1 熱, 蒸気及びボイラーの概要 問 10 伝熱についての記述として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 金属棒の一端を熱したとき, 熱が棒内を通り他端に伝わる現象を熱伝導という (2) 液体又は気体が固体壁に接触して流れ, 固体壁との間で熱が移動する現象を熱伝達又は対流熱伝達という (3) 熱伝達率は固体表面の状態, 流れの状態, 温度が一定ならば, 流体の種類に関係なく一定である (4) 熱交換器のように, 固体壁を通して管の内外の流体の間に熱の移動が行われる現象を熱貫流という (5) 燃焼室に直面している伝熱面は強い放射熱を受けるので, 放射伝熱面といわれる 問 11 ボイラーの伝熱についての記述として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 流体が固体壁に接触して流れ, その間に熱の移動が行われることを熱伝導という (2) 伝熱面に付着するすすは熱の不良導体なので, これを除去しなければ伝熱効果が向上しない (3) ボイラー内にスケールが付着すると, 伝熱効果が妨げられる (4) ボイラー水の循環をよくすると, 燃焼熱のボイラー水への伝達が良好に行われるようになる (5) 放射熱を利用するには, 炉内温度を高くするほどよい 問 10 熱伝達の良否は, 流体の性状, 流れの状態, 表面の状態などによって変化する 熱放射による伝熱は, 熱を放射する物体と熱を受ける物体との温度により大きく左右される ( 教本 1.1.4, 最短合格 1.5.4 参照 ) 答え (3) 問 11 流体が固体壁に接触して流れ, 固体壁との間で熱の移動が行われることを熱伝達という 熱伝導は, 物体内部で温度の高い部分から低い部分へ熱が伝わる現象をいう ( 教本 1.1.4(1), 最短合格 1.5.4 参照 ) 答え (1) 6
Ⅰ解Ⅰ ボイラーの構造に関する知識 問 12 熱, 蒸気等に関する記述として, 正しいものは次のうちどれか (1) 水の蒸発熱は, 水の状態変化に費やされ, 温度上昇には費やされない熱量である (2) 蒸気の絶対圧力とは, 大気圧を 0 MPa とした場合の圧力をいう (3) 過熱蒸気の温度と同じ圧力の飽和蒸気の温度との比を過熱度という (4) x をその乾き度とすると x 1 が湿り度になる (5) ボイラーの保温材には, けいそう土, コルク等の熱伝導率の大きい物質を使用する 問 13 ボイラー本体及び火炉について, 誤っているものは次のうちどれか (1) 火炉は, 燃料を燃焼し熱を発生する部分で, 燃焼室ともいわれる (2) 燃焼室には燃焼装置が取り付けられ, 燃焼装置は液体燃料, 気体燃料及び微粉炭にはバーナが, 一般固体燃料には火格子などが用いられる (3) 燃焼室は, 供給された燃料を速やかに着火させ, 発生する可燃ガスと空気との混合接触を良好にして, 燃焼を行わせる部分である (4) 燃焼室に直面した伝熱面は, 接触伝熱面といい, 燃焼室から出た高温ガス通路に配置される伝熱面は, 放射伝熱面という (5) 燃焼室は, 加圧燃焼方式の場合は気密構造となっている 問 12 過熱度とは, 過熱蒸気の温度と飽和温度との差をいい, それらの比ではない ( 教本 1.1.2(3), 最短合格 1.5.2 3 参照 ) 湿り蒸気の乾き度を x とすると, 湿り度は (1-x) である ( 教本 1.1.2(2), 最短合格 1.5.2 2 参照 ) ボイラーの保温材には, ボイラー内部の熱が外部に逃げにくいように, 熱伝導率の低い材料を使用する ( 教本 1.1.4(1)(a), 最短合格 1.5.1 参照 ) 答え (1) 問 13 燃焼室に面した伝熱面は, 放射伝熱によって火炎からの熱を受けるので, 放射伝説熱面といわれる 高温ガス通路に設けられ, 高温ガスと接触する伝熱面は, 主として, 熱伝達 ( 対流熱伝達 ) によって熱を受けるので, 接触伝熱面又は対流伝熱面といわれる ( 教本 1.2.1(2), 最短合格 1.1.1 2 参照 ) 答え (4) 7
1 熱 蒸気及びボイラーの概要 問 14 次の式は 換算蒸発量と実際蒸発量との関係を表しているが 式中の符号 の組合せとして 正しいものは次のうちどれか ( 2 1) 換 算 蒸発量 実 際 蒸発量 発生蒸気の 比エンタルピ 給水の比 エンタルピ 1 標準大気圧 100 にお ける蒸発熱 2 3 4 5 問 15 給水温度 18 蒸気圧力 0.5 MPa のボイラーの実際蒸発量が 3,500 kg/h のとき 換算蒸発量として正しいものは次のうちどれか ただし 0.5 MPa の蒸気の比エンタルピは 2,756.1 kj/kg とする 1 6,579 kg/h 2 4,157 kg/h 4 2,660 kg/h 5 1,800 kg/h 3 3,500 kg/h 問 14 実際蒸発量から換算蒸発量又は相当蒸発量を求める式である ここで 換 算蒸発量又は相当蒸発量 kg/h 実際蒸発量 kg/h 発生蒸気の比エンタ ルピ kj/kg 給水の比エンタルピ kj/kg 標準大気圧下での蒸発熱 潜 熱 kj/kg 100 の飽和水から 100 の乾き飽和蒸気に費やされる潜熱 教本 1.2.2 1 最短合格 1.1.2 1参照 答え 5 問 15 18 の給水の比エンタルピは 18 4.187 75.4 kj/kg であるので 換算蒸発量は 以下のようになる 教本 1.2.2 1 最短合格 1.1.2 1参照 3,500 2,756.1 75.4 4,157 kg/h 8 答え 2
Ⅰ ボイラーの構造に関する知識 問 16 1 87.0 2 88.9 4 92.7 5 94.0 Ⅰ 給水温度 30 蒸気圧力 0.8 MPa で実際蒸発量が 5,000 kg/h で運転して いるボイラーで 低発熱量 42.7 MJ/kg の A 重油を 340 kg/h 燃焼してい る場合 ボイラー効率として正しいものは次のうちどれか ただし 0.8 MPa の蒸気の比エンタルピは 2,773.0 kj/kg とし 給水の比エンタルピは 125.6 kj/kg とする 3 91.2 問 16 ボイラー効率は供給熱量に対する発生蒸気の吸収熱量の割合をいい 次の式で表 ボイラー効率 % 解 される ( 2 1) 100 教本 1.2.2 2 最短合格 1.1.2 2参照 答え 3 9 説 ここで は問 14 に同じ F 毎時燃料消費量 kg/h L/h m3n/h など 3 Hl 燃料低発熱量 kj/kg kj/l kj/m N など ボイラー効率は 5,000 (2,773.0 125.6) 100 91.2 340 42.7 103
12 丸ボイラー 問 17 水管ボイラーと比較した丸ボイラーの特徴についての記述として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 構造が簡単で, 設備が安く, 取扱いが容易である (2) 水部が大きいので, 蒸気使用量が変動しても大きな圧力変化が生じない (3) たき始めてから所要圧力の蒸気が発生するまでの時間がかかる (4) 構造上高圧のものには適しない (5) 同じ蒸発量のものが破裂した場合, 保有水量が少ないので被害の程度が小さい 問 18 立てボイラー, 立て煙管ボイラーについての記述として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 立て煙管ボイラーは伝熱面積を増すために, 火室管板と胴上部管板の間に多数の煙管を設けたものである (2) 直立した胴のため, 水面が狭いので, 発生蒸気中に含まれる水分が少ない (3) 狭い場所に設置でき, 据付けが簡単である (4) 内部掃除や点検に不便である (5) ボイラー効率が低く, 小容量のものに用いられる 問 17 (2) にあるとおり, 丸ボイラーは水部が大きく, 同じ蒸発量のボイラーでは保有 水量が多いため, 破裂した場合の被害が大きい ( 教本 1.3.1, 最短合格 1.2.2 参照 ) 答え (5) 問 18 立てボイラー, 立て煙管ボイラーは胴を垂直に立てた構造のため, 水面が狭いの で水面の面積当たりの蒸発量が多くなり, 発生蒸気にボイラー水を同伴しやすく, 蒸気中の水分が多くなる ( 教本 1.3.2 参照 ) 答え (2) 10
Ⅰ解Ⅰ ボイラーの構造に関する知識 問 19 立てボイラー ( 横管式 ) の構造部分で, 全体が水面より上方にあるものは次のうちどれか (1) 煙突管 (2) 鏡板 (3) 火室天井板 (4) 横管 (5) 胴問 20 丸ボイラーの特徴として, 誤っているものは次のうちどれか (1) 丸ボイラーは径の大きい胴を用い, その内部に炉筒, 火室, 煙管などを設けたものである (2) 構造が簡単であるため, 圧力 10 MPa 程度までが多く製作される (3) 胴の大きさによって伝熱面積が制限されるので, 容量の大きいものには適さない (4) 伝熱面の多くは, ボイラー水中に設けられている (5) 丸ボイラーは炉の位置によって, 内だき式と外だき式に分けられる 問 19 (1) の煙突管の下部,(5) の胴の大部分は水面の下方にあり,(3) の火室天井板,(4) の横管は, 全体が水面の下方にある 胴の上部にある (2) の鏡板は, 全体が水面の上方に位置している ( 教本 1.3.2, 図 1.4 参照 ) 答え (2) 問 20 丸ボイラーは, 径の大きな胴の内部に炉筒, 火室, 煙管などを設けたものである 圧力が高くなるほど胴の板が厚くなるため, 径の大きい胴を有する丸ボイラーは高圧のものを製作するのが困難となり, 圧力が 1.0 MPa 以下のものがほとんどである (2) 説の 10 MPa は間違いで 1.0 MPa である ( 教本 1.3.1, 最短合格 1.2 参照 ) 答え (2) 11