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再液状化の検討方法 1. 液状化の判定方法 液状化の判定は 建築基礎構造設計指針 ( 日本建築学会 ) に準拠して実施する (1) 液状化判定フロー 液状化判定フローを図 -7.1 に示す START (2) 判定対象土層 資料 -7 液状化の判定を行う必要がある飽和土層は 一般に地表面から 20m 程度以浅の沖積層で 考慮すべき土の種類は 細粒分含有率が 35% 以下の土とする ただし 埋立地盤など人口造成地盤では 細粒分含有率が 35% 以上の低塑性シルト 液性限界に近い含水比を持ったシルトなどが液状化した事例も報告されているので 粘土分 (0.005 mm以下の粒径を持つ土粒子 ) 含有率が 10% 以下 または塑性指数が 15% 以下の埋立あるいは盛土地盤については液状化の検討を行う 細粒土を含む礫や透水性の低い土層に囲まれた礫は液状化の可能性が否定できないので そのような場合にも液状化の検討を行う (3) 検討地点の地盤内の各深さに発生する等価な繰返しせん断応力比の算定 1) 地表面加速度より算定 ( 簡易法 ) 判定対象土層の設定 地盤内各深さの等価な繰返しせん断応力比の算定 地表面加速度より算定 地震応答解析により算定液状化抵抗比の算定各深さにおける液状化安全率 FL の算定 FL>1.0 : 液状化しない FL 1.0 : 液状化する地点における液状化危険度 PL の算定 END 図 -7.1 液状化判定フロー ここに τd : 水平面に生じる等価な一定繰返しせん断応力振幅 (kn/m 2 ) γn : 等価な繰返し回数に関する補正係数で γn=0.1*(m-1) M は地震のマグニチュード σz : 検討深さにおける有効土被り圧 ( 鉛直有効応力 )(kn/m 2 ) σz : 検討深さにおける全土被り圧 ( 鉛直全応力 )(kn/m 2 ) αmax : 地表面における設計用水平加速度 (gal) g : 重力加速度 (980gal) γd : 地盤が剛体でないことによる低減係数で (1-0.015z) zは メートル単位で表した地表面からの検討深さ 2) 地震応答解析により算定 τd/σz =γn*τmax/σz ここに τd : 水平面に生じる等価な一定繰返しせん断応力振幅 (kn/m 2 ) γn : 等価な繰返し回数に関する補正係数で γn=0.1*(m-1) M は地震のマグニチュード τmax : 地震応答解析により算定した最大せん断応力 (kn/m 2 ) σz : 地震応答解析で用いた有効土被り圧 ( 鉛直有効応力 )(kn/m 2 ) 3) 地震応答解析手法 ( 詳細法 ) 地震応答解析は 地盤条件や地震動の特性を詳細に反映できる手法であるが 種々の方法が提案されている 本検討では 地盤の地震応答解析手法として比較的用よく用いられている以下の手法について解析を実施し適切な手法を選定する 1 重複反射理論による等価線形解析 ( 解析コード :SHAKE) 2 重複反射理論によるひずみの周波数依存性を考慮した等価線形解析 ( 解析コード :FDEL) 3 有効応力法による時刻歴応答解析 ( 解析コード :FLIP) 7-1

(4) 液状化抵抗比の算定 1) 対応する深度の補正 N 値 (Na) を次式から算定 Nl=CN*N CN= 98/σz Na=Nl+ Nf ここに Na : 補正 N 値 Nl : 換算 N 値 Nf : 細粒分含有率 Fc に応じた補正 N 値増分で図 -7.2 による CN : 拘束圧に関する換算係数 (5) 液状化安全率 F L の算定 各深さにおける液状化発生に対する安全率 FL を次式により算定する ここに F L > 1.0 : 液状化しない F L 1.0 : 液状化する (6) 地点における液状化危険度 P L の算定 図 -7.2 細粒分含有率と N 値の補正係数 2) 液状化抵抗比 R の算定図 -7.3 の限界せん断ひずみ振幅曲線 5% を用いて 補正 N 値 (Na) に対する飽和土層の液状化抵抗比 R をもとめる R = τl/σz ここに R : 液状化抵抗比 τl : 水平面における液状化抵抗 σz : 検討深さにおける有効土被り圧 (kn/m 2 ) 図 -7.3 補正 N 値と液状化抵抗 動的せん断ひずみの関係 7-2

2. 液状化に伴う地盤変形量の予測 液状化に伴う地盤変形量の予測は 以下の 2 つの方法について実施する 1 建築基礎構造設計指針 による方法 2 高圧ガス設備等耐震設計指針 による方法 (1) 建築基礎構造設計指針による地盤変形量の算定 沈下量は 以下の手順で算定する 1 図 -7.4 を用い補正 N 値とせん断応力比に対応した繰返しせん断ひずみγcy を求め これを体積ひずみと読み替え 各層の体積ひずみを推定する 2 各層の体積ひずみを鉛直方向に積分して 地表面沈下量を算定する 図 -7.4 補正 N 値と繰り返しせん断ひずみの関係 地表変位を Dcy とし液状化程度の指標とする 液状化の程度は Dcy の値により表 -7.1 のように設定する 表 -7.1 Dcy と液状化程度の関係 Dcy(cm) 液状化の程度 0 なし -05 軽微 05-10 小 10-20 中 20-40 大 40- 甚大 7-3

(2) 高圧ガス設備等耐震設計指針による地盤沈下量の算定 地震時の液状化に伴う砂地盤の沈下量予測 ( 第 26 回土質工学研究発表会 石原研而 吉嶺充俊 ) による地震による砂の液状化安全率と液状化後の排水に伴う体積ひずみの関係より沈下量を算定する 1) 砂の液状化安全率と体積ひずみの関係図 -7.5 に砂の体積ひずみと最大せん断ひずみの関係を 図 -7.6 に砂の液状化安全率と最大せん断ひずみの関係を示す また これらを組み合わせた砂の液状化安全率と体積ひずみの関係を図 -7.7 に示す 図 -7.5 砂の体積ひずみ - 最大せん断ひずみ関係 図 -7.7 砂の液状化安全率 - 体積ひずみ関係 2) 地盤沈下量の算定地盤沈下量は 対象土層の相対密度と液状化抵抗率に対する体積圧縮ひずみを図 -6.6 より求め 液状化判定対象層について積分し算定する Dcy=Σ(εvi Hi) ここに Dcy : 地表面沈下量 εvi : i 番目の土層の体積圧縮ひずみ Hi : i 番目の土層の層厚 図 -7.6 砂の液状化安全率 - 最大せん断ひずみ関係 なお 相対密度が得られていない場合は 以下の示すマイヤホッフの式により算定する 液状化安全率は建築基礎構造設計指針の方法により算定する Dr=21(Nl/1.7) 0.5 Nl=1.7N/(σv'+0.7) ここに Dr : 相対密度 (%) Nl : 正規化 N 値 N : 実測 N 値 σv' : 有効上載圧 (kg/cm 2 ) 7-4

3. 再液状化の検討に用いる地震動 (1) 再液状化の検討として設定する地震動 1) 対象とする地震再液状化の検討では 将来発生が想定される地震に対して再度の液状化が生じるかどうかの判定を行うための地震動を設定する 表 -7.2 対象地震検討目的対象地震再液状化の検討再度液状化するか検討を行うための将来発生が想定される地震を対象とする 2) 検討対象地点検討地点により地震動は異なる 本検討対象は 大きく以下の4 地区に分かれており 各地区ごとに地震動を設定する 表 -7.3 検討対象地区対象対象地点旭地区飯岡地区海上地区干潟地区 4) 液状化の検討として設定する地震動 液状化の検討として設定する地震動を表 -7.5 に示す 表 -7.5 液状化の検討として設定する地震動 検討目的 再液状化の検討 対象地震 将来発生が想定される地震 簡易法 旭地区 地表面加速度とマグニチュード 飯岡地区 地表面加速度とマグニチュード 海上地区 地表面加速度とマグニチュード 干潟地区 地表面加速度とマグニチュード 詳細法 旭地区 工学的基盤面での加速度時刻歴波形 ( 地震応答解析 ) 飯岡地区 工学的基盤面での加速度時刻歴波形 海上地区 工学的基盤面での加速度時刻歴波形 干潟地区 工学的基盤面での加速度時刻歴波形 3) 解析法に応じた地震動本検討では 液状化判定を行うための地震時の地中発生せん断力を地表面加速度より設定する簡易法と地震応答解析により求める詳細法の 2 つの方法を用いる これらの方法に対して用いる地震動は異なるため 以下のように設定する 表 -7.4 解析法に応じた設定地震動解析法設定する地震動簡易法地表最大加速度と地震のマグニチュード詳細法 ( 地震応答解析 ) 工学的基盤面における加速度時刻歴波形 7-5

(2) 再液状化の検討に用いる地震動 1) 再液状化の検討に用いる地震動の設定方針再液状化における地盤沈下量予測での検討地震動について 東日本大震災による液状化被災市街地の復興に向けた検討 調査について ( ガイダンス ( 案 )) の中で以下のように示されている 出典 : 東日本大震災による液状化被災市街地の復興に向けた検討 調査について ( ガイダンス ( 案 )) また 平成 19 年度千葉県地震被害想定調査報告書 ( 平成 20 年 3 月 ) では 以下の想定地震動が示されている ( 平成 19 年度千葉県地震被害想定調査報告書 ( 平成 20 年 3 月 : 千葉県 )) より引用 本検討では ガイダンス案に示された3タイプの地震動および千葉県地震被害想定調査での想定地震の中で 検討地点に影響の大きい地震動を選定し 検討地震動とする 再液状化の検討に用いる地震動 1 タイプ1:200gal M7.5( 中地震による中程度の揺れ ) 2 タイプ2:200gal M9.0( 巨大地震による中程度の揺れ ) 3 タイプ3:350gal M7.5( 直下型地震による大きな揺れ ) 4 千葉県地震被害想定で想定された当該地点に影響の大きい地震 7-6

2) 簡易法に用いる地震動簡易法に用いる地震動は 地表面最大加速度と地震のマグニチュードで設定する これらは ガイダンス案で示された以下のものを用いる なお 千葉県地震被害想定調査における地震動は 基盤面での加速度時刻歴として設定されているものであり 詳細法での検討のみとする 表 -7.6 再液状化の検討における簡易法に用いる地震動地震動タイプ地表最大加速度と地震のマグニチュードタイプ1( 中地震による中程度の揺れ ) 200gal M7.5 タイプ2( 巨大地震による中程度の揺れ ) 200gal M9.0 タイプ3( 直下型地震による大きな揺れ ) 350gal M7.5 千葉県地震被害想定での地震 - 3) 詳細法 ( 地震応答解析 ) に用いる地震動詳細法 ( 地震応答解析 ) に用いる地震動は 工学的基盤面での加速度時刻歴波形として設定する ガイダンス案では タイプ1 タイプ2 タイプ3の基盤面における加速度時刻歴波形は 示されていない この内 タイプ1 タイプ3については 建築基礎構造設計指針 で示されている損傷限界状態検討用及び終局限界状態検討用地震動に相当すると考えられる これらについては 工学的基盤面での加速度応答スペクトルとして設定できることから 応答スペクトルに適合する模擬地震波を作成し これを用いる事とする 工学的基盤での応答スペクトル例を図 -7.8 に示す なお 適合波作成に用いる素材波は 検討対象地点の地盤特性を考慮できることから東日本大震災における検討地点近傍の地震観測記録を用いることとする タイプ2については 東日本大震災相当の地震動と考えられる事から液状化の検証に用いる地震動として設定した地震動を用いる事とする 千葉県の地震被害想定での地震動については 千葉県において県内を 250 メートルのメッシュに区切り 各メッシュの工学的基盤面における加速度時刻歴波形を作成しており これを用いる事とする 図 -7.8 工学的基盤での応答スペクトル例 ( 出典 : 建築基礎構造設計指針 ) 7-7

(4) 液状化の検討として設定する地震動のまとめ 表 -7.7 液状化の検討として用いる地震動一覧表 対象地震 検討地区 簡易法 詳細法 ( 地震応答解析 ) 液状化の検証 東日本大震災 旭 市役所での観測記録の地表最大加速度 (αmax=221gal) 市役所の地表での観測記録を基盤面に引き戻した波形 飯岡 飯岡支所での観測記録の地表最大加速度 (αmax=265gal) 飯岡支所の地表での観測記録を基盤面に引き戻した波形 海上 海上支所での観測記録の地表最大加速度 (αmax=206gal) 海上支所の地表での観測記録を基盤面に引き戻した波形 干潟 干潟支所での観測記録の地表最大加速度 (αmax=287gal) 干潟支所の地表での観測記録を基盤面に引き戻した波形 再液状化の検討タイプ1( 中地震による中程度の揺れ ) 旭 地表最大加速度 200gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 損傷限界状態検討用 ) 飯岡 地表最大加速度 200gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 損傷限界状態検討用 ) 海上 地表最大加速度 200gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 損傷限界状態検討用 ) 干潟 地表最大加速度 200gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 損傷限界状態検討用 ) タイプ2( 巨大地震による中程度の揺れ旭 地表最大加速度 200gal M9.0 液状化の検証用加速度時刻歴波形 飯岡 地表最大加速度 200gal M9.0 液状化の検証用加速度時刻歴波形 海上 地表最大加速度 200gal M9.0 液状化の検証用加速度時刻歴波形 干潟 地表最大加速度 200gal M9.0 液状化の検証用加速度時刻歴波形 タイプ3( 直下型地震による大きな揺れ旭 地表最大加速度 350gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 終局限界状態検討用 ) 飯岡 地表最大加速度 350gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 終局限界状態検討用 ) 海上 地表最大加速度 350gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 終局限界状態検討用 ) 干潟 地表最大加速度 350gal M7.5 建築基礎構造設計指針 ( 終局限界状態検討用 ) 千葉県地震被害想定での想定地震 旭 - 千葉県作成の250mメッシュの基盤面での加速度時刻歴波形 飯岡 - 千葉県作成の250mメッシュの基盤面での加速度時刻歴波形 海上 - 千葉県作成の250mメッシュの基盤面での加速度時刻歴波形 干潟 - 千葉県作成の250mメッシュの基盤面での加速度時刻歴波形 7-8