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一般競争入札について

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スライド 1

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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戦略担当者のための



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定款  変更

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目 次 第 1 条 目 的 1 第 2 条 用 語 の 定 義 1 第 3 条 評 価 方 法 1 第 4 条 土 地 利 用 区 分 2 第 5 条 路 線 価 を 付 す 道 路 2 第 6 条 路 線 価 の 付 け 方 2 第 7 条 路 線 価 指 数 の 算 定 2 第 8 条 画 地

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化 学 分 析 のしかた 量 の 表 しかた 日 置 昭 治 1 はじめに 量 (quantity)とは, 現 象, 物 体 または 物 質 のもつ 属 性 であって,その 属 性 が 数 値 と 標 準 (reference)と して 表 すことのできる 大 きさをもっているもの と VIM 第 3 版 1) で 定 義 されている そこでの 標 準 は, 測 定 単 位, 測 定 手 順, 標 準 物 質 またはそれらの 組 み 合 わせ である それよりも 旧 版 である VIM 第 2 版 の 定 義 が 分 かりやすく, 本 稿 における 量 は, 現 象, 物 体 または 物 質 のもつ 属 性 であって, 定 性 的 に 区 別 でき 定 量 的 に 決 定 できるもの を 念 頭 に 置 いて 考 えておく 量 という 用 語 は 長 さ や 濃 度 というような 一 般 的 な 意 味 で 用 い られることと, ある 棒 の 長 さ や ある 塩 酸 溶 液 の 濃 度 というような 個 別 特 定 の 量 に 対 して 用 いられること がある 本 稿 では SI( 国 際 単 位 系 )の 量 を 扱 い, 原 則 として それらの 量 の 値 の 表 し 方 について 解 説 する SI は 単 位 について 全 世 界 で 共 通 に 使 われる 唯 一 の 一 貫 性 のあるシ ステム(coherent system)である 一 貫 性 のあるシス テムとは, 単 位 間 の 数 値 の 換 算 を 必 要 としない 単 位 系 で あって,10 の 累 乗 と 言 えども 換 算 の 必 要 である SI 接 頭 語 ( 後 述 )を 付 した 単 位 は, 一 貫 性 のあるシステムの 単 位 ではない なお, 本 稿 の 執 筆 は,JIS Z 8203:2000{ 国 際 単 位 系 (SI) 及 びその 使 い 方 },JIS Z 8202 0:2000( 量 及 び 単 位 第 0 部 : 一 般 原 則 ),JIS Z 8202 8:2000( 量 及 び 単 位 第 8 部 : 物 理 化 学 及 び 分 子 物 理 学 ),JIS Z 8301 :2008 ( 規 格 票 の 様 式 及 び 作 成 方 法 ),JIS K 0050:2005( 化 学 分 析 方 法 通 則 )とその 改 正 案 の 各 JIS 規 格 も 考 慮 に 入 れながら, 基 本 的 には SI 文 書 第 8 版 ( 英 語 版 ) 2) の 内 容 に 基 づいて 行 った 2 SI 単 位 と SI 以 外 の 単 位 2 1 基 本 量 と 基 本 単 位 量 というのは 大 きさをもつ 属 性 であって,その 大 きさ を 表 したものが 量 の 値 である 量 の 値 は, 大 きさを 表 す Process of Chemical Analysis How to Express Quantities. 表 1 SI 基 本 量 (base quantity)と 七 つのSI 基 本 単 位 (base unit) 量 の 名 前 量 (の) 記 号 単 位 の 名 前 単 位 (の) 記 号 (quantity name) (quantity (unit name) (unit symbol) ( 括 弧 内 は 英 語 名 ) symbol) ( 括 弧 内 は 英 語 名 ) 長 さ(length) l, h, r, x メートル(metre) m 質 量 (mass) m キログラム (kilogram) kg 時 間 (time, duration) 電 流 (electric current) 熱 力 学 温 度 (thermodynamic temperature) 物 質 量 (amount of substance) 光 度 (luminous intensity) T 秒 (second) s I, i アンペア(ampere) A T ケルビン(kelvin) K n モル(mole) mol I v カンデラ(candela) cd 数 値 とその 単 位 の 積 として 表 される 数 値 と 単 位 の 間 に は 空 白 が 置 かれ,その 空 白 は 両 者 の 積 を 意 味 すると 理 解 される その 単 位 は 当 該 の 量 について 基 準 として 使 われ るある 特 定 の 例 であり,その 数 値 は 単 位 に 対 する 量 の 値 の 比 である 量 の 値 は 単 位 の 選 択 に 依 存 しないが, 量 の 値 の 大 きさを 表 す 数 値 は 単 位 しだいである 量 の 値 とし ては 見 掛 け 上 単 位 のない 量 (すなわち 無 名 数 の 量 )もあ るが,その 場 合 には 単 位 は 1 であるとする 七 つの 基 本 量 とそれらに 対 応 する 基 本 単 位 が 定 められ ている 表 1 の 初 めのカラムは 基 本 量 あるいはその 名 前 を 示 しており, 三 番 目 のカラムは(SI) 基 本 単 位 ある いはその 名 前 を 示 している たとえば 物 質 量 という( 基 本 ) 量 について,モルは 単 位 (の 名 前 )で,mol は 単 位 の 記 号 である 余 談 になるが, 質 量 標 準 の 再 定 義 のための 世 界 的 なプ ロジェクトが 進 んでおり 3) (http://www.aist.go.jp/ aist_j/aistinfo/aist_today/vol08_10/p23.html), 順 調 に 進 むと 遠 からずアボガドロ 定 数 が 不 確 かさのない 固 定 さ れた 数 となり,そこからモルが 定 義 されるようになる と,モルは 質 量 との 定 義 上 のつながりから 解 放 される その 場 合, 12 C の 1molの 質 量 は 厳 密 には 12 g ではなく なり, 不 確 かさを 有 することになる 66 ぶんせき

2 2 組 立 量 と 組 立 単 位 すべての 量 は 基 本 量 を 組 み 合 わせた 組 立 量 として 記 述 することができ, 基 本 単 位 の 積 ( 商 を 含 む)で 定 義 され る 組 立 単 位 を 単 位 として 計 量 される 組 立 量 と 組 立 単 位 の 例 を 表 2 に 示 す 多 くの 組 立 量 のうち22 個 につい て,その 組 立 単 位 の 固 有 の 名 前 と 単 位 記 号 が 認 められて おり( 表 3), 基 本 単 位 の 積 の 代 わりに 用 いることもで きる たとえばエネルギーの 組 立 単 位 の 記 号 m 2 kg s -2 は 一 つの 単 位 記 号 J で 表 すこともできる また,ある 組 立 単 位 を, 組 立 単 位 と 基 本 単 位 や 他 の 組 立 単 位 との 積 で 構 成 することも 可 能 である 温 度 の 単 位 の 基 本 はケルビ ンであり, 組 立 単 位 の 中 では 通 常 K を 用 いる 表 3 の ようにセルシウス 温 度 の 単 位 であるセルシウス 度 ( C) は 固 有 の 名 称 をもつ SI 組 立 単 位 という 扱 いである そ の 大 きさは 熱 力 学 温 度 の 単 位 ケルビン(K)に 等 しい 単 位 記 号 の 積 および 指 数 を 作 る 場 合 は, 通 常 の 代 数 の 乗 除 の 規 則 を 適 用 する 積 は 空 白 あるいは 中 間 ドットを 置 いて 示 す たとえば,Nmや N m とする そのよう にしないと 接 頭 語 によっては 単 位 記 号 と 誤 ることがあ る すなわち,msや m s は 積 を 表 すが,これを ms と すると m は 接 頭 語 ( 後 述 )のミリを 表 すことになる 単 位 記 号 の 商 は 水 平 線, 斜 線 (/)または 負 のべき 指 数 によって 示 される たとえば, m,m/s または ms-1 s である ms -1 の 代 わりに m s -1 でもよい 複 数 の 単 位 記 号 を 組 み 合 わせるときには, 曖 昧 さを 避 けるように 注 意 しなければならない たとえば, 括 弧 や 負 のべき 指 数 を 用 いるべきであるし, 括 弧 を 使 わない 限 りは 一 つ の 表 現 の 中 では 斜 線 は 一 度 しか 使 うことができない 具 体 的 な 例 を 示 すと,mkg/(s 3 A)やmkgs -3 A -1 や mkgs -3 /A はよいが,mkg/s 3 /A や mkg/s 3 A や mkg/s 3 A -1 は 許 されない もう 一 つ 分 子 量 の 例 を 示 す と,g mol -1,g/mol, g mol -1 はいずれも 用 いることが できる (mol g -1 ) -1,(mol/g) -1,mol -1 /g -1 は 禁 止 が 明 示 されていないが,あえて 複 雑 な 表 現 をすることが 無 意 味 であるのは 明 らかである なお, 個 別 の 単 位 記 号 の 並 び 順 には, 負 の 累 乗 を 含 めてルールはなく,mol -1 g や mol -1 g は 可 能 である 2 3 SI 単 位 との 併 用 を 認 められた 非 SI 単 位 及 びそ の 他 の 非 SI 単 位 SI 文 書 では, 非 SI 単 位 を 時 には 使 用 する 自 由 がある し, 今 後 も 長 く 使 用 されると 予 想 される 非 SI 単 位 があ ると 述 べられている SI 単 位 との 併 用 が 認 められてい る 非 SI 単 位 を 表 4 に 示 した このうち, 体 積 の 単 位 リットルの 記 号 は 大 文 字 L と 小 文 字 l のどちらを 用 いて もよい 数 字 の 1 との 混 同 を 避 けるためである ただ し,ISO( 国 際 標 準 化 機 構 )と IEC( 国 際 電 気 標 準 会 議 ) では 小 文 字 l のみの 使 用 が 認 められている なお, 大 文 組 立 量 の 名 前 表 2 組 立 量 と 組 立 単 位 の 例 推 奨 される 量 (の) 記 号 組 立 単 位 の 名 前 組 立 単 位 の 記 号 面 積 A 平 方 メートル m 2 体 積 V 立 方 メートル m 3 速 さ, 速 度 v メートル 毎 秒 m/s 波 数 s 毎 メートル m -1 質 量 密 度 r キログラム 毎 立 方 メートル kg/m 3 濃 度 c モル 毎 立 方 メートル mol/m 3 質 量 濃 度 r, g キログラム 毎 立 方 メートル kg/m 3 屈 折 率 n ( 数 字 の)1 1 表 3 固 有 の 名 前 と 記 号 をもつ 22 個 の SI 組 立 単 位 組 立 量 の 名 前 組 立 単 位 の 名 前 組 立 単 位 の 記 号 平 面 角 ラジアン rad m/m=1 立 体 角 ステラジアン sr m 2 /m 2 =1 周 波 数 ヘルツ Hz s -1 力 ニュートン N mkgs -2 SI 単 位 での 量 の 値 圧 力, 応 力 パスカル Pa N/m 2 =m -1 kg s -2 エネルギー, 仕 事, 熱 量 仕 事 率, 放 射 束 ジュール J Nm=m 2 kg s -2 ワット W J/s=m 2 kg s -3 電 荷, 電 気 量 クーロン C sa 電 位 差 ( 電 圧 )ボルト V W/A=m 2 kg s -3 A -1 静 電 容 量 ファラド F C/V=m -2 kg -1 s 4 A 2 電 気 抵 抗 オーム Q V/A=m 2 kg s -3 A -2 コンダクタン ス ジーメンス S A/V=m -2 kg -1 s 3 A 2 磁 束 ウェーバ Wb V s=m 2 kg s -2 A -1 磁 束 密 度 テスラ T Wb/m 2 =kg s -2 A -1 インダクタン ス セルシウス 温 度 ヘンリー H Wb/A=m 2 kg s -2 A -2 セルシウス 度 C K 光 束 ルーメン lm cd sr =cd 照 度 ルクス lx lm/m 2 =m -2 cd 放 射 性 核 種 の 放 射 能 ベクレル Bq s -1 吸 収 線 量, 比 エネルギー 分 グレイ Gy J/kg=m 2 s -2 与,カーマ 線 量 当 量, 周 辺 線 量 当 量 シーベルト Sv J/kg=m 2 s -2 酵 素 活 性 カタール kat s -1 mol 字 L と 小 文 字 l の 代 わりに 筆 記 体 のエルを 用 いてはいけ ない 表 4 以 外 ではネーパ(Np),ベル(B),デシベ ル(dB)も SI との 併 用 が 認 められている 非 SI 単 位 で ある その 他 にもバール(bar ), 水 銀 柱 ミリメートル ぶんせき 67

表 4 SI 単 位 との 併 用 が 認 められている 非 SI 単 位 量 の 名 前 単 位 の 名 前 単 位 の 記 号 SI 単 位 での 量 の 値 時 間 平 面 角 分 min 1 min=60 s 時 h 1h=60 min=3600 s 日 d 1d=24 h=86 400 s 度 1 =(p/180) rad 分 秒 1 =(1/60) =(p/10 800) rad 1 =(1/60) =(p/648 000) rad 面 積 ヘクタール ha 1 ha=1hm 2 =10 4 m 2 体 積 リットル L 又 は l 1L=1l=1dm 3 質 量 トン t 1t=10 3 kg エネルギー 電 子 ボルト ev 実 験 的 に 得 られる 質 量 ダルトン Da 実 験 的 に 得 られる 統 一 原 子 質 量 単 位 u 1u=1Da 長 さ 天 文 単 位 ua 実 験 的 に 得 られる (mmhg),オングストローム(å) 等 を 含 めて, 特 殊 な 状 況 下 で 使 用 されている 非 SI 単 位 があるが,SI 単 位 が 優 先 して 使 われるべきものである また,SI 単 位 と 混 ぜて 使 うのは 避 けることが 望 ましい 表 4 のはじめの 九 つ 以 外 の 非 SI 単 位 を 使 用 する 場 合 には, 対 応 する SI 単 位 で 定 義 するのが 望 ましい その 他 の 詳 細 は SI 文 書 を 参 照 してほしい さらに, 使 うことが 推 奨 されない 多 くの 非 SI 単 位 が あり, 長 く 使 われ 続 けるとは 考 えられていないものの, 直 ちに 使 われなくなる 状 況 でもないので,そのような 単 位 についての 換 算 係 数 の 表 が 国 際 度 量 衡 局 (BIPM)の website に 公 開 されている(www.bipm.org/en/si/si_ brochure/chapter4/conversion_factors.html) 2 4 接 頭 語 の 使 い 方 SI 単 位 の 大 きさに 比 べて 桁 違 いに 大 きい 量 や 小 さい 量 を 表 すために, 表 5 に 示 した 接 頭 語 が 決 められてい て,SI 単 位 と 組 み 合 わせて 用 いられる SI 基 本 単 位 と 組 立 単 位 のどちらとでも 組 み 合 わせて,10 進 法 による 倍 量 または 分 量 を 表 す 単 位 を 構 成 することができる た とえば10 3 m をキロメートル(kilometre )とkm, 10-6 V をマイクロボルト(microvolt)と nv と 表 すこ とができる また,20V/cm=2000V/m=2kV/m で あり,2.00 10 3 V/m のように 有 効 数 字 を 示 すこともで きる 接 頭 語 を 使 うと 10 n の 表 現 を 使 わない,あるいは その n の 大 きさを 小 さく 押 さえることができる ただ し, 計 算 をするときには 接 頭 語 の 代 わりに 10 の 累 乗 を 用 いたほうが 間 違 いを 避 けることができる mmol/ml や nmol/ml は SI では 明 示 的 に 禁 じてはい ないと 考 えられるが, 特 に 理 由 がなければmol/L や mmol/l のような 接 頭 語 の 少 ない 表 現 を 勧 めたい 表 5 SI 接 頭 語 乗 数 名 前 記 号 乗 数 名 前 記 号 10 1 デカ(deca) da 10-1 デシ(deci) d 10 2 ヘクト(hecto) h 10-2 センチ(centi) c 10 3 キロ(kilo) k 10-3 ミリ(milli) m 10 6 メガ(mega) M 10-6 マイクロ(micro) n 10 9 ギガ(giga) G 10-9 ナノ(nano) n 10 12 テラ(tera) T 10-12 ピコ(pico) p 10 15 ペタ(peta) P 10-15 フェムト(femto) f 10 18 エクサ(exa) E 10-18 アト(atto) a 10 21 ゼタ(zetta) Z 10-21 ゼプト(zepto) z 10 24 ヨタ(yotta) Y 10-24 ヨクト(yocto) y 接 頭 語 は 二 つ 以 上 重 ねては 用 いない たとえば 10-9 m を 意 味 するnm は mnm のようには 表 さないし,pg を 表 すために 10-3 ng はよいが mng は 用 いることがで きない kg は 例 外 で,はじめから 接 頭 語 k が 付 いたも のが 基 本 単 位 に 選 ばれており, 接 頭 語 を 付 ける 場 合 には g に 付 ける たとえば nkg とはせずに mg とする 合 成 された 単 位 記 号 に 正 負 のべき 指 数 を 付 けることが でき,たとえば dm 3 は dm 全 体 の 指 数 を 意 味 し,dm 3 = (10-1 m) 3 =10-3 m 3 であり,10-1 m 3 ではない 密 度 の 単 位 は kg/m 3 が 基 本 であるが,kg/kL(g/L と 同 じ) のほか,g/cm 3 や kg/dm 3 も 許 されるべきである 3 量 の 表 し 方 の 規 則 3 1 単 位 記 号 と 単 位 名 の 規 則 いかなる 量 も 唯 一 の SI 単 位 をもつ(ただし 表 現 方 法 は 複 数 あり 得 る)が, 同 じ SI 単 位 が 複 数 の 量 の 単 位 をと る 場 合 がある たとえばヘルツとベクレルは 単 位 s -1, 熱 容 量 とエントロピーはともに J/K である したがっ て 量 の 単 位 とともに 量 の 名 前 を 示 すことが 重 要 である 単 位 記 号 はローマン 体 ( 立 体 )で 印 刷 される 人 名 に 由 来 する 単 位 では 1 文 字 目 を 大 文 字 とするが,それ 以 外 の 単 位 はすべて 小 文 字 で 印 刷 される 単 位 記 号 は 省 略 形 ではないので, 文 末 でない 限 りは 終 止 符 を 記 号 の 後 ろに 付 けない また, 単 位 記 号 の 複 数 形 を 使 わないし{ 単 位 名 の 複 数 形 ( 英 語 )は 可 }, 単 位 記 号 と 単 位 名 を 混 ぜて 使 わない たとえば,クーロン 毎 キ ログラムや C/kg はよいが,クーロン 毎 kg は 用 いない 単 位 記 号 や 単 位 名 に 省 略 語 を 使 わない たとえば s と 秒 (second)の 代 わりに sec,cm 3 と 立 方 センチメート ルの 代 わりに cc,m/s とメートル 毎 秒 の 代 わりに mps を 用 いることはいずれも 許 されない 単 位 記 号 として 決 められたものを 使 うことは SI では 強 制 である 量 の 値 は 通 常, 数 値 (の 記 号 )と 単 位 記 号 を 用 いて 表 されるが,ふさわしい 理 由 があれば, 単 位 記 号 の 代 わり に 単 位 名 を 使 って 構 わない たとえば 2m/s の 代 わり 68 ぶんせき

に 2 メートル 毎 秒 (2 metres per second) なお, 文 章 中 で 単 位 を 数 値 と 組 み 合 わせないときは, 単 位 は 文 字 ( 単 位 名 )で 記 入 するが(ただし 本 稿 ではその 性 格 上, 単 位 記 号 を 単 独 で 使 っている 場 面 がある), 単 位 記 号 を 括 弧 内 に 入 れて 付 記 してもよい 3 2 量 記 号 の 規 則 量 の 記 号 は 一 般 にイタリック 体 ( 斜 体 )の 一 文 字 であ る ただし, 上 付 き, 下 付 きの 添 え 字 ( 立 体 )や 括 弧 内 記 述 を 用 いて 追 加 情 報 を 与 えてもよい 物 理 量 としての 添 え 字 は 斜 体 とする たとえば,C m, p は 定 圧 モル 熱 容 量 を 示 す 水 素 イオン 活 量 の 逆 数 の 常 用 対 数 は, 量 記 号 ph で 表 すが( 名 前 も ph), 例 外 として 半 角 立 体 で 示 す ph の 単 位 を 示 すときは 1 とする 量 についての 分 野 ごとの 推 奨 される 名 前 と 記 号 は 様 々 な 文 書 に 挙 げられている(ISO 31, IUPAC Green Book 4) 等 ) 量 記 号 は 強 制 ではなく 推 奨 であるが,できるだけ それに 従 うことが 望 ましい ある 特 定 の 状 況 である 量 に 対 して 自 分 で 決 めた 記 号 を 使 いたい 場 合 は 記 号 の 意 味 を 明 確 に 定 義 しなければならない しかし, 量 の 名 前 も 記 号 も 特 定 の 単 位 を 指 定 するものであってはならない 量 記 号 が 単 位 の 特 定 の 選 択 を 示 すべきではないのと 同 様 に, 単 位 記 号 には 量 の 性 質 についての 特 定 の 情 報 を 与 えるような 修 飾 記 号 を 加 えるべきではなく, 必 要 であれ ばそのような 情 報 は 量 記 号 に 加 えるべきである たとえ ば,I max =10 A として,I=10 A max とはしない 鉛 の 質 量 分 率 w(pb)=2.3 10-6 として,2.3 10-6 w/w のよ うな 単 位 1 の 修 飾 はしない a 量 記 号 の 乗 除 には ab, ab, a b, a b, a/b, b, ab-1, ab -1, a b -1, a b -1 を 用 いることができる a/b+c は (a/b)+c の 意 味 であるので,a/(b+c)を 意 味 する 場 合 は 括 弧 が 必 須 である 3 3 量 の 値 の 規 則 量 の 値 は 数 と 単 位 の 積 として 表 される その 数 はその 単 位 で 表 した 量 の 数 値 である 数 値 はいつも 単 位 の 前 に 置 かれ, 間 には 積 のしるしとみなされる 空 白 が 入 る 量 の 数 値 は 単 位 の 選 択 に 依 存 する たとえば, 速 さ v とい う 量 の 値 について,v=50 m/s=180 km/h であり, 量 の 値 v としては 同 一 であるが, 単 位 の 選 択 によって 量 の 数 値 は 50 や 180 のように 変 わる ただし, 平 面 角 の 度, 分, 秒 (,, )だけは 例 外 であって, 数 値 と 単 位 記 号 の 間 に 空 間 を 作 らない たと えば f=12 34 5 のようにする また,JIS Z 8301: 2008 によれば, 量 の 値 に 単 位 名 を 用 いる 場 合 は 数 値 と の 間 隔 を 空 けないとしているが, 英 語 にはない 日 本 語 に おける 特 殊 事 情 である なお,セルシウス 温 度 の C は 通 常 の 取 り 扱 いであり,t=40.9 C のように 間 隔 を 空 ける 量 の 値 を 量 の 数 値 と 単 位 の 積 として 表 したとき,それ らの 数 値 と 単 位 は 通 常 の 代 数 の 規 則 に 従 って 扱 うことが できる T=273 K を T/K=273 と 書 くことができ(こ こでの T は 量 記 号 であるが 量 の 値 を 意 味 していること になる),これを 表 の 見 出 しとして 用 いて, 表 中 には 数 値 だけを 用 いることができる 対 数 については ln(p/mpa)のように 示 すことができる 図 の 軸 上 の 表 示 も 同 じようにすることができる 10 3 K/T の 代 わりに kk/t や 10 3 (T/K) -1 のように 使 ってもよい 図 の 軸 上 に 示 す 量 の 名 前 と 単 位 の 関 係 を 考 えると,temperature/ C のような 表 現 をする 場 合 には,temperature は 量 の 名 前 ではあるが 量 の 値 を 意 味 すると 解 釈 すれば T/K や T/ C と 同 じ 扱 いになっていると 理 解 できる 量 の 値 の 積 には 積 の 記 号 か 括 弧 のどちらかを 用 いる べきである たとえば(53 m/s) 10.2 s, (53 m/s) (10.2 s), (53 m/s)(10.2 s)として, 中 間 ドットは 用 い ない 数 だけを 掛 けるときは 記 号 を 用 いる 斜 線 (/) を 用 いた 量 の 値 の 商 には, 曖 昧 さを 除 くために 括 弧 が 使 われ,たとえば(20 m)/(5s), (a/b)/c, a/(bc)などと する 3 4 その 他 の 規 則 小 数 点 を 表 すにはピリオドまたはコンマを 線 上 に 示 す どちらかと 言 えば, 英 語 圏 ではピリオド, 仏 語 圏 で はコンマを 使 用 する 傾 向 があるが, 日 本 においては 一 般 にピリオドの 使 用 を 基 本 としている 数 の 絶 対 値 が 1 未 満 のときは 小 数 点 の 前 に 必 ず 0 を 置 く 桁 の 多 い 数 に 対 しては, 読 みやすくするために,3 桁 ごとにまとめ て,その 間 に 狭 い 空 白 を 置 いてもよいが, 空 白 の 代 わり にドットやコンマを 入 れてはいけない 小 数 点 の 前 ある いは 後 ろが 4 桁 のときは,1 桁 だけを 孤 立 させないため に 空 白 を 作 らないのが 普 通 である 3 桁 ごとの 区 切 りは 自 由 選 択 であるが, 表 の 場 合 には, 一 つのカラムの 中 で は 統 一 した 形 式 で 示 す 見 積 もられた 量 x に 付 随 する 不 確 かさ( 包 含 係 数 k= 1)は u(x )と 表 される たとえば,ファラデー 定 数 を F=9.648 533 99(24) 10 4 C/mol のように 示 すのが 一 つの 便 利 な 方 法 であり,この 場 合 括 弧 内 の 数 値 は 末 尾 の 桁 に 対 応 する 合 成 標 準 不 確 かさを 意 味 する 包 含 係 数 が 1 でない 場 合 には,そのことを 述 べなければならない なお,IUPAC の 原 子 量 表 に 示 された 原 子 量 は, 個 々の 元 素 に 対 して 起 こるかもしれない 変 動 のタイプに 十 分 注 意 すれば, 括 弧 内 に 入 れた( 最 後 の 桁 に 対 する) 数 字 の ±まで 信 頼 できると 考 えられるとされており,その 不 確 かさとして 示 されている 数 値 は 一 般 的 な 存 在 範 囲 を 意 味 すると 解 釈 され, 矩 く 形 分 布 を 仮 定 して 標 準 不 確 かさを 算 出 することが 多 い SI の 規 則 ではないが,(1001.5± 1.0)mg/kg あるいは 1001.5 mg/kg±1.0 mg/kg(±に 続 く 数 値 は 包 含 係 数 k=2 の 拡 張 不 確 かさを 示 す)のよ ぶんせき 69

うに 表 すこともある 一 つの 表 示 の 中 では 単 位 は 一 つだけ 使 われ,たとえば 1.73 m はよいが 1m73cmは 認 められない 非 SI 単 位 を 用 いた 時 間 の 値 と 平 面 角 を 示 すときは 例 外 である た だし, 平 面 角 に 対 しては,35 24 よりも 度 を 用 いて 35.40 とするほうが, 小 さい 角 度 の 測 定 の 場 合 などを 除 き 一 般 に 好 ましい 質 量 濃 度 ( 質 量 を 混 合 物 の 体 積 で 除 したもの) 又 は 物 質 量 濃 度 ( 物 質 量 を 混 合 物 の 体 積 で 除 したもの)の 記 述 においては, 体 積 の 測 定 条 件 を 明 示 する ただし,20 C での 液 体 の 体 積 又 は 101.325 kpa, 0 Cでの 気 体 の 体 積 の 場 合 については 明 示 しなくてもよいという 規 定 が JIS K 0050 の 改 正 案 に 盛 り 込 まれる 予 定 である 個 人 的 な 意 見 であるが, 誰 もがこのルールを 正 確 に 理 解 して いるとは 限 らないし,ルールは 場 所 と 時 代 によっても 変 動 するので, 極 力 明 示 したほうが 誤 解 を 避 けることがで きるはずである JIS Z 8202 0:2000 に 規 定 されているように, 範 囲 を 示 す 場 合 には 各 々の 数 値 に 単 位 を 付 けるか, 範 囲 全 体 を 括 弧 に 入 れて 表 示 するのが 望 ましい 例 えば, 常 温 15~25 C ではなくて, 常 温 15 C~25 C または 常 温 (15~25) C が 望 ましい 3 5 無 次 元 の 量 の 表 し 方 同 じ 次 元 の 二 つの 量 の 比 で 構 成 される 無 次 元 量 ( 正 確 には 次 元 が 1 である 量 )の 単 位 は 1 である 屈 折 率, 比 誘 電 率 等 のほか 分 率 も 当 てはまる 相 対 不 確 かさも 率 ( 無 次 元 量 )の 一 つである 質 量 分 率, 体 積 分 率 又 は 物 質 量 分 率 (これまでは 慣 習 的 にモル 分 率 と 呼 ぶことが 多 かった)については, 質 量 分 率 0.5 のように, 無 名 数 で 表 す パーセント(%; 百 分 率 )は 単 位 ( 単 位 記 号 )ではないが, 表 現 上 は 単 位 と 同 じように 数 値 の 後 に 1 文 字 分 の 空 白 を 挿 入 して,0.01 を 表 す % を 用 いて 表 してもよいし,JIS K 0050:2005 では 0.001を 表 す ( パーミル ; 千 分 率 )を 用 いて 表 してもよいとしている なお, 数 値 と % の 間 に 空 白 を 挿 入 することについては 異 論 もなくはないが,SI 文 書 第 8 版 で 明 示 されたので 従 わなければならない 無 次 元 量 を 表 すときはパーセントという 名 前 よりも 記 号 % を 用 いるべきである また, 質 量 百 分 率 ( 質 量 パーセン ト), 体 積 百 分 率, 物 質 量 百 分 率 のような 用 語 は 用 いる べきではない( 後 述 の 計 量 法 は 例 外 ) どの 分 率 である かを 明 示 する 必 要 があり,% 又 は の 後 にどの 分 率 に よるかを 表 示 してもよい たとえば, 質 量 分 率 0.01, 質 量 分 率 1 %,1 %( 質 量 分 率 )と 表 す なお, 単 位 記 号 に 注 釈 あるいは 付 加 情 報 を 加 えたような 3.6 %(w/w) という 表 し 方 はよくない また, 表 や 図 で x/%という 表 記 は 避 け,100x と 書 くべきである 余 談 になるが, たとえば Cr 40 %のFeCr 合 金 において, 組 成 40 %に 対 する 標 準 不 確 かさ 0.1 % という 表 現 は 曖 昧 であり, 相 対 値 ならば 相 対 標 準 不 確 かさ 0.1 %と 記 す JISZ8202 0:2000 には, ppm,pphm 及 び ppb の ような 略 号 は 使 用 してはならない と 規 定 されている ( 計 量 法 での 例 外 は 後 述 ) ただし,SI 文 書 では, 相 対 値 10-6 (すなわち 百 万 分 率 )を 意 味 する ppm は 必 ずし も 禁 止 していない 一 方 で,ppb と ppt の 二 つは 使 用 言 語 に 依 存 するので 極 力 避 けるのがよいとしている 英 語 圏 では 現 在 一 般 に billion は 10 9,trillion は 10 12 と 受 け 取 られるが, 各 々 10 6 の 二 乗 と 三 乗 と 解 釈 される 恐 れがあ るし,ppt は 千 分 率 と 誤 解 される 危 険 性 もある % や ppm などを 用 いるときは, 対 応 する 無 次 元 量 を 示 すこ とが 重 要 である 無 次 元 の 比 ( 物 質 量 分 率, 質 量 分 率, 体 積 分 率, 相 対 不 確 かさ 等 )を 示 すときは, 同 じ 種 類 の 二 つの 単 位 の 比 の 使 用 が 有 用 なことがある たとえばx B = 2.5 mmol/mol や u r (x B )=0.3 mg/kg である JIS Z 8202 0:2000 には, 質 量 分 率 及 び 体 積 分 率 は,5 ng/g 又 は 4.2 ml/m 3 という 形 式 で 表 すこともできる と 規 定 さ れている mol/mol,g/g(あるいは kg/kg)のように 表 示 することも 許 される 質 量 分 率 2ng/g あるいは 2 ng/g( 質 量 分 率 )の 表 現 は 許 され,これらは 2 10-9 ( 質 量 分 率 )と 同 じことである 単 位 への 注 釈 の 付 与 は 禁 止 であるが 2ng/g( 質 量 分 率 )の 場 合 は 量 の 値 の 説 明 と 理 解 できる 無 次 元 の 量 の 単 位 名 は 1(one)であり,その 記 号 は 1 である この 場 合 の 量 の 値 は 単 に 数 で 示 され,わざわ ざ n=1.51 1 のようにはしない 例 外 として, 平 面 角 の 単 位 1 に 特 別 の 名 前 ラジアンと 記 号 rad, 立 体 角 の 単 位 1 にステラジアンと 記 号 sr が 与 えられている ま た, 対 数 比 であるいくつかの 量 に 対 して 非 SI 単 位 の ネーパ,ベル,デシベルが 使 われる 無 次 元 の 量 の 単 位 記 号 1 および 単 位 名 1(one)に 接 頭 語 は 付 けられず, 必 要 な 場 合 には10の 累 乗 が 用 いられる JIS K 8005:2005 では, 対 応 国 際 規 格 及 び/ 又 は 強 制 法 規 がある 場 合 において,やむを 得 ない 場 合 は,SI に 従 わなくてもよいとされている 実 際, 計 量 法 では, 濃 度 の 単 位 として 質 量 百 分 率 (%), 質 量 千 分 率 ( ), 質 量 百 万 分 率 (ppm), 質 量 十 億 分 率 (ppb), 質 量 一 兆 分 率 (ppt), 質 量 千 兆 分 率 (ppq), 体 積 百 分 率 (vol % 又 は %), 体 積 千 分 率 (vol 又 は ), 体 積 百 万 分 率 ( vol ppm 又 はppm ), 体 積 十 億 分 率 (vol ppb 又 は ppb), 体 積 一 兆 分 率 (vol ppt 又 は ppt), 体 積 千 兆 分 率 (vol ppq 又 は ppq) 及 びピーエッチ(pH) を 使 用 する こととされているので( 各 括 弧 内 は 計 量 法 自 身 には 記 載 はない), 法 定 関 係 での 分 析 においては, 強 制 法 規 があ る 場 合 において,やむを 得 ない 場 合 に 該 当 して,これ らの 使 用 が 認 められている また, 第 十 五 改 正 日 本 薬 局 方 5) においても SI とは 相 容 れない 一 部 の 単 位 の 規 定 が 70 ぶんせき

あり,それを 配 慮 しなければならないことがある 4 特 別 な 試 薬 の 濃 度 の 示 し 方 JIS Z 0050:2005 によれば, 表 6(JIS 改 正 案 に 沿 っ て 一 部 修 正 )に 示 す 試 薬 については, 通 常 の 方 法 で 濃 度 を 表 示 するほか, 水 との 混 合 比 で 濃 度 を 表 示 してもよ い 表 6 の 試 薬 は, 指 定 の 純 度 又 は 濃 度 であれば, 試 薬 の 体 積 a と 水 の 体 積 b とを 混 合 した 場 合 (a と b は 量 記 号 とは 考 えないで, 斜 体 では 示 していない), 試 薬 名 (a+b) 又 は 化 学 式 (a+b) と 表 示 することができ る この 表 示 は 特 定 の 濃 度 の 試 薬 にのみ 許 されており, たとえば 70 % 硝 酸 ではこの 表 示 は 認 められない 5 英 語 での 表 現 のために SI の 規 則 には, 日 本 語 では 当 てはまらないが, 英 語 で 表 現 する 場 合 には 従 うべきものがあるので, 英 語 論 文 等 を 書 くときの 参 考 のために 以 下 にまとめておく 単 位 名 は 普 通 の 名 詞 として 扱 われ, 複 数 形 にもなり, 通 常 ローマン 体 ( 立 体 )で 印 刷 される 単 位 の 名 前 は, 文 頭 や 大 文 字 しか 使 わない 題 名 などを 除 き, 大 文 字 で 単 位 記 号 が 始 まる 単 位 であっても 小 文 字 で 始 める たとえ ば, 電 流 は 単 位 名 は ampere であり 単 位 記 号 は A であ る 単 位 記 号 C をもつ 単 位 名 の 正 しい 英 語 表 記 は degree Celsius であるが, 単 位 degree は 小 文 字 d で 始 まり, 修 飾 語 Celsius は 大 文 字 C で 始 まる 単 位 名 が 接 頭 語 と 組 み 合 わされるときは, 間 に 空 白 やハイフンを 用 いないで,たとえば milli gram や milli gram ではなくて milligram とする 組 立 単 位 の 名 前 が 個 別 の 単 位 の 積 である 場 合 は, 間 に 空 白 かハ イフンを 用 いて,たとえば pascal second あるいは pascal second とする 累 乗 がかかわる 単 位 名 に squared や cubed のような 修 飾 語 が 使 われる 場 合 は, 単 位 名 の 後 ろに 置 かれ,たと えば metre per second squared(メートル 毎 秒 毎 秒 )と する ただし, 面 積 と 体 積 に 限 っては,square と cubic を 代 わりに 用 いてもよいが, 名 前 の 前 に 置 かれる たと えばsquare centimetre ( 平 方 センチメートル)や kilogram per cubic metre(キログラム 毎 立 方 メートル) のように 表 す 量 の 値 が 形 容 詞 的 に 使 われるときも, 数 値 と 単 位 記 号 の 間 に 空 白 を 入 れるが, 単 位 名 が 書 き 下 されるときだ けは, 通 常 の 英 語 の 文 法 規 則 に 従 って 数 と 単 位 の 間 にハイフンが 入 る たとえばa1kQ resister であり, a35 millimetre film である 6 おわりに BIPM( 国 際 度 量 衡 局 )のお 膝 元 のパリでは, 飲 用 水 の 瓶 の 内 容 量 表 示 がたとえば 50 cl(すなわち 500 ml) となっている 初 めて 見 たときには 一 瞬 とまどったが, 試 薬 の 名 称 表 6 水 との 混 合 比 で 表 すことのできる 試 薬 化 学 式 純 度 又 は 濃 度 (%) ( 質 量 分 率 ) 物 質 量 濃 度 ( 概 略 値 ) mol/l 塩 酸 HCl 35.0~37.0 11.7 1.18 硝 酸 HNO 3 60~61 13.3 1.38 過 塩 素 酸 HClO 4 60.0~62.0 9.4 1.54 ふっ 化 水 素 酸 HF 46.0~48.0 27.0 1.15 臭 化 水 素 酸 HBr 47.0~49.0 8.8 1.48 よう 化 水 素 酸 HI 55.0~58.0 7.5 1.70 密 度 (20 C) g/ml 硫 酸 H 2 SO 4 95.0 以 上 17.8 以 上 1.84 以 上 りん 酸 H 3 PO 4 85.0 以 上 14.7 以 上 1.69 以 上 酢 酸 CH 3 COOH 99.7 以 上 17.4 以 上 1.05 以 上 アンモニア 水 NH 3 28.0~30.0 15.4 0.90 過 酸 化 水 素 H 2 O 2 30.0~35.5 1.11 この 表 と 異 なる 純 度 又 は 濃 度 の 試 薬 を 用 いる 場 合 は,その 純 度, 濃 度 又 は 密 度 を 試 薬 名 又 は 化 学 式 の 後 に 記 載 する この 場 合, 上 記 の(a+b)の 表 示 は 適 用 できない JIS 規 格 に 規 定 された 塩 酸 ( 試 薬 )には, 特 級 及 びひ 素 分 析 用 が あるが,この 表 に 示 す 塩 酸 は, 特 級 である ただし,ひ 素 分 析 用 については, 塩 酸 (ひ 素 分 析 用 )と 記 すことによっ て, 上 記 の(a+b)の 表 示 を 適 用 できる 日 本 では 見 慣 れないだけで,SI の 規 則 を 思 い 出 して 納 得 することができた 規 則 に 従 って 曖 昧 さのない 適 切 な 表 現 を 行 えば 科 学 でのコミュニケーションの 道 具 として 役 立 つので,それらを 十 分 に 理 解 したいものである 文 献 (URL は 筆 者 2010 年 12 月 27 日 最 終 確 認 ) 1) International vocabulary of metrology Basic and general concepts and associated terms (VIM), 3rd edition, JCGM 200 : 2008 ( VIM 第 3 版 )( http: //www.bipm.org / en / publications/guides/vim.html). 2) SI 文 書 第 8 版 ( 英 語 版 )(http://www.bipm.org/en/si/si_ brochure/). 3) 藤 井 賢 一 : 産 総 研 Today, 8, (10),23(2008) (http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol08_ 10/p23.html). 4) 社 日 本 化 学 会 監 修, 独 産 業 技 術 総 合 研 究 所 計 量 標 準 総 合 セ ンター 訳 : 物 理 化 学 で 用 いられる 量 単 位 記 号 第 3 版,(2009),( 講 談 社 )( 通 称 IUPAC Green Book の 訳 ). 5) 第 十 五 改 正 日 本 薬 局 方 (http://www.mhlw.go.jp/topics/ bukyoku/iyaku/yakkyoku/)の 通 則. 日 置 昭 治 (Akiharu HIOKI) 独 産 業 技 術 総 合 研 究 所 計 測 標 準 研 究 部 門 無 機 分 析 科 ( 305 8563 茨 城 県 つくば 市 梅 園 1 1 1 つくば 中 央 第 3 事 業 所 3 9) 名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 博 士 後 期 課 程 化 学 専 攻 修 了 理 学 博 士 現 在 の 研 究 テーマ 無 機 標 準 物 質 に 関 する 主 成 分 分 析 から 微 量 分 析 までの 正 確 さをキーワードと する 研 究 主 な 著 書 分 離 分 析 化 学 事 典 ( 分 担 執 筆 )( 朝 倉 書 店 ) E mail : aki hioki@aist.go.jp ぶんせき 71