新規 1 大規模水害の防止 提案要求先都所管局 内閣府 国土交通省総務局 建設局 人口や産業が集積した首都圏では 荒川及び利根川等の国が管轄する大河川で大規模水害が発生した場合 被害が甚大となるため これを最小限に食い止めることが重要である そのため 堤防の安全性点検及び必要な施設整備を推進するとともに 地方公共団体が実施する水害に安全な避難所や備蓄倉庫の確保などの予防対策への支援を実施すること 参 考 国は 一昨年 8 月のハリケーン カトリーナによる高潮災害をはじめ 近年 世界的に大規模水害が多発し 我が国でも 豪雨の発生頻度が近年増加傾向にあることを踏まえ 大規模水害が発生しても被害を最小限に食い止めるための対策を行うことは 緊急の国家的課題として 大規模水害対策に関する専門調査会 を平成 18 年 8 月に設置 ( 上記専門調査会には 東京都危機管理監が委員として出席している なお 中央防災会議において 水害を対象とした専門調査会を開催するのは今回がはじめて ) - 55 -
2 総合的な危機管理体制の充実 提案要求先内閣府 内閣官房 総務省都所管局総務局 わが国では 地震 火山噴火 風水害等の自然災害だけでなく 爆発物やNBC 利用によるテロも懸念される状況にある 首都圏で 大地震や広域テロなどが発生した場合 被害規模は 一つの自治体で対応できる範囲を上回ると予想される そのため 首都圏 3,400 万人 ひいては国民の生命と財産を守るには このような緊急事態に迅速かつ一貫して対処する危機管理への対応が急がれている 国における総合的な危機管理体制を一層強化 充実するために 早急に下記の方策をとること 1 大規模災害発生時に関係機関の施策を総合調整し 被災自治体が必要とする支援を迅速に行えるよう 政府現地対策本部などの機能を強化するとともに 予防対策 応急復旧に必要な財政支援を充実すること 2 都県を越える首都圏での同時多発テロに際し 国 都県 特別区 政令市等が連携して 迅速かつ的確に対処できるよう 国においても首都圏全体の総合的な教育訓練に取り組むこと - 56 -
3 減災対策の推進 提案要求先都所管局 内閣府 総務省 経済産業省 国土交通省総務局 都市整備局 国は 平成 17 年 2 月に首都直下地震の被害想定を 平成 18 年 4 月には 減災目標として今後 10 年以内に死者の半減及び経済被害額の4 割減を掲げる防災戦略を公表した 都は 平成 18 年 5 月に首都圏の自治体で初めて首都直下地震の被害想定を策定し これを踏まえ平成 19 年 5 月には 10 年以内に達成する減災目標として 死者の半減 避難者の減 外出者の4 日以内の帰宅を設定するなど 地域防災計画を見直した 今後都が 首都直下地震について必要な対策を着実に進めるため 次のような措置を講じること 1 災害時に人員 物資の広域輸送拠点としての機能を確保できるよう 羽田空港の滑走路等の液状化対策を引き続き推進し 早期に完了させること ( 国土交通省 ) 2 首都中枢機能の維持及び首都圏における経済活動の継続のため 電線の地中化とガス 通信などの埋設管の耐震化を促進すること また 国有地等を活用した緊急時の資機材置場の確保により 電気 ガス 通信などのライフライン施設の復旧体制の強化を図ること ( 内閣府 総務省 経済産業省 ) 3 緊急交通道路に指定されている国道の未耐震橋梁の耐震補強を促進すること ( 国土交通省 ) 4 震災時におけるエレベーター対策として P 波感知型地震時管制運転装置等の設置義務付け等により閉じ込めの発生抑制を進めるほか 早期救出の体制を確立するとともに エレベーターの復旧を円滑に行うための体制を構築すること ( 国土交通省 ) - 57 -
参考 ( ) ( ). - 58 -
別 紙 図 1 液状化の発生可能性の高い地域 羽田空港 図 2 震度分布 ( 東京湾北部地震 M7.3) 震度 4 震度 5 弱 震度 5 強 震度 6 弱 震度 6 強 羽田空港 出所 : 首都直下地震による東京の被害想定報告書 ( 平成 18 年 5 月東京都 ) - 59 -
震度 6 強以上エリアと被害可能性橋梁 震度 6 強以上エリアにある緊急交通路上の橋梁のうち 昭和 55 年以前に架設され 耐震補強が行われていない被害可能性のある橋梁を 地図上にプロットする 高速道路は全て耐震補強工事が完了しているために原則として大被害を受けないことから 本検討における対象道路から除外している 多摩直下地震は M6.9 M7.3いずれも 被害可能性橋梁はなし 東京湾北部地震 M6.9 路線 名称 所在市区町村 適用示方書 耐震対策 0014 中川新橋 江戸川区 S47 未実施 0014 境川橋 江戸川区 S14 未実施 0014 松代橋 江東区 S39 未実施 - 60 -
東京湾北部地震 M7.3 路線 名称 所在市区町村 適用示方書 耐震対策 0001 日本橋 中央区 不明 未実施 0014 中川新橋 江戸川区 S47 未実施 0014 境川橋 江戸川区 S14 未実施 0014 松代橋 江東区 S39 未実施 0017 志村橋 板橋区 T15 未実施 0017 万世橋 千代田区 T15 未実施 出所 : 首都直下地震による東京の被害想定報告書 ( 平成 18 年 5 月東京都 ) - 61 -
4 災害時の広域連携に向けた防災情報通信網の整備 提案要求先都所管局 内閣府総務局 中央防災会議 首都直下地震対策専門調査会 が平成 17 年 2 月に公表した首都直下地震に関する被害想定では 首都圏全域に被害が及ぶとしている 国の中枢機能が集積している首都圏における地震 台風 テロなどによる大規模災害の対策は 一自治体のみでは対応が困難であり 近隣県市の応援を得て効果的な対策を図っていく必要がある そのためには 首都圏の災害情報を直接把握できる情報通信機能の確保が重要であり 既に整備が進んでいる国と四都県 ( 東京都 埼玉県 千葉県 神奈川県 ) 間に加え 四政令市 ( 横浜市 川崎市 千葉市 さいたま市 ) との間においても防災情報通信網を国において整備すること 参 考 東京湾臨海部基幹的広域防災拠点整備基本計画について阪神淡路大震災の教訓を踏まえ 東京圏において大規模かつ広域的な災害が発生した際に 災害対策活動の核となる基幹的広域防災拠点を東京湾臨海部に整備することが都市再生本部で平成 13 年 6 月 14 日に決定された これを受け 内閣府をはじめとする関係省庁及び八都県市による 首都圏広域防災拠点整備協議会 が設置され 整備の基本方針及び整備箇所 機能などを定めた 東京湾臨海部基幹的広域防災拠点整備基本計画 が平成 16 年 1 月 8 日に決定されている このなかで整備箇所として 東京都心臨海部の有明の丘地区が選定され 災害時に国 地方公共団体等の合同現地対策本部になる本部棟やヘリポートなどを速やかに整備するとされている また 東京都災害対策本部など地域の防災活動拠点との通信手段を確保して 円滑かつ効率的に応急復旧活動を展開するとしている - 62 -
5 災害時航空機活動の統制等 提案要求先都所管局 内閣府 国土交通省総務局 1 災害時には 各防災機関の多様な航空機活動を円滑かつ安全に実施し 迅速な救出救助活動を確保する必要がある このため 国が設置している災害時における航空機の運航に関する検討会において 関係者の合意を得た上で 被災地上空 ( 低空域 ) の航空機活動の統制業務を制度化すること 2 災害時の被害状況把握や救助 救急活動 緊急輸送活動等の迅速化に資するため 上空から収集可能な市街地情報である公共建築物等の ヘリサイン を全国的に統一規格化するとともに その整備にあたっては国が主導的役割を担い 支援を行うこと 参 考 1 発災時には 空港を閉鎖し速やかに被災地上の航空管制を実施するとともに ヘリコプターの離着陸など 警察 消防 自衛隊など防災機関の多様な航空機活動を統制する必要がある 阪神 淡路大震災では 航空機の錯そうに対して発災 2 日目から自衛隊が事実上の管制を行ったが 法的根拠がないため ニアミスなどもあった 2 平成 14 年 4 月 25 日の七都県市首脳会議防災対策委員会において七都県市が所管する公立学校 災害時に医療活動の拠点となる公立病院等の公立施設の中から 表示スペースの有無及び災害対策上の有効性等を考慮し選定した公共建築物の屋上等にヘリサインを表示することにより 災害時にヘリコプターからの識別を容易にし 被害状況の把握や救助 救出活動 緊急輸送活動等の迅速化に資することを 申し合わせた - 63 -