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卒業論文 空間時間ブロック符号を用いた水中音響通信の試験評価 北見工業大学工学部電気電子工学科集積システム研究室氏名西田光平 2017 年 2 月 22 日

目次 第 1 章はじめに... 2 1.1 研究背景と目的... 2 1.2 本論文の構成... 2 第 2 章水中音響通信... 3 2.1 水中での音波と電波... 3 2.2 マルチパス... 4 第 3 章通信方式... 6 3.1 OFDM 変調方式... 6 3.2 MIMO 通信方式... 8 第 4 章空間時間ブロック符号... 11 4.1 空間時間ブロック符号 (STBC)... 11 4.2 空間周波数ブロック符号 (SFBC)... 13 第 5 章水槽試験... 14 5.1 試験条件... 14 5.2 試験結果... 15 第 6 章プール試験... 18 6.1 試験条件 (1 回目 )... 18 6.2 試験結果 (1 回目 )... 20 6.3 試験条件 (2 回目 )... 22 6.4 試験結果 (2 回目 )... 23 第 7 章まとめ... 25 謝辞... 26 参考文献... 27 i

第 1 章 はじめに 1.1 研究背景と目的 現在, 海洋の研究や調査を要する島国である日本にとって遠隔操作無人探査機や自律型無人潜水機などの重要性が高まっている. そのような探査機において, 水中における無線通信による画像や動画の伝送, 遠隔操作での制御などの利用用途から水中音響通信性能の向上が求められている. 水中音響通信装置の研究開発においては, デジタル変調方式が導入されており, 近年では反射波の干渉に強い OFDM( 直交周波数分割多重方式 ) に注目が集まっている.OFDM では遅延波によるマルチパス対策としてガードインターバルを挿入する. 水中の通信では吸収減衰の大きい電波伝搬は長距離での水中通信に不適合であり, 吸収減衰の少ない周波数帯の音波を用いて伝送を行っている. 音波は電波よりも伝搬速度が遅いため, 非常に遅い反射波 ( 遅延波 ) が到来する. 遅延波の到来時間に合わせて, 長区間でのガードインターバルを挿入すると伝送レートの低下などの問題が生じる. 本研究では, より良い通信性能を得るものとして,STBC( 空間時間ブロック符号 ) や SFBC( 空間周波数ブロック符号 ),MIMO(Multi Input Multi Output) について検討し, プール試験やシミュレーションにおいて OFDM と比較した評価を報告する. 1.2 本論文の構成 第 2 章では, 水中音響通信について述べる. 第 3 章では, 通信方式について述べる. 第 4 章では, 空間時間ブロック符号について述べる. 第 5 章では, 水槽試験結果のまとめ, 考察を記述する. 第 6 章では, プール試験結果のまとめ, 考察を記述する. 2

第 2 章 水中音響通信 2.1 水中での音波と電波 陸上では, 携帯電話や無線 LAN などの電波を用いた無線通信が使われているが, 水中での無線通信では主に音波が用いられている. 理由としては, 電波は水中での減衰が大きく, 長距離での伝送では, 著しく受信時の信号エネルギーが低下するためである. 電波は電磁界が振動した波動で真空中でも伝搬できるのに対し, 音波の伝搬には媒質となるものが必要であり, 伝搬速度も電磁波に比べて 5 桁分遅い. また水中音波は電磁波に比べて使用できる周波数帯が狭く, 単位時間当たり伝送できる情報量も少ないので, 水中音響通信では通信の高速化, 大容量化, 長距離化が今後の技術課題である. なお光波は可視光域の吸収減衰がきわめて小さいが, 海水中の浮遊物による散乱減衰が大きいため海での水中通信に適さない [1]. 図 2.1.2 は水中における各通信手段の伝送レートの比較を文献 [2] から引用したものである. 市販されている水中通信装置や論文で発表されている試験装置の伝送レートおよび伝送距離をグラフ化したものである. 電磁波や光は短距離では高伝送レートであるが, 距離 10 m 付近から急激に伝送レートが低下し, 距離 100 以上の伝送は不可である. 音波は伝送レート自体は高くは無いが距離 1 km 以上でも約 10 kbps の伝送レートが確保できていることが読み取れる. 3

図 2.1.2 水中における伝送レートの比較 2.2 マルチパス 現在の無線通信において, 携帯電話やテレビなどは基地局から送信された電波が建物や地形により反射および回折し, 端末が複数の通信路から同じ電波を受信する現象をマルチパスという. これは陸上に限らず水中でも発生し, 送信した音波が海底や魚, 浮遊物などの障害物により反射波となり, 複数の通信路から音波を受信する. この反射波 ( 遅延波 ) によりシンボル間干渉が発生する. シンボル間干渉とは直接波の到来が大きいとき, 受信時に異なるシンボルが重なり合ってしまうことをいう. 受信側でデータを復元することが困難となり, 特に浅海域では長遅延のマルチパスが発生し, 通信品質に大きな影響を与える. これにより従来の水中音響通信ではガードインターバル長を長く設定する必要がある. 4

ROV,AUV 図 2.2.1 マルチパス伝搬図 5

第 3 章 通信方式 3.1 OFDM 変調方式 OFDM とは直交性を持つ多数の搬送波 ( サブキャリア ) を用いて送り, それぞれ異なるデータをデジタル変調することで並列伝送を行う変調方式である. 複数の低速データに分割することで, 複数のサブキャリア信号のシンボル時間が遅延広がりと比較して, 相対的に長くなりマルチパスの歪みの影響を低減できる. また搬送波に直交性を持たせていることから周波数軸上で重なりが生じてもお互いに干渉しないため, 周波数利用効率が高い.OFDM 伝送は伝送帯域より高い周波数を持つ搬送波で変調するパスバンド伝送と変調せずに直接伝送するベースバンド伝送に分類される. 図 3.1.1 に OFDM の送受信構成を示す. 送信側では送信データの生成する. その後, 直並列変換を行い, 各並列データをサブキャリアに乗せるため, サブキャリア変調を行う. 変調の種類として BPSK, QPSK,16QAM などがあり, この時 IQ 平面にプロットするマッピング処理が行われる. 電力スペクトルは周波数領域にあるため, 時系列ごとに信号が送信できないため逆高速フーリエ変換 (IFFT) によって時間領域に変換処理を行う. 最後に遅延波, 反射波の干渉を軽減するためにガードインターバルを挿入して D/A 変換してデータを送信する. 受信側では送信側とは全く逆の処理を行い, 受信したデータの復調を行う.A/D 変換後に挿入されていたガードインターバルを除去し, 時間領域から周波数領域にするため高速フーリエ変換 (FFT) により直交マルチキャリア信号に変換され, 各サブキャリアのサブキャリア変調された信号に分離ができる. その後チャネル推定を行い, 各サブキャリア信号の位相と振幅のチャネル歪みを推定し, プリアンブル信号の後に受信した OFDM 信号からチャネル歪みを除去する処理を行う. デマッピング処理でサブキャリアごとに復調を行い, 送信データを得ることができる. 6

図 3.1.1 OFDM の送受信構成図 7

3.2 MIMO 通信方式 MIMO 通信方式とは,Multi Input Multi Output の頭文字をとったもので, 複数の送信アンテナ, 複数の受信アンテナを持つ通信方式で, 現在では陸上通信での 4G 通信に利用されている技術である. 特徴として, 送信側で空間分割多重, 受信側で空間ダイバーシティ技術を用いることで伝送レートを向上することができる. 空間分割多重とは, 送信する信号を複数のストリームに分割し, それぞれアンテナより送信することによって伝送レートを向上させる技術である. この他に空間多重方式の使われているもので送信ビーム毎にストリームを送信する方式がある. その代表的なものとして固有ビーム空間分割多重方式というものがある. これは前者の空間分割多重に比べ, 最大の通信容量を得ることができる. 前者の空間分割多重の利点は送信側での制御が容易であるので固有ビーム空間分割多重よりも送信側の負担を小さくすることができるというものがある. 空間ダイバーシティとは, 空間的に離れた複数の受信アンテナを使って, それらを選択もしくは合成することで特性改善をする技術である. 利点として OFDM 伝送方式のシステム構成を変える必要がないので, 送信側で特性改善するために処理を行うわけじゃなく受信側のみで特性改善が行えるという点がある. 通信を行う際に, 各受信アンテナは各送信アンテナより位相や振幅差の異なる信号を受信する. 信号を検出するときに各アンテナを行列表現で考えて, 検出を実行する. 以下に図 3.2.1 MIMO 方式の概略図を示す. h 12 h 21 h 11 h 22 図 3.2.1 MIMO 方式の概略図 8

図 3.2.1 に示す送受信アンテナが 2 本ずつの MIMO を例に MIMO の信号の検出方法を説明する. 各アンテナを行列式で表現すると次のようになる.n(t) は雑音信号である. [ y 1(t) y 2 (t) ] = [h 11 h 12 ] [ x 1(t) h 22 x 2 (t) ] + [n 1(t) n 2 (t) ] (3.2.1) h 21 これをベクトル行列表現にすると, Y = Hx + n (3.2.2) となる. ZF 法で信号検出を行う場合, 受信信号の行列式 Y に伝送路行列 H の逆行列 (ZF 法のウェイト行列 W) を乗算することで送信信号を復元する. W = H 1,Y = Hx + n (3.2.3) WY = H 1 (Hx + n) = x + H 1 n (3.2.4) ZF 法では, 送信アンテナ数と受信アンテナ数が異なる場合, 伝送路行列 H は正則行列ではないため, 乗算するウェイト行列 W は次のように疑似逆行列を用いる. W = (HH H ) 1 H H (3.2.5) また,MMSE 法も ZF 法と同様に受信信号の行列 Y にウェイト行列 W を乗算し, 送信信号を検出する.σは平均雑音電力である. W = (HH H + σi) 1 H H (3.2.6) ZF 法と MMSE 法の差は, 信号の検出精度である.MMSE 法のウェイト行列 W には平均雑音電力の項が含まれており, 雑音を考慮して検出を行うため ZF 法より信号の検出精度が高くなる. 更に MIMO の信号検出において, 受信アンテナの本数を送信アンテナの本数より多く設定することで未知の信号数 X に対して観測される信号数 Y を多くでき, 雑音や誤差の影響を減らすことができる. 送信アンテナが 2 本, 受信アンテナが 3 本の MIMO を例として行列式を書くと 9

y 1 (t) h 11 h 21 [ y 2 (t)] = [ h 21 h 22 ] [ x 1(t) x y 3 (t) h 2 (t) ] + [n 1(t) n 2 (t) ] (3.2.7) 32 h 31 となる. 未知数 X が 2 つであることに対し既知数 Y は 3 つである. つまり, 方程式を未知数 X の数より多くすることで検出の精度を向上させる.[4] 10

第 4 章 空間時間ブロック符号 4.1 空間時間ブロック符号 (STBC) 空間時間ブロック符号とは,Space-Time Block Coding のことで, 頭文字をとって STBC と呼ばれ, 最大のダイバーシティ利得を低複雑度の復号法で得ることを目的とした方式である. この方式は MISO 通信に分類され, 複数の送信アンテナの場合で用いられ, 時空間領域で信号を事前に処理 ( 正負の反転, 並び替え, 複素共役 ) をして送信することで受信機側で簡単な演算のみでダイバーシティを得られることができる. MIMO などの最大比合成送受信ダイバーシティは送信側で MIMO チャネル情報を必要とし, 事前の処理も行わなくてはならない. このため本来簡易な信号処理で済む最大比合成ダイバーシティの特長がなくなってしまう. そのため送信側でチャネル情報が未知でも使用できる空間時間符号 (Space-Time Coding) を用いる.STC は Alamouti によって提案されたブロック符号による STBC と Tarokh によって提案された畳込み符号によるもの (STTC) と分けられるが, 今回は STBC を使用した. もっとも簡単な符号として,Alamouti が提案した送信アンテナ 2 本の場合における符号化について述べていく. 時刻 t 1 と時刻 t 2 の連続した 2 シンボル時間において 2 つの複素信号 s 1,s 2 を送信する. このとき,2 本の送信アンテナから送信される信号は次のような時空間符号化が行われる. x 1 (t 1 ) = s 1, x 2 (t 1 ) = s 2, x 1 (t 2 ) = s 2, x2 (t 2 ) = s 1 (4.1.1) 受信側では MIMO チャネルを通過した受信信号に対して, 最大比合成を行わない代わりに, 時刻 t 1 とt 2 の連続した 2 シンボル時間の受信信号を用いて復号を行う. ある i 番目の受信アンテナにおける受信信号は, この 2 シンボル時間に y i (t 1 ) = h i1 x 1 (t 1 ) + h i2 x 2 (t 1 ) + z i (t 1 ) = h i2 s 1 + h i2 s 2 + z i (t 1 ) (4.1.2) y i (t 2 ) = h i1 x 1 (t 2 ) + h i2 x 2 (t 2 ) + z i (t 2 ) = h i1 s 2 + h i2 s 1 + z i (t 2 ) (4.1.3) 11

のように表される. このとき, 次のような操作を行う. h i1 y i1 (t 1 ) + h i2 y i (t 2 ) = ( h i1 2 + h i2 2 )s 1 + h i1 z i (t 1 ) + h i2 z i (t 2 ) (4.1.4) h i2 y i1 (t 1 ) h i1 y i (t 2 ) = ( h i1 2 + h i2 2 )s 2 + h i2 z i (t 1 ) + h i1 z i (t 2 ) (4.1.5) この式の右辺は, それぞれs 1 およびs 2 しか含まない. このように, 受信信号とチャネル応答を用いた線形処理により, 送信信号を分離検出できる. STBC では, 送信信号の電力を受信ダイバーシティのときと同じ設定にすると, 各々のアンテナからの平均送信電力は 1/2 ずつになるので, 復号化されて信号の SNR は MIMO チャネルの最大比合成法送受信ダイバーシティの SNR と比較すると 3dB 低下していることを除いて, 受信ダイバーシティの性能は同じである. このように送信したい時系列データに対して時間領域と空間領域で信号を組み替え直して送信し, 受信ダイバーシティと等価な効果を得ることができる [3]. 12

4.2 空間周波数ブロック符号 (SFBC) 空間周波数ブロック符号とは,Space-Frequency Block Coding の頭文字をとって SFBC と呼ばれ, 隣接するサブキャリアで空間ダイバーシティ符号化のシンボルを伝送する方式である.SFBC ダイバーシティは高速移動環境下において STBC ダイバーシティより優れた平均 BER 特性が得られることが知られている. しかしながら SFBC ダイバーシティでは伝搬チャネルの周波数選択性フェージングが強い場合,SFBC 符号内のチャネルの周波数変動により SFBC 符号の直交性が崩れ, 特性が大きく劣化してしまうという問題がある. SFBC ダイバーシティでは,STBC 符号を空間と周波数にマッピングするため, STBC ダイバーシティより符号長を短くできる. 図 4.2.1 に SFBC の通信処理の概略図を示す. 通信処理の流れは STBC とだいたい同じで STBC が時空間領域で演算したのに対し,SFBC は周波数空間領域で演算している. 図 4.2.1 は隣接するサブキャリアにx 1,x 2 をマッピングした信号をアンテナ 1 から送信し, 同様に x 2,x 1 をマッピングした信号をアンテナ 2 から送信して, 各アンテナからのチャネル応答と受信信号を用いた線形処理により, 送信信号を分離検出することができる. h 1(f=1) h 1(f=2) x 1 x 2 h 1 y (f=1) y (f=2) h 2 x 2 x 1 図 4.2.1 SFBC 通信処理の概略図 13

第 5 章 水槽試験 5.1 試験条件 プール試験の前段階の実験として水槽試験を行った. この試験では FFT サイズを変更することで OFDM サブキャリア間隔が各方式に与える影響を通信特性から考察することを目的とする. 送波器の数を 2, 受波器の数を 4 とし, その他の通信仕様を表 5.1.1 の通りに設定して試験を行った. 通信方式 変調方式 表 5.1.1 OFDM/STBC-OFDM/SFBC-OFDM/MIMO-OFDM QPSK/16QAM/64QAM 通信帯域幅 [khz] 50-60 サンプリング周波数 [khz] 200 符号化率 0.5 周波数拡散率 1 FFT サイズ 512,1024,2048 GI サイズ FFT サイズ 1/4 送受波器間距離 [cm] 60 受信ハイドロフォン数 4 送信ハイドロフォン数 2 14

5.2 試験結果 OFDM 方式,STBC-OFDM 方式,SFBC-OFDM 方式の変調方式 QPSK での BER(4ch 平均 ) の結果を表 5.2.1, 変調方式 16QAM での BER(4ch 平均 ) の結果を表 6.2.2, 変調方式 64QAM での BER(4ch 平均 ) の結果を表 6.2.3 に示す. 表 5.2.1 変調方式 QPSK での BER(4ch 平均 ) の通信方式ごとの比較 OFDM STBC-OFDM SFBC-OFDM FFT512 0.0138 0.0063 0.0489 FFT1024 0.0017 0.0009 0.0055 FFT2048 0.0002 0.0003 0.0097 表 5.2.2 変調方式 16QAM での BER(4ch 平均 ) の通信方式ごとの比較 OFDM STBC-OFDM SFBC-OFDM FFT512 0.2136 0.0171 0.1609 FFT1024 0.0083 0.0001 0.0078 FFT2048 0.0013 0.0003 0.0868 15

表 5.2.3 変調方式 64QAM での BER(4ch 平均 ) の通信方式ごとの比較 OFDM STBC-OFDM SFBC-OFDM FFT512 0.4605 0.3394 0.476 FFT1024 0.082 0.0485 0.3333 FFT2048 0.0057 0.0229 0.3038 表 5.2.1-5.2.3 から FFT サイズが大きくなるごとに BER 特性がよくなっていることがわかる. そして, OFDM, STBC-OFDM, SFBC-OFDM それぞれを見ると STBC-OFDM が全体的に BER 特性がよいことがわかる.SFBC-OFDM は OFDM や STBC-OFDM より若干 BER 特性が劣る. FFT サイズをあげるとサブキャリア間隔が狭まることで, マルチパスによる周波数選択性フェージングに対応できるので, 周波数選択性フェージングの影響を受けやすい SFBC の BER 特性の改善が見込める. 図 5.2.4 に FFT サイズごとのサブキャリアの概略図を示す. 図 5.2.4 の赤線が伝送路の変動, 青線がサブキャリアを表していて左図より右図の FFT サイズが大きい. 左図ではサブキャリア内の伝送路が変動してしまい信号の復元が難しいが, 右図ではサブキャリア内での変動は一定とみなせるので復元が可能である. 図 5.2.4 FFT サイズごとのサブキャリア概略図 16

つぎに SFBC-OFDM はなぜ BER 特性が悪くなるのかを考察する.SFBC は送信アンテナが 2 本あったとき, 図 5.2.5 にあるようにアンテナ 1 とアンテナ 2 で既知データを送信するサブキャリアがそれぞれ別であり, 伝搬チャネル (h 1,h 2 ) については, ペアとなる隣接サブキャリア ( 図中では f=1 と f=2) 内では同じ伝搬係数と見なして復調する. これは隣接する 2 サブキャリア内で伝搬路が一定であることが要求されるが, 水槽試験環境ではサブキャリア毎の伝搬路変動が無視できない.SFBC の BER 特性の劣化の原因は上記の伝搬路の変動を受けやすいことが原因と考えられる. アンテナ 1 アンテナ 2 h 1 h 2 f = 1 f = 2 x 1,x 2 x 2,x 1 アンテナ 1 アンテナ 2 h 1 f = 1 f = 2 x 1,x 2 合成 h 2 f = 1 f = 2 x 2,x 1 図 5.2.5 SFBC のアンテナ毎の概略図 また, 表 5.2.2 の SFBC-OFDM の FFT2048 をみると BER 特性が FFT1024 よりも悪くなっている.FFT サイズが大きくしてサブキャリア間隔が狭くなりすぎろと, サブキャリア毎に変動する雑音の影響を大きく受けてしまうからである. サブキャリア間隔が広いと雑音が平均化され, 影響を軽減することができるが, 狭いとサブキャリ毎の雑音変動ばらつきが目立つようになる. 以上の考察により,FFT サイズを上げると BER 特性はよくなるが, 上げすぎると雑音の影響により BER 特性が悪くなるので適当な FFT サイズを見つけることが重要である. 17

第 6 章 プール試験 6.1 試験条件 (1 回目 ) STBC-OFDM 方式,SFBC-OFDM 方式,MIMO-OFDM 方式の BER 特性を OFDM 方式と比較するためにプール試験を行った. プールは幅 25m, 奥行 13m, 深さ 1m で送受波器は固定で送波器の数は 2, 受波器の数は 4 とし, その他の通信仕様を表 6.1.1 に設定して試験を行った. プールの寸法を図 6.1.2, プール試験時の様子を図 6.1.3 に示す. 通信方式 表 6.1.1 プール試験の通信仕様 OFDM/STBC-OFDM/SFBC-OFDM/MIMO-OFDM 変調方式 QPSK/16QAM 通信帯域幅 [khz] 40-60 サンプリング周波数 [khz] 200 符号化率 0.5 距離 [m] 15 CNR[dB] 10,20,30 FFT サイズ 2048 GI サイズ 512 18

25m 13m 15m 図 6.1.2 プールの寸法 図 6.1.3 プール試験時の様子 19

6.2 試験結果 (1 回目 ) OFDM 方式,STBC-OFDM 方式,SFBC-OFDM 方式の変調方式 QPSK での BER(4ch 平均 ) の結果を表 6.2.1, 変調方式 16QAM での BER(4ch 平均 ) の結果を表 6.2.2 に示す. OFDM 方式,STBC-OFDM 方式,SFBC-OFDM 方式,MIMO-OFDM 方式の変調方式 QPSK での BER( 空間ダイバーシティ ) の結果を表 6.2.3, 変調方式 16QAM での BER( 空間ダイバーシティ ) の結果を表 6.2.4 に示す. 表 6.2.1 変調方式 QPSK,BER(4ch 平均 ) 特性の比較 OFDM STBC-OFDM SFBC-OFDM CNR10 0.2673 0.1888 0.3353 CNR20 0.078 0.0142 0.0885 CNR30 0.0741 0.0131 0.079 表 6.2.2 変調方式 16QAM,BER(4ch 平均 ) 特性の比較 OFDM STBC-OFDM SFBC-OFDM CNR10 0.4786 0.4865 0.4903 CNR20 0.3869 0.3973 0.466 CNR30 0.3707 0.3666 0.4602 20

表 6.2.3 変調方式 QPSK,BER( 空間ダイバーシティ ) 特性の比較 OFDM STBC SFBC MIMO CNR10 0.0289 0.00103 0.0119 0.0002 CNR20 0.00433 0 0.00133 0 CNR30 0.00447 0 0 0 表 6.2.4 変調方式 16QAM,BER( 空間ダイバーシティ ) 特性の比較 OFDM STBC SFBC MIMO CNR10 0.41193 0.39127 0.43933 0.2103 CNR20 0.2077 0.08167 0.27367 0.0786 CNR30 0.1836 0.06893 0.27113 0.1918 表 6.2.1-6.2.4 を見ると,CNR20dBと CNR30dB でそれほど BER 特性が変わらない. これはマルチパスの影響が大きく, これ以上 CNR を上げても大きい変化は見られない. 表 6.2.1 と表 6.2.2 を見ると STBC-OFDM が最も BER 特性が良く,SFBC-OFDM の BER 特性が OFDM よりも悪いことがわかる. 表 6.2.3 と表 6.2.4 を見ると空間ダイバーシティでは STBC-OFDM と MIMO-OFDM で大体同じ BER 特性が得られている. 21

6.3 試験条件 (2 回目 ) この試験では FFT サイズを変更することで OFDM サブキャリア間隔が各方式に 与える影響を通信特性から考察することを目的とする. 送波器の数を 2, 受波器の 数を 4 とし, その他の通信仕様を表 6.3.1 の通りに設定して試験を行った 通信方式 変調方式 表 6.3.1 OFDM / STBC-OFDM / SFBC-OFDM / MIMO-OFDM QPSK 通信帯域幅 [khz] 40-60 サンプリング周波数 [khz] 200 符号化数 0.5 距離 [m] 15 FFT サイズ 1024,2048,4096 GI サイズ FFT サイズ 1/4 受信ハイドロフォン数 4 送信ハイドロフォン数 2 信号取り込み時間 [s] 約 15-20 22

6.4 試験結果 (2 回目 ) OFDM 方式,STBC-OFDM 方式,SFBC-OFDM 方式の変調方式 QPSK での BER(4ch 平均 ) の結果を表 6.4.1 に示す. OFDM 方式,STBC-OFDM 方式,SFBC-OFDM 方式,MIMO-OFDM 方式の変調方式 QPSK での BER( 空間ダイバーシティ ) の結果を表 6.4.2 に示す. 表 6.4.1 変調方式 QPSK,BER(4ch 平均 ) 特性の比較 OFDM STBC SFBC FFT1024 0.32085 0.01125 0.08745 FFT2048 0.07915 0.00034 0.0371 FFT4096 0.00245 0.00002 0.233 表 6.4.2 変調方式 QPSK,BER( 空間ダイバーシティ ) の特性の比較 OFDM STBC-OFDM SFBC-OFDM MIMO-OFDM FFT1024 0.03645 0 0 0.00005 FFT2048 0.00535 0 0 0 FFT4096 0.00005 0 0.1227 0 表 6.4.1 と表 6.4.2 から FFT サイズが上がると BER 特性が良くなることがわかり, SFBC-OFDM はプール試験環境下では FFT サイズ 2048 が最も良い. 表 6.4.1 から各通信方式を比較すると STBC-OFDM の BER 特性が最もよく, SFBC-OFDM も OFDM より良い結果が得られた. 表 6.4.2 を見ると空間ダイバーシティでの BER 特性は STBC-OFDM と MIMO-OFDM でだいたい同じ BER 特性が得られた. 以上の結果からプール試験 1 回目と 2 回目で同様の結果が得られたので, この結果 23

は再現性があるといえる. 24

第 7 章 まとめ 水槽試験やプール試験での結果から STBC の有用性が確認することができた. OFDM よりも BER 特性が良く, 水中音響通信にて BER 特性や伝送レートが良いとされる MIMO-OFDM と同様の結果が得られることがわかった. STBC の利点として, 受信アンテナ数に制約 ( コスト面や設置環境 ) があり,MIMO が適用できない条件でも STBC を適用することで通信特性を向上させることが挙げられる. STBC と同様の条件下で, 優れた BER 特性が得られるものとして SFBC についても評価してみたが, 周波数選択性フェージングやマルチパスの影響が強く, 水中音響通信では SFBC は STBC より BER 特性が劣ってしまうということがわかった. 25

謝辞 本研究の実施に当たり, 日ごろから親身になって御指導, 御助言を賜った吉澤真 吾准教授, 谷本洋教授に深く感謝いたします. 研究を進めていく中で助言をいただ いた集積システム研究室の大学院生, 同期生の皆様に心から感謝いたします. 26

参考文献 1) 社団法人日本機械工業連合会, 社団法人海洋産業研究会, 平成 16 年度水中音響通信の高度化による海洋産業の発展と新事業創出等効果に関する調査研究報告書, May.2005 2) Filippo Campagnaro,Federico Favaro,Paolo Casari,Michele Zorzi, On the Feasibility of Fully Wireless Remote Control for Underwater Vehicles, Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers, Nov.2014 3) 佐々木進, 高速フェージングに耐性を有する高効率 STBC 伝送方式に関する研究, 電気通信大学博士論文, March 2011 4) 大鐘武雄, 西村寿彦, 小川恭孝, MIMO チャネルにおける空間分割多重方式とその基本特性, 電子情報通信学会論文誌,B,Vol87-B No.9, pp.1162-1173. Sep.2004. 27