板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

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計画の今後の方向性


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2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

区分

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

第 2 章垂水市地域包括ケアシステムの概要 1 垂水市の地域包括ケアシステムの考え方地域包括ケアシステムとは 高齢者等に関わる様々な人や社会資源が 地域の中でつながりを持って高齢者等の生活を支える仕組みです 高齢者については 介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう 医


スライド 1

藤沢型地域包括ケアシステムの推進について 平成 30 年 2 月藤沢市議会定例会厚生環境常任委員会資料 1 ⅠⅠ 中長期を見据えた検討体制の見直し 1 これまでの経過等について現在, 国では 地域共生社会 の実現に向け, 様々な改革が進められており, 平成 30 年 4 月に施行される社会福祉法の一

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利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

スライド 1

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地域総合支援協議会

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

65歳~74歳 介護認定率(平成22年度)

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

地域包括ケアシステム

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載


Microsoft Word - ●【本編】おおた高齢者施策推進プラン180313 《最終校正》

地域包括ケアシステムの構築に向けた取組み 平成 30 年 3 月 30 日 ( 金 ) 厚生労働省老健局振興課

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

第1章 計画の基本的考え方 態を改善して地域社会への参加等を通じ 生きがいや役割を持てるようにすることが 重要です 4 住まい 持ち家や賃貸住宅だけでなく 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など 多様な形態の住まいを含みます 生活の基盤である住まいは 高齢者のプライバシー と尊厳が十分に守ら

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

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第3節 重点的な取り組み

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Ⅰ 認知症への理解を深めるための普及 啓発の推進 1 認知症の人の視点に立って認知症への社会の理解を深めるキャンペーンの実施 認知症への社会の理解を深めるための全国的なキャンペーンを展開 認知症の人が自らの言葉で語る姿等を積極的に発信 2 認知症サポーターの養成と活動の支援 認知症サポーターを量的に

神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

【最終版】医療経営学会議配付資料 pptx

- 目次 - Ⅰ 計画策定の趣旨等 1 Ⅱ 船橋市における自殺の現状 2 Ⅲ 船橋市の自殺対策における取組 3 Ⅳ 船橋市の自殺対策推進体制 6

資料 平成 29 年 12 月 8 日 厚生労働省老健局振興課

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

( 別紙 ) 地域ケア会議 に関する Q&A 問 1 今般 地域ケア会議 を通知に位置づけた背景は何か 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年へ向けて 高齢者が尊厳を保ちながら 住み慣れた地域で自立した生活をおくることができるよう 国は 医療 介護 予防 住まい及び生活支援サービスが 日常生

基本目標 1( 日常生活 ) 地域住民みんながつながり支えあう 心豊かなコミュニティづくり 核家族化や少子高齢化の進行に伴いさまざまな課題が顕著に現われるなか ライフスタイルの多様化や 携帯端末の普及などによる人と人とのつながり方の多様化もあり みなさんが生活する家庭や地域社会におけるつながりが希薄

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多賀町地域福祉活動計画案(概要版)

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このような団塊の世代が高齢期を迎えようとする中 高齢者も他の世代とともに地域を支えていくという考え方を基本として 団塊の世代を含む高齢者の活躍が期待されているところです 地域活動に関するアンケート ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 地域活動に 既に参加 または 今後参加したい と考えて

2017介護保険制度改正.pptx

(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

第3章 指導・監査等の実施

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01 【北海道】

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

第 2 回都市部の高齢化対策に関する検討会 ( ) 年 75 歳以上増減率 全国平均 55.4% 増 100% 以上 % 40 70% 10 40% % % % -40% 未満 75 歳以上人口は 10 年から 25

はじめに 国立社会保障 人口問題研究所の将来人口推計によれば 現在 わが国の4人に1人以上が高齢者 65歳以上の方 7人に1人 が75歳以上の方となっており 世界でも類を見ない超高齢社会 を迎えております 今後も 高齢化は着実に進むと予測されてお り 特にすべての団塊の世代の方が75歳以上に達する2

<総論>

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金沢市事務決裁規則の一部改正について

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

別添 地域包括支援センター事業点検調書項目 ( レイアウト 部変更 ) 大項目 : 基本的事項 事業計画 設置場所 職員の姿勢 地域との連携 * については どちらかに を記入して下さい 地域包括支援センター運営マニュアルの最新版について 職員全員が内容を知っている 帯広市地域包括支援センター事業実

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埼玉県の福祉政策について

平成 28 年度第 2 回射水在宅医療 介護連携推進協議会次第 日時平成 29 年 2 月 24 日 ( 金 ) 午後 1 時 30 分 ~ 会場射水役所 2 階 202 会議室 1 開会 2 あいさつ 3 議題 (1) 平成 28 年度射水在宅医療 介護連携推進事業実施状況及び課題の整理 ( 資料

事業内容

はじめに 介護保険制度の改正に伴い 要支援に認定された高齢者への介護サービスのうち 訪問介護 通所介護は 市町村ごとに実施されることになり 平成 27 年 4 月から 3 年の間に移行されることになりました 要支援高齢者は増加傾向にあり この方々の介護や生活を支えることは喫緊の課題です このことに鑑

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

( 単位 : 人 ) 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2020 年度 2025 年度 ( 平成 24 年度 ) ( 平成 25 年度 ) ( 平成 26 年度 ) 総人口対前年度比高齢者人口対前年度比うち65 歳 ~74 歳対前年度比うち75 歳 ~8

02 H30 å°‡éŒ•â–€ï¼„â–¡ã…»æł´æŒ°â–€ï¼„â–¡ï¼‹ç‘¾ä»»ï¼›ã‡«ã…ªã‡�ㅥㅩㅀ.xlsx

Ⅱ 各論第 2 章 各 論 第 2 章 介護と医療 関係機関の連携 第 1 節 介護と医療 関係機関の連携 1 連携のための関係機関のネットワークづくり 現状 課題 平成 19 年度に内閣府が公表した 高齢者の健康に関する意識調査 によると 多くの高齢者が要介護状態になっても 可能な限り住み慣れた地


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第28回介護福祉士国家試験 試験問題「社会の理解」

居宅介護支援事業者向け説明会

1 広島市障害者計画の策定について

本事例集は 在宅医療 介護連携推進事業の ( ア ) から ( ク ) の取組ごとに いくつかの市町村における具体的な取組を紹介しているが これらの取組に加え 取組む際の体制 取組に要した予算 取組による成果や成功の要因 今後の課題等についても 以下の調査研究事業で報告されているため 参考にしていた

法律の問題って実は身近にある

はじめに

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

ケアプランの適正化に向けた今後の対応方針 ケアプランの適正化を進めるにあたり 現状の取組を強化していくことも含め 短期的 中期的な視点で以下の対応を検討する ケアプラン点検の強化 集合住宅の入居者に焦点を当てたケアプラン点検 国民健康保険団体連合会の介護給付適正化システムの活用の推進 運営基準の再徹

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認知症医療従事者等向け研修事業要領

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

事務連絡 平成 26 年 2 月 28 日 各都道府県 各保険者 介護保険主管課 ( 室 ) 御中 厚生労働省老健局老人保健課 地域包括ケア 見える化 システムのプロトタイプの運用開始について 介護保険行政の推進につきましては 日頃からご協力を賜り厚くお礼申し上げます さて 厚生労働省では 地域包括

平成 23 年度東村山市西部地域包括支援センター事業計画 現状 1 過去一年間の事業実績 ( 平成 22 年 1 月 ~12 月 ) (1) 予防給付実績 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 委託新規

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板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

第 1 章地域包括ケアをめぐる背景 (P1~9) 地域包括ケアシステムの構築 高齢化の急速な進行に伴い 地域社会において 一人暮らし高齢者 高齢者のみ世帯の孤立や認知症高齢者の増加 介護家族の負担増や医療 介護業種の人材不足などの多くの問題に社会全体でどのように取り組んでいくのかが大きな課題となっています このような課題に対して 高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで 可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 住まい 医療 介護 予防 生活支援が一体的に提供される仕組みとして 地域包括ケアシステム が提唱されました 板橋区の動き 出典 : 厚生労働省 板橋区には 国や東京都の動向や方針を踏まえつつ 板橋区全体の地域特性と各日常生活圏域別の地域特性を把握し それぞれの圏域に応じた地域包括ケアシステムの確立が求められています すでに 板橋区医師会や高島平地域を中心に 区内各地域で地域包括ケアシステムの確立に向けた活動が行われており これらを板橋区が主体となって有機的に結び付けることにより 地域包括ケアシステムの確立を目指します 板橋区の高齢者人口の推移と推計 平成 27 年 10 月 1 日現在 板橋区の総人口は 549,571 人 高齢者人口は 124,936 人 高齢化率は 22.7% となっています 平成 37 年には高齢者人口約 15 万人 高齢化率 27.3% となることが予想されています ( 人 ) 600,000 500,000 400,000 300,000 507,628 518,091 93,085 107,557 2 0.8% 1 8.3% 549,571 124,936 145,901 150,961 2 2.7% 554,133 553,795 2 6.3% 2 7.3% 30% 25% 20% 15% 200,000 10% 100,000 0 平成 17 年 平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 平成 37 年 ( 推計値 ) ( 推計値 ) 65 歳以上 15~64 歳 0~14 歳高齢化率 5% 0% 平成 17 年 ~27 年は住民基本台帳 (10 月 1 日現在 ) 平成 32 年以降は板橋区人口ビジョン ( 区独自推計 ) による - 1 -

第 2 章板橋区版 AIP 構築に向けた取組 (P10~14) 基本方針 板橋区での地域包括ケアシステム構築のために 新しい総合事業 医療 介護連携 認知症施策 住まいと住まい方 基盤整備 の 5 つの分野を重点事業として位置づけます さらに シニア活動支援 を加えた 6 つの分野を重点事業として 分野ごとに課題の整理 解決を行い これらを有機的に結び付けることにより 特徴のある 板橋区版 AIP の構築 を目指します また 地域の多様な担い手によるサービスを地域力としてとらえ 生活支援コーディネーターや地域包括支援センターを連携拠点として 協働の輪を作り上げていきます AIP(Aging in place) 年を重ねて弱ってきても安心して住み慣れたまちに住み続けるという意味出典 : 東京大学高齢社会総合研究機構 地域包括ケアのすすめ 構築イメージ - 2 -

位置づけ 板橋区基本計画 2025 と いたばし 1 実現プラン 2018 実施計画 編 ( 未来を創る まちづくり 編 ) や保健福祉の総合計画である板橋区地域保健福祉計画との整合性を保ちつつ 国 東京都の施策や方針等も考慮し 板橋区版 A IP の構築を推進していきます 板橋区基本計画 2025 いたばし 1 実現プラン 2018 整合 連携 板橋区地域保健福祉計画 板橋区介護保険事業計画 ( 板橋区版 AIP の構築 ) 期間 厚生労働省の方針では 地域包括ケアシステムの構築は平成 37 年を目途としていますが 地区ごとに前倒しで実施していきます 地域ケア政策調整会議の設置 板橋区版 AIP 構築のために 平成 27 年度から組織横断的に課題解決を図る内部調整組織として 地域ケア政策調整会議 を設置しました < 地域ケア政策調整会議 > 各部会の総合調整 統括機関 作業部会 1 新しい総合事業 2 医療 介護連携 3 認知症施策 4 住まいと住まい方 5 基盤整備 6 シニア活動支援 6 つの分野ごとに課題の整理 解決を行い これらを有機的に結びつけることにより 板橋区版 AIP の構築を目指します - 3 -

第 3 章重点事業 (P15~48) 新しい総合事業 介護予防 生活支援サービス事業は 従来の専門事業者によるサービスに加え 軽易な生活援助サービスやミニデイサービスなど 住民主体の支援等も含めた事業となります 一般介護予防事業は 地域づくりの推進やリハビリテーション専門職等を活かした取組が必要となります 1 現行相当サービス 緩和した基準によるサービスの整備 2 住民主体サービスの実施に向けた準備 3 介護予防の取組強化に向けたリハビリテーション専門職の活用 一般介護予防事業は 地域づくりの推進やリハビリテーション専門職等 介護予防 生活支援サービスの提供体制を整備していくためには 地域資源を 4 生活支援コーディネーターの配置 協ネットワーク化していくとともに サー議体の設置ビス提供主体と利用者のマッチングに向けた取組が必要となります 医療 介護連携 医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者を地域で支えていくためには 居宅等における在宅医療の提供が不可欠となります 在宅医療は 医師に加え 歯科医師 薬剤師 看護師 リハビリ関係職種等多くの職種によって提供されており これに介護関係職種を加え 多職種による包括的なケアのための協働 連携の体制を整えることが必要となります 1 顔の見える関係づくり 2 在宅医療の体制づくり 3 病院と地域医療の連携 4 情報共有システムの構築 5 医療 介護資源マップの作成 認知症施策 高齢化の進展に伴い 認知症高齢者数も増加の一途をたどり 国は平成 27 年 1 月に認知症施策推進総合戦略 ( 新オレンジプラン ) を打ち出しました 平成 27 年 10 月 1 日現在 板橋区の認知症高齢者の推計値は約 19,600 人 ( 有病率 ) となっており 団塊の世代が後期高齢者となる 2025 年 ( 平成 37 年 ) には 認知症の推計値は 約 26,000 人となり 高齢者の 5 人に 1 人が なんらかの認知機能の低下がみられている状況が予想されます 1 認知症初期集中支援事業の試行的実施 2 標準的な認知症ケアパスの構築 3 認知症カフェの拡充 4 若年性認知症家族交流会の設置 - 4 -

住まいと住まい方 介護保険ニーズ調査によると 高齢者の約 3 割が 介護保険の在宅サービスを利用し 自宅で生活したい としています 多くの人はできる限り住み慣れた地域や自宅で暮らし続けることを望んでおり さまざまなサービスの組合せや 地域での支え合いにより複層的に支えていく体制の構築が必要です 1 見守り体制の拡充 2 既存住宅の安心 安全バリアフリー化の推進 3 相談機能の充実 高齢者が地域で生活するための基盤となるのは 安心して暮らせる住まいの存在であり 多様な住まいが整備され 本人の希望と経済力にかなった住まい方が確保されていることは 地域包括ケアシステムの前提となります 基盤整備 1 地域密着型サービスの整備 2 都市型軽費老人ホームの拡大 3 サービス付き高齢者向け住宅の確保 平成 26 年版高齢社会白書によると 65 歳以降も働く意欲のある人が多くいます 仲間づくりや生きがいを得るために就労する高齢者が 3 割前後おり 割合として低くありません シニア活動支援 1 就労の機会の創出及び拡大に関する支援 高齢者が地域社会でますます活躍できるよう シニアの活動を支援するための様々な事業に取り組んでいくことが必要となっています 2 シニアの社会参加及び活動支援 - 5 -

第 4 章推進体制の整備 (P49~51) 取組の推進体制 現在の推進体制としては 平成 21 年度から 板橋区地域ケア運営協議会 を設置し 区民 事業者 行政等が連携し 地域ケアの推進に努めています また 行政内部においては 地域ケア政策調整会議 を設置し 組織横断的に課題解決を図り 板橋区版 AIP の構築に向けた取組を推進しています 今後 板橋区版 AIP 構築に向けた取組の方向性や課題の共有 解決の場としての機能を有し その中でそれぞれの実施主体が共通認識を持って有機的な連携を図るため ( 仮称 ) 板橋区地域包括ケア推進協議会 を新たに設置し より効果的な推進体制を整備します 名称 :( 仮称 ) 板橋区地域包括ケア推進協議会 構成 : 大学教授 医療機関 医師会 歯科医師会 薬剤師会 柔道整復師会 介護事業者 NPO ボランティア 民生児童委員協議会 老人クラブ連合会 町会連合会 社協 公募委員 区職員 趣旨 : 板橋区版 AIP の構築に向けた取組の推進を目的とする 主な : 板橋区版 AIP 構築に向けた取組の方向性や課題の共有 解役割決の場としての機能とする 取組の進行管理 推進体制イメージ 板橋区版 AIP 構築のために設定した取組目標や数値目標については その達成に向けて 進捗状況を適宜把握する必要があります ( 仮称 ) 板橋区地域包括ケア推進協議会 おとしより保健福祉センターを中心に 取組の進捗状況を点検 評価し ( 仮称 ) 地域包括ケア推進協議会 や行政内部の会議にすることで 進行管理を行い さらなる取組の充実を図ります 多職種連携 在宅療養ネットワーク懇話会 課題解決 共有 地区ネットワーク会議 連携 事務局 ( おとしより 意見 提案 保健福祉センター ) 板橋区地域ケア運営協議会 指示 意見 提案 区長 庁議 課題解決 共有 調整 小地域ケア会議 調整 地域ケア政策調整会議 庁内各課 - 6 -

第 5 章区民に対する普及 啓発 (P52~54) 取組の背景 現在 多くの地域住民が自宅での療養を望んでおり 板橋区版 AIP を実現するためには 地域住民自身が在宅医療や介護 住まいのあり方について理解し 自分ができること 地域で取り組むこと について考え 実践することが重要です 住み慣れた我が家での生活を続けるためには 在宅での療養が必要になった時に必要なサービスを適切に選択できる仕組みを築くことが前提となるため これらの理解を深めていくことが課題となります めざすすがた 板橋区版 AIP に興味を持ち 住まい 医療 介護 予防 生活支援 生きがい をともに考えることのできる区民が増える 自分自身の健康と生活 家族の健康と生活 身近な人の健康と生活を考える区民が増える 自分の周りに 住まい 医療 介護 予防 生活支援 生きがい を必要とする人がいたら 情報提供や関係機関へつなぐことができる区民が増える 主な取組事項 1 日常生活圏域ごとのワークブックの作成 2 日常生活圏域ごとの区民向け勉強会の開催 3 講座 講演会の開催 4 地域ケア情報誌等を活用した普及 啓発活動の実施 その他効果的な啓発 ( イベントなど ) を検討し 実施する - 7 -