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ワークスタイル変革に資する第三の場 ( サードワークプレース ) 活用の可能性 ~2016 年度テレワーク最新事例研究部会報告 ~ 平成 29 年 7 月 20 日一般社団法人日本テレワーク協会テレワーク最新事例研究部会 1

2016 年度研究部会概要 部会名 開催趣旨 テレワーク最新事例研究部会 多様な働き方を支援する手段の一つとして普及期に入ったテレワークの先進企業を研究する これにより 参加各企業での知見を深め各企業内での実施を支援する また 有志にて分科会を作成し テレワークを実施する各企業の推進を支援するツールを作成 公開する 研究項目テレワーク推進賞受賞企業の実態調査及び研究 ( 定例会 ) 実施内容 実施時期 定例会 各企業のテレワーク実施及び推進を行う上での課題をクリアするための資料の作成 ( 案 ) - コワーキングスペースなど外部での仕事環境についての評価案の作成 - その他 テレワーク実施を推進するツールの作成 - テレワークの最新事例の研究 平成 28 年 7 月 ~ 平成 29 年 3 月 部会頻度定例会 : 月 1 回 ( 全 8 回 ) 分科会 : 頻度について要検討 部会長 副部会長 アドバイザー 部会長シーエーシー齋藤学 副部会長ユヒ キタスライフスタイル研究所萩原高行 株式会社 NTT データ経営研究所社会システムデザインユニット上席研究員小豆川裕子 事務局内山明人 ( 日本テレワーク協会主席研究員 ) 2

研究会趣旨と成果概要 研究会の目標 各企業のテレワーク実施及び推進を行う上での課題をクリアするための資料の作成 コワーキングスペースなど外部での仕事環境についての評価案の作成 その他 テレワーク実施を推進するツールの作成 テレワークの最新事例の研究 今年度の成果 ワークスタイル変革に資する第 3 の場所の考察 を作成 整理用ワークシート を試作し 場所と業務タスクの分析をメンバーが実施 3

年間活動概況 会合日程会場内容 第 1 回 7 月 29 日 ( 金 ) YWCA 会館 部会の概要説明 自己紹介 自社のテレワーク実施概要について 第 2 回 9 月 29 日 ( 木 ) YWCA 会館研究会のテーマについて検討 第 3 回 10 月 27 日 ( 木 ) 池袋フォレスト 第 4 回 11 月 24 日 ( 木 ) YWCA 会館 池袋フォレスト 見学会 場所 についてディスカッション レポートの概要についてディスカッション 第 5 回 12 月 14 日 ( 水 ) 池袋フォレスト働き方について分析 第 6 回 1 月 26 日 ( 木 ) ザイマックス 第 7 回 2 月 16 日 ( 木 ) 池袋フォレストレポート修正 最終回 3 月 16 日 ( 木 ) 池袋フォレスト ちょくちょく.. 見学会サービスについてヒヤリング レポート完成今年度の振り返りと次年度の検討 4

レポートの紹介 ワークスタイル変革に資する第 3 の場所の考察 目次 1. ワークスタイルとワークプレース 2. ABW(ACTIVITY BASED WORKPLACE/WORKING) という考え方 3. サードワークプレースと ABW 4. サードワークプレースをよりよく選択する 整理用ワークシート の提案 5. テレワークに関する考え方 6. おわりに 5

本書の目的 本書の目的 第三の場所 ( サードワークプレース ) に注目し オフィス 自宅とどのように異なるのか 特に設備要件に注目してその利用価値を考察する 企業の部署あるいは従業員が第三の場所を活用するにあたってその分析 計画を立案するために有用なワークシートを提案する 本書の対象者 企業内においてテレワークを推進する担当者 サードワークプレースを利用する従業員とその上司 同僚 ( 出典 ) 岸本 熊野 小豆川 日本テレワーク学会第 18 回研究発表大会 企画セッション 多様化するワークプレイスモデルの再定義 ~ テレワークの視点から ~ 2016.07.02 6

1. ワークスタイルとワークプレース オフィスでの働き方の変化 従来は固定席前提の働き方であったが 近年 下記の課題が出てきた 固定席の利用率が低くても他の従業員が利用する事はできない 営業をはじめとして外出率が高い部署では在席率が 50% を切るケースも少なくない フリーアドレスの台頭 不動産コストの削減と快適感を両立させることも可能 一方で 固定席に慣れた人にとっては不安や抵抗感がある 在宅勤務への挑戦 自宅は育児や介護など自分以外の環境の変化を受けやすい 在宅勤務では 働く場所や IT 環境の有無 家族の理解や騒音などの不安定な環境といった様々な課題が存在する サードワークプレースの台頭 サードワークプレースは シェアオフィス コワーキングスペースに加えて喫茶店 カラオケボックス ロビー等公共スペースなどを指す サードワークプレースは既存では大きく 2 つの利用方法があった 短時間の利用 : 営業などの移動の合間の利用 長時間の利用 : 個人事業主や 長時間のテレワークの際の終日利用 一部の企業でコワーキングスペースを利用する事例がみられるようになっている 7

2.ABW(ACTIVITY BASED WORKPLACE/WORKING) という考え方 今後は 仕事の内容で最も効率が良い場所を自身で選んで仕事を行うようになる オフィス内での ABW 仕事の内容で適した作業場所は違うため 働く場所を選ぶことができれば生産性が高まる 場所 ( オフィス前提 ) 仕事 A 仕事 B オフィス外への ABW の適用 仕事に適した場所 が必ずしもオフィスである必要はない オフィス外でも働く場所を選択することで生産性が上がる 仕事 A 仕事 B 場所 ( オフィス ) 場所 ( 自宅 ) ABW(Activity Based Workplace) とは 業務タスク ( Activity) に応じて適切な場所を働き手が選んで執務するという考え方 仕事 C 場所 ( コワーキングスペース ) 8

3. サードワークプレースと ABW ABW の Activity 3 つの制約条件 1. その場所でしかできない ( 場所の制約 ) 2. その時間でしかできない ( 時間の制約 ) 3. 一人で進めるものか複数人で進めるか ( 協働者の制約 ) 業務をどこで行うかの検討時には この 3 点の制約条件に注意が必要 どこで業務を行えるのか 働く環境としては 機器類や環境など様々な要件がある 例 : プリンターが無いと資料の印刷はできない 資料によっては簡易製本が必要で自宅ではできない など どこで行う事が効率的か 働く環境を満たしていても その場所 が効率的とは限らない オフィスが効率的な場合もあれば 自宅が コワーキングスペースが効率的な場合もある 以降の章では どこで業務を行えるのか を中心に分析した 9

4. サードワークプレースをよりよく選択する 整理用ワークシート の提案 整理用ワークシート を試作 これにより 執務場所 と 業務タスク から働くことの出来る場所の特定が可能 執務場所 業務タスク 執務場所の 属性 を記入 業務を洗い出し 必要な要件 を記入 場所の特定 働くことの 出来る 場所が明らかに 課題 どこで働くのが効率的か までは分からない 10

サードワークプレース利用に関して話題になったこと プリンティングとスキャンについて プリンティングとスキャンはセキュリティを中心に事前に どこで何をしていいのかの検討が必要 Web 会議時のテレフォンブース コワーキングスペースを利用する場合には 発展中の領域である Web 会議時のテレフォンブースが有効 ただし Web 会議の利用環境 利用時間 条件などを事前に検討する必要がある セキュリティ要件 各社によって考え方が違う 作業場所の基準については各社で検討が必要 特に入退館や個室 オープンスペースの利用などが課題となった サードワークプレースの費用対効果 自社の固定席 フリーアドレスと サードワークプレースの費用対効果と 費用負担については今後の検討課題となると予想 サードワークプレース一覧化の必要性 各社ごとの基準で統一的な基準がないため 一覧化が望まれる テレワーク実施日の調整方法 テレワークを実施する際には 組織としてどのように動けばいいのかが話題となった 11

5. テレワークに関する考え方 1-4 章で検討しきれなかった議論を記載 コリビングという考え方 海外では 短期間一緒に働きながら暮らすという考え方もある これを コリビング と呼んでいる 社員のグローバル化とリゾート勤務 社員の多国籍化により 長期の帰省時にテレワークで業務を継続することが可能 日本人であっても リゾート地で長期滞在しながら勤務する事例も出てくると予想 12

活動と成果物に関するまとめ まとめ サードワークプレースの見学や利用を通して ワークスタイル変革に資する第 3 の場所の考察 を作成した また 検討時に利用できる 整理用ワークシート を試作し メンバーで記入を行ってみた 次年度に向けて ワークスタイル変革に資する第 3 の場所の考察 で出てきた検討事項を元にさらに研究を深める 企業内のサードワークプレース利用の承認プロセスについて検討を行う サードワークプレース利用前に概要が分かる標準的な一覧が必要なため 試作を検討 13

参考 2017 年度部会概要 部会名 開催趣旨 サードワークプレース研究部会 テレワークを推進するにあたっては オフィス 自宅以外のサードワークプレースの活用が今後重要となる そこで本研究部会ではサードワークプレースを活用するために 働く場所についての理解を深め レポートや必要となるツールの試作を行う 企業の生産性を上げ 同時に個人の QOL を向上させる ワークスタイルを追求し続けることを目標とする 研究項目サードワークプレース活用についての研究 ( 定例会 ) 実施内容 定例会定例会を通して以下を行う 1. 企業側が ( サードワークプレースを含む ) ワークプレース選択を容易にする基準案やアイディアを取りまとめる 2. 上記実現のためにサードワークプレース事業者から収集すべき情報の一覧化を可能とするシステムを検討する 実施時期平成 29 年 7 月 ~ 平成 30 年 3 月 (8 月を除く ) 部会頻度 部会長 副部会長 アドバイザー 定例会 : 月 1 回 部会長 : シーエーシー齋藤学副部会長 : 合同会社ユビキタスライフスタイル研究所萩原高行 株式会社 NTT データ経営研究所社会システムデザインユニット上席研究員小豆川裕子 事務局内山明人 ( 日本テレワーク協会主席研究員 ) 14

2017 年度に向けて 研究会名称 サードワークプレース研究部会 名称を変更して継続 研究会スタイル 月 1 回実施し 今年度の資料をさらにブラッシュアップ コワーキングスペース事業者を一覧化 メンバー メンバーの増強が必要 ( 中長期的に ) 是非是非 参加ください 予定テーマ 場所 を中心として研究を継続 サードワークプレースを中心に検討 注釈があるものを除いて この報告書の内容は クリエイティブ コモンズ表示 4.0 国際 (CC BY 4.0) ライセンスの下に提供されています 詳しくは 以下のリンクをご参照ください https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.ja 15