第 3 章. 商品化に向けた観光資源の磨き上げ手法の検討 12

Similar documents
別紙 町田市観光まちづくり リーディングプロジェクト ( 案 ) 町田市

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 DMO による広域観光連携 2 地域再生計画の作成主体の名称 石巻市 東松島市 3 地域再生計画の区域 石巻市及び東松島市の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 圏域の現状 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災から5 年が経過した これまで 復興

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF C815B B838A CC95FB8CFC90AB205B8CDD8AB B83685D>

Ⅰ 観光振興計画制定の背景 1 観光による地域振興 観光立国推進基本法 に基づき策定された 観光立国推進基本計画 の中で 観光立国の実現は地域経済の活性化 雇用機会の増大 国民の健康の増進 潤いのある豊かな生活環境の創造 国際相互理解の増進等の意義を有するものである と位置づけられています また 東

地域再生計画 1 地域再生計画の名称 チャリ旅!~ 栃木県北サイクルツーリズム事業 ~ 2 地域再生計画の作成主体の名称大田原市及び矢板市並びに栃木県那須郡那須町 3 地域再生計画の区域大田原市及び矢板市並びに栃木県那須郡那須町の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 地方創生の実現における構造的な課

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

トヨタの森づくり 地域・社会の基盤である森づくりに取り組む

はじめに スノーリゾート地域の活性化は 国内外の旅行者がともに減少する冬期の観光振興を進める上で極めて重要であり 観光庁では平成 27 年から スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会 を開催し スノーリゾート地域を取り巻く状況の調査 分析等を通じて 本年 4 月に今後の取組の方向性等について最終報


利用することをいう (4) 林業事業者森林において森林施業 ( 伐採, 植栽, 保育その他の森林における施業をいう 第 12 条において同じ ) を行う者をいう (5) 木材産業事業者木材の加工又は流通に関する事業を行う者をいう (6) 建築関係事業者建築物の設計又は施工に関する事業を行う者をいう

北海道MICE戦略(仮称)

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

<4D F736F F D208E9197BF D D88DDE C9F8FD892B28DB882CC8EC08E7B8FF38BB52B2B2E646F63>

観光で稼ぐ! ための手引書 観光消費の拡大と域内経済への波及をめざして ~ データに基づき観光施策を作り上げる 7 つのステップ ~ 北海道経済部観光局 平成 31 年 4 月

数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) ,500 5, 観光客入込数 ( 人 ) 742,000 14,800 14,800 14,800 平成 31 年度 (4

PowerPoint プレゼンテーション

数値目標 H29 年 3 月末 H30 年 3 月末 H31 年 3 月末 観光客入込客数 ( 単位 : 千人 ) 大鰐温泉もやし生産者数 ( 単位 : 人 ) 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要本事業は大鰐温泉もやし増産プロジェ

平成 25 年度農林水産省委託業務報告書 平成 25 年度 水資源循環の見える化 調査 検討事業 報告書 平成 26 年 3 月 みずほ情報総研株式会社

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

<4D F736F F F696E74202D C5817A8E9197BF332D8B9F8B8B91A B8CDD8AB B83685D>

58

数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度 (1 年目 ) 平成 29 年度 (2 年目 ) 平成 30 年度 (3 年目 ) 港湾取扱貨物量 556 万トン 4 万トン 0 万トン 20 万トン 観光入込客数 2,899.4 万人回 -9.5 万人回 1.9 万人回 1.9 万人回 7

CSRコミュニケーションブック

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

<4D F736F F F696E74202D E9197BF33817A959F89AA8CA78ACF8CF590558BBB82C9954B977682C88E7B8DF C4816A F4390B3>

1. 地域側の視点に立った観光振興 ( 地域振興 ) について 長期的な地域づくりを行い 内発的な地域資源の活用を促進 滞在交流は 地域ツーリズム型観光 観光による地域づくり 観光関係者が 観光側からの視点で地域を開発し そこに数多くの人々を送り込み 経済的な波及効果をもたらすこと ( 主は観光関係

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

化することが課題である 4-2 地方創生として目指す将来像錦町では 市場ニーズに応じて農産物を安定的に供給するための生産者の活動を支援することに加え 観光誘客による物産振興を図り 本町の基幹産業である農業を稼げる魅力的な産業に変えることによって 人口減少の抑制及び新たな雇用創出による活力に満ちたまち

関経連_事業報告書CS4.indd

4-3 地域再生計画の目標本事業により 視察ルートの開発 提供や視察案内等を通じて 新しいひとの流れづくり ( 交流人口の拡大 ) と併せ 地域のしごとづくり ( 雇用の創出 ) を実現する なお 本事業の実施にあたっては 本市 石巻市の連携の下 観光施設や交通事業者に加えて 宿泊施設や飲食業等のサ

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

untitled

60

基本方針1 小・中学校で、子どもたちの学力を最大限に伸ばします

立木販売のご案内 ~ 多くの森林が主伐期を迎える中で立木販売を進めています ~ 四国森林管理局

<4D F736F F D20819A90C389AA B838A B838D815B906C8DDE95E58F CC E362E646F63>

玉名市と津曲研究室連携の歴史

月報私学2011年10月号

17日南市277_0324

様式 2 作成年度 平成 28 年度 森林整備加速化 林業再生基金変更事業計画書 区分 : 強い林業 木材産業構築緊急対策 区分 : 林業成長産業化総合対策 福井県

4. 応募期限 平成 31 年 1 月 31 日 ( 木 ) 必着 5. 応募手続き次の (1)~(2) を下記の申込先あてに郵送して下さい (1) 平成 31 年度うきはブランド推進隊応募用紙 1 部 ( 別添様式 ) (2) 住民票 1 部 ( 最新のもの ) うきはブランド推進隊員応募書類 と

「エコツーリズム推進法」近畿ブロック説明会の開催について(ご案内)

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx


数値目標 事業開始前 ( 現時点 ) 平成 28 年度増加分 (1 年目 ) 平成 29 年度増加分 (2 年目 ) 平成 30 年度増加分 (3 年目 ) 観光消費額県内の延べ宿泊者 1,503 億円 195 億円 51 億円 51 億円 348 万人 40 万人 6 万人 6 万人 数 訪日外国

知創の杜 2016 vol.10

マーケティングスキルのベース

_発表資料_1206_1

Microsoft Word - 平成25年度上半期要項

, 2%, 1%, 8%, 0%, 1%, 3%, 4%, 7%, 25%, 14%, 9%, 1%, 12%, 4%, 5%, 0%, 4%

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

企業におけるコミュニケーション能力育成

目的 川越市は 埼玉県の南西部に位置し 新河岸川の舟運や川越街道を通じた江戸との交流により発展してきました 蔵造りの町並みや時の鐘などの歴史的な観光資源に恵まれ 都心からのアクセスも良いことから 毎年多くの観光客が本市を訪れています このような中 本市では 平成 20(2008) 年に 川越市観光振

untitled

< F2D B90B389BB8EC08E7B8C7689E C4816A8E96914F90E096BE E6A746463>

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 5-2(3) に記載 5-2 第 5 章の特別の措置を適用して行う事業まち ひと しごと創生寄附活用事業に関連する寄附を行なった法人に対する特例 ( 内閣府 ): A2007 (1) 事業名 : 勝山市まちなか誘客プロジェクト ( 拠点文化財改修


2. 環境調査の経過報告について 7 月 25 日から開始している環境調査につきまして 夏調査 (8 月 3 日 ~8 月 6 日調査 ) の結果をご報告いたします 報告内容 期間 / 平成 30 年 7 月 25 日 ( 水 )~ 平成 31 年 7 月 10 日 ( 水 ) 内容 / 植物調査及

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

06-2 平成28年度概算要求の説明2

Microsoft Word - 基本方針案ver.3.33

Microsoft Word _MICE_Q&A(最終案)

ため 観光と健康を目的とした施策を推進する三重県明和町と ヘルスツーリズム事業 及び 健康づくり事業 をお互い連携を図り 交流を深めながら事業を進める 数値目標 教育旅行 ヘルスツーリズム キャンプ等受入数あまちゃんマラソンの参加者 スタッフの総数観光交流センター 風の館 利用者数健康プログラム開発

PowerPoint プレゼンテーション

し環境の整備や 大会 合宿等の誘致 グッズや特産品の物販 体験型観光など スポーツを生かしたにぎわいの創出を進めることにより 交流人口の増加を図るとともに 将来的な市への移住 定住の促進を目指す 事業 スポーツを生かした交流によるにぎわい創設事業 KPI 観光交流客数 地域ブランド調査魅力度全国ラン

平成 30 年度上期観光入込客数状況について Ⅰ. 本市の上期観光入込客数の概要について 平成 30 年度上期観光入込客数は 総数 380,100 人で 前年の 399,700 人より 19,600 人 4.9% の 減となった (1) 道内客 道外客の状況 道内客が 98,200 人で 前年の 9

マートシティ2020 年に向けた政策展開のポイント 訪都外国人旅行者の更なる誘致を目指し 東京 2020 大会とその先を見据えた戦略的な観光プロモーションを展開 多様な旅行者が安心かつ快適に観光を楽しめるよう 観光案内機能の充実や多言語対応の強化等 受入環境の整備を推進 ナイトライフ観光の取組や地域

< F2D C83588E9197BF288BC E6A74>

平成 31 年度 (4 年目 ) 平成 32 年度 (5 年目 ) KPI 増加分の 累計 100,000 人 112,000 人 52,200 人 4,500 千人 4,700 千人 1,250 千人 1,928 億円 1,997 億円 601 億円 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体

公益目的支出計画実施報告書 29 年度 (2017/4/1 から 2018/3/31 まで ) の概要 1. 公益目的財産額 10,097,432 円 2. 当該事業年度の公益目的収支差額 ((1)+(2) (3)) 10,213,503 円 (1) 前事業年度末日の公益目的収支差額 7,130,4

姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

2 おもてなしの推進 本県を訪れた旅行者がやすらぎと感動を覚え 再び訪れたくなる魅力ある地域づくりを進めるため 地域への誇りと愛着に基づくおもてなしを県民総参加により推進します 1 満足度 ( アンケート調査で非常に満足と答えた観光客の割合 ) 45% 以上 2 リピーター率 67% 以上 おもてな

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

isai indd

Index 1. 東北の現状 2. 業界や企業のこれまでの取組み 3. 観光振興への課題と対応策 4. 結びに 1

307号表紙5G.ai

風土の味わい しまねの料理 四季折々に実り豊かな島根の地 旬の素材を生かし土地のぬくもりを今に伝える料理 訪れた人たちになつかしさや新鮮さを届け 忘れられない旅の思い出をもたらすひととき 海や山に育まれた味わいの数々がここにある いらっしゃいませ しまね故郷料理店へ

市町村による創業支援 (手引き)

ロゴマーク使用取扱要領 (2)

Microsoft PowerPoint - 04-検討プロセス及び検討体制

1. はじめに本書は 観光で西日本を元気に!! 13 府県ふっこう周遊割 における支援金の支給手続きをまとめたものです 本書 並びに別添資料を確認の上 お間違いのないようお願いいたします なお 本書に掲載のない事項につきましては その都度 事務局までお問い合わせください 目次 1. はじめに 1 2

P.1 平成 28 年度タイ市場調査結果 北海道観光成 市場誘客促進事業 ( タイ市場 ) 概要編 公益社団法 北海道観光振興機構

Ⅱ. 日本遺産 事業の方向性日本遺産事業の設計に先立ち 既に文化財を活用した地域振興を行っている地方自治体の先行事例 10 件について実態調査を行った その際得られた課題を踏まえ 文化財を活用 発信して地域の活性化につなげていくために 以下のような方向性が有効と考えられる (1) 地域に点在する文化


Microsoft Word - 仕様書(北関東三県台湾誘客プロモーション業務 )

情報ビジネス NO10 1. 旅行業界の e ビジネス 旅行業界の e ビジネス 2012 年 12 月 11 日 後保範 目的 : 一般的な e ビジネスを学んできた 一つの業界 ( 旅行 ) を詳しく見てみる 旅行業界の e ビジネスの全体像を示す 業界の中での戦略 連携を体系的に学ぶ 旅行業界

sangi_p2

観光地ホテル・旅館について

項目別目次 森林被害編 1 森林において土砂崩れが発生してお困りの方 1 2 所有林の立木が被災されている方へ 2 3 保安林内の木が倒れてお困りの方へ 3 林道 作業道被害編 4 林道が崩壊等により通行ができない方へ 4 5 所有林の作業道が被災されている方へ 5 施設被害編 6 木材加工流通施設

PowerPoint Presentation

宮城県 ( 以下 県 という ) は, 平成 19 年 3 月に策定した 宮城の将来ビジョン に基づき, 観光を経済波及効果の大きい本県経済の成長のカギと位置づけ, 県民の参加のもと幅広い分野で観光振興施策を実施してきました その間, 平成 20 年に開催した 仙台 宮城デスティネーションキャンペー

「標準的な研修プログラム《

事業の目的 ( 新 ) 長崎空港 24 時間化推進事業費 長崎空港の利用拡大を図るため 時間化を推進 新幹線 総合交通対策課予算額 58,784 千円 これまでフライト時間の制約により実現できなかった国際定期便等の誘致を図るため 空港の運用時間を拡大し 24 時間いつでも運航が可能な空港


teigen2018_03

国立公園公式インスタグラム

令和元年度しょうおう志援協会活性化事業推進交付金 応募要項 応募期間 : 令和元年 5 月 21 日 ~6 月 7 日 主催 : 一般社団法人しょうおう志援協会 - 1 -

Transcription:

第 3 章. 商品化に向けた観光資源の磨き上げ手法の検討 12

1. これまでの取組と課題 < これまでの取組 > 奈良県南部地域の吉野町 川上村は 吉野杉 という国内外から知られる地域ブランドを有し また林業 木材産業における生産から製材加工に至る工程の全てを網羅する産業地域とされる その林業 木材産業における産業観光をニューツーリズムの観点から検証する取り組みを平成 24 年度から自治体 ( 県 町村 ) をはじめ地域の林業 木材産業機関 団体等で開始している また 川上村は大滝ダム建設を契機に 水源地の村づくり を進めてきており 1980 年代半ばから吉野川源流に因んだ資料館や源流部の天然林の整備も行ってきている < 地域の現状と課題 > 現在 地域の抱える現状と課題は 以下の 5 つにまとめられる 1 桜の時期には吉野山への花見客で賑わうが それ以外のシーズンは低迷し 経済効果が薄い 2 地域の基幹産業である林業 木材は 安い木材輸入や偏った環境保全から消費低迷に陥っている 3 地域の人口減少 少子高齢化が進み 林業 木材従事者の高齢化と後継者不足が深刻化 4 森林整備 ( 植林 間伐等 ) の重労働に加え 吉野ブランドの低下や価格下落が森林経営を圧迫 5 台風や豪雨等の災害と風評被害もあり 森づくりでの水源涵養や地域における治水目的のダムの活用と理解が重要である 13

< 今後の展望と目標 > 吉野町 川上村の地域産業である 林業 木材産業 と吉野川源流 ( 水源地 ) ダムに代表される 水資源の大切さ を素材とした旅行商品を造成することで ニューツーリズムを地域に創出し 地域を魅力ある観光地化させる 対象とするニューツーリズムの分野 エコツーリズム グリーンツーリズム 文化観光 産業観光 ヘルスツーリズム 対象地域の現状 地域産業の後継者不足 吉野山の桜時期は賑わう 従来は 歴史 温泉などを中心に PR 人口の減少と高齢化 木 水 吉野杉 ブランド 林業 木材産業の集積 吉野川源流 水源地 ダムや水源に関する施設群 木 と 水 をメインテーマにし 文化 歴史 温泉等を組み合わせたニューツーリズムの創出 平成 25 年度 平成 24 年度奈良県による 林業 木材産業観光導入検討調査 事業 官民協働した魅力ある観光地の再建 強化事業 木と水の文化産業の源流を訪ねるニューツーリズム 観光マーケティング活動 目利きの助言による商品造成 モニターツアー実施と情報発信 効果検証 関係者の組織化 商品づくりを通じた地域プラットフォームの創出 中核人材の発掘 育成 平成 26 年度 ~ 地域でのニューツーリズムの継続化地域の新しい魅力の定着 14

2. 確実な観光資源の磨き上げ手法の検討 (1)JTB と電通による 地域観光マーケティングスクール 吉野町 川上村地域における 観光資源の育て方 を学び 地域の観光リーダーを育成 する ために地域観光マーケティングスクールを実施した 観光 のプロ JTB と 広告 のプロ 電通 が タッグを組んで作成したプログラムにより 観光資源の商品化に必要なマーケティング 観光資源の磨き上げ 地域での中核人材の育成 等について学んだ < 考え方 > 地域における観光マーケティングの必要性 観光地域づくり 旅行商品化に際しては 外部環境 内部環境の分析 SWOT 分析 コンセプトの作成 ターゲットの設定 ポジショニングの明確化 5P( 観光商品 価格 流通 プロモーション 人材の 5 つ ) 戦略を組み立てる 観光マーケティング が必要である 観光庁の観光マーケティングについての資料より 中核人材づくりの重要性 継続的に旅行商品化を実施していくためには 地域側に中核となる人材が育つことも重要 15

(2) 地域観光マーケティングスクール の概要 16

17

18

マーケティングスクールの実施5/22 地域関係者との打合せの様子 (3) 地域観光マーケティングスクール の準備 < 準備 > JTB と電通によるマーケティングスクールの資料作り 2013 年 5 月 22 日 ~7 月 1 日 1 事前ヒアリングシートの提出 2 地域への事前打合せ 34 吉野観光資源カルテ の作成 ( 全 214 ページ ) デスクリサーチ 4 万人旅パネル調査 吉野地域カスタマイズ調査 の 3 つのデータから 客観的に 吉野地域 を評価した観光振興の診断書とでもいうべきカルテを作成 5 カリキュラム作成あわせて 全 175 ページの教科書も作成 6 スクール資料発送 7 開催募集告知 作業締切 5/22 6/5 6/13 6/17 6/26 6/29 7/2-7/4 1 事前ヒアリングシート提出 2 地域への事前打合せ 3 観光資源カルテ調査票作成 4 観光資源カルテ調査票確定 ~ 実査 5 カリキュラム作成 6 スクール資料発送 7 開催募集告知 19

教科書 ( 全 175P) 観光資源カルテ ( 全 214 ページ ) * 教科書 観光資源等の資料は 別添参照 20 吉野観光マーケティングスクール開催の案内

(3) 地域観光マーケティングスクール の開催 < 開催 > 吉野地域観光マーケティングスクール 2013 年 7 月 2 日 ~7 月 4 日 (3 日間 ) 吉野製材工業協同組合の会議室にて 吉野地域観光マーケティングスクール を開催 地元の関係者 20 名 ( 吉野町 10 名 川上村 10 名 ) を集めて 地元に眠る観光素材の発掘による マーケティングスキルの向上 と 着地型観光プランの策定 を目的に 活発な意見交換が行われた 参加者 ( 全 31 名 ); スクール参加者 : 吉野町関係者 10 名 川上村関係者 10 名 吉野町役場 吉野町地域おこし協力隊 吉野ビジターズビューロー 吉野林材振興協議会 吉野中央木材 ( 株 ) 吉野ウッドプロダクト 川上村役場 川上村地域おこし協力隊 川上村観光協会 杉の湯 講師 : 電通 4 名 司会 :JTB 奈良支店則包大輔 目利き : 石村英之 松本奉士 事務局 :J プロデュース逢坂秀通 オブザーバー : 奈良県地域振興部南部東部振興課上田一仁 スクール内容 ; * 資料 2 奈良県吉野ワークブック を参照 (P.148~182) 21

(3) 地域観光マーケティングスクール の開催 < フォローアップ > マーケティングスクールのフォローアップ および商品造成受入についての打合せ 2013 年 7 月 26 日 マーケティングスクールのフォローアップと 今後の商品造成受入に関するヒアリングをかねて JTB 担当者が それぞれの地域 ( 吉野町役場および川上村役場 ) を訪問した 打合せでは マーケティングスクールにて発掘された有望な観光資源を 以下の 3 つのモデルコースにまとめ 役場職員 地域おこし協力隊スタッフを交えて 意見交換を行った ツアーを造成した場合 1 どこが窓口になって対応するのか?2 誰が手配するのか?3 誰が案内するのか? 等 主に 受入体制の構築が 現状ではまだまだ整っていないことが課題であることを 全員が共有した 打合せ用モデルコース 1 1~ 吉野杉森林がもてなす美フレッシュの旅 ~ 橿原神宮前 吉野山 ( 泊 ) < 美フレッシュナイトツアー > ホテル 蔵王堂 座禅と月光浴 ( 自分自身と向き合い 瞑想してください ) 18:00 19:30 終了後 蔵王堂にて夕食 ( マクロビ 酒粕をつかった料理 ) < 日中のオプション > 酒風呂 酒粕エステ体験 利き酒アロマ 木材カフェ 木の雑貨作り < 森林セラピーツアー > 御宿 吉野運動公園または如意輪寺駐車場 森林セラピー 神仙峡 龍門コース 吉野宮滝万葉コース終了後 バスにて案内 22

打合せ用モデルコース 2 2~ 吉野を学ぶ 森の絆 ~ < ひと夏の転校生吉野の学校で学ぶ > 橿原神宮前 吉野小学校各種体験 民泊 学校 匠の村 ( 各種体験 ) 杉の湯 ( 昼食 ) 森の源流館 大滝ダム ( ダムと自然と生きる ) 橿原神宮前 < パパは大きな柱になる ~ 男塾 > 橿原神宮前 吉野 森林体験各種 打合せ用モデルコース 3 3~ 吉野杉と水が育む文化体験 ~ < レトロ駅舎 Bar で大人時間 > 吉野駅舎内で 吉野杉に囲まれながら 木の匂いと澄んだ水が育むお酒を楽しむ 飲み比べセット ( 三種の地酒 + ジビエ 川魚 野菜 豆腐の盛り合わせとつまみ ) 16:00~22:00 テーブル席 5 立ち飲み席 10 23