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目 次 1. トップランナー制度について 1トップランナー制度の概要について 3 2トップランナー基準に関する基本的な考え方について 5 3トップランナー基準に関する主な規定について 8 4トップランナー基準策定及び運用の流れについて 9 2. ラベリング制度について 1ラベリング制度の概要について

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2013 5

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1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 CH4 排出量 [kt-co2 eq.] 1.A.3.c 鉄道 (Ralways)( CH4, N2O) 1. 排出 吸収源の概要 1.1 排出 吸収源の対象 及び温室効果ガス排出メカニズム当該排出源では 鉄道の走行におけるエネルギー消費に伴う CH 4 N 2O の排出を扱う 鉄道の運行に伴う温室効果ガスは ディーゼル機関車から軽油を燃料として燃焼することにより排出される分が主である 他に燃料としては電気 石炭等があるが 電気機関車で使用する電気の発電による排出は別の分野で計上されている 石炭を使用する蒸気機関車に関しては 日本国鉄で 1976 年に蒸気機関車 (SL) の使用が終了したが 1979 年から観光用の SL の運転が開始され JR や私鉄において 複数の路線で SL が定期的に運転されている ( ただし蒸気機関車の走行は少なく 石炭を燃料として燃焼することにより排出される温室効果ガスもわずかである ) 上記を踏まえ 当該排出源では 軽油を使用するディーゼル機関車及び石炭を使用する蒸気機関車から排出される CH 4 及び N 2O 排出量を算定している 1.2 排出 吸収トレンド及びその要因ディーゼル鉄道車両の稼働台数の減少もあり 軽油の燃料消費量は 1990 年以降減少傾向となっている このため CH 4 N 2O 排出量も 1990 年以降減少傾向である 1.A.3.c 鉄道 からの排出量の経年推移を図 1 及び図 2 に示す 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 合計 軽油 石炭 図 1 1.A.3.c 鉄道 からの CH 4 排出量の推移 - 1 -

1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 N2O 排出量 [kt-co2 eq.] 120 100 80 合計 軽油 石炭 60 40 20 0 図 2 1.A.3.c 鉄道 からの N 2O 排出量の推移 2. 排出 吸収量算定方法 2.1 排出 吸収量算定式 2006 年 IPCC ガイドラインのデシジョンツリー 1 に従い Ter1 法を用いて 排出係数に発熱量ベースの燃料消費量を乗じて排出量を算定している E ( EF A ) E : 鉄道における軽油または石炭の燃焼に伴う CH4,N2O 排出量 [kg-ch4,kg-n2o] EF : 鉄道における軽油の排出係数 [kg-ch4/kl,kg-n2o/kl] または鉄道における石炭の排出係数 [kg-ch4/t,kg-n2o/t] A : ディーゼル鉄道車両の軽油消費量 [kl] または蒸気機関車の石炭消費量 [t] : 燃料種 ( ディーゼル鉄道車両の軽油及び蒸気機関車の石炭 ) 2.2 排出係数ディーゼル鉄道車両における排出係数は 2006 年 IPCC ガイドラインに示された Desel のデフォルト値 2 ( 表 1 参照 ) を軽油の実質発熱量 ( 表 2 参照 )( 石油製品など一部のエネルギー源につき各種調査報告を用いて毎年度発熱量が算定されているものを 実質発熱量 と呼称している ) を用いてリットルあたりに換算した値を使用している ( 表 4 及び表 5 参照 ) 蒸気機関車における排出係数は 2006 年 IPCC ガイドラインに示された Sub-btumnous Coal のデフォルト値 3 ( 表 1 参照 ) を輸入一般炭の発熱量を用いて重量あたりに換算した値を使用している ( 表 4 及び表 5 参照 ) 1 IPCC, 2006 IPCC Gudelnes for Natonal Greenhouse Gas Inventores, Vol.2, Chapter3, p.3.41, Fg.3.4.2 2 IPCC, 2006 IPCC Gudelnes for Natonal Greenhouse Gas Inventores, Vol.2, Chapter3, p.3.43, Table 3.4.1 3 IPCC, 2006 IPCC Gudelnes for Natonal Greenhouse Gas Inventores, Vol.2, Chapter3, p.3.43, Table 3.4.1-2 -

表 1 鉄道の排出係数のデフォルト値 ディーゼル鉄道車両 蒸気機関車 CH4 の排出係数 4.15[kg-CH4/TJ] 2[kg-CH4/TJ] N2O の排出係数 28.6[kg-N2O/TJ] 1.5[kg-N2O/TJ] ( 出典 )2006 年 IPCC ガイドライン Vol. 2, p. 3.43, Table 3.4.1 排出係数は低位発熱量当たりの排出量を示す 表 2 軽油の実質発熱量 実質発熱量 MJ/L 38.11 38.11 38.10 38.12 38.12 38.09 38.10 38.16 38.12 38.13 実質発熱量 MJ/L 38.18 38.20 38.04 38.00 37.77 37.76 37.86 37.96 37.94 37.92 実質発熱量 MJ/L 38.06 37.96 37.94 38.04 38.04 38.04 38.04 表 3 輸入一般炭の標準発熱量 標準発熱量 MJ/L 25.95 25.95 25.95 25.95 25.95 25.95 25.95 25.95 25.95 25.95 標準発熱量 MJ/L 26.60 26.60 26.60 26.60 26.60 25.70 25.70 25.70 25.70 25.70 標準発熱量 MJ/L 25.70 25.70 25.70 25.97 25.97 25.97 25.97 表 4 鉄道からの CH 4 排出係数 軽油 kgch4/kl 0.150 0.150 0.150 0.150 0.150 0.150 0.150 0.150 0.150 0.150 石炭 kgch4/t 0.051 0.051 0.051 0.051 0.051 0.051 0.051 0.051 0.051 0.051 軽油 kgch4/kl 0.151 0.151 0.150 0.150 0.149 0.149 0.149 0.150 0.150 0.149 石炭 kgch4/t 0.052 0.052 0.052 0.052 0.052 0.050 0.050 0.050 0.050 0.050 軽油 kgch4/kl 0.150 0.150 0.150 0.148 0.148 0.148 0.148 石炭 kgch4/t 0.050 0.050 0.050 0.049 0.049 0.049 0.049 表 5 鉄道からの N 2O 排出係数 軽油 kgn2o/kl 1.04 1.04 1.04 1.04 1.04 1.03 1.04 1.04 1.04 1.04 石炭 kgn2o/t 0.038 0.038 0.038 0.038 0.038 0.038 0.038 0.038 0.038 0.038 軽油 kgn2o/kl 1.04 1.04 1.03 1.03 1.03 1.03 1.03 1.03 1.03 1.03 石炭 kgn2o/t 0.039 0.039 0.039 0.039 0.039 0.038 0.038 0.038 0.038 0.038 軽油 kgn2o/kl 1.03 1.03 1.03 1.02 1.02 1.02 1.02 石炭 kgn2o/t 0.038 0.038 0.038 0.037 0.037 0.037 0.037 2.3 活動量 総合エネルギー統計 ( 資源エネルギー庁 ) で把握された運輸部門の鉄道 ( 旅客 貨物 ) の 軽油及び石炭のエネルギー消費量を活動量として使用している ( 表 6 参照 ) - 3 -

表 6 活動量 ( 1.A.3.c 鉄道 におけるエネルギー消費量 ) の推移 軽油 千 kl 356 352 343 324 321 313 309 297 295 278 石炭 千 t 1.3 1.2 1.2 1.1 1.0 1.2 1.2 1.3 1.3 1.6 軽油 千 kl 270 258 255 241 250 248 238 227 230 225 石炭 千 t 1.7 1.8 1.7 1.5 1.5 1.4 1.3 1.3 1.5 1.7 軽油 千 kl 218 211 211 205 199 198 189 石炭 千 t 1.7 1.7 1.6 1.5 1.5 1.5 1.6 3. 算定方法の時系列変更 改善経緯 (1) 初期割当量報告書における算定方法 1) 排出 吸収量算定式ディーゼル機関車及び蒸気機関車の走行に伴う CH 4 及び N 2O 排出量を算定していた GPG(2000) では 鉄道からの排出に関する算定方法を選定するための考え方等が示されていないため 燃料消費量に基づく一般的な算定方法として ディーゼル機関車の軽油消費量に軽油消費量あたりの排出係数を乗じて算定していた 蒸気機関車に関しては 国内の鉄道での石炭消費量に石炭消費量あたりの排出係数を乗じて算定していた E ( EF A ) E : 鉄道における軽油または石炭の燃焼に伴う CH4,N2O 排出量 [kg-ch4,kg-n2o] EF : 鉄道における軽油の排出係数 [kg-ch4/kl,kg-n2o/kl] または鉄道における石炭の排出係数 [kg-ch4/t,kg-n2o/t] A : ディーゼル鉄道車両の軽油消費量 [kl] または蒸気機関車の石炭消費量 [t] : 燃料種 ( ディーゼル鉄道車両の軽油及び蒸気機関車の石炭 ) 2) 排出係数ディーゼル機関車からの排出ガスに関する国内での実測結果が存在しないため ディーゼル機関車からの排出係数は 1996 年改訂 IPCC ガイドラインにおけるデフォルト値 4 を 軽油の標準発熱量を用いてリットルあたりに換算した値を使用していた ( 表 7 参照 ) 同様に 蒸気機関車からの排出ガスに関する国内での実測結果も存在しないため 蒸気機関車からの排出係数は 1996 年改訂 IPCC ガイドラインにおけるデフォルト値 5 を 石炭の標準発熱量を用いて t あたりに換算した値を使用していた ( 表 8 参照 ) 4 IPCC, Revsed 1996 IPCC Gudelnes for Natonal Greenhouse Gas Inventores, Vol.3, Chapter1, p.1.91, Table 1-49 5 IPCC, Revsed 1996 IPCC Gudelnes for Natonal Greenhouse Gas Inventores, Vol.3, Chapter1, p.1.35,1-36, Table 1-7,1-8 - 4 -

表 7 ディーゼル機関車の排出係数のデフォルト値 ガス値 CH4 0.004[g-CH4/MJ] N2O 0.03[g-N2O/MJ] ( 出典 )1996 年改訂 IPCC ガイドライン, p. 1.91, Table 1-49 単位の[g/MJ] は低位発熱量当たりの排出量 表 8 蒸気機関車の排出係数のデフォルト値 ガス値 CH4 10[kg-CH4/TJ] N2O 1.4[kg-N2O/TJ] ( 出典 )1996 年改訂 IPCC ガイドライン, p. 1.35,1.36, Table 1-7,1-8 単位の[kg/TJ] は低位発熱量当たりの排出量 3) 活動量ディーゼル機関車については 総合エネルギー統計 ( 資源エネルギー庁 ) で把握された運輸部門の鉄道 ( 旅客及び貨物 ) の軽油消費量を使用していた 蒸気機関車については 鉄道統計年報 ( 国土交通省 ) における 運転用電力 燃料及び油脂消費額表 中の その他の燃料代価 ( 円 ) を 石炭価格 ( 省エネルギーセンター エネルギー 経済統計要覧 2005 の輸入一般炭価格) で除して消費量を推計していた なお 蒸気機関車に使用されている石炭は瀝青炭 ( 一般炭 ) あるいは瀝青炭と無煙炭の混合のケースが多いため 輸入一般炭の価格を用いていた (2)2014 年提出インベントリにおける算定方法 1) 排出 吸収量算定式初期割当量報告と同様 2) 排出係数初期割当量報告と同様 3) 活動量蒸気機関車の活動量について 鉄道統計年報 ( 国土交通省 ) における 運転用電力 燃料及び油脂消費額表 中の その他の燃料代価 には 鉄道用燃料以外の用途に使用される石炭 ( 暖房用など ) も含まれており これを鉄道における消費量とするのは過大推計となる可能性があった また 輸入一般炭価格 ( 省エネルギーセンター エネルギー 経済統計要覧 ) は輸入価格であり 一般の販売価格より低いと考えられることから やはり石炭消費量が過大推計となる可能性があった そこで 鉄道統計年報 ( 国土交通省 ) における 走行キロ表 中の 蒸気機関車 欄にある走行量に 蒸気機関車の石炭燃費を乗じたものを石炭消費量と見込むこととした 蒸気機関車の石炭燃費は 事業者へのヒアリング結果の加重平均値 ( 蒸気機関車走行量を重みとした ) である 11.72kg/km を用いた なお 上記算定方法により算定される活動量は 総合エネルギー統計 ( 資源エネルギー庁 ) - 5 -

の運輸部門の鉄道 ( 旅客 ) の石炭のエネルギー消費量として反映されており 以後 総合エネ ルギー統計 ( 資源エネルギー庁 ) の鉄道の石炭のエネルギー消費量を活動量として使用するこ ととした (3)2015 年提出インベントリにおける算定方法 1) 排出 吸収量算定式 初期割当量報告と同様 2) 排出係数 2015 年に提出するインベントリについては 2013 年末の COP19 で採択された改訂 UNFCCC インベントリ報告ガイドライン 6 に基づき 2006 年 IPCC ガイドラインを適用し 排出量の算定 カテゴリーや算定方法等の全面的な更新を行う必要があることから これまで 1996 年改訂 IPCC ガイドラインの排出係数のデフォルト値を設定していたディーゼル機関車及び蒸気機関車の CH 4 及び N 2O 排出係数が 2006 年 IPCC ガイドラインのデフォルト値に変更された ( 表 9 及び 表 10 参照 ) 燃料種分類 軽油 4 石炭 10 燃料種分類 軽油 30 石炭 1.4 表 9 変更前後の CH 4 排出係数 変更前 変更後 kg-ch4/tj 出典 kg-ch4/tj 出典 Revsed1996IPCCGL, Energy Fuel Combuston, 4.15 Table1-49 Ralways Table 3.4.1 Revsed1996IPCCGL, Energy Fuel Combuston, Table1-7 表 10 変更前後の N 2O 排出係数 2 Energy Moble Combuston, Energy Moble Combuston, Ralways Table 3.4.1 変更前 変更後 kg-n2o/tj 出典 kg- N2O/TJ 出典 Revsed1996IPCCGL, Energy Fuel Combuston, 28.6 Table1-49 Ralways Table 3.4.1 Revsed1996IPCCGL, Energy Fuel Combuston, Table1-8 1.5 Energy Moble Combuston, Energy Moble Combuston, Ralways Table 3.4.1 3) 活動量 2014 年提出インベントリと同様 (4)2016 年提出インベントリにおける算定方法 1) 排出 吸収量算定式 初期割当量報告書における算定式と同様 ( 現行の算定方法と同様 ) 6 Decson 24/CP.19, Annex I Gudelnes for the preparaton of natonal communcatons by Partes ncluded n Annex I to the Conventon, Part I: UNFCCC reportng gudelnes on annual greenhouse gas nventores - 6 -

2) 排出係数 2006 年 IPCC ガイドラインにおけるデフォルト値を 軽油の発熱量を用いてリットルあたりに換算する際 資源エネルギー庁のエネルギー源別標準発熱量 ( 概ね 5 年ごとに更新 ) を用いていたが CO 2 排出量の算定では実質発熱量 ( 毎年度更新 ; 石油製品など一部のエネルギー源につき各種調査報告を用いて毎年度発熱量が算定されているものを 実質発熱量 と呼称している ) が用いられていることから 軽油については実質発熱量に統一することとした ( 現行の排出係数と同様 ) 標準発熱量と実質発熱量の比較は 表 11 のとおりである 表 11 軽油の標準発熱量 実質発熱量 ( 単位 :MJ/L) 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 標準発熱量 38.51 38.51 38.51 38.51 38.51 38.51 38.51 38.51 38.51 38.51 38.20 38.20 38.20 実質発熱量 38.11 38.11 38.10 38.12 38.12 38.09 38.10 38.16 38.12 38.13 38.18 38.20 38.04 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 標準発熱量 38.20 38.20 37.70 37.70 37.70 37.70 37.70 37.70 37.70 37.70 38.07 38.07 実質発熱量 38.00 37.77 37.76 37.86 37.96 37.94 37.92 38.06 37.96 37.94 38.04 38.04 3) 活動量 2014 年提出インベントリと同様 ( 現行の算定方法と同様 ) - 7 -