スライド 1

Similar documents
02.参考資料標準試料データ

厚生労働省委託事業 「 平成25年度 適切な石綿含有建材の分析の実施支援事業 」アスベスト分析マニュアル1.00版

後期化学_01_濃度

橡Taro9-表紙、仕切.PDF

SP8WS

PowerPoint プレゼンテーション

萌芽的研究支援課題成果報告書 固体高分子形燃料電池カソードに用いられる酸素還元反応触媒 Ti 窒化物および Ti-Fe 酸窒化物の局所微細構造の解明 Study of Local Micto-structure of Ti Nitride, Ti-Fe oxynitride for cathode

スライド 1

現場での微量分析に最適 シリーズ Spectroquant 試薬キットシリーズ 専用装置シリーズ 主な測定項目 下水 / 廃水 アンモニア 亜硝酸 硝酸 リン酸 TNP COD Cr 重金属 揮発性有機酸 陰イオン / 陽イオン界面活性剤 等 上水 / 簡易水道 残留塩素 アンモニア 鉄 マンガン

層状タングステン酸塩 Cs 4 W 11 O 35 の合成とイオン交換生成物 大橋正夫 * Preparation of Layer Structured Tungstate Cs 4 W 11 O 35 and Ion Exchange Products Masao OHASHI * Abstra

PowerPoint プレゼンテーション

技術会議資料

untitled

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

スライド 1

Microsoft PowerPoint - S-17.ppt

【実績報告書】後藤.doc

untitled

0.45m1.00m 1.00m 1.00m 0.33m 0.33m 0.33m 0.45m 1.00m 2


Microsoft PowerPoint - 14.菅谷修正.pptx

Fig. ph Si-O-Na H O Si- Na OH Si-O-Si OH Si-O Si-OH Si-O-Si Si-O Si-O Si-OH Si-OH Si-O-Si H O 6


Microsoft PowerPoint _産業利用_XAFS_V1

微粒子合成化学・講義

基礎地学I.ppt

< F91E F1835C D835E815B8CA48B8689EF5F8FE396EC2E786477>

00) îSìyçzï®äwÇÃäÓëb-1.pdf

Microsoft PowerPoint プレゼン資料(基礎)Rev.1.ppt [互換モード]

Microsoft Word - 01.doc


14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

44 ガラスのガスとの反応 :Eu:Na 2 o al 2 o 3 Sio 2 系ガラスの水素との反応による Eu イオンの価数制御 構造との関係についても十分なデータが蓄積されていな いし, 透過のメカニズムも未だよく分かっていない. 只, ガラスを同一組成の結晶と比較したとき, その構造 は開放

2 Zn Zn + MnO 2 () 2 O 2 2 H2 O + O 2 O 2 MnO 2 2 KClO 3 2 KCl + 3 O 2 O 3 or 3 O 2 2 O 3 N 2 () NH 4 NO 2 2 O + N 2 ( ) MnO HCl Mn O + CaCl(ClO

PowerPoint Presentation

PowerPoint プレゼンテーション

新技術説明会 様式例

結晶粒と強度の関係

Microsoft Word - note02.doc

untitled


F-08E


<4D F736F F D2095BD90AC E93788D4C88E689C88A778BB389C88BB388E78A778CA48B868C6F94EF95F18D908F912E646F6378>

記者発表資料

日本目録規則1987年版改訂2版第2章図書改定案

PRESS RELEASE (2013/7/24) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL:

平成 28 年 10 月 25 日 報道機関各位 東北大学大学院工学研究科 熱ふく射スペクトル制御に基づく高効率な太陽熱光起電力発電システムを開発 世界トップレベルの発電効率を達成 概要 東北大学大学院工学研究科の湯上浩雄 ( 機械機能創成専攻教授 ) 清水信 ( 同専攻助教 ) および小桧山朝華

SPring-8_seminar_

EDS分析ってなんですか?どのようにすればうまく分析できますか?(EDS分析の基礎)



表紙

温泉の化学 1

研究成果報告書

X線分析の進歩36 別刷

E-2 A, B, C A, A, B, A, C m-cresol (NEAT) Rh S m-cresol m-cresol m-cresol x x x ,Rh N N N N H H n Polyaniline emeraldine base E-3 II

A6/25 アンモニウム ( インドフェノールブルー法 ) 測定範囲 : 0.20~8.00 mg/l NH 4-N 0.26~10.30 mg/l NH ~8.00 mg/l NH 3-N 0.24~9.73 mg/l NH 3 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の

日本鉄鋼認証標準物質

4 1 Ampère 4 2 Ampere 31

e - カーボンブラック Pt 触媒 プロトン導電膜 H 2 厚さ = 数 10μm H + O 2 H 2 O 拡散層 触媒層 高分子 電解質 触媒層 拡散層 マイクロポーラス層 マイクロポーラス層 ガス拡散電極バイポーラープレート ガス拡散電極バイポーラープレート 1 1~ 50nm 0.1~1


金属イオンのイオンの濃度濃度を調べるべる試薬中村博 私たちの身の回りには様々な物質があふれています 物の量を測るということは 環境を評価する上で重要な事です しかし 色々な物の量を測るにはどういう方法があるのでしょうか 純粋なもので kg や g mg のオーダーなら 直接 はかりで重量を測ることが

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp

Microsoft Word - 最終原稿.doc

JSplus23蜿キ.indd

国文研ニューズ35.indd

<4D F736F F F696E74202D208D7C CD8F6F95A882CC8D5C91A295CF89BB82CC D C835B83932E707074>

Athena の起動 デスクトップ上の Athena のアイコンをダブルクリックする もしくは スタートメニューのプロ グラム一覧から Demeter with Strawberry Pert 内の Athena をクリックする デスクトップ上のアイコン スタートメニューのプログラム一覧 プラグイン

27.\..

新技術説明会 様式例

2. 蛍光 X 線分析装置を使用した応用例 工業材料の分析評価分析が迅速及び非破壊という特徴を利用し 各種工業材料の研究開発評価や品質管理分析に用いられ 蛍光 X 線分析としては広く利用されている分野である 特に近年 RoHS 指令の検査法としてプラスティック中の有害重金属の分析方法としても取り入れ

PowerPoint プレゼンテーション

研究成果報告書

記者発表資料

H8.6 P

スライド 1

より良い結果を得るために! 蛍光 X 線法の原理と弱点を知ることが大切 蛍光 X 線の試料条件十分な面積と厚み均一 平面 補正で補う面積補正厚み補正材質補正形状補正 装置の日常チェック 測定 作業の制約 最終判断は人間 スペクトルの重なり 試料の情報均一? メッキ? 判断 蛍光 X 線の知識 ばらつ

スライド 1

Microsoft PowerPoint - H25環境研修所(精度管理)貴田(藤森修正)

工学と国際開発: 廃棄物を利用した水質改善

6-9μm領域における炭素質ダストの 赤外スペクトル -炭素骨格構造による吸収-

有機化合物の磁気キラル二色性を初めて観測! - 生命のホモキラリティー起源の候補の一つを有機化合物で初めて実証 - 1 東京大学生産技術研究所第 4 部物質 環境系部門 2 東京大学先端科学技術センター 1 石井和之 1 北川裕一 2 瀬川浩司

スライド 1


untitled

_XAFS_ichikuni


Microsoft PowerPoint - 電装研_2波長赤外線センサを用いた2波長融合処理について

2θχ/φ scan λ= å Al 2 (11-20) Intensity (a. u.) ZnO(<1nm)/MgO(0.8nm)/Al 2 MgO(0.8nm)/Al 2 WZ-MgO(10-10) a=3.085å MgZnO(10-10) a=3.101å

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

EOS: 材料データシート(アルミニウム)

2357

特長 01 裏面入射型 S12362/S12363 シリーズは 裏面入射型構造を採用したフォトダイオードアレイです 構造上デリケートなボンディングワイヤを使用せず フォトダイオードアレイの出力端子と基板電極をバンプボンディングによって直接接続しています これによって 基板の配線は基板内部に納められて

無印良品のスキンケア

PowerPoint プレゼンテーション

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

スライド 1

Chap. 1 NMR

Transcription:

第 1 回 SPring-8 カ ラス セラミックス研究会 (2010/8/27) ソーダライムガラス中の鉄イオンの 構造解析 XAFS 解析からの試み 日本板硝子株式会社技術研究所 a 兼 BP 研究開発部 b 長嶋廉仁 a, b 白木康一 a 2

目次 1. 実用ガラスにとっての鉄イオンの構造の重要性 2. ガラス中での鉄イオンの構造光吸収およびその他の方法による解析 3. XAFS 測定からの解析の試み (1) 狙い ( 期待 ) (2) 酸化鉄 0.17-0.5mol% 含有組成 (3) 酸化鉄微量 (0.005-0.035mol%) 含有組成 4. まとめ 3

1. 実用カ ラスにとっての鉄イオンの構造の重要性 (1) 種々の FeO+Fe 2 O 3 ( 全鉄 ) 量, FeO/(FeO+Fe 2 O 3 ) (FeO 比 ) のカ ラス FeO/ (FeO+Fe2O3) FeO+Fe2O3 (mol%) 0.005 0.035 0.17 0.5 0 0.2 0.6 4 thickness: 5mm 5cm 応用例 : 太陽電池基板建築用窓ガラス自動車用淡色 ( 自動車用濃色 ) カ ラス組成 :71.3SiO 2 1Al2O3 5.9MgO 8.5CaO 13.4Na 2 O(mol)

(2) 全鉄量によるカ ラスの分光透過率の違い (FeO 比 =0.2) 100 transmittance(%) 100 80 60 40 80 60 40 Fe0.005 Fe0.005 Fe0.035 Fe0.035 Fe0.17 Fe0.17 Fe0.5 Fe0.5 Fe0.0003 Fe0.0003 solar energy transmittance(%) 100 80 80 60 60 40 40 20 20 Fe0.005 Fe0.035 Fe0.035 Fe0.17 Fe0.17 Fe0.5 Fe0.5 Fe0.0003 Fe0.0003 solar energy 00 200 200 400 400 600 600 800 800 1000 1000 1200 1200 1400 1400 1600 1600 1800 2000 2200 2400 wavelength(nm) thickness=5mm 20 0 20 0 200 250 300 350 400 450 500 wavelength(nm) 200 250 300 350 400 450 500 wavelength(nm) 5 酸化鉄含有量,2 価 /3 価割合はガラスの色だけではなく 太陽光の近赤外域, 可視域, 近紫外域の透過率に大きく影響する

2. カ ラス中での鉄イオンの構造とその光吸収 ( 一般的に )Fe 3+ は4 配位 ; 可視 ~ 紫外域に吸収 ( 黄色 ) Fe 2+ は6 配位 ; 近赤外域 (1μm 帯 ) に吸収 ( 青色 ) 2 absorbance 1.5 1 Fe 3+ :4 配位 Fe 2+ :6 配位 0.5 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 wavelegth (nm) 6

(2) Fe 3+ の構造とその光吸収 Fe 3+ ;4 配位 + 条件 ( 全鉄量が多い場合など ) によっては 6 配位も存在する 2 absorbance 1.5 1 Fe 3+ :4 配位 + Fe 3+ :6 配位 Fe 2+ :6 配位 0.5 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 wavelegth (nm) 7

(3) 6 配位 Fe 3+ の透過率への影響 全鉄 0.35mol% のカ ラスの分光透過率 : 実測値 ( ) と計算値 ( ) の比較 全鉄 0.17mol% のカ ラスを基に求めた吸光係数から計算した場合 6 配位の Fe 3+ の補正を加えた吸光係数から計算した場合 8 T. Uchino, Y. Nagashima et al., J. Non-Cryst. Solids, 261 (2000), 72-78

6 配位 Fe 3+ イオンの構造解析例 1) メスハ ウアースヘ クトル解析 図. 40SiO 2-40CaO-20Fe 2 O 3 (mol) 組成のカ ラスのメスハ ウアースヘ クトル 9 M. Hayashi et al., Phys. Chem. Glasses, 41(2) (2000), 49-54

6 配位 Fe 3+ イオンの構造解析例 2) Fe-K 端 XAFS フ リエッシ 解析 図. 酸化鉄含有 Na 2 O-CaO-SiO 2 カ ラスの Fe-K 端 X 線吸収スヘ クトル 全鉄 3wt%, FeO 比 0.86 全鉄 8wt%, FeO 比 0.13 全鉄 3wt%, FeO 比 0.12 1: 6 配位 Fe 2+ 2: 4 配位 Fe 3+ 3:6 配位 Fe 3+ 10 B. Hannoyer et al., J. Non-Cryst. Solids, 151 (1992), 209-16

(4) Fe 2+ の構造とその光吸収 Fe 2+ ;2μm 帯の吸収は4 配位 (or 歪んだ6 配位?) 1μm 帯の吸収は複数の吸収の重なり 2 absorbance 1.5 1 Fe 3+ :4 配位 + Fe 3+ :6 配位 Fe 2+ :6 配位 ( 複数の吸収 ) Fe 2+ :4 配位 or 歪んだ 6 配位? 0.5 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400 wavelegth (nm) 11

近赤外域の Fe 2+ の光吸収のヒ ーク解析例 図. 74SiO 2-10CaO-16Na 2 O+1mol% 全鉄組成のカ ラスの吸収スヘ クトル 図. 70SiO 2-15CaO-15Na 2 O+1mol%FeO 組成のカ ラスの吸収スヘ クトル 1μm 帯の吸収が二つの吸収の重なりとの議論は比較的最近 2μm 帯の吸収の帰属と共にこれらの吸収の帰属は不完全 C. Ruessel et al., Phys. Chem. Glasses, 12 47(5) (2006), 563-568 M. Parker et al., Phys. Chem. Glasses, 49(5) (2008), 258-70

3. XAFS 解析による試み (1) 狙い ( 期待 ) カ ラス中の鉄イオンの構造解析酸化鉄含有量が少ない場合 (1mol% 程度 >)= 光吸収 酸化鉄含有量が少ない場合 (1mol% 程度 <) = メスハ ウアー,XAFS 光吸収からの解析 = 構造解明不十分 カ ラス中での鉄イオンの構造の複雑さ メスハ ウアー,XAFS スヘ クトルからの解析 = 酸化鉄量の多い領域の情報 = 少ない領域の構造は? 1) XAFS 解析の酸化鉄量の少ない領域への拡張の可能性 2) 光吸収からの解析で解明不十分な部分に関する情報 13

(2) サンプル作製 ヘ ースカ ラス組成 : 14 wt% mol% SiO 2 72.25 71.26 Al 2 O 3 1.75 1.02 MgO 4.00 5.88 CaO 8.00 8.45 Na 2 O 14.00 13.39 全鉄 (3ppm) 合計 100.00 100.00 全鉄量 : 0.005, 0.035, 0.17, 0.5mol% カ ラスサンフ ル作製 : カ ラス組成確認 : 蛍光 X 線法 原料秤量 混合 溶融 攪拌 キャスト 徐冷 切断 研磨 FeO 含有量は光学的計算法 ( 一部化学分析で確認 ) FeO 比 : 酸化剤 ( 硝酸塩 ) と還元剤 ( カーホ ン ) の量で調整 白金ルツホ 1450-8 時間 5cm 角 5mm t

(3) XAFS 測定条件 ヒ ームライン : BL14B2 (SPring-8) X 線吸収測定 カ ラスサンフ ル : 19 素子 SSD による蛍光法 ( 低濃度サンフ ルについては SN 比向上のため複数回測定を合計 ) 標準サンフ ル : 窒化ホウ素粉末混合ヘ レットを用いた透過法 標準サンフ ル酸化鉄 : FeO*, Fe 3 O 4, Fe 2 O 3 * 高純度品 XRD でほぼ純粋を確認 鉄含有シリケート鉱物 Fe 2+ 含有 : Ferrosilite (Fe Ⅱ SiO 3 ), Olivine ((Mg, Fe Ⅱ ) 2 SiO 4 ) Fe 3+ 含有 : Aegirine (NaFe Ⅲ Si 2 O 6 ) 15

(4) 全鉄 0.17-0.5mol% の測定結果 全鉄 0.5mol%: FeO 割合の影響 XANES Intensity (arbit. unit) フ リエッシ Fe0.5_FeO60% Fe0.5_FeO20% Fe0.5_FeO15% Fe0.5_FeO~0 7100 7110 7120 7130 7140 7150 7160 7170 7180 7190 7200 Fe 0.5_FeO60% energy (ev) F.T. (arbit. unit) EXAFS Fe0.5_FeO60% Fe0.5_FeO20% Fe0.5_FeO15% Fe0.5_FeO~0 Fe0.5_FeO20% Intensity (arbit. unit) 16 F0.5_FeO15% Fe0.5_FeO~0 7100 7105 7110 7115 7120 energy (ev) 0 1 2 3 4 5 6 7 radial distnace (A)

全鉄 0.5mol%: FeO 割合の影響 1) XANES Intensity (arbit. unit) Fe0.5_FeO60% Fe0.5_FeO20% Fe0.5_FeO15% Intensity (arbit. unit) FeO Fe3O4 Fe2O3 7100 7110 7120 7130 7140 7150 7160 7170 7180 7190 7200 energy (ev) Fe0.5_FeO~0 7100 7110 7120 7130 7140 7150 7160 7170 7180 7190 7200 energy (ev) 主吸収は FeO 比 (FeO/(FeO+Fe 2 O 3 )) の減 少と共に高エネルキ ーシフト = 吸収端が FeO<Fe 2 O 3 に相当 Intensity (arbit. unit) 7100 7110 7120 7130 7140 7150 7160 7170 7180 7190 7200 energy (ev) FeSiO3 (Mg,Fe)2Si2O4 NaFeSi2O6 17

全鉄 0.5mol%: FeO 割合の影響 2) EXAFS FeO Fe3O4 Fe2O3 Fe0.5_FeO60% Fe0.5_FeO20% Fe0.5_FeO15% F.T. (arbit. unit) F.T. (arbit. unit) Fe0.5_FeO~0 0 1 2 3 4 5 6 7 radial distnace (A) FeSiO3 (Mg,Fe)2SiO4 0 1 2 3 4 5 6 7 radial distnace (A) カ ラス構造では中長期周期構造は欠如 = 第一配位圏 (Fe-O) 以外のピークは見られず構造に関し得られる情報は少ない 18 F.T. (arbit. unit) NaFeSi2O6 0 1 2 3 4 5 6 7 radial distnace (A)

XANES: 全鉄量の影響 Intensity (arbit. unit) Fe 0.5_FeO60% Fe0.5_FeO20% Fe0.17_FeO60% Fe0.17_FeO20% 7100 7110 7120 7130 7140 7150 7160 7170 7180 7190 7200 energy (ev) 全鉄量 0.17mol% と 0.5mol% ではほとんど 同じスヘ クトル 7100 7102 7104 7106 7108 7110 7112 7114 7116 7118 7120 Intensity (arbit. unit) Fe 0.5_FeO60% Fe0.5_FeO20% Fe0.17_FeO60% Fe0.17_FeO20% energy (ev) 19

全鉄 0.5mol% の XANES: 標準試料との比較 Fe0.5_FeO~0 Fe2O3 NaFeSi2O6 Intensity (arbit. unit) Fe 2+ を多く含有するカ ラスと Fe 2+ 含有結晶との比較 Fe0.5_FeO60% FeO FeSiO3 7100 7110 7120 7130 7140 7150 7160 7170 7180 energy (ev) Fe 3+ のみを含有するカ ラスと Fe 3+ 含有結晶との比較 Intensity (arbit. unit) (Mg,Fe)2Si2O4 20 7100 7110 7120 7130 7140 7150 7160 7170 7180 energy (ev)

(5) 全鉄 0.005-0.035mol% の測定結果 20000 16000 Fe0.005 Fe0.035 Fe0.17 Fe0.5 Intensity 12000 8000 4000 4000 3000 0 2000 6800 7000 7200 7400 7600 7800 8000 energy (ev) Intensity 1000 Fe0.005 Fe0.035 Fe0.17 Fe0.5 0 6800 7000 7200 7400 7600 7800 8000 energy (ev) 全鉄量 0.005mol% でも弱いながら XAFS スヘ クトルが得られる 21

全鉄 0.005-0.035mol% の測定結果 1) XANES (FeO 比 = 0.2) Intensity (arbit. unit) Fe 0.005 Fe 0.035 7100 7120 7140 7160 7180 7200 22 energy (ev) 全鉄量 0.035mol% 程度より少なくなると FeO 比一定であるにも関わらず吸収は変化 (= 構造の変化?) ( フ リエッシ 吸収は 0.005mol% 程度ではノイス に埋没 ) Fe 0.17 Intensity (arbit. unit) Fe 0.5 7100 7102 7104 7106 7108 7110 7112 7114 7116 7118 7120 energy (ev) Fe 0.005 Fe 0.035 Fe 0.17 Fe 0.5

全鉄 0.005-0.035mol% の測定結果 2) EXAFS 全鉄量の影響 :FeO= 0.2 F.T. (arbit. unit) Fe 0.005 Fe 0.035 Fe 0.17 Fe 0.5 F.T. (arbit. unit) 0 1 2 3 4 5 6 7 radial distnace (A) FeSiO3 FeO Fe3O4 Fe2O3 (Mg,Fe)2SiO4 0 1 2 3 4 5 6 7 radial distnace (A) 全鉄量 0.005mol% の場合は Fe-O の距離が増加? 23 F.T. (arbit. unit) NaFeSi2O6 0 1 2 3 4 5 6 7 radial distnace (A)

4. まとめ 1. SPring-8 のような放射光光源を用いると 0.1mol% 程度以上のみならず 0.005mol%(100ppm 程度 ) あるいはそれより微量のカ ラス中の Fe イオンの XAFS 測定が可能 2. 全鉄量が 0.17mol% 程度以上では カ ラス中の鉄の XAFS には変化が見られず鉄イオンは全鉄量に関わらず同様な構造 3. 全鉄量が 0.035mol% 程度以下では FeO 比が一定でも XAFS は全鉄量と共に変化するとの結果だが解析にはさ らに検討必要 ( 含 分子シミュレーションによる吸収の解析 ) 24

謝辞 本放射光実験は 一部を除き ( 財 ) 高輝度光科学研究センターが実施する重要産業利用課題 ( 課題 No.2008A1917, 2009A1794) としてSPring-8のBL12B2で実施しました また 実験の実施並びに結果解析にあたりましては ( 財 ) 高輝度光科学研究センターの二宮様, 梅咲様, 本田様, 大渕様に大変お世話になりました 25