(1) Very different approaches are now being developed by groups like the Silva Forest Foundation which advocates the principles of ecosystem-based planning and ecologically responsible which は関係代名詞 : 先行詞は the Silva Forest Foundation forest use, including alternatives to conventional timber management. ポイント1 Very different approaches ここでは 前後の文脈が不明ですので 1( これまでと ) 大きく異なる取り組み 2( それぞれがお互いに ) 非常に異なる取り組み この 2 つの解釈が可能です ポイント2 関係代名詞 which の先行詞について 1groups like the Silva Forest Foundation 2the Silva Forest Foundation の 2 つの解釈ができそうですが which の後の動詞が advocates になっていることから この which は 三人称単数であることが分ります 従って the Silva Forest Foundation が先行詞であると判断すること ができます ポイント3 全体の構文解釈について the principles of ecosystem-based planning and ecologically responsible forest use, including alternatives to conventional timber management. and がどれとどれをつないでいて including がどこに含まれるのか 迷った方が多いようです このよ うなケースはよくありますが 絶対的な判断の決め手がない場合はいくつかの判断材料を参考にします 1)the principles と principles が複数であることから そのあとの ecosystem-based planning と ecologically responsible forest use の 2 つにかかっていると考えることが可能です 2) カンマがあるので そこまでをひとまとまりと考え including 以下はそのまとまり全体に 含まれ る と考えられます 3) 背景知識のリサーチ google で 森林 生態系 従来の管理 などのキーワードをスペースをあけて入力し 検索すると 関 係する URL がヒットします その中から信頼できそうなところのものをいくつか読めば 背景知識や用 Page 1
語の使い方がわかります そこでの知識も合わせると ecosystem-based planning and ecologically responsible forest use の 2 つは 森林管理の 計画面 と 実行面 という 2 つの側面を語っている ひとまとまりの考え方であ ることが分かります また このリサーチから alternatives to conventional timber management は ecologically responsible forest use の一環というよりは ( それも間違いとは言い切れないところも残りますが ) そ のひとまとまりの考え方の中の一環であると理解されます このように 文章をしっかりと理解するには 文法の理解 プラス 文脈の理解 プラス 背景知識の 理解 など 複数の要素が必要です ポイント 4 現在進行形の受動態 :are now being developed 展開されつつある develop 辞書で引くと さまざまな意味がありますが たとえば ジーニアス英和大辞典では 1** 人が 能力 産業など を に 発達させる, 発展 [ 発育 ] させる into 2* 人が 資源 新製品など を開発する, 宅地など を造成する, 土地 を に 開発する into 3a 計画 議論など を展開する, 進展させる ; を十分考える ; を詳しく説明する b を に 脚色する, 作りあげる into 4(( 正式 )) 傾向 好みなど を発現させる, 現す, 持ち始める ; 潜在的なもの を引き出す 5 軍事 戦線 を徐々に展開する ; 攻撃 を開始する. などの定義が載っています ここでは 内容から考えると 3a の 計画 議論など を展開する, 進展させるという定義に一番近いとい う判断ができます ただ 日本語の 展開する にも さまざまなニュアンスが含まれます どいう意味での 展開 になるのかが曖昧なときは もう一度原語について (1) 英英辞書で原語の意 味を調べる (2) 類語辞典 (Thesaurus) で どういう動詞と同じグループに所属しているかをみる な どして判断します 例えば COBUILD の Thesaurus では develop と同義語とされる三つのグループがあります 1 =advance, evolve, flourish, grow, mature, progress, prosper, ripen 2 =form, breed, establish, generate, invent, originate 3 =expand, amplify, augment, broaden, elaborate, enlarge, unfold, work out Page 2
これらを参考に 原語の意味から離れすぎない訳語を選びましょう ポイント5 ecosystem-based planning: -based は ~に基礎をおいた という意味の形容詞をつくる連結語 planning という名詞を修飾しています ポイント 6 ecologically responsible forest use: 副詞の用法 ecologically は 生態学的に という副詞 副詞は 他の副詞 形容詞 動詞 文全体を修飾します この部分は ecologically が次の responsible という形容詞を修飾し 形容詞が次の forest use という名詞句を修飾していますので 生態学的に責任をしっかりと果たすような森林の利用 という意味になります 形容詞と副詞それぞれの役割をしっかりと認識しておくことは 英文を正確に理解する上で重要です これからも折に触れて 確認していきましょう 語句の解説 the Silva Forest Foundation 固有名詞を訳すときは かならず日本語で 定訳 とされているものがないかどうか 調べましょう 今回は 定訳 とされているものはありませんし 表記ルールを設定していませんので 各自で判断してください 固有名詞の訳語のリサーチについて Google で原語を入力し 日本語のページを検索 を押すと その語のカタカナ表記が出てくる場合があります 複数の読みが出てきた場合は それぞれを入力してみて 件数の多さや信頼できるサイトで使用しているかどうか などで判断していきます ネット検索で読みが出てこない場合は さらに地道に調べていくことになります たとえば "Silva" だけを検索して 一般的な読み方が決まっているかどうか また "Forest Foundation" の訳として 定訳になっているものはないかどうかなどを調べます 原語を入れてもヒットしない場合でも 近いカタカナ読みを入れていくと 日本語訳に行き当たるときもあります the Silva Forest Foundation の場合 クオーテーションマークの で囲まずに検索すると ( 普通は 2 単語以上をフレーズ検索する場合 クオーテーションマークの で囲みます ) Silva Forest Foundation の訳語として シルヴァ森林基金 という名称が一件だけヒットします Greenpeace という国際的な NPO のサイトですが シルヴァ森林基金 と 日本語で再検索してもこの1 件しか見当たらないので 定訳とはいえないでしょう 限られた時間でどのように検索したら役に立つ情報が得られるか 検索方法もいろいろと調べてみると 良いと思います ウエブにもありますし 書籍や雑誌などもいろいろと出ていますので ぜひ一度調査 してみてください Page 3
いずれにせよ 実際の仕事では どうしても調べがつかなかった場合や確信の持てる答えが得られなか った場合は 必ず 申し送り事項 として依頼主に伝え 相談することが大切です 訳例 現在 各団体が実に様々な取り組みを展開している 例えばシルバ森林基金が提唱するのは 従来型の木材管理に対する代替案など 生態系に基づいた計画作り及び生態学的責任を果たす森林利用という原則である Page 4
あと一歩です! 下線の部分がヒントです 現在 シルヴァ森林基金のような団体によって 全く異なった手段が開発されている シルヴァ森 林基金は 生態系を基本とした計画 生態学的責任を持った森林活用の原則を提言しているが その 中には従来型の樹木管理に代わるものも含まれている コメント :very different は 全く異なった とまでは言っていないと思います 多種多様なアプローチが シルヴァ森林基金などのグループによって現在開発されている シルヴ ァ森林基金は 従来の材木管理の代案など 生態系に基づいた設計の原則や環境に責任のある森林使 用の原則を提唱している コメント : 多種多様な は種類と様式の 多さ に焦点を当てている表現だと思います ここでは お互いに非常に異なる という意味はありますが その種類の 多さ にまでは言及していません 現在 非常に異なる取り組みが シルバ森林基金のような団体によって展開されてきている シル バ森林基金は 生態系を基盤とした計画と生態学的に責任を伴う森林利用という原則を主張しており そこには従来の木材管理に替わる案も含まれている コメント : 時制に注意しましょう こんにち シルヴァ森林基金のようなグループによる これまでとは全く違った取り組みが成され てきている これらのグループは 旧来の森林管理の代替手段を含め 生態系を基にした企画設計 生態学的判断に基づいた森林利用といった原則を擁護している コメント : 全く異なった は上記と同じです また 下線部は先行詞のとらえ方が違っています Page 5