別紙 訪日外国人消費動向調査 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) トピックス 回復期にある中国訪日旅行市場の詳細分析 ~ ビジネス客の回復が先行 観光客では女性 20 代が増加 ~ 服 かばん 靴の購入率上昇 カメラ 時計の単価上昇 平成 25 年 12 月 20 日観光庁観光戦略課調査室
中国の訪日外客数 平成 25 年 9 月は前年同月比プラスに 前年 ( 平成 24 年 ) における中国の訪日外客数は 昨秋以降は平成 22 年実績を下回り低調に推移した 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) になって平成 22 年水準まで回復し 平成 25 年 9 月は反動増の要素もあり 1 年ぶりに前年同月比プラスとなった 図表 1 今期のトピックス分析では 回復期にある中国の訪日旅行市場に焦点を当て 7-9 月期の客層や旅行内容 消費動向の変化を分析する 図表 1. 中国国籍の訪日外客数月別推移 データ出所 日本政府観光局 (JNTO) 注 ) 平成 25 年 8 月 9 月の JNTO 訪日外客数は推計値を使用している 1
客層変化 ビジネス客数は回復 観光客数は前年比 2 割減 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) における中国国籍の訪日客の主な来訪目的をみると 観光 レジャー の割合が前年同期に比べ減少し (56% 51%) 業務 の割合が増加している (29% 33%) 図表 2 主な来訪目的の構成比を訪日外客数に乗じることにより 来訪目的別の訪日外客数を試算したところ 観光 レジャー 目的の訪日客 ( 観光客 ) 数は前年同期比 2 割減と低調だが 業務 目的の訪日客 ( ビジネス客 ) 数は前年同期に比べわずかに増加している 図表 3 図表 2. 日本への主な来訪目的の構成比 図表 3. 来訪目的別にみる訪日外客数の試算値 注 ) 来訪目的別訪日外客数は JNTO 訪日外客数 に本調査の来訪目的別構成比を乗じて推計したもの 平成 25 年 8 月 9 月の JNTO 訪日外客数は推計値を使用している 2
客層変化 ビジネス客増で男性 30 代以下 個人旅行者が増加 図表 4. 訪日中国人の客層変化 全目的 性年代 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) の客層を前年同期と比較すると ビジネス客の割合が増加した影響で 性年代では 男性 30 代以下 旅行形態では 個人旅行 の割合が増加したと考えられる また 訪日回数では 2 回目 以上が増えた 図表 4 居住地では 上海市 の割合が増加 滞在日数では 観光客の主流である 4~6 日間 の割合が減少している 訪日回数 居住地 旅行形態 滞在日数 3
宿泊地 東京 大阪に加え 北海道の延べ宿泊者数が増加 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) における中国国籍の訪日外国人の延べ宿泊者数 ( 有料宿泊施設のみ ) をみると 多い順に 東京都 大阪府 千葉県 北海道 愛知県 となっている 前年同期と比べると 上位 2 都府である 東京都 大阪府 の延べ宿泊者数が増加したほか 北海道 の同値が大幅に増加している 図表 5 図表 5. 中国国籍 ( 出身地 ) 外国人延べ宿泊者数 都道府県別 ( 上位 10 都道府県まで ) a. 平成 24 年 7-9 月期 b. 平成 25 年 7-9 月期 宿泊地 延べ宿泊者数延べ宿泊者数構成比宿泊地 ( 万人泊 ) ( 万人泊 ) 1 東京都 36.8 27.3% 2 大阪府 22.9 17.0% 3 千葉県 18.2 13.5% 4 北海道 8.7 6.5% 5 静岡県 7.7 5.7% 6 愛知県 7.4 5.5% 7 神奈川県 5.4 4.0% 8 山梨県 5.2 3.9% 9 京都府 5.2 3.8% 10 沖縄県 3.7 2.7% 前年同期比 構成比 1 東京都 38.6 ( 4.9%) 26.3% 2 大阪府 24.0 ( 4.9%) 16.4% 3 千葉県 16.3 ( 10.3%) 11.1% 4 北海道 15.0 ( 71.7%) 10.2% 5 愛知県 10.7 ( 44.9%) 7.3% 6 京都府 6.4 ( 23.0%) 4.3% 7 静岡県 6.1 ( 20.6%) 4.2% 8 神奈川県 6.1 ( 11.8%) 4.2% 9 沖縄県 5.1 ( 37.7%) 3.4% 10 山梨県 4.1 ( 20.8%) 2.8% データ出所 観光庁 宿泊旅行統計調査 注 ) 表中の矢印はランキングの変化を示したもの 4
観光客の客層変化 女性 20 代増加 観光客でも個人旅行増 図表 6. 訪日中国人の客層変化 観光客 同行者 性年代 ( 女性のみ ) ここからは 観光客に焦点を絞って分析結果を示す 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) における中国国籍の観光客層をみると 性年代では 女性 20 代 訪日回数では 3 ~5 回目 同行者では 友人 の割合が前年同期に比べて増加している このことから 観光客の戻りが早いのは 女性 20 代 であることがわかる 図表 6 旅行形態では 個人旅行 の割合が前年同期の 23% から今期は 35% に増加している 女性 20 代 の同行者は 女性 30~40 代 に比べて 友人 の割合が高いが 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) はその割合がさらに増加している 図表 7 図表 7. 女性の年代別にみる同行者の変化 観光客 同行者 旅行形態 5
観光客の客層変化 上海発増加 個人旅行が 45% を占める 図表 8. 訪日中国人の居住地構成 観光客 居住地 30% 20% 10% 0% 26% 18% 17% 17% 11% 10% 10% 9% (n=778) 5% 6% 6% 5% (n=493) 7% 6% 3% 2% 21% 19% 上海市北京市広東省江蘇省四川省遼寧省山東省浙江省その他 中国国籍の訪日観光客全体の居住地構成をみると 上海市 北京市 広東省 江蘇省 の順で多い 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) は 上海市 の割合が増加している 図表 8 居住地別に観光客層の違いをみると 性年代別では 上海市 居住者における 女性 20 代未満 の割合が他の地域に比べて高い 訪日回数では 北京市 および 上海市 居住者における 2 回目以上 の割合が その他 の居住地に比べて高くなっている 旅行形態では 上海市 における 個人旅行 の割合が他の地域に比べて高い 図表 9 図表 9. 居住地別にみる客層の違い 観光客 性年代 ( 女性のみ ) 訪日回数 旅行形態 6
観光客の情報源 スマホ急増 買物場所情報のニーズ高い 中国国籍の訪日観光客全体の出発前情報源をみると 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) は その他インターネット が増加したほか 個人旅行者の増加に伴い 宿泊予約サイト の選択率が増加した 日本滞在中の情報源では インターネット ( スマートフォン ) の割合が前年同期に比べ倍増した 図表 10 11 日本滞在中のあると便利な情報としては 買物場所 や 交通手段 の割合が増加している 図表 12 図表 10. 出発前に便利だった情報源 観光客 ( 複数回答 今期上位 9 番目まで注 ) 出発前の情報源 その他インターネット 旅行会社パンフレット 旅行会社ホームページ 自国の親族 知人 個人のブログ 日本政府観光局ホームページ 日本在住の親族 知人 その他旅行ガイドブック 宿泊予約サイト 0% 10% 20% 30% 40% 11% 10% 11% 12% 11% 9% 7% 3% 31% 25% 27% 30% 26% 25% 22% 19% 17% 18% (n=403) (n=529) 図表 11. 日本滞在中に便利だった情報源 観光客 ( 複数回答 今期上位 5 番目まで ) 日本滞在中の情報源 インターネット ( スマートフォン ) インターネット ( パソコン ) 観光案内所 ( 空港除く ) 買物場所 交通手段 飲食店 宿泊施設 観光施設 宿泊施設 空港の観光案内所 0% 10% 20% 30% 40% 50% 19% 17% 15% 16% 17% 10% 17% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 46% 46% 50% 45% 45% 48% 41% 50% 26% 32% 62% 59% 40% (n=398) (n=508) 図表 12. 日本滞在中にあると便利な情報 観光客 ( 複数回答 今期上位 5 番目まで ) あると便利な情報 (n=335) (n=461) 注 ) その他インターネット は 日本政府観光局 旅行会社 宿泊施設 のホームページ 宿泊予約サイト 個人のブログ YouTube Twitter 以外のインターネットサイト その他旅行ガイドブック は ロンリープラネット ミシュラン 以外の旅行ガイドブックを指す 7
観光客の消費 ショッピング増加 銀聯カード利用率も上昇 図表 13. 日本滞在中の活動内容 観光客 ( 複数回答 今期上位 5 番目まで ) 活動内容 日本食を食べること ショッピング 旅館に宿泊 自然 景勝地観光 繁華街の街歩き 現金 クレジットカード デビットカード ( 銀聯カードなど ) 電子マネー (Edy Suicaなど ) トラベラーズチェック 0% 50% 100% 0% 50% 100% 2% 0% 0% 0% 37% 28% 47% 48% 99% 99% 95% 92% 87% 79% 83% 83% 83% 77% 図表 14. 日本滞在中の決済方法 観光客 ( 複数回答 ) 決済方法 98% 97% (n=395) (n=535) (n=517) (n=799) 中国国籍の観光客の日本滞在中の活動内容をみると 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) は ショッピング 旅館に宿泊 繁華街の街歩き を行った人の割合が増加している 図表 13 決済方法では デビットカード ( 銀聯カードなど ) の割合が上昇し 買物場所では コンビニエンスストア 家電量販店 ( 秋葉原など ) の割合が増えた 図表 14 15 図表 15. 日本滞在中の買物場所 観光客 ( 複数回答 ) 買物場所 空港の免税店 スーパー ショッピングセンター 百貨店 デパート コンビニエンスストア 観光地の土産店 家電量販店 ( 秋葉原など ) 鉄道駅構内の店舗 100 円ショップ その他 0% 50% 100% 19% 14% 14% 15% 5% 5% 85% 86% 78% 76% 73% 75% 67% 56% 58% 60% 50% 38% (n=515) (n=799) 8
観光客の消費 服 かばん 靴の購入率 カメラ等の単価上昇 中国国籍の観光客による日本滞在中の買物支出について 費目別購入率および費目別購入者単価を示す 費目別購入率をみると 菓子類 や 化粧品 医薬品 トイレタリー を買う観光客の割合が高いことがわかる 前年同期に比べると 今期 ( 平成 25 年 7-9 月期 ) は 服 かばん 靴 の購入率が増加している 図表 16 費目別購入者単価では カメラ ビデオカメラ 時計 が 5.1 万円から 8.0 万円へ増加している 図表 17 図表 16. 費目別購入率 観光客 図表 17. 費目別購入者単価 観光客 費目別購入率 菓子類 その他食料品 飲料 酒 たばこ カメラ ビデオカメラ 時計 電気製品 化粧品 医薬品 トイレタリー 和服 ( 着物 ) 民芸品 服 ( 和服以外 ) かばん 靴 マンガ DVD アニメ関連商品 その他買物代 0% 20% 40% 60% 80% 100% 23% 23% 23% 22% 13% 19% 31% 34% 36% 31% 54% 44% 60% 61% 78% 77% 79% 76% (n=513) (n=804) 費目別購入者単価 菓子類その他食料品 飲料 酒 たばこ カメラ ビデオカメラ 時計電気製品化粧品 医薬品 トイレタリー和服 ( 着物 ) 民芸品服 ( 和服以外 ) かばん 靴マンガ DVD アニメ関連商品その他買物代 0 5 10 万円 1.0 1.1 1.3 1.2 8.0 5.1 4.3 3.7 4.1 3.5 0.9 1.0 4.4 4.2 1.1 1.1 3.8 2.3 9
観光客の消費 北京 上海居住者の化粧品等購入率が高い 中国国籍の観光客による日本滞在中の買物支出について 観光客の居住地別に費目別購入率および費目別購入者単価を示す 費目別購入率をみると 北京市 上海市 居住者の 化粧品 医薬品 トイレタリー 購入率が その他 居住者に比べて高い 図表 18 費目別購入者単価では 上海市 で 服 かばん 靴 が高い 図表 19 図表 18. 費目別購入率 観光客 / 居住地別 図表 19. 費目別購入者単価 観光客 / 居住地別 費目別購入率 費目別購入者単価 注 ) 本ページの集計では平成 25 年 4 6 月期および同年 7 9 月期の標本を使用 10
観光客の消費 男性 40 代以上の購入者単価が高い傾向 観光客の買物支出を性年代別にみると 購入率では男女 40 代以上で 電気製品 女性 30 代以下で 化粧品 医薬品 トイレタリー 男性 30 代以下で マンガ DVD アニメ関連商品 が高い 購入者単価では男性 40 代以上の購入者単価の高さが目立つ 図表 20 21 図表 20. 費目別購入率 観光客 / 性年代別 図表 21. 費目別購入者単価 観光客 / 性年代別 費目別購入率 費目別購入者単価 注 ) 本ページの集計では平成 25 年 4 6 月期および同年 7 9 月期の標本を使用 11