PFI 事業導入可能性調査報告書 平成 30 年 3 月 鳥栖 三養基西部環境施設組合

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PFI 事業導入可能性調査報告書 平成 30 年 3 月 鳥栖 三養基西部環境施設組合

目次 1 事業方式検討の目的... 1 2 検討対象とする事業方式... 1 3 各事業方式の概要... 2 (1) 公設公営方式... 2 (2) 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括委託方式 )... 3 (3) 公設民営方式 (DBO 方式 )... 4 (4) PFI 方式 (BTO 方式 BOT 方式 BOO 方式 )... 5 4 事業方式選定における評価内容... 6 5 評価の手順... 8 6 評価方法... 8 (1) 定性的な効果の評価方法... 8 (2) 定量的な効果の評価方法 ( 財源負担削減効果 )... 8 7 前提条件の検討... 9 (1) 事業範囲... 9 (2) 事業期間... 11 (3) リスク分担 ( 案 )... 11 8 各事業方式の評価 ( 定性的な評価 )... 13 9 財源負担削減効果の検討... 14 (1) 前提条件の整理... 14 (2) VFMの算定結果... 15 10 総合評価... 15 11 今後の課題... 16 (1) 応募者の確保... 16 (2) プラントメーカを事業期間にわたり関与させる仕組み... 16 (3) 建設請負契約と管理運営契約が2 本であることに留意が必要... 16 (4) 適切な事業モニタリングの実施... 16 12 今後のスケジュール... 17

1 事業方式検討の目的次期ごみ処理施設については 安定 安全なごみ処理を行い 環境負荷の低減及び発電等の熱回収による地球温暖化防止に努めるとともに 設計 建設 運営に係る事業費をできる限り低減するため 次期ごみ処理施設の設計 建設 運営に係る事業方式について検討を行う 本検討委員会では 公設公営方式 公設 + 長期包括委託方式 公設民営方式 (DBO) PFI 方式 (BTO,BOT,BOO) の4 方式を基本として事業方式の評価 選定を行う 2 検討対象とする事業方式 検討対象とする事業方式の概要については 表 1 に示すとおりである (1) 公設公営方式 (2) 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括委託方式 ) (3) 公設民営方式 (DBO 方式 ) (4)PFI 方式 (BTO,BOT,BOO 方式 ) 表 1 検討対象とする事業方式の概要 各手法の内容 公共が財源確保から施設の設計 建設 運営等を行う方式 運転業務については直営と 民間への委託 ( 単年度 ) がある 公共が財源確保から 施設の設計 建設を行い 運営に関しては 民間事業者に複数年にわたり委託する方式 公共が財源確保し 施設の設計 建設 運営等を民間事業者に包括的に委託する方式 民間事業者が自ら資金調達を行い 施設の設計 建設 運営を行う 所有権については 方式により異なる 項 目 (1) 公設公営方式 (2) 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括委託方式 ) (3) 公設民営方式 (DBO 方式 ) (4) PFI 方式 BTO BOT BOO 民間関与度小大 計画策定公共公共公共公共 資金調達公共公共公共民間 設計 建設公共公共 運 営 公共民間 公共民間 民間 民間民間民間 施設の所有 ( 建設時 ) 公共公共公共民間 施設の所有 ( 運営期間中 ) 公共公共公共 施設の所有 ( 事業終了後 ) 公共公共公共 公共公共 民間公共 民間民間 1

3 各事業方式の概要 (1) 公設公営方式 公設公営方式 は 公共が施設の設計 建設 所有を行い 公共が自ら施設を運営 維持管理する方式である 廃棄物処理施設を構成する技術は化学機械 電気 機械工学等を総合化した高度な技術であり そうした技術は公共側より施工側である民間事業者が有していることが一般的である こうした特殊性から廃棄物処理施設については 公共が独自に設計や施設整備費を積算できるものではなく 公共が設計 施工をあわせて発注 ( これを 設計 施工一体型契約 という ) し 建設企業と建設工事請負契約を行う 維持管理 運営業務には 施設の定期点検 施設修繕 施設更新 運転管理業務等の個別業務が内在しているが これらは個別業務ごとに予算化し 民間事業者に単年度ごとに請負及び委託契約により個別発注する 維持管理 運営業務のうち 運転管理業務を公共職員 ( 自治体職員 ) が直接実施する場合 ( 図 1) と 運転管理業務を民間事業者に単年度委託する場合 ( 図 2) がある 施設所有 公 共 建設工事 建設工事請負契約 運転管理 公共職員自ら実施 燃料 薬品等調達補修工事等 調達 工事請負契約 建設企業 維持管理企業 設計 建設 運転 維持管理 図 1 公設公営方式 ( 直営方式 ) のスキーム図の一例 施設所有 公 共 建設工事 建設工事請負契約 運転管理 運転委託単年度契約 燃料 薬品等調達補修工事等 調達 工事請負契約 建設企業 運転事業者 維持管理企業 設計 建設 運転 維持管理 図 2 公設公営方式 ( 単年度委託方式 ) のスキーム図の一例 2

(2) 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括委託方式 ) 公設民営方式( 公設 + 長期包括委託方式 ) は 建設工事は公設公営方式と同じくプラントメーカへ設計 施工を一括発注し 公共の所有の下で施設の運営 維持管理業務を民間事業者 ( 一般的にはSPC) に複数年かつ包括的に責任委託させる事業方式をいう 公設公営方式と比べ 民間事業者の責任範囲を広くし 創意工夫を発揮させ易くする委託方式である なお 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括委託方式 ) には 施設稼働当初から長期包括委託を行う場合と 瑕疵担保期間が経過した後から長期包括委託を行う場合があるが 本検討においては他の事業方式と相対的に事業費を比較するために 施設稼働当初から運営 維持管理業務を長期包括的に民間事業者へ委託するものとする 施設所有 公 共 建設工事 運転管理維持管理 建設工事請負契約 運営業務委託契約 設計 建設 建設企業 運転 維持管理 運転事業者 維持管理企業 業務委託出資業務委託出資 SPC 図 3 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括委託方式 ) のスキーム図 3

(3) 公設民営方式 (DBO 方式 ) DBO 方式 は 公共の所有の下でこれから新たに整備する施設において その整備と長期包括委託による運営を一括発注 契約する方式である 設計 建設 維持管理 運営を民間事業者に一括発注するため 業務の関連性 一体性や長期事業期間を視野に入れた創意工夫を発揮する事が期待される そのため 事業全体の枠組みを規定した 基本契約 プラントメーカへの設計 施工一括発注を規定した 建設工事請負契約 及び運営業務を長期包括的に委託することを定めた 運営業務委託契約 を同時に締結する 1) 基本契約 対象者 : 公共 落札企業各社 ( 建設企業 設計企業 維持管理企業ならびに運転企業等 ) 及びSPC 内容 : 主に事業全体の枠組みを規定する内容であり 各企業の役割分担 締結すべき契約及び代表企業の責務 ( 運営 SPC の支援義務等 ) を規定する 2) 建設工事請負契約 対象者 : 公共 建設企業 内容 : 設計 建設業務の実施に関する事項を規定する 3) 運営業務委託契約 対象者 : 公共 SPC 内容 : 維持管理 運営業務の実施に関する事項を規定する 施設所有 公 共 建設工事 建設工事請負契約 基本協定基本契約 運転管理維持管理 運営業務委託契約 設計 建設 建設企業 出資 運転 維持管理 運転事業者 維持管理企業 業務委託出資業務委託出資 SPC 図 4 公設民営方式 (DBO 方式 ) のスキーム図の一例 4

(4)PFI 方式 (BTO 方式 BOT 方式 BOO 方式 ) PFI 方式は 施設の設計から建設 運転 運営までを民間事業者に一括発注し 民間が独自に資金を調達し 施設の整備及び運営を行い 公共サービスの対価の支払いにより利益を含めた投資資金を回収する方式である 施設の所有形態から BTO 方式 BOT 方式 BOO 方式に分類される 民設民営方式では 独自性の観点から SPC が設立されるのが一般的である 1)BTO 方式 (Build-Transfer-Operate) 民間が独自に資金を調達し 施設の整備を行い 当該施設を完成させた後 直ちに所有権を公共に移転する 公共サービスの対価の支払いにより 利益を含めた投資資金を回収する 公共は 当該施設等を所有し 民間は当該施設等を利用して運営し 公共サービスの提供を行う 2)BOT 方式 (Build-Operate-Transfer) 民間が独自に資金を調達し 施設の整備を行い 当該施設を所有し運営を行う 公共サービスの対価の支払いにより 利益を含めた投資資金を回収する 事業期間終了後 公共サービスの提供に必要な全ての施設等を公共に譲渡する 3)BOO 方式 (Build-Own-Operate) 民間が独自に資金を調達し 施設の整備を行い 当該施設を所有し運営を行う 公共サービスの対価の支払いにより 利益を含めた投資資金を回収する 事業期間が終了しても 民間が施設等を継続して所有して公共には譲渡せず その後の公共サービスは契約の継続あるいは別途定める契約によって継続する 公共 事業契約 サービス購入料の支払い サービス ( ごみの適正処理の提供 ) SPC 業務契約 建設企業 施設建設 配当 出資者 出資 元利償還 金融機関 融資 運転事業者維持管理企業 資材 薬剤の調達定期点検 補修の実施 図 5 PFI 方式 (BTO 方式 BOT 方式 BOO 方式 ) のスキーム図 5

4 事業方式選定における評価内容 事業方式を選定する際の評価内容については 表 2 に示すとおりとする 表 2 事業方式選定における評価内容 効果評価項目評価の視点評価の根拠 定性的な効果 定量的な効果 1 事業に対する信頼性 2 競争性の確保 3 費用の平準化と財源確 保の容易性 4 財源負担削減効果 (VFM が出るか ) 1) 他自治体でも種々の観点から事業 方式を選定していると想定されるこ とから 他自治体での導入事例は 事業方式選定に際して その方式の 信頼性の裏付けとなる 2) 施設を所有することに伴う運営段 階のリスクについて評価 1) ごみ処理施設の建設 運営を行う プラントメーカから得られる事業方 式毎の参入意欲や要望について確認 し 競争性を確保できるか評価 2) 民間のノウハウ 工夫を発揮する ことが可能な事業方式かどうかを評 価 3) 設計 建設と運営 維持管理の総 合連携の合理性を評価 1) 費用の平準化効果と財源確保の容 易性について評価 1) 民間活用する事業方式の LCC が PSC を下回れば民間活用する事 業方式の側に VFM があるという評 価になり 上回れば VFM がないと いう評価になる 過去 10 年間のごみ処理 施設における事業方式導 入実績で評価する 施設の運営段階におけ る施設所有者に応じた各 事業方式の特徴に基づき 評価する 市場調査結果で評価す る 注 1) 施設の建設段階 運営 段階に応じた各事業方式 の特徴に基づき評価す る 施設の建設段階 運営 段階に応じた各事業方式 の特徴に基づき評価す る PSC 1 と 民間活用す る事業方式の LCC 2 との 比較により行う 注 1) ごみ処理方式として選定した処理技術を保有するプラントメーカを対象にアンケートを実施する 注 2)PSC と民間活用する事業方式の LCC は平成 29 年 2 月に実施した 次期ごみ処理施設整備に係る技術調査 の結果に基づき算出する 1 PSC: 公共が自ら実施する場合の事業期間を通じた公的財源負担の見込額の現在価値 をいう 2 民間活用する事業方式の LCC: 民間活用する事業として実施する場合の事業期間全体を通じた公的財源負担の見込額の現在価値 をいう 現在価値 注 2) 今年 100/(1+r) 万円 割引率 r 来年 100 万円 現在価値化する 6

VFM の説明 VFM は 図 6 に示すように PSC(Public Sector Comparator: 公設公営方式で事業を実 施した場合の事業期間全体を通じた財政支出の見込額の現在価値 ) の額と公設民営方式や PF I 方式として事業を実施する場合の財源支出の差額で算出する コスト PSC LCC LCC LCC リスク VFM VFM VFM リスク リスク リスク 運営 維持管理費 ( 参考見積 ) 税 配当 運営 維持管理費 ( 参考見積に基づいて削減期待値を考慮して設定 ) 税 配当 運営 維持管理費 ( 参考見積に基づいて削減期待値を考慮して設定 ) 税 配当 運営 維持管理費 ( 参考見積に基づいて削減期待値を考慮して設定 ) 起債金利 起債金利 起債金利 借入金利 設計建設費 ( 参考見積 ) 設計建設費 ( 参考見積 ) 設計建設費 ( 参考見積に基づいて削減期待値を考慮して設定 ) 設計建設費 ( 参考見積に基づいて削減期待値を考慮して設定 ) 公設公営方式 公設民営方式 公設 + 長期包括委託方式 公設民営方式 DBO 方式 PFI 方式 BTO 方式 BOT 方式 BOO 方式 図 6 PSC VFM 財源支出の関係 VFM の算定 VFM の算出 VFM(%)= (PSC NPV )-( 各事業手法 LCC NPV ) (PSC NPV ) PSC NPV : 公設公営方式における組合の財源負担額の現在価値化 各事業手法 LCC NPV : 公設民営方及び PFI 方式における組合の財源負担額の現在価値化 7

5 評価の手順定性的な効果として見込まれる1~3までの評価を比較検討し 組合にとって基本的に採用することが困難である事業方式を除外する 定性的な効果の検討結果に基づき 採用することに問題がない事業方式についてのみ定量的な効果として見込まれる 4 財源負担削減効果 (VFMが出るか ) を比較検討する 評価の手順を図 7 に示す 定性的な効果 1 事業に対する信頼性 2 競争性の確保 3 費用の平準化と財源確保の容易性 定量的な効果 1 2 4 財源負担削減効果 (VFMが出るか) 本組合に相応しい事業方式を選定 1 評価に があった事業方式は検討終了 評価が 又は の事業方式は 4 の検討に進む 2 評価項目 1~4 を総合的に評価 図 7 評価の手順 6 評価方法 (1) 定性的な効果の評価方法 定性的な効果の評価項目に対する評価は 以下の基準により行う : 当該項目において優位性があるとともに 問題も認められない : 当該項目において優位性はあるものの やや問題があると認められるため 組合にとって基本的に採用することについて留意が必要 : 当該項目において優位性がなく 問題も認められるため 組合にとって基本的に採用することが困難である事業方式と判断する ( 定量的な効果を図る財源負担削減効果の検討は行わない ) (2) 定量的な効果の評価方法 ( 財源負担削減効果 ) 定量的な効果の評価項目に対する評価 (PSC と民間活用する事業方式の LCC との比較 ) は 以 下の基準により行う :VFM があり 財源負担削減効果が最も高い :VFM がある :VFM がない 8

7 前提条件の検討 (1) 事業範囲 1) 設計 建設段階設計 建設段階における組合と事業者が実施する業務範囲は以下に示すとおりとする 組合の業務範囲 事業者の業務範囲 表 3 設計 建設段階の業務範囲分担環境影響評価 都市計画決定手続き 近隣対応 交付金申請手続き等施設の設計 施設の建設工事 組合の交付金手続きの支援 図 8 設計 建設段階の業務範囲分担 2) 運営段階運営段階における組合と事業者が実施する事業の範囲は以下に示すとおり 受付 計量から中間処理 保管 積込 計量までとする 組合の事業範囲 事業者の事業範囲 組合の事業範囲 ごみ処理施設運転管理業務 維持管理業務 測定管理業務 防災管理業務 関連業務 情報管理業務 整備対象施設 災害廃棄物 可燃ごみ 不燃ごみ 粗大ごみ 受付 計量 受付 計量 エネルギー回収型廃棄物処理施設 施設規模 :172t/24h 処理方式 : 下記 3 方式 焼却方式 ( ストーカ炉式 ) 溶融方式 ( シャフト炉式 ) 溶融方式 ( 流動床式 ) 焼却方式 シャフ溶融ト方炉式式 焼却灰焼却飛灰スラグ メタル溶融飛灰 保管 積込 計量 運搬保管 積込 計量 運搬保管 積込 計量 運搬保管 積込 計量 運搬 セメント原料化セメント原料化資源化山元還元 資源ごみ 受付 計量 不燃 粗大ごみ破砕残渣資源ごみ選別残渣 流溶動融床方式式 スラグ 鉄 アルミ溶融飛灰不燃物 保管 積込 計量 運搬保管 積込 計量 運搬保管 積込 計量 運搬 資源化 山元還元 埋立処分 住民対応 運営の監視 行政視察者への対応 受付 計量 マテリアルリサイクル推進施設 (30.2t/ 日 ) 資源物保管 積込 計量 運搬余剰電力 売電は組合の帰属とする 資源化 電力事業者 収集直接搬入 受付計量 中間処理保管積込計量運搬 再生利用最終処分 図 9 運営段階の事業範囲分担 本資料での事業範囲については 現時点での前提条件として設定している 今後 詳細に検討して事業範囲を決定する 9

3) 業務の役割分担 組合と事業者が行う運営期間の業務について 事業方式毎の役割分担は以下に示すとおりとす る 業務区分 表 4 事業手法毎の業務分担表 ( 運営段階 ) 公設公営方式 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括 ) 公設民営方式 (DBO) PFI 方式 (BTO,BOT,BOO) 組合事業者組合事業者組合事業者組合事業者 1 運営体制の構築 2 ごみの収集 運搬 搬入 3 運転管理業務 1 受付 計量 搬入管理 記録 2 適正処理 適正運転 3 用役管理 4 運転計画 運転管理記録の 作成 報告 5 処理生成物の運搬 資源化 4 維持管理業務 1 保守管理計画 実施 報告 2 修繕工事計画 実施 報告 5 測定管理業務 ( 大気 ごみ質 焼 却灰 飛灰 騒音 振動 悪臭 作業環境等 ) 6 防災管理業務 1 二次災害の防止 防災訓練実施 2 緊急対応マニュアルの作成 3 事故報告書の作成 7 関連業務 1 植栽管理 2 施設警備 防犯 行政視察対応 3 見学者対応一般見学者対応 4 住民対応 事業に関する住民説明等 民間事業者の責によるもの 8 情報管理業務 4) 収入の帰属 運営業務に伴い発生する収入の帰属を以下の表に示す 項目 直接搬入 ( 手数料収入 ) 売電収入 表 5 収入の帰属帰属先組合 直接搬入ごみの処理手数料収入 売電収入は組合に帰属するものとする 事業者 10

(2) 事業期間 1) 建設期間 建設期間は 4 年間とする 2) 運営期間 運営期間は 20 年間とする (3) リスク分担 ( 案 ) 本事業のリスク分担 ( 案 ) については 次のとおりとする 1 公設公営方式の場合は 単年度委託する運転管理業務の内 受託者に起因するリスクについて受託者の負担とする 2 公設民営方式 ( 公設 + 長期包括委託方式 ) の場合は 全期間共通及び運営段階におけるリスクが表 6 のとおりとする 3 公設民営方式 (DBO 方式 ) PFI 方式 (BTO 方式 BOT 方式 BOO 方式 ) の場合は表 6 のとおりとする 11

全期間共通 設計段階 建設段階 運営段階 表 6 リスク分担 ( 案 ) リスクの種類 No リスクの内容組合事業者 募集資料リスク (1) 事業者募集資料の誤り又は変更によるもの 事業者が実施する業務に起因する住民反対運動 訴 (2) 住民対応リスク訟 要望に関するもの等 (3) 上記以外のもの 政治リスク (4) 政策方針の転換による事業内容の変更又は事業中止に関するもの 議会リスク (5) 本事業の実施に関する議会不承認 用地リスク (6) 地中障害物 その他募集資料等から予見できない用地の瑕疵に関するもの 第三者賠償リスク 許認可リスク (7) 事業者が実施する業務に起因して発生する事故等 (8) 上記以外のもの (9) 組合が取得すべき許認可の取得の遅延に関するもの (10) 事業者が取得すべき許認可の取得の遅延に関するもの 応募コスト (11) 応募コストに関するもの 法令変更リスク 不可抗力リスク 測量 調査リスク 設計変更リスク 建設着工遅延リスク (12) 本事業に直接関連する法令 税制の変更等によるもの (13) 上記以外の法令 税制度の新設 変更に関するもの (14) 天災 暴動等不可抗力によるもののうち一定額以内の増加費用 (15) 上記を超えるもの (16) 組合が実施した測量 調査に関するもの (17) 事業者が実施した測量 調査に関するもの (18) 組合の指示 提示条件の不備 変更による設計変更 (19) 事業者の提案内容の不備 判断によるもの (20) 組合の事由による建設工事の着工遅延に関するもの (21) 物価変動リスク (22) 工事費増加リスク 工事遅延リスク 試運転 性能試験リスク 物価変動リスク ごみ量変動リスク 事業者の事由による建設工事の着工遅延に関するもの物価変動 ( インフレ ) に係る費用の増大 ( 一定の範囲を越えた部分 ) (23) 組合の提示条件の不備 変更に関するもの (24) 事業者の事由によるもの (25) 着工後の組合の指示等に関するもの (26) 事業者の事由によるもの (27) (28) (29) (30) 試運転 性能試験 ( 事業者実施 ) に要する廃棄物の供給等に関するもの 試運転 性能試験 ( 事業者実施 ) の結果 契約等で規定した要求性能の不適合によるもの物価変動 ( インフレ デフレ ) に係る費用の増減 ( 一定の範囲内 ) 物価変動 ( インフレ デフレ ) に係る費用の増減 ( 一定の範囲を越えた部分 ) (31) 施設許容量以内のごみの受け入れに関するもの (32) 施設許容量を超過するごみの処理に関するもの (33) 想定ごみ質の範囲内のごみ質変動に関するもの ごみ質変動リスク (34) 想定ごみ質の範囲を超えるごみ質変動に関するもの 契約で規定した要求性能の不適合によるもの ( 設計 要求水準不適合リスク (35) 建設の瑕疵によるものを含む ) 12

8 各事業方式の評価 ( 定性的な評価 ) 表 7 各事業方式の評価 ( 定性的な評価 ) 評価項目評価の視点公設公営方式公設 + 長期包括委託方式 DBO 方式 PFI 方式 1 事業に対する信頼性 2 競争性の確保 3 費用の平準化と財源確保の容易性 定性的な評価による採用の可能性 1) 他自治体でも種々の観点から事業方式を選定していると想定されることから 他自治体での導入事例は 事業方式選定に際して その方式の信頼性の裏付けとなる ( 別紙 1 参照 ) 2) 施設を所有することに伴う運営段階のリスクについて評価 1) ごみ処理施設の建設 運営を行うプラントメーカから得られる事業方式毎の参入意欲や要望について確認し 競争性を確保できるか評価 ( 別紙 2 参照 ) 2) 民間のノウハウ 工夫を発揮することが可能な事業方式かどうかを評価 3) 設計 建設と運営 維持管理の総合連携の合理性を評価 1) 費用の平準化効果と財源確保の容易性について評価 過去 10 年間の導入実績は 148 件中 49 件で全体の 33% であった 公共側に施設所有リスクはあるが 本事業の特性 ( ごみの適正処理 ) を踏まえれば 公共側に所有リスクがあるのは適正である 過去 10 年間の導入実績は 148 件中 12 件で全体の 8% であった 過去 10 年間の導入実績は 148 件中 84 件で全体の 57% であった 過去 10 年間の導入実績は 148 件中 3 件で全体の 2% であった 公共側に施設所有リスクはある 公共側に施設所有リスクはある が 本事業の特性 ( ごみの適正処 が 本事業の特性 ( ごみの適正処 理 ) を踏まえれば 公共側に所有リ 理 ) を踏まえれば 公共側に所有リ スクがあるのは適正である スクがあるのは適正である 従来からの事業方式であるため 競争性の確保は可能と判断 過去 10 年間で導入実績のある事業方式は BTO 方式のみであり 公共側に施設所有リスクはあるが 他方式と同様に適正である 〇 9 社中 5 社から最も望ましい事業 9 社中 5 社から最も望ましい事業 方式と回答があった 方式と回答があった 回答があった 5 社のうち 参加意 回答があった 5 社のうち 参加意 欲は以下のとおりであった 欲は以下のとおりであった ごみ処理施設は性能発注方式であるため 民間のノウハウ 工夫を発揮することが可能である ただし設計 建設のみ 最も望ましい事業方式と回答した会社はなかった 入札参加者を複数確保できない可能性が高いため競争性の確保は困難である 参加に意欲的 :2 社 参加に意欲的 :3 社 条件が整えば参加 :2 社参加の予定はない :1 社 条件が整えば参加 :2 社参加の予定はない :0 社 ごみ処理施設は性能発注方式で ごみ処理施設は性能発注方式で あるため 民間のノウハウ 工夫を あるため 運営 維持管理を含め 発揮することが可能である て民間のノウハウ 工夫を発揮す 設計 建設と運営 維持管理は分離発注であるため総合連携をとるには工夫が必要である ごみ処理施設は性能発注方式であるため 運営 維持管理を含めて民間のノウハウ 工夫を発揮することが可能である ることが可能である 〇 設計 建設と運営 維持管理は分 設計 建設と運営 維持管理は一 離発注であり 長期包括業務を設 括発注であるため 運営 維持管 計 建設業者以外の事業者が実施 理を見据えた設計 建設を行うこと した場合 総合連携を図りにくい ができ 総合連携が図れ合理的 単年度契約であるため設計 建設費 運営 維持管理費ともに平準化は不可能である 交付金事業で実施可能であるため財源確保は容易である 設計 建設と運営 維持管理は一括発注であるため 運営 維持管理を見据えた設計 建設を行うことができ 総合連携が図れ合理的 〇 設計 建設費の平準化は難しい 設計 建設費の平準化は難しい が 運営 維持管理費の平準化は が 運営 維持管理費の平準化は 可能である 可能である 交付金事業で実施可能であるた 交付金事業で実施可能であるた め財源確保は容易である め財源確保は容易である 設計 建設費及び運営 維持管理費の平準化は可能である 交付金事業で実施可能であるため財源確保は容易である 評価 留意すべき点はあるものの 事業の実施に大きな問題となる事項ではないため 採用することに問題はない 留意すべき点はあるものの 事業の実施に大きな問題となる事項ではないため 採用することに問題はない (VFM の検討に進む ) 採用することに問題はない (VFM の検討に進む ) 本事業の実施に際し 競争性が確保できないため 採用は困難である (VFM の検討には進まない ) 13

9 財源負担削減効果の検討各事業方式の定性的な評価において 採用することに問題はないと整理された公設公営方式 公設 + 長期包括委託方式及びDBO 方式について それぞれの事業方式で事業を実施した場合の経済性 (VFM) を検討した なお 経済性 (VFM) の検討に際しては 施設運営の民営化による経済性の改善効果を把握するため 公共が施設建設 運営の全てを負担する事業方式である公設公営方式を基準として比較した (1) 前提条件の整理 VFMの算定にあたって 事業条件 設計 建設費や運営費 収入の考慮 民間収益の設定 SPC 関連費用の設定を行った 各方式の前提条件は 表 8 のとおり設定する 事業期間や事業範囲 組合と事業者のリスク分担は 7 前提条件の検討で整理したとおりとする 事業条件 項目 算定対象とする主な経費等 表 8 VFM 算定の前提条件 PSC PFI 事業の LCC 公設公営方式 公設 + 長期包括委託方式 DBO 方式 1 設計 建設期間 :4 年間 同左 2 運営期間 :20 年間 (1) 設計 建設費 (1) 設計 建設費 (2) 運営 維持管理費 ( 人件 (2) 運営 維持管理費 ( 人件費 需用費 保 費 需用費 保守管理費 そ 守管理費 その他 ) の他 ) (3) 収入 (4) 民間収益 (5)SPC 関連費用 ( 資本金 税金等 ) (6) その他費用 (1) 設計 建設費民間事業者に対する市場調査結果 同左 公設公営方式に比べて 一定のコスト縮減効果が実現するものとして設定 経費内訳 (2) 運営 維持管理費 民間事業者に対する市場調査結果 (3) 収入手数料収入 売電収入は考慮しない 公設公営方式に比べて 一定のコスト縮減効果ならびに人員数の削減が実現するものとして設定 同左 (4) 民間収益 E-IRR:5.00% 以上 (5)SPC 関連費用 資本金 開業費 税金 ( 法人税等 ) SP C 経費 (6) その他費用事業支援業務委託料事業支援業務委託料 保険料 前そ提の条他件の (1) 資金調達 循環型社会形成推進交付金 同左 地方債 一般財源 (2) リスク調整 PFI 事業の保険料と同額を見 込む (3) 現在価値への割引率 1.191% 同左 14

(2)VFMの算定結果表 8 に示すVFM 算定の前提条件のもとに 公設 + 長期包括委託方式及びDBO 方式におけるVFMの算定を行った 割引率を用いて現在価値換算する前と後の組合財源負担額と削減額及び現在価値換算後のVFMの結果を表 9 に示す 現在価値換算後のVFMは 公設 + 長期包括委託式のVFMは 1.37% DBO 方式のVFM は 4.90% であった 他事例の特定事業選定時のVFM 平均値は 7.4% であったことから 本検討で設定した削減期待値が過剰な期待により設定を行っているわけではないことが分かる 表 9 VFM 算定結果組合財源負担額 ( 千円 ) 削減額 ( 千円 ) VFM 実質値現在価値換算実質値現在価値換算 PSC 公設公営方式 24,476,901 21,011,469 - - - 民間のノウハウ PFI- LCC 公設 + 長期包括委託方式 24,132,161 20,723,171 344,740 288,298 1.37% DBO 方式 23,292,102 19,981,930 1,184,799 1,029,539 4.90% 各事業方式の VFM は 各事業方式における 削除額 ( 現在価値換算 ) を公設公営方式におけ る 組合財源負担額 ( 現在価値換算 ) で除すことで求められる 10 総合評価各事業方式の定性的な評価及び財源負担削減効果 (VFM) の結果を表 10 に示す 定性的な評価及び財源負担の削減効果より事業方式の検討を行った結果 本組合にとって次期ごみ処理施設の事業方式はDBO 方式が最も適した方式であると判断する 表 10 事業方式の総合評価 評価項目 評価の視点 (1) 公設公営方式 (2) 公設 + 長期包括委託方式 (3)DBO 方式 (4)PFI 方式 1 事業に対する 信頼性 導入実績 運営段階の施設所有リスク 競争性の確保 2 競争性の確保 工夫の発揮 総合連携 3 費用の平準化と財源確保の容易性 4 財源負担削減効果総合評価 平準化と財源確保 VFM 基準値 (PSC) VFM の検討は行わない 選定 15

11 今後の課題 DBO 方式を採用するにあたり 本事業を進めていくうえでの課題を以下に整理した (1) 応募者の確保本施設の処理方式である 焼却方式 ( ストーカ炉 ) 溶融方式( シャフト炉 流動床 ) を保有する複数のプラントメーカとの対話を引き続き行い 事業者募集時に競争環境を創出することを目指した今後の事業者募集図書作成等を行うことが課題である (2) プラントメーカを事業期間にわたり関与させる仕組み DBO 方式では 施設竣工時に施設整備費用が全額支払われるため プラントメーカが事業に関心を失い そのノウハウが十分に発揮されない懸念がある そのため 運営を行うSPC に対するプラントメーカの出資を義務づけ 事業期間を通じた利害関係者に位置づけることで 事業遂行に対するインセンティブを付与する契約の仕組みを構築することが課題である (3) 建設請負契約と管理運営契約が2 本であることに留意が必要 DBO 方式では PFI 方式とは異なり 建設請負契約と運営業務契約が 2 つに分かれ それぞれプラントメーカとSPCが受託者となる こうした契約のため 施設に不具合が生じ それが施設の瑕疵に起因するものか 又は維持管理の不備によるものかが判然としない場合に 迅速な復旧がなされない懸念がある そのため こうした施設の要求水準未達についてプラントメーカとSPCの連帯責任とする契約の仕組みを構築することが課題である (4) 適切な事業モニタリングの実施 DBO 方式では 公設公営方式 と比較して組合が本施設に関する情報 廃棄物処理に関する知見等を蓄積することが難しいため 運営中のモニタリングは 適切に事業が行われているかを監視するだけでなく 組合が本施設に関する情報 廃棄物処理に関する知見を蓄積する意味も持つ したがって 組合は設計 施工中の監理のみならず 運営中の監理 ( モニタリング ) も実施することが課題である 16

12 今後のスケジュール 今後のスケジュール ( 案 ) を表 11 に示す 事業者選定アドバイザリー業務 業務内容 1 事業スキーム 事業者募集 選定方法等の検討 2 実施方針及び要求水準書 ( 案 ) の作成及び公表に係る支援 3 特定事業の選定及び公表に係る支援 4 事業者募集書類の作成 (1) 入札説明書の作成 (2) 要求水準書の作成 (3) 落札者選定基準の作成 (4) 様式集の作成 (5) 応募書類の提出要領書の作成 (6) 事業契約書 ( 案 ) の作成 5 事業者募集 評価 選定及び公表に係る支援 (1) 事業者募集書類に対する事業者からの質問回答書作成 (2) 応募事業者の資格審査 表 11 今後のスケジュール ( 案 ) 平成 30 年度平成 31 年度平成 32 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 年度 実施方針公表 特定事業の選定 入札公告 委員会 第 1 回 (12/ 中 ) 第 2 回 (2/ 中 ) 第 3 回 (3/ 下 ) 第 4 回 (7/ 中 ) 第 5 回 (11/ 中 第 6 回 (12/ 中 ) 第 7 回 (12/ 中 事業提案書受付 平成 33 年度 主な議題 委員長 副委員長の互選 事業者選定委員会の進め方 実施方針 要求水準書 ( 案 ) 入札公告資料 ( 主に落札者決定基準 ) 平成 34 年度 平成 35 年度 入札公告資料について ( 主に入札説明書 要求水準書 落札者決定基準書 ) 入札公告以降の詳細スケジュール 質問回答結果 入札参加資格審査結果 概要説明会の実施 基礎審査内容の確認 事業提案書の確認 審査の進め方の確認 事業者ヒアリングの実施 総合評価審査の実施 (3) 応募事業者提案書の把握 整理 (4) 応募事業者のヒアリング (5) 審査結果の公表 6 事業契約締結に係る支援 7 事業者選定委員会の運営支援 落札者決定 事業契約締結 環境影響評価 関連業務 都市計画決定協議書作成 既存施設解体工事 設計 建設工事 17