ貼り付け シートを指定します このシートの A 列から H 列に 先に区切ってコピーしたデータを貼り付け ( 上書き ) します 10 分水ます上下放流量 ( 様式 D) シートを印刷 放流容量累計 ( 上段 ) の最大値 地下貯留施設 ( 本体 + 砕石 ) の空隙貯留 上段オリフィスからこぼれた量の累計 (= 地下貯留槽へ流れ込む量 ) が算出される 浸透を考慮しない場合は これで計算終了です 次に 地下貯留槽を浸透施設を追加した場合の計算を行います
11 施設規模の計算 シートに各種施設諸元を入力し 必要設計水頭 H1 を求める (6) (1)~(5) を入力後 ボタンを押すと必要設計水頭 H1が自動計算されます (1) 初期値として中間値が入力されていますが 現地試験の値を使用する場合は入力して下さい (2) ますの種類 浸透面 は該当番号を入力します (5) 浸透施設の砕石の外側の寸法です なお 幅 W1 は 短辺 幅 W2 は 長辺 です W1<W2 正方形の場合も両方入力してください (3) 砕石の厚さを入力します (4) 空隙率を入力します < 上面のシート> 透水シートもしくは遮水シートを設置する H=h+T1
12 設置する施設の設計水頭 H2 に必要設計水頭 H1 以上になるように入力する (2) 対策施設として設置するの地下貯留浸透施設の最大可能貯留量 Vmax 幅 1( 直径 ) W1(d) m 3.000 幅 2( 延長 ) W2(L) m 4.000 設計水頭 ( 設置する施設 ) H2(h+T1) m 0.9000 比浸透量 kf m 2 個数 N 個 1 浸透対策量 Qp1~n m 3 /hr 0.00 0.00 0.00 0.00 浸透対策量計 Qp m 3 /s 0.00000 砕石厚 ( 底面 ) 砕石厚 ( 側面 ) T1 m 0.200 T2 m 0.200 砕石部面積 ( 底面 ) A1 m 2 12.0000 砕石部面積 ( 側面 ) A2 m 2 2.6400 内空部面積 A3 m 2 9.3600 砕石部容積 ( 底面 ) V1 m 3 2.4000 砕石部容積 ( 側面 ) V2 m 3 1.8480 内空部容積 V3 m 3 6.5520 砕石の空隙率 α1,2 % 40.0 内空材の空隙率 α3 % 95.0 砕石部貯留量 ( 底面 ) Vg1 m 3 0.960 砕石部貯留量 ( 側面 ) Vg2 m 3 0.739 内空部貯留量 Vg3 m 3 6.224 最大可能貯留量 Vmax m 3 7.923 実際の浸透槽の高さ (h)+ 底辺の砕石厚 (T1) を入力する 注意 ) H2 H1 であること! 必要施設水頭 H1 以上になるように 内空材の製品高を考慮して決定します 注意 ) 底面砕石の厚さを含みます (h+t1) 設置する貯留施設の最大可能貯留が自動計算されます 砕石空隙部分も含まれます (3) 計算確認 必要設計水頭 H1 = 0.548 m 必要空隙貯留量 Vg= 4.423 m3 貯留槽寸法 w1 2.8 浸透対策量 Qp = 0.00023 m3/s となり w2 空隙貯留浸透施設内に残る流入容量 Vs = 4.432 m3 ( データ計算 シートから ) となり 3.8 対策施設設計水頭 H2 = 0.900 m H2 H1か? 貯留槽高さ h = 0.700 m 最大可能貯留量 Vmax = 7.923 m3 Vmax Vsか? 最大水深 ( 貯留槽底から ) h = 0.349 m 結果 OK 計算確認で結果が OK であれば 施設規模の計算 ( 様式 E) を印刷する 地下貯留浸透施設の計算書として印刷した 様式 D と 様式 E を添付してください