幅員構成に関する規定 2 幅員構成 幅員については 車道 歩道等 をはじめとして その他に 軌道 緑化 に関する規定があり これらの組み合わせにより道路の断面構成が決定される 車道については 計画交通量 道路の区分から決定される 車線数 車線幅員 中央帯 路肩 の規定のほか 必要に応じて設置できる

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山地部 6,000 第 4 級 平地部 8,000 山地部 6,000 第 1 級 12,000 第 4 種 第 2 級 10,000 第 3 級 9,000 交差点の多い第 4 種の道路については, この表の設計基準交通量に 0.8を乗じた値を設計基準交通量とする 3 前項に規定する道路以外の道路

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昨年9月、IOC総会において、東京が2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市に決定し、日本中が歓喜の渦に包まれた

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幅員構成に関する規定 2 幅員構成 幅員については 車道 歩道等 をはじめとして その他に 軌道 緑化 に関する規定があり これらの組み合わせにより道路の断面構成が決定される 車道については 計画交通量 道路の区分から決定される 車線数 車線幅員 中央帯 路肩 の規定のほか 必要に応じて設置できる 付加追越車線 登坂車線 副道 の規定を定めている 歩道等については 歩行者 自転車等の安全確保の観点から 車道とは別の体系で規定を定めている 車道に関する規定 車線数車線幅員中央帯路肩 第 5 条第 2 項 第 3 項第 5 条第 4 項第 6 条第 4 項 第 6 項第 8 条 付加追越車線 第 21 条 登坂車線 第 7 条 副道 第 6 条第 9 項 歩道等に関する規定 軌道に関する規定軌道敷 自転車道 第 10 条 自転車歩行者道 第 10 条の 2 第 11 条 歩道 路上施設等を設ける場合の幅員 歩行者の滞留の用に供する幅員 第 10 条の 2 第 11 条第 11 条の 2 第 9 条の 2 緑化に関する規定植樹帯 第 11 条の 4 10

2-1-1 車道および車線 専ら車両の通行の用に供することを目的とした空間を車道として規定している 道路構造令では 車道は車線により構成されるという考え方を採っており 道路の種類 交通量 設計速度などから車道の幅員を決定することとしている [ 車道 ] < 道路構造令第 2 条第 4 号 第 5 号 > 専ら車両の通行の用に供することを目的とする道路の部分 ( 自転車道を除く ) をいう [ 車線 ] 一縦列の自動車を安全かつ円滑に通行させるために設けられる帯状の車道の部分 ( 副道を除く ) をいう 11

2-1-1 車線数 車線数は 当該路線の幅員構成を決定するために必要な条件であり 計画交通量と 1 車線あたりの基準となる交通量により決定される 道路の種類 存在する地域 地形等の状況により 自動車が実際に走行できる速度が異なることから 1 車線あたり対応できる交通量は異なる こうしたことから 自動車の交通の安全かつ円滑に通行できる 1 車線あたりの目安となる交通量を設計基準交通量として規定し 計画交通量を設計基準交通量で除することにより車線数を決定することとしている < 道路構造令第 5 条第 2 項 第 3 項 > 車線数は 当該道路の区分及び地形の状況に応じ 設計基準交通量と計画交通量 ( 日単位 ) との割合で定めるものとする ( 例 ) < 車線数が 2 の場合 > 3種) 第区分 地形 設計基準交通量 ( 単位 1 日につき台 第 2 級 平地部 9,000 平地部 8,000 第 3 級山地部 6,000 第 4 級 平地部 8,000 山地部 6,000 < 車線数が 4 以上の場合 > 3種第区分 地形 1 車線あたりの設計基準交通量 ( 単位 1 日につき台 ) 第 1 級 平地部 11,000 第 2 級 平地部 9,000 山地部 7,000 第 3 級 平地部 8,000 山地部 6,000 第 4 級山地部 5,000 12

2-1-2 車線幅員 車線幅員は 自動車交通の安全性 円滑性に大きな影響を与える 車線幅員については すれ違いや追越などの実験結果を踏まえ 設計車両の幅に必要な余裕幅を加えて規定している 一般に 大型車の混入率は 道路の種級に応じて異なると考えられることから 種級ごとの車線幅員については 設計速度 交通量 大型車混入率を想定し定めている < 道路構造令第 5 条第 4 項 > 車線の幅員は 道路の区分に応じ 表に掲げる値とする ただし 必要がある場合 やむを得ない場合は ( ) 内の値とすることができる 道路の区分 普通道路の車線幅員 ( 単位 :m) ( ) 内特例値 道路の区分 普通道路の車線幅員 ( 単位 :m) ( ) 内特例値 第 1 種 第 2 種 第 1 級 3.50 (3.75) 第 1 級 3.50 第 2 級 3.50 (3.75) 第 2 級 3.25 (3.50) 第 3 種第 3 級 3.50 第 3 級 3.00 第 4 級 3.25 第 4 級 2.75 第 1 級 3.50 (3.25) 第 1 級 3.25 (3.50) 第 4 種第 2 級 3.25 第 2 級, 第 3 級 3.00 13

2-1-2 車線幅員 車線幅員と設計速度との実験 自動車の設計速度に対応する車道の基本幅員を決定するため 追越し及びすれ違い実験を実施 実験によって得られた追越し及びすれ違い走行に必要な余裕幅より 設計速度と 2 車線の車道の幅員を決定 乗用車速度と車道幅員とバス トラックの速度の関係 ( 金子 ) 実験の方法 ( 追い越しの場合 ) 実験から求めた 2 車線の車道幅員 14

2-1-3 車線の分離等 車線を往復方向別に分離することは 車両が対向車線に逸脱することによる事故の防止に有効である 自動車専用道路等の交通量が多く かつ設計速度が高い道路については 車両の対向車線への逸脱が重大事故につながる可能性が高いため 車線の分離を原則として定めている < 道路構造令第 6 条第 1 項 第 2 項 > 第 1 種, 第 2 種, 第 3 種第 1 級の道路の車線は 往復の方向別に分離するものとする 往復の方向別に分離する車線の数が 3 以下の第 1 種の道路は 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は分離しないことができる 車線の数が 4 以上であるその他の道路で 安全かつ円滑な交通を確保するため必要と判断される場合は分離する 15

2-1-3 中央帯 ( 設置 構成 ) 第 6 条第 1 項に規定した道路以外においても 交通の安全性 円滑性の観点から必要である等 往復の方向別に構造物等により分離する必要がある等の場合を想定して 中央帯の設置を規定している 中央帯には 運転者の区画線等による視線誘導 車両通行の側方余裕の確保 車線を逸脱した自動車の復帰等のスペースを確保するために側帯の設置を規定している また 車線の往復の方向別の分離を構造的に担保するために さく等の工作物 縁石の設置を規定している 車線を往復の方向別に分離するため必要があるときには 中央帯を設けるものとする 中央帯には 側帯を設けるものとする < 道路構造令第 6 条第 3 項 第 5 項 第 7 項 第 8 項 > 中央帯のうち側帯以外の部分 ( 以下 分離帯 という ) には さくその他これに類する工作物を設け 又は側帯に接続して縁石線を設けるものとする 分離帯に路上施設を設ける場合には 中央帯の幅員は建築限界を勘案して定める < 道路構造令第 2 条第 11 号 > [ 中央帯 ] 車線を往復の方向別に分離し 及び側方余裕を確保するために設けられる帯状の道路の部分をいう 図中央帯幅員と側方余裕幅及び施設帯幅員の関係 16

2-1-3 中央帯 ( 幅員 ) 自動車が逸走して中央帯に入った場合においても 幅員が広いならばコントロールを回復する余地が大きい等 事故の重大化が防止できると考えられることから 設計速度が高く かつ交通量が多い道路である種級の高い道路の中央帯幅員については大きな値を定めている 中央帯及び側帯の幅員は 道路の区分に応じて表に掲げる値とする 100m 以上のトンネル 50m 以上の橋 高架の道路や地形等によりやむを得ない場合は 右欄の値まで縮小することができる 第 1 種第 2 種 種級区分 中央帯の最低幅員中央帯に設ける側帯の幅員規定値特例値規定値特例値 第 1,2 級 4.50 2.00 0.75 0.25 第 3,4 級 3.00 1.50 0.50 0.25 第 1 級 2.25 1.50 0.50 0.25 第 2 級 1.75 1.25 0.50 0.25 第 3 種 1.75 1.00 0.25 第 4 種 1.00 0.25 < 道路構造令第 6 条第 4 項 第 6 項 > 単位 :m 17

2-1-3 中央帯 < 第 1 種 > < 第 2 種 > 4.5m 1.75m < 第 4 種 : 広幅員 > 関越自動車道 ( 埼玉県 ) < 第 4 種 : 狭幅員 > 首都高速道路 4 号線 ( 東京都新宿区 ) 約 7m 1.0m 国道 17 号 ( 埼玉県さいたま市 ) 議事堂通り ( 東京都新宿区 ) 18

2-1-4 路肩 ( 設置要件 構成 ) 道路の主要構造物の保護 故障車等の待避スペース 側方余裕幅等 交通の安全性 円滑性を確保する観点から 路肩の設置について規定を設けている 道路には車道に接続して路肩を設ける < 道路構造令第 8 条第 1 項 第 7 項 > ただし 中央帯又は停車帯を設ける場合においては この限りでない 歩道 自転車道又は自転車歩行者道を設ける道路にあっては 道路の主要構造部を保護し 又は車道の効用を保つために支障がない場合においては 車道に接続する路肩を設けないことができる < 道路構造令第 2 条第 12 号 > [ 路肩 ] 道路の主要構造物を保護し 又は車道の効用を保つために 車道 歩道 自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分をいう 側帯 図路肩の構造 19

2-1-4 路肩 ( 幅員 ) 路肩の幅員については 道路の主要構造物の保護 故障車等の待避スペース 側方余裕幅等 道路の機能に応じて必要な幅員を規定している < 道路構造令第 8 条第 2 項 第 4 項 第 7 項 > 普通道路の車道の左側に設ける路肩の幅員は 表の左欄に掲げる値以上とする ( やむを得ない場合は 右欄の値まで縮小できる ) 普通道路の車道の右側に設ける路肩の幅員は 表に掲げる値以上とする 第 1 種 第 3 種 単位 :m 種級区分 普通道路の左側に設ける路肩の幅員 普通道路の右側に設ける路肩の幅員 第 1,2 級 2.5 1.75 1.25 第 3,4 級 1.75 1.25 0.75 第 2 種 1.25 0.75 第 1 級 1.25 0.75 第 2 級から第 4 級 0.75 0.5 0.5 第 5 級 0.5 第 4 種 0.5 0.5 歩道 自転車道又は自転車歩行者道を設ける道路にあっては 道路の主要構造部を保護し 又は車道の効用を保つために支障がない場合においては 車道に接続する路肩の幅員を縮小することができる 20

2-1-4 路肩 < 全路肩 > 全ての車両の一時停止が可能な幅員 < 半路肩 > 車両の走行に大きな影響を与えない側方余裕が確保され 乗用車の停車が可能な幅員 全路肩 東北自動車道 半路肩 国道 245 号 ( 茨城県日立市 ) < 狭路肩 > 走行上必要な最小限度の側方余裕 狭路肩 国道 16 号 ( 埼玉県川越市 ) 21

2-1-4 路肩 ( 分離片側 1 車線の第 1 種の道路 ) 分離された片側 1 車線の自動車専用道路等では 中央帯の存在により緊急時における対向車線の利用は物理的に制約されるため 故障車が停車した場合には後続車が追い抜き等が可能となるように 他の第 1 種の道路とは別に路肩の幅員についての規定を設けている < 道路構造令第 8 条第 3 項 第 4 項 > 種別 第 1 種 路肩 ( 保護路肩を除く ) の最低幅員 ( 単位 :m) 級別 左側 規定値 特例値 第 2 級第 3 級 2.50 1.75 第 4 級 2.00 規定値 ( 全路肩 ) 13.5 単位 :m 特例値 ( 半路肩 ) 12.0 単位 :m 2.50 3.50 1.50 3.50 2.50 1.75 3.50 1.50 3.50 1.75 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50 0.50 大 大 大 大 大 大 型 型 型 型 型 型 車 車 車 車 車 車 2.50 2.50 0.25mの右側側方余裕を確保 0.5mのすれ違い幅を確保 22

2-1-4 路肩 ( 分離片側 1 車線の第 1 種の道路 ) < 全路肩 > 能越自動車道 ( 石川県穴水町 ) 中央分離帯の構造 : ボックスビーム柵 3.5m 3.5m 2.5m 2.25m 2.5m < 半路肩 > 東九州自動車道 ( 鹿児島県曽於市 ) 中央分離帯の構造 : 剛性防護柵 3.5m 3.5m 1.75m 1.5m 1.75m 23

2-1-4 側帯 自動車の交通の安全性 円滑性を確保するために 車道との境界を区画線等により明示することによる運転者の視線の誘導 車両通行の側方余裕の確保 車線を逸脱した自動車の復帰等のスペースを確保するために 車道と同一の強度を有し車道と接続して一定幅で帯状に設置する側帯の規定を設けている < 道路構造令第 2 条第 13 号 > [ 側帯 ] 車両の運転者の視線を誘導し 及び側方余裕を確保する機能を分担させるために 車道に接続して設けられる帯状の中央帯又は路肩の部分をいう 路肩と側帯の構造の関係 側帯 側帯 図路肩における側帯の構造 図中央帯における側帯の構造 24

2-1-4 側帯 ( 中央帯内 ) 車両の運転者の視線を誘導 車両通行の側方余裕 逸脱時の安全を確保するために 中央帯の部分に車道に接続して側帯を設けることを規定している < 道路構造令第 6 条第 5 項 第 6 項 > 設置要件区分 中央帯には 側帯を設けるものとする 第 1 級 0.75 幅員第 2 級第 1 種第 3 級 道路の区分に応じ 中央帯に設ける側帯の 0.5 第 4 級幅員は表の左欄に掲げる値とする ( 中央帯の幅員を縮小する道路又は箇所は 右欄の値まで縮小できる ) 単位 :m 中央帯に設ける側帯の幅員 0.25 第 2 種 0.5 0.25 第 3 種 0.25 第 4 種 0.25 側帯 側帯 図中央帯における側帯の構造 国道 20 号 ( 山梨県甲府市 ) 25

2-1-4 側帯 ( 路肩内 ) 車両の運転者の視線を誘導 車両通行の側方余裕 逸脱時の安全を確保するために 路肩の部分に車道に接続して側帯を設けることを規定している < 道路構造令第 8 条第 8 項 第 9 項 > 設置要件区分 第 1 種又は第 2 種の道路の車道に接続する第 1 級路肩には 側帯を設けるものとする 第 2 級第 1 種 幅員第 3 級 0.75 0.5 第 4 級 道路の区分に応じ 普通道路の路肩に設け第 1 級第 2 種 0.25 る側帯の幅員は表の左欄に掲げる値とする 第 2 級 単位 :m 路肩に設ける側帯の幅員 0.5 0.25 路肩 側帯 図路肩における側帯の構造 側帯 東北自動車道 ( 出典 ;NEXCO 東日本 ) 26

2-1-5 付加追越車線 片側 1 車線の自動車専用道路等においては 追越ができないことから車線を付加した区間を設け 低速走行車両の追越を可能をすることで 適切な走行速度を確保し 高いサービス速度を提供するため 付加追越車線の規定を設けている < 道路構造令第 6 条第 9 項 > 設置要件 同方向の車線の数が1である第 1 種の道路の当該車線の属する車道には 必要に応じ 付加追越車線を設けるものとする < 道路構造令第 5 条第 4 項 > 幅員 付加追越車線の幅員には 本線の幅員を適用するものとする < 付加追越車線 > 付加追越車線図付加追越車線の構造 磐越自動車道 27

2-1-6 登坂車線 交通量が多く 大型車混入率が高い道路等の登坂部において 車線を付加し低速車を本線から排除することにより 大型車等の速度低下の影響により生じる交通容量の低下等を防止し 本来の道路の交通容量 安全性 快適性を確保するため 登坂車線の規定を設けている < 道路構造令第 21 条 > 設置要件 普通道路の縦断勾配が5パーセント( 高速自動車国道及び高速自動車国道以外の普通道路で設計速度が1 時間につき100キロメートル以上のものにあっては 3パーセント ) を超える車道には 必要に応じ 登坂車線を設けるものとする 幅員 幅員は3メートルとする < 登坂車線 > 登坂車線図登坂車線の構造 出典 : 宮崎県西臼杵支庁 28

2-1-7 副道 盛土 切土等により本線と沿道とに高低差が生じる場合 本線の通行機能を重視し取付道路を集約する場合等のように 物理的に沿道への自由な出入りができなくなる場合や市街地形成 防災等の空間機能を確保するために 本線に並行して車道を設けなければならない場合に対応するため 副道の規定を設けている < 道路構造令第 7 条 > 設置要件 車線の数が4 以上である第 3 種又は第 4 種の道路には 必要に応じ 副道を設ける 幅員 4メートルを標準とする < 副道 > 図副道の構造 市役所さくら通り ( 神奈川県相模原市 ) 29

2-2 歩道等に関する規定 2-2 占有幅の考え方 道路構造令では 各モードの占有幅は規定されていないが 歩道等の幅員の根拠としては 各モードの物理的な必要とされる幅員に一定の余裕幅を加え占有幅と考える方法を採っている 具体には 歩行者 自転車 車いすの占有幅を基礎にして すれ違い等の実際の交通形態を想定して 歩道等の幅員を規定している 歩行者自転車車いす 0.5m 0.6m 0.63m 占有幅 0.75m 占有幅 1.0m 占有幅 1.0m 道路利用者の基本的な寸法 30

2-2 歩道等に関する規定 2-2-1 自転車道 ( 設置要件 ) 自転車道の設置要件については 自動車 自転車 歩行者の交通量の関係から規定を定めている 自動車および自転車の交通量が多い道路では 自動車と自転車の交通が交錯する可能性が高いことから自転車道を設置することとしており 自転車交通が多い場合 もしくは自動車および歩行者の交通量が多い場合には 現場の状況に応じて設置を判断することとしている < 道路構造令第 10 条第 1 項 第 2 項 > < 自転車道 > 次の場合 両側に設ける( やむを得ない場合を除く ) - 自動車及び自転車の交通量が多い道路 - 自転車の交通量が多い道路で 必要がある場合 - 自動車及び歩行者の交通量が多い道路で 必要がある場合 自転車道 かえで通り ( 東京都三鷹市 ) 31

2-2 歩道等に関する規定 2-2-1 自転車道 ( 幅員 ) 自転車道の幅員については 自転車交通の状況に応じて 対向する自転車がすれ違いできる幅員 (2.0m) 以上を確保することとしている < 道路構造令第 10 条第 3 項, 第 4 項, 第 5 項 > 2m 以上とする ( やむを得ない場合は 1.5mまで縮小できる ) 路上施設を設ける場合は 建築限界を勘案して定める 幅員は その道路の自転車の交通の状況を考慮して定める < 自転車道 > < 自転車道幅員の考え方 > ( 単位 :m) 2.0 1.0 1.0 幅員 2m 国道 14 号 ( 東京都江東区 ) 32

2-2 歩道等に関する規定 2-2-2 自転車歩行者道 ( 設置要件 ) 自転車と歩行者の通行に供する自転車歩行者道の設置要件は 自動車の交通量との関係から規定されている 自動車が多い道路では 路肩では 自転車と歩行者の通行の安全を確保することが難しい場合も多いことから自転車歩行者道を設置することとしている < 自転車歩行者道 > < 道路構造令第 10 条の2 第 1 項 > 自動車の交通量が多い道路( 自転車道を設ける場合を除く ) には 両側に設ける 昭和通り ( 東京都中央区 ) 33

2-2 歩道等に関する規定 2-2-2 自転車歩行者道 ( 幅員 ) 自転車歩行者道の幅員については 自転車及び歩行者の交通の状況を考慮して 車いす 2 台と自転車 1 台 もしくは 自転車 1 台と車いす 2 台 がすれ違いできる 3.0m 以上を確保することとしている < 道路構造令第 10 条の 2 第 2 項, 第 3 項, 第 4 項 > 歩行者の交通量が多い道路は4m 以上 その他の道路は3m 以上とする 幅員は その道路の自転車及び歩行者の交通の状況を考慮して定める < 自転車歩行者道幅員の考え方 > 4.0 ( 単位 :m) 1.0 1.0 1.0 1.0 3.0 1.0 1.0 1.0 ( 歩行者の交通量が多い道路 ) ( その他の道路 ) 34

2-2 歩道等に関する規定 2-2-3 歩道 ( 設置要件 ) 都市部においては 一般的に日常的に歩行者の交通は多いため 歩道を設けることとしている 地方部の道路では 歩行者の交通量に応じて設置することとしている 地先の 1 車線道路等については 一般的には自動車の交通量は少ないため 必要に応じて設置することとしている < 道路構造令第 11 条第 1 項 第 2 項 > 次の場合 両側に設ける ( やむを得ない場合を除く ) - 第 4 種の道路 ( 第 4 級を除く ) - 歩行者の交通量が多い第 3 種の道路 ( 第 5 級を除く ) - 自転車道を設ける第 3 種又は第 4 種第 4 級の道路 < 歩道 > 第 3 種又は第 4 種第 4 級の道路には 必要がある場合に設ける ( やむを得ない場合を除く ) 区道 ( 東京都中野区 ) 35

2-2 歩道等に関する規定 2-2-3 歩道 ( 幅員 ) 歩道の幅員については 歩行者の交通の状況を考慮して 車いす 2 台がすれ違いできる 2.0m 以上を確保することとしている < 道路構造令第 11 条第 3 項, 第 4 項, 第 5 項 > 歩行者交通量が多い道路は3.5m 以上 その他の道路は2m 以上とする 幅員は その道路の歩行者の交通の状況を考慮して定める < 歩道幅員の考え方 > 3.5 2.0 ( 単位 :m) 1.0 0.75 0.75 1.0 1.0 1.0 ( 歩行者が多い道路 ) その他の道路 ( 車いすどうしのすれ違いを想定 ) 36

2 2 歩道等に関する規定 2 2 4 路上施設等を設ける場合の幅員 歩道等に横断歩道橋などの路上施設等を設置した場合においても 交通の状況等か ら必要とされる幅員を確保するため 歩道等の拡幅の規定を定めている 道路構造令第10条の2第3項 第11条4項 路上施設等を設ける場合 前項 に規定する幅員の値に以下の値を加えて同項の規 定を適用するものとする 第3種第5級又は第4種第4級の道路で やむを得ない場合 を除く 横断歩道橋等を設ける場合 3メートル ベンチの上屋を設ける場合 2メートル 並木を設ける場合 ベンチを設ける場合 その他の場合 路上施設を設ける場合の歩道の幅員の考え方 1 5メートル 1メートル 0 5メートル 道路構造令第10条の2第2項 第11条3項 路上施設を設ける箇所の歩道の拡幅の例 国道139号 山梨県西桂町 37

2-2 歩道等に関する規定 2-2-5 歩行者の滞留の用に供する部分 歩道等において 横断歩道 乗合自動車停留所 ( バス停留所 ) タクシー乗り場等の付近に 信号待ち バス待ち等のために歩行者が滞留することにより 歩道等の機能が阻害されることを防ぐため 滞留の用に供するスペースの設置についての規定を定めている < 道路構造令第 11 条の 2> 歩道 自転車歩行者道 自転車歩行者専用道路又は歩行者専用道路には 横断歩道 乗合自動車停車所等に係る歩行者の滞留により歩行者又は自転車の安全かつ円滑な通行が妨げられないようにするため必要がある場合においては 主として歩行者の滞留の用に供する部分を設けるものとする < バス停付近の例 > < 交差点の横断歩道付近の例 > 38

2-3 軌道に関する規定 2-3-1 軌道敷 我が国の路面電車車両の最大幅は おおむね 2.5m 以下である 単線の場合 車両と工作物との間隔については 軌道建設規定に定められた 0.23m 以上の値を考慮し 3m 以上と定め 複線の場合 軌道中心間隔については 車両の最大幅に軌道建設規定に定めれられた 0.4m 以上を考慮し 6.0m 以上と定めている < 道路構造令第 9 条の 2> 軌道敷の幅員は 軌道の単線又は複線の別に応じ 表に掲げる値以上とする < 軌道敷 > 単線又は複線の別 軌道敷の幅員 ( 単位 :m) 単線 3 複線 6 富山ライトレール 図軌道敷の構造 39

2-4 緑化に関する規定 2-4-1 植樹帯 主に都市部における良好な公共空間の形成 沿道における良好な生活環境を確保するため 植樹帯の設置等の規定を定めている < 道路構造令第 11 条の4> 設置要件 第 4 種第 1 級 第 2 級の道路には植樹帯を設けるその他の道路には 必要に応じ 植樹帯を設ける 地形の状況等の理由によりやむを得ない場合はこの限りでない 幅員 1.5mを標準とする都市部や景勝地を通過する幹線道路等については 道路の構造 交通の状況 沿道の土地利用の状況などを総合的に勘案して決定する < 都市部における植樹帯の例 > ( 東京都表参道 ) 表参道 ( 東京都渋谷区 ) 出典 : 東京都建設局 40