新入社員研修で 制御開発の人材を育てるとは どういうことか ヤマハ発動機 迫田茂穂様 MathWorks Japan 照井雄佳 2016 The MathWorks, Inc.1
自己紹介 MathWorks 照井雄佳 ヤマハ発動機迫田茂穂様 トレーニングエンジニア 5 年間 ヤマハ発動機の新入社員教育を担当 研究職 ( システム領域 ) MathWorks と社内向け制御教育の構築 2
本日 伝えたいこと どんなことをやっているのか 新人研修ができるまでの紆余曲折 連携 が鍵! 3
本日 伝えたいこと どんなことをやっているのか 新人研修ができるまでの紆余曲折 連携 が鍵! 4
ヤマハ発動機 1 システム要求分析 新入社員研修の目的 14 キャリブレーション 制御システム開発の 2 システム設計 3 制御システム要求分析 V 字プロセス を学ぶ 13 システム適格性確認テスト 4 制御システム設計 12 システム結合 5 ソフトウェア要求分析 11 ソフトウェア適格性確認テスト 6 ソフトウェア設計 10 ソフトウェア結合 7 ソフトウェア詳細設計 9 単体テスト 8 ソフトウェアコード作成とテスト 5
新入社員への課題 : この 2 台で みんなを 感動 させて! (2014 年以前 ) レースによる感動 (10 日間 ) (2014 年以降 ) 演技による感動 (5 日間 ) 改造可能 6
開始点 (1 日目 ) 7
カリキュラム (2016 年 ) 1 日目 2 日目 V 字プロセス学習 V 字プロセス演習 Simulink 学習 企画会議 3 日目 4 日目 企画実現のための制御開発 (V 字プロセスの実践 ) 5 日目大会まとめ 8
5 日目の作品 9
本日 伝えたいこと どんなことをやっているのか 新人研修ができるまでの紆余曲折 連携 が鍵! 10
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新入社員教育の歴史年表 黎明期安定期変革期 MathWorks 日本に開設 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 トライアル教育 新入社員研修タイムアタック 新入社員研修演技で感動 黎明期 安定期 変革期 教育の企画から 1 回目の実施まで - お互いに 理解の不一致 不満だらけ 2 回目以降の 実施に慣れてきた頃 - お互いに 妥協 おおよそ満足 要求が変わってしまった頃 - お互いに 意見 提案 期待以上 12
やりたいことの洗い出し (2010 年 ) 大目標は プロセスの学習 だが (1)MATLABの基礎 (2)Excelの操作 (3) スペクトル解析 (4) フィルタリング (5) グラフ化 (6) スクリプト (7)Simulinkの基礎 (8) データタイプの理解 (9)PID 制御 (10)JMAAB 準拠 (11) 繰り返しシミュレーション (12)LEGO NXT 基礎 (13) プラントモデルの簡単な理解 (14) コントローラーモデルの理解 (15) 実機検証 (16) 仕様書の書き方 (17) 機能評価報告書の書き方 (18) 検証仕様の妥当性確認 (19) 制御仕様から実装 検証 (20) カバレッジや信頼性 (21) パラメーターチューニング (22) タイムアタック! (23) モデル評価 etc 13
そんなにノウハウはない MathWorks ができて半年で メンバーも 3 人しかいないし 仕様書の書き方とか知らないし LEGO も 2 台しかないし 使ったこともないし イメージです 14
やらせてください ( 自信ないけど ) イメージです 15
既にあるコンテンツで トライアル教育を実施 教材のタイトル : MBD 入門コース試しに 制御エンジニア向けに3 日間実施 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 16
いざ実施してみると ダメ出しの嵐 次年に向けた壮絶な議論の始まり 17
改善のため ヤマハ発動機の技術者と 40 回以上の打ち合わせ 18
黎明期のポイント 特に 要求の作り込みが大変 互いに 理解の不一致が多い まずは相互理解から 黎明期安定期変革期 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 19
現場に即した 10 日間コースが完成! 30 項目の要望のうち 25 項目を網羅 新規で作成 既存の流用 メカトロ入門 (150 ページ ) 仕様書や報告書 (30 ページ ) MATLAB 基礎 (300 ページ ) Simulink 基礎 (200 ページ ) 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 20
2011-2013 年のアンケート結果 よい結果を受けて MathWorks からいろいろな提案ができるようになる 黎明期安定期変革期 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 21
提案の例 : サプライヤー体験 別のチームの制御仕様書を元に 同じものを作って納品してください 優勝チーム 1 周を 4 秒で走る レース後に仕様書を渡す 別チームが仕様書を元に作成 22
しかし 黎明期に想定していた 制御を学んでいた受講者の割合が減少 95% 64% 50% 42% 37% 33% 2011 2012 2013 2014 2015 2016 23
制御屋は目的に忠実だが 機械屋は変わったことを始めだす 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 24
安定期に考えたこと 制御が専門じゃない人に対して どう教えたらいいのか悩む アンケート結果はいいんだけれども タイムアタックの限界? 黎明期 安定期 変革期 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 25
満足度の高い安定期ではあったが もうひと工夫したいところに事件が起こる 黎明期安定期変革期 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 26
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んー 5 日かー イメージです 28
なんとかします イメージです 29
原点に帰って プロセスにフォーカス 5% 5% 目的はプロセスの学習! ツール 理論は最小限に 33% 2014 年 ~ 33% プロセス理論ツール 33% 90% 30
多くの変更で完成しました 過程は省略 MATLAB (300ページ) Simulink (200ページ) メカトロ (150ページ) 仕様書や報告書 メカトロ入門 (200 ページ ) モデルに記述 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 31
MathWorks からの提案 (1): 速さ ではなく 演技 をテーマにしよう 引用 :http://global.yamaha-motor.com/jp/profile/philosophy/ 32
MathWorks からの提案 (2): 最新のプロセス を学ばせて効率化しよう 制御仕様も機能評価報告も 全てモデルへ! 業界標準に沿ったモデル 33
最新のプロセス詳細 1 ツールを教えるのは たったの 3 時間 覚えるブロックは 9 個! 34
最新のプロセス詳細 2 複雑な処理は ライブラリ から使用 35
最新のプロセス詳細 3 テンプレート で作業の効率化 テスト信号 結果の観測 差分検証 36
最新のプロセス詳細 4 モデルを 仕様書 報告書 テキスト として扱う 仕様書 シナリオ 黄色の部分に使い方 テスト報告書 37
最新のプロセス詳細 5 プロセスをきちんと遂行しているか 採点 も自動化 38
これらの策が功を奏して 最終日に発表する 理想的な制御開発とは何か 発表の例 : の質が変わったことを実感 - 制御システム開発で シミュレーションの価値は大きい - V 字はむしろ時間がかかる - V 字だと手戻りの影響が大きいので 型のプロセスを考えました 39
そして 新入社員はどう変わりましたか ~ 1 年目社員座談会より ~ 以下を参照してください http://global.yamaha-motor.com/jp/recruit/student/first/0002.html 40
2014-2016 年のアンケート結果 黎明期安定期変革期 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 41
変革期の結論 様々なことが 最初の想定と異なってくる 原点はブレないように改善! MathWorks と協力! 黎明期 安定期 変革期 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 42
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もちろんです! テキストは EV3 に変更しますね内容も調整しましょう RTOS の連携環境を作りますか ev3rt と連携させますね英語版も作りましょうか 45
とにかく MathWorks との連携が鍵! 黎明期はどちらも大変 継続的な実施により どんどん意思疎通が楽になる なんだかんだで 常に改良 メンテナンスは必要 46
紆余曲折を経て MathWorks は強くなりました ヤマハ発動機との新入社員研修の開発 連携を通じて 大きく成長しました 教材作成や教育の実施だけでなく提案力 メンテナンス対応も 我々の大きな存在意義です 47
MathWorks の トレーニンググループが お手伝いします 48