IT 人材需給に関する調査 ( 概要 ) 平成 31 年 4 月経済産業省情報技術利用促進課 1. 調査の目的 実施体制 未来投資戦略 2017 ( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 ) に基づき 第四次産業革命下で求められる人材の必要性やミスマッチの状況を明確化するため 経済産業省 厚生労働

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目次 <1> 調査の背景と趣旨 ~ 労働力減少時代の IT 人材動向 p.3 <2> IT 人材動向の将来予測 <3> 今後の市場成長の鍵を握る IT 人材 p.5 p.9 - 先端 IT 人材 - 情報セキュリティ人材 <4> 攻めの IT 投資に関する動向と課題 <5> IT ベンダーの現状認識

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2013 年 9 月 5 日一般財団法人南西地域産業活性化センター 沖縄県の最近の雇用情勢 沖縄県の労働力調査によると 2013 年 6 月の完全失業率は 4.9%( 原数値 ) で 前年同月と比べて 1.7% ポイント改善し 1995 年 6 月の 4.9% 以来 18 年ぶりに4% 台に低下した

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IT 人材需給に関する調査 ( 概要 ) 平成 31 年 4 月経済産業省情報技術利用促進課 1. 調査の目的 実施体制 未来投資戦略 2017 ( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 ) に基づき 第四次産業革命下で求められる人材の必要性やミスマッチの状況を明確化するため 経済産業省 厚生労働省 文部科学省の三省連携で人材需給の試算を行った 試算にあたっては 経済産業省情報技術利用促進課とみずほ情報総研株式会社が事務局となり 6 名の有識者を構成員とする形で 2018 年 6 月 -2019 年 3 月の期間で 計 4 回の検討会を開催した 2. 調査概要 調査では 2018 年から 2030 年の期間において 以下の項目について試算した 1 IT 人材全体数の需要 供給 2 Re スキルによる従来型 IT 人材及び先端 IT 人材の構成変化 3 AI 人材の需要 供給 ( 参考 ) 本調査における調査対象の概念整理図 1 IT 人材全体 ( 1) 2 先端 IT 人材 2 従来型 IT 人材 3AI 人材 ( 2) ( 1) 本調査では 国勢調査を基に IT 企業及び ユーザー企業の情報システム部門等に属する職業分類上の システムコンサルタント 設計者 ソフトウェア作成者 その他の情報処理 通信技術者 を IT 人材として試算した ( 2)3の AI 人材 はアンケート調査等をもとに試算を実施しており ユーザー企業の事業部門や研究開発部門に属する人材も含まれている したがって 1の IT 人材 に完全には包含されない

3. 調査結果のポイント (1) IT 人材 ( 全体 ) の需給 a)it 人材の需要と供給の差 ( 需給ギャップ ) IT 人材について 需要の伸びを年平均 2.7% 程度 労働生産性が年 0.7% 上昇することを前提とし その需給ギャップを試算したところ 下記の表 1の結果が得られた ( 試算方法 試算前提については後述 ) ( 表 1)IT 人材の需給ギャップ 2018 年 2020 年 2025 年 2030 年 2030 年 ( 前回調査 ) 22 万人 30 万人 36 万人 45 万人 59 万人 前回調査 :2016 年 IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 ( 経済産業省 ) における需要の伸び 1.5-2.5% シナリオの需給ギャップを記載 ただし 年 3.54% の労働生産性上昇を実現した場合には 2030 年時点の IT 人材の需要と供給は均衡することが見込まれる < 参考 1>IT 人材需給の試算結果 2

< 参考 2> 各国の情報通信業の労働生産性上昇率 ( 日本生産性本部 労働生産性の国際比較 2017 年版 をもとにみずほ情報総研作成 ) 1995 年以降の 労働生産性上昇率 2010 年代の 労働生産性上昇率 米国 5.4% 2.2% ドイツ 4.2% 4.2% フランス 3.1% 2.3% 日本 2.4% 0.7% b)it 人材の供給 総務省 2015 年国勢調査 をもとに 2018 年時点の IT 関連産業の年代別従事者数を試算した さらに 文部科学省 学校基本調査 から毎年の教育機関からの入職者数を 国勢調査から他産業から情報サービス産業への入職者数と退職者数の差分を算出し それらをもとに 2030 年までの IT 人材数の将来見通しを試算した 直近の国勢調査 (2015 年 ) から試算した結果 2015 年時点での IT 人材数は約 99.4 万人と前回の国勢調査 (2010 年 ) から試算した結果と比較して 7.5 万人程度増加している また 教育機関からの毎年の IT 人材供給についても リーマンショック時に減少したもののその後は増加基調にあることから その増加傾向が今後も続くことを前提に試算を行った ( 試算結果 ) この結果 我が国の労働人口及び若年層人口は全体としては減少するもの の IT 人材供給については 2030 年まで増加が見込まれることとなった ( 表 2)IT 人材供給の見通し 2018 年 2020 年 2025 年 2030 年 2030 年 ( 前回調査 ) 103 万人 106 万人 111 万人 113 万人 86 万人 前回調査 :2016 年 IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 ( 経済産業省 ) 3

c)it 人材の需要 〇将来の IT 関連市場の成長の見通しにつき 以下のとおり高位 中位 低位の 3 種のシナリオを設定し IT 関連市場の成長率と等しい伸び率で IT 人材需要の伸び率が推移するという前提の下 試算を行った 高位シナリオ : 年平均成長率 4.4% 程度 ( 企業向けアンケート ( ) 結果 ) 中位シナリオ : 年平均成長率 2.7% 程度 ( 高位と低位の中間 ) 低位シナリオ : 年平均成長率 1% 程度 ( 民間の市場予測等に基づく ) 企業向けアンケート 2018 年 10 月 IT 企業 3000 社 ユーザー企業 3000 社を対象に IT 人材の現状の不足感や将来見通しについてアンケートを実施 2173 社から回答があった ( 回答率 36.2%) 回答結果から 短期 ~ 長期の需要の伸びは 年率 9~3%( 平均約 4.4%) と見込まれた 〇さらに アンケートは将来の生産性の伸びを前提としていないことから それぞれのシナリオについて 労働生産性の上昇が人材需要に与える影響も考慮し 労働生産性の上昇率について二通りの前提を置いた 毎年 0.7% 上昇 :2010 年代における日本の情報通信業の労働生産性の伸び毎年 2.4% 上昇 :1995 年以降の日本の情報通信業の労働生産性の伸び ( 試算結果 ) 年 0.7% の労働生産性上昇の場合を掲載上述の高位シナリオでの伸び率 ( 約 4.4%) をもとに試算すると 2030 年の IT 人材需要は 192 万人と 2018 年に比べ 67 万人増加する一方 低位シナリオ (1%) をもとに試算した場合は 5 万人程度の増加に留まる 4

( 表 3)IT 人材需要の見通し 高位 需要の伸び率約 4.4% 中位 需要の伸び率約 2.7% 低位 需要の伸び率約 1% 2018 年 2020 年 2025 年 2030 年 2030 年 ( 前回調査 ) 147 万人 169 万人 192 万人 165 万人 125 万人 136 万人 147 万人 158 万人 144 万人 126 万人 128 万人 130 万人 127 万人 前回調査 :2016 年 IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果 ( 経済産業省 ) なお 前回調査における高位 中位 低位は それぞれ伸び率が 2~4% 1.5~2.5% 1% であり 低位以外は今回と伸び率が異なるほか 生産性の上昇率について試算で考慮していない点に留意する必要がある (2) 従来型 IT 人材と先端 IT 人材に関する試算 (1) における IT 関連市場を 従来型 IT サービス市場 ( 1) と 先端 IT サービス市場 ( 2) に 2 分し それぞれの市場に従事する人材を 従来型 IT 人材 と 先端 IT 人材 とした その上で 以下の 3 つの Re スキル率 ( 3) のパターンの下 従来型 IT 人材と先端 IT 人材について需給ギャップの推移を試算した ( 1) 従来型 IT システムの受託開発 保守 運用サービス等に関する市場を従来型 IT 市場と定義した ( 2)IoT 及び AI を活用した IT サービスの市場を先端 IT 市場と定義した ( 3)Re スキル率 : 従来型 IT 人材から先端 IT 人材への転換を Re スキルと定義し (x-1) 年に従来型 IT 人材であった人材で x 年に先端 IT 人材に転換した人材数 /(x-1) 年の従来型 IT 人材数を Re スキル率と定義した <Re スキル率のパターン> IT 人材の転換が 1 市場の構造変化に対応できる場合 : 平均 3.8%/ 年 ( 約 2-6%) 2 市場の構造変化にあまり対応できない場合 :2%/ 年 3 市場の構造変化に対応できない場合 :1%/ 年 ( 試算結果 ) IT 市場の需要の伸びを約 2.7%( 中位シナリオ ) 労働生産性を 0.7% とした場合の 2030 年における従来型 IT 人材と先端 IT 人材の需給ギャップは以下のとおりとなる 5

( 表 4) 従来型 IT 人材と先端 IT 人材の需給ギャップ (2030 年時点 ) 従来型 IT 人材先端 IT 人材合計 Re スキル率 2~6% 18 万人 27 万人 Re スキル率 2% 0 万人 45 万人 45 万人 Re スキル率 1% 10 万人 55 万人 : 供給数 > 需要数 < 参考 3> 今後の IT 関連市場の構造変化と構造変化に対応した場合の Re スキル率の推移 6

(3) AI 人材の需給について AI を実現する数理モデルについての研究者 ( ただし 学術 研究機関を除く ) や AI 機能を搭載したソフトウェアやシステムの開発者 AI を活用した製品 サービスの企画 販売者を AI 人材 として定義し その需給及び需給ギャップを試算した a)ai 人材の需給ギャップ AI 人材の需要と供給について 後述の方法で試算を行いそのギャップを試算 したところ 下記の表の結果が得られた なお 需給ギャップの試算にあたっては AI 市場の需要の伸びについて複数 の市場調査結果を参考したが 調査によって予測が大きく異なることから その うち最も低い伸びを低位シナリオに 平均値を平均シナリオとし 2 つのパター ンで試算を行った 〇低位シナリオ ( 低位の伸びの市場調査結果 ) : 年率 10.3% 〇平均シナリオ ( 複数の市場調査結果の平均値 ): 年率 16.1% ( 表 5)AI 人材需給ギャップの見通し AI 需要の伸び 2018 年 2020 年 2025 年 2030 年低位 (10.3%/ 年 ) 2.8 万人 2.7 万人 1.2 万人 3.4 万人平均 (16.1%/ 年 ) 4.4 万人 8.8 万人 12.4 万人 AI 人材の生産性が 0.7% 上昇し かつ AI 需要の伸びが 平均 の場合は 2025 年には 8.8 万人 2030 年には 12.4 万人の需給ギャップが生じる また AI 需要の伸びが 低位 の場合 2018 年の 3.4 万人から需給ギャップは徐々に減少し 2025 年には 2.7 万人 2030 年には 1.2 万人まで緩和する 7

b)ai 人材の供給 企業向けアンケートで現在の AI 人材数や今後の育成見通しについて尋ねた さらに 人工知能技術戦略会議のデータ及び企業向けアンケートから それぞれ 1 年あたりの大学からの AI 人材輩出数と企業内育成数を算出し それをもとに 2030 年までの AI 人材供給を試算した ( 試算結果 ) 今後の AI 人材育成に対して積極的な企業が多かったため 現在 1.1 万人規模と試算された AI 人材は 2030 年には 約 11 倍の 12.0 万人にまで拡大するとの結果が得られた ( 表 6)AI 人材供給の見通し 2018 年 2020 年 2025 年 2030 年 1.1 万人 3.8 万人 7.9 万人 12.0 万人 c)ai 人材の需要 AI 人材についても IT 人材の需要と同様 AI 市場の成長率と等しい伸び率で人材需要の伸び率が推移するという前提の下 試算を行った 需要の伸び率については 前述のとおり 2 通りのシナリオを設定した ( 試算結果 ) 上記方法により 試算した結果は AI 人材の需要はそれぞれ以下のとおりであり 低位シナリオの場合でも AI 人材の需要は 2030 年に 2018 年比で約 3 倍となることが見込まれた IT 人材と同様 生産性は 0.7% 上昇するとの前提 ( 表 7)AI 人材需要の見通し 2018 年 2020 年 2025 年 2030 年低位 (10.3%/ 年 ) 6.7 万人 10.6 万人 13.1 万人 4.4 万人平均 (16.1%/ 年 ) 8.2 万人 16.7 万人 24.3 万人 8