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スライド 1

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

(3) 善 通 寺 市 の 状 況 善 通 寺 市 においては 固 定 資 産 税 の 納 期 前 前 納 に 対 する 報 奨 金 について 善 通 寺 市 税 条 例 の 規 定 ( 交 付 率 :0.1% 限 度 額 :2 万 円 )に 基 づき 交 付 を 行 っています 参 考 善 通 寺

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世


第 8 条 本 協 議 会 における 研 修 は 以 下 のとおりとする (1) 座 学 研 修 農 業 講 座 や 先 進 農 家 視 察 など 農 業 経 営 基 礎 講 座 やその 他 担 い 手 のための 研 修 会 等 への 参 加 など 年 24 回 程 度 とする (2) 実 務 研

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

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1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

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住み慣れたこの町で最期まで 安心して暮らすために

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した 開 示 決 定 等 に 当 たっては, 法 11 条 を 適 用 して, 平 成 23 年 5 月 13 日 まで 開 示 決 定 等 の 期 限 を 延 長 し, 同 年 4 月 11 日 付 け 防 官 文 第 号 により,1 枚 目 を 一 部 開 示 した そして, 同 年


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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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Transcription:

安 全 と 繁 栄 を 確 保 する 日 本 外 交 麻 生 太 郎 です 突 然 ですが 外 交 の 目 的 とは 一 言 で 言 えば 何 か 皆 さんは どう 答 えられますか 私 は 国 家 国 民 の 安 全 と 繁 栄 の 確 保 であると 思 います これは 自 分 勝 手 な 理 想 を 唱 えることで 達 成 できるものではありません 日 本 の 安 全 繁 栄 は 国 際 社 会 の 安 全 繁 栄 なくして 実 現 できない これが 私 の 出 発 点 です 特 に 食 糧 資 源 エネルギーの 供 給 や 市 場 を 海 外 に 大 きく 依 存 する 日 本 は こ のことを 肝 に 銘 じる 必 要 があります 私 は 昨 年 9 月 に 総 理 大 臣 に 就 任 しました その 直 前 の9 月 15 日 に 米 国 の 大 証 券 会 社 リーマン ブラザーズが 経 営 破 たんし 世 界 は 深 刻 な 金 融 経 済 危 機 へと 突 入 しました まさに 抽 象 論 ではなく 具 体 的 な 方 針 と 行 動 が 求 められました 私 は 11 月 のワシントンでの G20 サミットにおいて 世 界 各 国 の 首 脳 に 対 し 先 進 各 国 が 協 調 してこの 危 機 と 戦 うことを 呼 びかけました すなわち 内 向 きとなることを 戒 め むしろ 積 極 的 に 世 界 の 金 融 経 済 秩 序 を 守 り 事 態 をコントロールすることです 例 え ば 国 際 通 貨 基 金 (IMF)の 資 金 基 盤 を 強 化 するために 1,000 億 ドルの 融 資 を 日 本 が 表 明 しました その 後 各 国 の 協 力 により 私 の 呼 びかけが 実 現 に 向 かいつつありま す また 私 が 総 理 大 臣 に 就 任 する 前 には 麻 生 が 総 理 になったら 中 国 や 韓 国 との 関 係 が 悪 化 する と 心 配 される 向 きもおられました しかしながら 昨 年 12 月 には 初 めての 独 立 した 形 での 日 中 韓 首 脳 会 議 が 実 現 しました すでに 中 国 の 胡 錦 濤 国 家 主 席 温 家 宝 総 理 とは 計 8 回 韓 国 のイ ミョンバク 大 統 領 とも 一 昨 日 を 含 め 8 回 の 首 脳 会 談 を 行 い ました 両 国 首 脳 との 関 係 は 戦 後 最 も 緊 密 な 状 況 にある と 思 います さて 安 全 で 繁 栄 する 世 界 を 自 ら 創 造 していく その 実 現 に 向 け 積 極 的 に 行 動 するこ -1 -

とこそが まさに 日 本 自 身 の 国 益 をもたらします 2006 年 11 月 私 は 外 務 大 臣 として この 日 本 国 際 問 題 研 究 所 のセミナーでスピーチ を 行 いました そこで 日 本 外 交 の 基 礎 である 日 米 同 盟 の 強 化 そして 近 隣 諸 国 との 協 力 に 加 える 新 機 軸 として 自 由 と 繁 栄 の 弧 という 構 想 を 提 唱 しました 冷 戦 のくびきから 解 放 され 新 しい 希 望 を 持 ち 未 来 を 模 索 する 国 々 そうした 若 い 国 々 の 努 力 を 日 本 は 支 えていく 経 済 的 繁 栄 と 民 主 主 義 を 希 求 する 先 に 平 和 と 人 々の 幸 福 (しあわせ)がある (Peace and Happiness through Economic Prosperity and Democracy)という 私 のかねてよりの 信 念 を 実 践 している 国 々の 伴 走 ランナー を 日 本 は 務 めていく そう 述 べました この 信 念 は 日 本 が 戦 後 一 貫 して 歩 んできた 道 追 求 してきた 道 です そして 日 本 外 交 の 背 骨 となる 考 え 方 でもあります そのスピーチから 2 年 半 世 界 は 北 朝 鮮 などによる 大 量 破 壊 兵 器 の 脅 威 頻 発 する テロ 海 賊 事 件 など むしろ 一 層 厳 しい 状 況 にあります さらに 金 融 経 済 危 機 は 世 界 中 の 国 々を 困 難 な 状 況 に 陥 れています この 厳 しい 国 際 情 勢 の 下 で 日 本 は 何 をし また 何 をすべきか 具 体 的 に 私 の 考 え 方 を お 話 しします -2 -

1. 世 界 と 日 本 の 安 全 まず 日 本 と 世 界 の 安 全 です (1) 北 朝 鮮 我 々の 目 の 前 には 深 刻 な 問 題 があります 北 朝 鮮 は この 春 以 降 ミサイル 発 射 と 二 度 目 の 核 実 験 をたて 続 けに 強 行 しました 明 白 な 脅 威 です 全 会 一 致 で 採 択 された 国 連 安 保 理 決 議 第 1874 号 が 着 実 に 実 施 されなければなりま せん 日 本 は この 強 い 決 議 の 採 択 に 向 けて 安 保 理 を 牽 引 してきました 日 本 は 金 融 面 や 貨 物 検 査 を 含 め この 決 議 を 実 施 するため 具 体 的 な 行 動 をとってまいります そして 米 国 と 韓 国 さらに 中 国 ロシアとも 緊 密 に 連 携 し 北 朝 鮮 に 対 して 強 い 圧 力 をかけることが 必 要 です これ 以 上 の 挑 発 行 為 は 何 の 利 益 にもつながらないことを 示 す 必 要 があります 一 方 で 我 々は 対 話 による 解 決 の 扉 も 閉 ざしてはおりません 北 朝 鮮 に 対 し 安 保 理 決 議 を 誠 実 かつ 完 全 に 実 施 し 拉 致 核 ミサイルといった 諸 懸 案 の 包 括 的 な 解 決 に 向 けた 目 に 見 える 行 動 をとるよう 改 めて 求 めます この 問 題 に 端 的 に 示 されるように 日 本 の 安 全 と 繁 栄 は 日 本 一 国 では 確 保 できません まず 日 米 同 盟 の 実 効 性 を 確 保 していくことが 不 可 欠 です 同 盟 関 係 は 生 きものであり 一 篇 の 条 約 文 書 があることで 足 りるものではありません 日 米 双 方 の 不 断 の 努 力 を 通 じ 日 米 安 全 保 障 体 制 を 万 全 なものにしていくことが 常 に 必 要 です 同 時 に 日 本 の 国 益 を 主 張 し 関 係 諸 国 の 協 力 を 得 ていく 上 で 日 本 自 ら 目 に 見 える 形 で 国 際 的 な 責 任 を 果 たしていかなければなりません (2) 海 賊 対 策 テロ 対 策 (アフガニスタン パキスタン) 最 近 国 際 的 な 責 任 を 果 たす 上 で 日 本 は 一 歩 前 進 しました 海 賊 対 処 法 の 成 立 です 貿 易 立 国 の 日 本 にとり 海 上 輸 送 の 安 全 は 死 活 的 に 重 要 です また 海 賊 行 為 への 対 処 は 国 際 的 な 課 題 であり 多 くの 国 が 艦 船 を 派 遣 しています -3 -

中 東 のアデン 湾 ソマリア 沖 では 毎 年 約 2,000 隻 の 日 本 に 関 係 した 船 舶 が 航 行 してい ます これらの 船 の 安 全 を 確 保 し 国 民 の 生 命 財 産 を 守 るため 我 が 国 も 海 上 自 衛 隊 の 護 衛 艦 と P-3C 哨 戒 機 を 派 遣 しています 今 回 の 新 法 制 定 により 護 衛 を 要 請 してく る 船 舶 について 船 籍 にかかわらず 対 処 することが 可 能 になりました こうした 我 が 国 の 取 組 について 海 賊 の 脅 威 にさらされている 船 主 (ふなぬし)の 方 々 から 感 謝 の 言 葉 を 頂 きました また 先 日 来 日 された アロヨ フィリピン 大 統 領 か らも 温 かい 賛 辞 を 頂 きました 実 は 日 本 の 外 航 船 舶 の 船 員 の7 割 以 上 は フィリピン の 方 々です 海 賊 対 策 については 日 本 政 府 は いわば 根 本 治 療 のための 治 安 や 民 生 上 の 支 援 も 全 力 で 行 っています 第 一 は ソマリアの 安 定 化 のための 支 援 です 海 賊 がはびこっているソマリアの 治 安 向 上 雇 用 の 創 出 人 道 状 況 改 善 などです ソマリアでは 20 年 近 くも 内 戦 や 混 乱 が 続 き 人 々は 想 像 がつかない 程 の 苦 難 に 直 面 しています 第 二 は ソマリアの 周 辺 国 のイエメンやオマーンの 海 上 保 安 能 力 の 強 化 です 既 に 日 本 は 両 国 の 沿 岸 警 備 隊 職 員 の 研 修 を 行 っており 更 なる 支 援 を 進 めていきます このように 海 上 自 衛 隊 や 海 上 保 安 庁 による 活 動 と ソマリア 及 び 周 辺 国 に 対 する 治 安 民 生 面 の 支 援 は いわば 車 の 両 輪 です テロとの 闘 いについても 同 様 に 車 の 両 輪 による 取 組 を 行 っています 日 本 は インド 洋 で アフガニスタンのテロ 対 策 の 一 環 として 海 上 自 衛 隊 による 補 給 支 援 活 動 を 行 ってきました これを 継 続 するため 昨 年 12 月 特 別 措 置 法 を 延 長 しまし た 海 上 自 衛 隊 は 40 度 を 超 える 灼 熱 の 中 で 地 道 に 活 動 を 続 けています 隊 員 の 最 高 度 の 補 給 技 術 は 補 給 を 受 けている 他 国 の 海 軍 から 神 の 手 (God Hand)とまで 言 われて います 隊 員 と 留 守 を 守 っておられる 家 族 に 心 からの 感 謝 と 敬 意 を 表 します アフガニスタン 情 勢 は 8 月 の 大 統 領 選 挙 を 控 え これからが 正 念 場 です これまで 日 本 は アフガニスタンで 500 以 上 の 学 校 の 建 設 修 復 1 万 人 の 教 師 の 育 成 30 万 人 の 識 字 教 育 -4 -

のべ4000 万 人 に 対 するワクチン 供 与 治 安 対 策 では 全 警 察 官 8 万 人 の 半 年 分 の 給 与 を 支 援 こうした 実 績 を 積 んできました 今 後 も 治 安 民 生 双 方 の 分 野 で これまで 以 上 に 力 を 入 れていきます アフガニスタンの 問 題 は 根 深 く パキスタンや 中 央 アジアを 含 む より 広 範 な 地 域 の 安 定 と 一 体 でとらえるべきものです 隣 国 パキスタンは 現 在 過 激 主 義 との 闘 いの 結 果 生 じた 三 百 数 十 万 人 に 上 る 国 内 避 難 民 を 抱 えています そのパキスタンを 支 援 するため 私 は 就 任 早 々のオバマ 大 統 領 とも 連 携 をとりながら 4 月 に 東 京 で 支 援 国 会 合 を 開 催 しました 世 界 の 主 要 国 に 協 力 を 強 く 働 きかけた 結 果 予 想 を 上 回 る 50 億 ドルを 越 える 国 際 的 支 援 が 約 束 されました 日 本 は 議 長 国 として 世 界 から 高 い 評 価 を 受 けました 会 合 に 出 席 したザルダリ 大 統 領 は 困 難 に 立 ち 向 かう 断 固 とした 決 意 を 語 り 日 本 国 民 への 感 謝 を 表 明 されました パキスタンの 支 援 に 日 本 は 引 き 続 き リーダーシップを 取 っ ていきます (3) 政 府 与 党 の 責 任 さて これまで 政 府 与 党 は 日 本 が 進 むべき 方 向 を 国 民 に 訴 え 日 本 の 安 全 と 繁 栄 を 守 ってきたと 自 負 しております イラク インド 洋 そしてソマリア 沖 への 自 衛 隊 の 派 遣 日 本 の 防 衛 と 極 東 の 平 和 と 安 定 の 基 盤 である 日 米 同 盟 の 強 化 一 方 残 念 なことに 民 主 党 は これらの 国 家 としての 重 要 な 選 択 に いずれも 反 対 や 異 議 を 唱 えられました 日 本 が 果 たしてきた 役 割 は いずれも 必 要 なものばかりでした それをどこか 他 の 国 に やってもらいたい ということなのでしょうか それでは 国 際 社 会 では 受 け 入 れられま せん 日 米 同 盟 に 至 っては 北 朝 鮮 問 題 に 直 面 する 中 民 主 党 幹 部 からは 第 7 艦 隊 だけで 米 国 の 極 東 における 存 在 は 十 分 という 発 言 もありました これは 日 米 安 保 体 制 を 大 幅 に 縮 小 し 米 国 が 我 が 国 に 提 供 する 抑 止 力 を 大 きく 減 らすことを 意 味 します これでは 国 家 と 国 民 を 守 ることは 到 底 できません 日 本 の 安 全 にとって 極 めて 重 要 な 問 題 であり あえて 指 摘 させていただきます -5 -

2. 日 本 と 世 界 の 繁 栄 さて 次 に 外 交 を 通 じて 繁 栄 をどう 確 保 するかについてです (1) 平 和 と 繁 栄 の 回 廊 ひとつの 例 をご 紹 介 します 日 本 は パレスチナで 象 徴 的 なプロジェクトを 進 めています 題 して 平 和 と 繁 栄 の 回 廊 単 なる 経 済 プロジェクトではありません イスラエル パレスチナ 自 治 政 府 ヨル ダンと 協 力 しながら 日 本 やイスラエルの 技 術 で ジェリコをはじめヨルダン 川 西 岸 を 緑 の 大 地 とする そこでパレスチナ 人 が 作 る 農 産 加 工 物 を ヨルダンを 経 て 湾 岸 の 石 油 産 出 国 などの 消 費 地 に 輸 出 する ともに 汗 をかき 当 事 者 間 の 不 信 の 壁 を 低 くし そして 利 益 を 分 かち 合 う 日 本 のアイデアと 技 術 資 金 により 共 同 の 繁 栄 をもたらすとい うことです 中 東 和 平 の 実 現 は 世 界 の 外 交 上 もっとも 困 難 な 課 題 のひとつです 日 本 が 中 東 における 希 少 な 資 源 すなわち 信 頼 をもたらす 仲 介 者 となりたい このよう な 思 いを 込 め このプロジェクトを 進 めています 先 週 経 済 財 政 改 革 の 基 本 方 針 2009 を 決 定 しました そこでの 最 優 先 課 題 の 一 つとして 戦 略 的 な 国 際 貢 献 の 加 速 を 掲 げました 私 の 政 策 のキーワードは 安 心 活 力 責 任 です これは 国 際 的 にも 同 様 です このパレスチナのプロジェクトのように 日 本 が 安 心 と 活 力 をもたらすため 当 事 者 とともに 責 任 をもって 事 業 を 進 めていく このような 国 際 協 力 で 世 界 と 日 本 の 繁 栄 を 確 かなものにしていきたいと 思 います (2) ユーラシア クロスロード 構 想 + 現 代 版 シルクロード 構 想 本 日 は 新 しい 構 想 をお 話 しします 自 由 と 繁 栄 の 弧 の 真 ん 中 に 位 置 し 豊 かな 資 源 エネルギーを 有 する 中 央 アジア -6 -

コーカサス 地 域 に 皆 様 の 注 意 を 向 けて 頂 きたいと 思 います この 地 域 を 通 り ユーラシ ア 大 陸 をタテ ヨコ 双 方 でつなげることに 日 本 は 協 力 します これを ユーラシア クロスロード 構 想 と 名 付 けます タテの 線 は 南 北 の 物 流 路 即 ち 中 央 アジアからアフガニスタンを 経 てアラビア 海 に 至 るルートです 道 路 や 鉄 道 の 整 備 を 想 定 しています ヨコの 線 は 東 西 回 廊 です 中 央 アジアからコーカサスを 経 て 欧 州 に 至 るルートです カスピ 海 沿 岸 の 港 湾 整 備 などを 想 定 しています こうした 広 域 インフラの 整 備 により 資 源 豊 かな 中 央 アジア コーカサスと 経 済 的 基 盤 を 必 要 としているアフガニスタン パキスタンを 含 む 地 域 が 一 体 となります 私 は これまで インドのデリー ムンバイ 間 産 業 大 動 脈 構 想 インドシナのメコン 経 済 回 廊 といった アジアの 広 域 開 発 の 話 をして 参 りました これらのプロジェクトによっ て 例 えば ベトナムのホーチミンからインドのチェンナイまで 今 は 海 路 で 約 2 週 間 か かるものを インフラの 整 備 やワンストップ サービスといった 日 本 の 技 術 を 活 用 し 8 日 間 に 短 縮 することが 可 能 になります こうした 一 連 の 構 想 をつなげて 太 平 洋 に 始 まり 欧 州 に 至 るユーラシア 大 陸 全 体 を 貫 き ヒト モノ カネが 自 由 に 流 れるルートを 整 備 する そんな 未 来 も 描 けます いわば 現 代 版 シルクロードとも 言 え 本 日 は 皆 様 と そうした 夢 のある 大 きな 構 想 を 共 有 させて 頂 きます この 地 域 で 安 定 と 繁 栄 が 相 乗 効 果 をあげれば 世 界 経 済 を 大 きく 押 し 上 げることとなる でしょう 中 国 インド ロシアは そのための 重 要 なパートナーです こうした 構 想 に これらの 国 々が 関 心 を 持 つことを 歓 迎 します 3. 世 界 への 発 信 さて 世 界 の 安 全 と 繁 栄 のため 日 本 が 積 極 的 に 行 動 する という 私 の 考 え を 述 べましたが そのために 世 界 に 発 信 するメッセージが 必 要 です (1) 日 本 のソフト パワーの 発 信 (コンテンツ 日 本 人 の 価 値 観 日 本 語 日 本 人 学 校 ) -7 -

私 は 外 交 を 進 めるには 人 と 人 とのつながりの 中 で お 互 いの 考 え 方 や 価 値 観 を 共 有 することが 重 要 と 考 えます 信 頼 は かけがえのない 国 際 協 力 の 基 盤 です 日 本 には 世 界 に 誇 れるソフトパワーが 多 くあります アニメやマンガ 等 のコンテンツや 映 画 やファッションなどは クール ジャパン と 言 われ 世 界 的 な 評 価 が 高 まっています 折 しも7 月 2 日 から パリで JAPAN EXPO が 開 催 されます 10 回 目 を 数 えるこのイベントに 日 本 のポップカルチャー ファンの 欧 州 内 外 の 若 者 が 15 万 人 も 集 結 するというから 驚 かれませんか それだけではありません 日 本 のソフトパワーには 敗 戦 の 焼 け 跡 から 復 興 し 経 済 大 国 になった 日 本 人 の 勤 労 倫 理 例 えば 納 期 をあくまでも 守 る 仕 事 のやり 方 優 れたモノ 作 りの 技 術 など 幅 広 く 多 様 なものがあります これを 世 界 に 紹 介 し 各 国 の 人 造 り 制 度 造 りに 協 力 することは 日 本 が 得 意 とする 貢 献 です カンボジアでは 若 い 女 性 を 含 む 日 本 の 法 律 家 が 大 いに 活 躍 しています 民 法 と 民 事 訴 訟 法 を 現 地 の 方 々との 共 同 作 業 により 現 地 クメール 語 で 編 さんする 裁 判 官 や 弁 護 士 を 育 成 するカンボジア 人 の 教 官 をコーチする そんな 地 道 な 活 動 が もう 何 年 も 続 い ています また 日 本 語 も ソフトパワーです クール ジャパン への 関 心 を 背 景 に 日 本 語 の 学 習 に 興 味 を 持 つ 外 国 の 方 々が 増 えています ゲームの 攻 略 本 を 読 むために 日 本 語 を 始 める 若 者 たちもいます 現 在 海 外 の 日 本 語 学 習 者 は 約 300 万 人 この3 年 間 で 230 万 人 から3 割 増 え 右 肩 上 がりが 続 いています 東 南 アジアでは 英 語 でなく 日 本 語 を 主 要 外 国 語 として 教 育 している 大 学 が 数 多 くあります 学 習 者 の 熱 意 に 応 えるべく 海 外 の 日 本 語 教 育 を 一 層 充 実 していかねばなりません 海 外 の 日 本 人 学 校 も 地 元 の 方 々から 熱 い 視 線 が 注 がれています 日 本 人 の 礼 儀 正 しさ 勤 勉 さを 学 ばせたいので 日 本 人 学 校 に 地 元 の 子 供 を 入 れて 欲 しいとの 声 が 寄 せられてい ます この 期 待 に 何 らかの 形 で 応 えたいと 思 います -8 -

(2)ODA 強 化 平 和 国 家 であり また 経 済 大 国 である 日 本 にとり ODAは 外 交 上 最 重 要 の 手 段 ツールです 二 国 間 関 係 においても 国 際 機 関 に 対 しても ODAを 強 化 する 必 要 があり ます 近 年 ODA 予 算 の 減 少 傾 向 が 続 いていました その 結 果 かつては 世 界 第 一 位 であっ た 日 本 のODAは アメリカ ドイツ イギリス フランスに 次 ぐ 世 界 第 5 位 になりま した これは 額 だけの 問 題 ではなく 日 本 の 外 交 姿 勢 の 問 題 です 私 は 平 成 20 年 度 当 初 補 正 予 算 をあわせ この 減 少 傾 向 を 逆 転 させました 日 本 が 世 界 に 約 束 した 支 援 を 確 実 に 実 施 し 世 界 が 直 面 する 新 たな 課 題 に 対 応 していくためにも ODA 事 業 量 を しっかりと 確 保 します (3)シンクタンク 交 流 本 日 は 日 本 国 際 問 題 研 究 所 のセミナーですが シンクタンクを 通 じた 知 的 交 流 も 重 要 な 外 交 上 のツールです 新 しい 国 際 基 準 やルール 作 りの 過 程 では 世 界 に 通 ずるアイデ アを いち 早 く 打 ち 出 すことが 非 常 に 重 要 です 産 官 学 をあげて 日 本 の 知 力 を 結 集 し 新 たな 秩 序 造 りの 先 頭 に 立 って 取 り 組 むことが 必 要 です 来 年 創 立 50 周 年 を 迎 えられる 日 本 国 際 問 題 研 究 所 をはじめ 日 本 のシンクタンクには 今 後 も 日 本 外 交 のブレーンとして 頑 張 って 頂 きたいと 思 います おわりに 外 交 は 国 家 国 民 の 安 全 と 繁 栄 のためにある 言 葉 では 一 言 です しかし これを 実 現 することが 容 易 ならざることは 世 界 の 歴 史 を 見 渡 せば 明 らかです しかし 私 は 日 本 外 交 の 将 来 に 明 るさを 見 出 しています それは 若 い 世 代 が 個 人 の 力 を 発 揮 し 国 際 社 会 に 貢 献 していく 姿 を この 目 で 見 て きたからです 外 務 大 臣 時 代 私 は 平 和 構 築 を 担 う 人 材 を 育 てるため 寺 子 屋 を 作 ることを 約 束 し ました この 寺 子 屋 即 ち 人 材 育 成 事 業 は これまで2 年 間 で 卒 業 生 は 約 60 名 と 規 -9 -

模 ではまだささやかです しかし 広 島 に 設 けられたコースでは 日 本 人 そしてアジア からの 参 加 者 が 学 び 平 和 構 築 のプロ が 巣 立 っています 彼 らは 世 界 各 地 の 平 和 構 築 の 現 場 で 活 躍 し 始 めています この 研 修 に 参 加 した 東 ティモール 出 身 の 女 性 は 日 本 の 元 自 衛 官 が 組 織 したNPOの 一 員 として ラオスにおける 地 雷 除 去 支 援 事 業 で 活 躍 しました 日 本 人 と 東 ティモール 人 が 日 本 で 学 び ラオスで 平 和 構 築 のため 一 緒 に 汗 をかく すばらしいことだと 思 いませんか 私 は 今 後 とも この 平 和 構 築 のプロ 英 語 で 言 うと Peace Builder を 育 てる 寺 子 屋 事 業 を 平 和 国 家 日 本 の 旗 印 にすべく 大 いに 盛 り 上 げていきたいと 思 っていま す そして 将 来 国 連 難 民 高 等 弁 務 官 を 務 められた 緒 方 貞 子 JICA 理 事 長 や スリラン カ 和 平 で 活 躍 頂 いている 明 石 康 政 府 代 表 のような 方 々が 育 てば と 夢 を 見 ています みずからを 助 けざる 者 には チャンスも 力 を 貸 さず (Chance never helps those who do not help themselves.) これは 古 代 ギリシャの 著 名 な 詩 人 ソフォクレスの 言 葉 です 自 らを 厳 しく 律 し 研 鑽 を 重 ね 必 要 な 行 動 を 行 う 者 にこそ 希 望 が 訪 れます 個 人 も そして 国 家 とて 同 じ ことです 観 念 論 ばかりで 具 体 論 には 反 対 と 留 保 ばかりつける そのような 外 交 安 全 保 障 で は 厳 しい 国 際 社 会 の 現 実 には 太 刀 打 ちできません 私 は この 重 要 な 局 面 において 引 き 続 き 日 本 と 国 民 の 安 全 と 繁 栄 を 守 り 抜 きます その 決 意 を 申 し 上 げ 本 日 のお 話 を 締 めくくらせて 頂 きます ありがとうございました - 10 -