地 域 住 民 の 信 頼 と 人 間 関 係 を 基 盤 にした 地 域 防 災 SNS に 関 する 研 究 開 発 凍 田 和 美 菊 池 達 哉 吉 山 尚 裕 柴 田 雄 企 高 橋 雅 也 竹 中 真 希 子 青 木 栄 二 大 分 県 立 芸 術 文 化 短 期 大 学 デジタルバンク 株 式 会 社 大 分 大 学 ( 財 )ハイパーネットワーク 社 会 研 究 所 1
地 域 住 民 の 信 頼 と 人 間 関 係 を 基 盤 にし た 地 域 防 災 SNSに 関 する 研 究 開 発 は 総 務 省 の 情 報 通 信 技 術 (ICT) 分 野 の 研 究 開 発 にお ける 競 争 的 研 究 資 金 制 度 である 戦 略 的 情 報 通 信 研 究 開 発 推 進 制 度 (SCOPE)に 採 択 され 平 成 21,22 年 の 間 研 究 を 行 いました 2
背 景 日 本 は 自 然 災 害 とりわけ 地 震 や 台 風 豪 雤 の 被 害 が 多 く 防 災 設 備 が 整 ってきた 現 在 でも 甚 大 な 被 害 を 受 けることがある 特 に 地 域 被 害 に 目 を 向 けると 避 難 活 動 や 不 明 者 の 所 在 確 認 安 否 確 認 に 多 大 な 時 間 や 労 力 を 要 してしまうことが 多 い 被 害 も 二 次 災 害 三 次 災 害 と 拡 大 すること もあり 被 災 状 況 や 安 否 状 況 が 刻 々と 変 わ ることが 予 想 される 3
防 災 システムの 課 題 地 域 固 有 の 災 害 防 災 情 報 が 少 ない 災 害 情 報 は 広 範 囲 を 網 羅 した 概 要 的 な 情 報 か もしくは 深 刻 度 の 高 い 地 域 の 突 出 した 情 報 に 限 られる 場 合 が 多 い 災 害 の 大 小 に 関 わらず 災 害 当 事 者 が 欲 しい 情 報 は 現 在 そこにいる 地 域 の 災 害 防 災 情 報 の 詳 細 である 地 域 の 付 き 合 いが 希 薄 最 近 では 地 域 の 住 民 隣 人 でさえ 住 んでいる 人 やその 家 族 構 成 なども 知 らないことが 多 くなってきた こうした 状 況 で 災 害 が 発 生 した 場 合 誰 がどこに 住 んでいるかを 把 握 しづらく 助 け 合 いどころか 救 助 活 動 すらなくなる 既 存 の 防 災 システムが 防 災 時 に 特 化 しすぎ ている 防 災 システムは 文 字 通 り 災 害 発 生 時 に 運 用 されることを 前 提 として いることが 多 く 平 常 時 の 使 用 を 想 定 していないため いざ というと きの 災 害 時 に 慣 れないシステムを 使 うことになり 予 想 以 上 の 効 果 を 4 出 しにくい
研 究 開 発 の 概 要 地 域 防 災 SNSの 構 築 により 被 害 を 最 小 化 日 頃 から 地 域 防 災 SNSを 利 用 ( 地 域 住 民 のコミュニケーションの 活 性 化 とシステム への 慣 れを 図 る) 人 間 関 係 信 頼 を 反 映 したシステムを 構 築 ( 災 害 時 や 復 旧 時 に 有 効 活 用 ) 住 民 が 構 築 した 地 域 の 災 害 防 災 情 報 を 共 有 することで 安 心 感 を 得 る 5
体 制 図
予 備 実 験 ( 近 隣 4 家 族 チャット 使 用 ) システム 開 発 V.1 実 証 実 験 Ⅰ( 近 隣 4 家 族 V1 使 用 ) システム 開 発 V.2 実 証 実 験 Ⅱ (3 組 間 V2 使 用 )
予 備 実 験 平 成 21 年 9 月
目 的 防 災 SNSシステム 詳 細 設 計 ( 必 要 な 機 能 など) の 手 掛 かりを 得 る システム 画 面 の 活 用 しやすい 仕 様 設 計 平 常 時 に 必 要 な 家 族 情 報 地 震 発 生 時 の 災 害 情 報 などを 明 らかにする
予 備 実 験 被 験 者 : 女 子 短 大 生 16 名 実 験 は4 人 1 組 各 被 験 者 は, 大 分 市 上 野 丘 に 住 むご 近 所 4 家 族 の 主 婦 役 (1 名 は 学 生 役 ) チャットを 使 用 時 期 :2009 年 9 月 実 験 条 件 : 地 震 時 に 必 要 な 情 報 を 分 散 させておき その 後 共 有 ( 分 散 共 有 ) 分 散 させたまま( 分 散 交 流 なし) 当 初 から 共 有 し その 後 も 交 流 ( 共 有 交 流 ) 当 初 から 共 有 するがその 後 交 流 し ない( 共 有 交 流 なし)の4 条 件 を 設 定
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方 法 ( 手 続 き) 1)チャットの 練 習 全 般 的 教 示 2) 家 族 情 報 の 提 示 池 田 家, 菊 川 家, 柴 山 家, 野 口 家 は, 上 野 丘 に 住 む お 隣 さん 同 士 家 族 の 情 報 を カード で 知 らせる 分 散 条 件 ( 異 なるカード) 自 分 の 家 族 の 職 業 や 持 病 + 他 の3 家 族 は メンバー 名 と 年 齢 しか 書 いてない 共 有 条 件 ( 同 じカード) 4 家 族 すべての 情 報 を 共 有
家 族 の 状 況 ( 参 考 ) 池 田 家 (4 人 ) 夫 = 和 男 (55) 電 気 工 事 会 社 に 勤 務 する 技 師 妻 =まり(52) 県 立 病 院 ( 外 科 )に 勤 務 する 看 護 師 長 男 = 俊 男 (25) 運 送 会 社 事 務 員 高 校 時 代 は 柔 道 部 員 ( 夫 妻 長 男 は, 母 屋 に 住 んでいる) 祖 母 =シズエ(84) 離 れに 住 む 目 が 悪 い( 白 内 障 ) 足 腰 が 弱 くて 歩 行 が 困 難 菊 川 家 (5 人 ) 夫 = 克 也 (42) ソフト 会 社 に 勤 務 するプログラマー 妻 =みき(39) 専 業 主 婦 腰 痛 の 持 病 がある 長 男 = 大 介 (15) 中 学 3 年 生 サッカー 部 長 女 =ゆり(13) 中 学 1 年 生 陸 上 部 次 女 =りな(10) 小 学 4 年 生 ピアノを 習 っている ( 長 男 と 長 女 にも, 自 分 のケータイを 持 たせている)
家 族 の 状 況 ( 参 考 ) 柴 山 家 (4 人 ) 夫 = 秀 樹 (36) 住 宅 建 築 会 社 の 作 業 員 ( 大 工 ) 妻 =さとみ(33) 主 婦 スーパーのパート 社 員 長 女 =あゆみ(5) 幼 稚 園 児 風 邪 をひいて 熱 祖 父 = 幸 三 (72) 足 腰 はじょうぶ 軽 い 認 知 症 ( 長 女 と 祖 父 は, 自 分 のケータイを 持 っていない) 野 口 家 (1 人 ) 長 女 =ゆか(20) 芸 短 大 2 年 生 両 親 が 仕 事 で 県 外 に 住 んでいるため, 自 宅 に 一 人 暮 らし ( 寝 るときもケータイを 枕 元 に 置 いている)
方 法 ( 手 続 き) 3) 交 流 タイム20 分 ( 交 流 なしは, 地 震 発 生 へ)と 質 問 紙 4) 地 震 発 生 ( 映 像 とサイレン) 地 震 の 状 況 カード と 各 家 族 の 被 害 カード 5) 対 応 タイム40 分 課 題 は, 1 被 害 状 況 を 連 絡 し 合 うこと 2どう 対 応 するかを 話 し 合 って 決 定 すること 対 応 策 がまとまったら, OK と 確 認 するように 教 示 6) 質 問 紙 に 回 答
地 震 の 状 況 ( 参 考 ) 本 日 は2010 年 の2 月 24 日 ( 水 ), 朝 6 時 50 分 天 気 は, 晴 れ 気 温 は,6 度 Cで 平 年 並 み 別 府 湾 を 震 源 とする 直 下 型 の 大 地 震 が 発 生 大 分 市 の 震 度 は6 強 震 度 6 強 では, 耐 震 性 の 低 い 木 造 の 家 は 倒 壊 した り, 家 が 傾 く 家 の 中 では, 固 定 していない 家 具 が 倒 れたり, 飛 ばされる 大 分 市 の 被 害 としては, 倒 壊 した 家 屋 が1 割 くらい 国 道 10 号 線 などの 主 要 道 路 を 含 め, 道 路 には 壊 れ た 箇 所 や 陥 没 した 箇 所 もある 上 野 丘 周 辺 では, 火 災 の 発 生 はないが, 電 気 や 水 道,ガスが 止 まっている 救 急 車 がすぐに 来 てくれ る 状 況 ではない
各 家 族 の 被 害 ( 参 考 ) 池 田 家 :あなた( 妻 :まり), 夫, 長 男 は 無 事 母 屋 はだいじょう ぶだが,シズエ( 祖 母 )が 住 んでいる 離 れ( 別 棟 )が 半 壊 シズ エが 助 けを 呼 ぶ 声 がする シズエを 離 れから 外 に 出 さなけれ ばならないが, 自 力 では 出 られない 菊 川 家 : あなた( 妻 :みき)と3 人 の 子 供 たちは 無 事 寝 ている 夫 ( 克 也 )の 上 に 重 いタンスが 倒 れた 夫 の 足 がタンスの 下 敷 きになっている 足 を 骨 折 した 様 子 で 痛 がっている 柴 山 家 :あなた( 妻 :さとみ)と 夫 と 長 女 は 無 事 祖 父 の 幸 三 が 上 野 の 墓 地 公 園 に 朝 の 散 歩 に 行 った 後 に 地 震 が 発 生 し た 幸 三 の 安 否 は 不 明 長 女 のあゆみは, 地 震 を 怖 がって 泣 いており,あなたの 傍 を 離 れようとしない 野 口 家 :あなた(ゆか)は2 階 の 寝 室 で 寝 ていたが, 怪 我 はな い しかし, 寝 室 のドアが 開 かなくなり, 寝 室 を 出 ることができ ない (2 階 の 窓 から 飛 び 降 りるのは 危 険 )
得 られた 結 果 次 の2つの 示 唆 が 得 られた 住 民 の 心 理 的 側 面 として 地 域 住 民 が 平 常 時 の 交 流 を 通 して 能 動 的 に 情 報 を 共 有 化 してい く 場 合 が 相 互 信 頼 を 高 める 上 でも 災 害 時 の 救 助 策 を 見 出 す 上 でも 有 効 である システム 構 築 に 関 して 災 害 時 には 救 助 者 と 被 災 者 を 明 確 にする キーボード 入 力 を 少 なくする などの 機 能 が 必 要 である
得 た 結 果 ( 心 理 面 ) 家 族 の 構 成 員, 持 病, 職 業 などは, 救 助 時 に 役 立 つ 重 要 な 情 報 である 地 震 に 備 えて 家 族 同 士 が 交 流 したり, 情 報 を 共 有 ( 化 )することは, 共 助 への 心 理 的 備 え ( 自 信 )につながる 家 族 情 報 を 受 動 的 に 共 有 するよりも, 情 報 交 換 ( 交 流 )を 通 して 共 有 していくほうが, 有 効 か もしれない 情 報 システムと 社 会 システムの 組 み 合 わせが 大 切
得 た 結 果 (インタフェース) 平 常 時 は ご 近 所 同 士 が 防 災 情 報 を 共 有 化 していくプロセスを 促 進 させる 災 害 時 は, 端 末 を 一 斉 に 災 害 モードに 切 り 替 え 地 震 発 生 を 告 げ 安 否 を 問 う 救 助 者 と 被 災 者 を 明 確 にする 要 救 助 者 の 漏 れを 生 じさせない 混 乱 した 状 況 を 整 理 する など, メンバーの 情 報 管 理 が 必 要 である 携 帯 端 末 におけるキーボード 入 力 を 少 なくす る
システム 構 築 地 域 防 災 SNS v1
システム 構 築 での 着 眼 点 家 族 の 構 成 員, 持 病, 職 業 などの 共 有 家 族 同 士 の 交 流 の 促 進, 情 報 の 共 有 化 災 害 時 のメンバーの 情 報 管 理 救 助 者 と 被 災 者 を 明 確 にする 要 救 助 者 の 漏 れを 生 じさせない( 安 否 確 認 ) 混 乱 した 状 況 を 整 理 する 携 帯 端 末 におけるキーボード 入 力 の 低 減 災 害 発 生 時 に 端 末 が 一 斉 に 災 害 モードになる
地 域 防 災 SNSシステム 概 要 地 域 防 災 SNS 本 体 Webアプリケーション Linux, Apache, MySQL, Ruby on Rails 地 域 防 災 SNSクライアント Webブラウザ IE, Firefox, Safari, Chorome iphone 3G 専 用 アプリケーション GPS, 写 真 利 用
地 域 防 災 SNSシステム 概 略 図 安 否 確 認 Push 掲 示 板.... 安 心 感 の 共 有 共 有 災 害 防 災 地 図 住 民 場 所 検 索 人 工 衛 星 人 間 関 係 の DB 化 地 域 防 災 SNS GPS B 宅 D 宅 避 難 場 所 A 宅 C 宅 検 索 登 録 現 在 地 携 帯 画 面
地 域 防 災 SNSシステム 構 成 人 工 衛 星 IE/Firefox Windows PC HTTP(HTML) 人 工 衛 星 GoogleMap 地 図 GPS Push Notify 専 用 アプリ Rest(XML) iphonesdk iphoneos3.1 iphone3g 防 災 SNS( 本 体 ) WebAPI, Rails Apache MySQL Linux Webサーバー
iphone 画 面 被 災 者 ステータス 一 覧 画 面 被 災 者 詳 細 情 報 画 面
iphone 画 面 イメージ 災 害 情 報 連 絡 画 面 災 害 マップ 画 面
地 域 防 災 SNSシステム( 特 徴 ) iphoneを 利 用 したアプリケーション 家 庭 の 情 報 を 登 録 し 近 隣 の 人 の 情 報 を 見 ることができる 災 害 発 生 時 だけでなく 平 常 時 の 使 用 も 想 定 近 隣 の 住 人 の 情 報 を 常 に 確 認 できる 災 害 時 には 災 害 モードに 切 り 替 わり 誰 がどこにいるのか 怪 我 をしていないか などの 安 否 情 報 も 確 認 できる 28
実 証 実 験 Ⅰ 平 成 22 年 2-3 月,5 月
実 証 実 験 Ⅰ 実 施 期 間 :2010 年 2 月 ~3 月 5 月 実 験 設 定 : 地 震 発 生 前 に メンバー 同 士 ( 近 隣 住 民 )で 家 族 情 報 ( 構 成 員 やその 年 齢 職 業 障 がい)を 共 有 し 合 い その 後 震 度 6 強 の 地 震 によって それぞれの 家 族 に 被 害 が 発 生 したという 想 定 の 下 で 救 助 策 を 話 し 合 っ て 決 定 する 参 加 者 : 本 学 学 生 4 人 1 組 を1 集 団 とし16 集 団 を 構 成 30
解 析 発 言 者 発 言 内 容 発 言 時 間 個 人 発 言 数 個 人 発 言 時 間 全 体 発 言 時 間 結 果 31
実 験 の 様 子
時 間 文 字 数 ( 平 均 ) 文 字 数 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 38 8,141 27 4,596 時 間 ( 分 ) 40 35 30 25 20 15 10 5 0 紙 文 字 数 時 間 iphone 33
全 実 験 所 要 時 間 数 34
結 果 のまとめ iphone 条 件 は, 対 面 条 件 よりも 救 助 の 討 議 時 間 が 短 くて 済 んだ iphone 条 件 も 対 面 条 件 も, 決 定 した 救 助 策 にあまり 違 いはなかった 質 問 紙 の 結 果, 情 報 共 有, 信 頼 度, 協 力 度 などにおいて, 総 合 的 には,iPhone 条 件 が 対 面 条 件 よりも 有 利 だった 防 災 SNS(iPhone)を 媒 介 することで 効 率 的 に 情 報 を 共 有 でき, 信 頼 を 醸 成 できること が 示 唆 された 35
実 験 後 のヒアリング 実 験 後 のヒアリングでは,システムの 良 い 点 として, 近 所 の 被 害 をすぐ 把 握 できる のは,すごい iphoneで 安 否 確 認 できる のは 便 利 という 意 見 その 一 方, 悪 い 点 として, 近 所 づき 合 い がないと 活 かされないと 思 う 実 際 の 災 害 では,ご 近 所 のことに 手 が 回 るか 疑 問 という 意 見 36
システム 構 築 地 域 防 災 SNS v2
近 隣 関 係 自 治 会 への 情 報 システムの 階 層 化 自 治 会 行 政 機 関 の 情 報 の 取 り 込 みと 提 供 災 害 時 に 停 止 しないシ ステムの 検 討 避 難 生 活 における 健 康 管 理 と 心 のケア
1 地 域 の 組 織 階 層 の 対 応 自 治 会 から 下 位 の 組 人 までを 階 層 化 (ピラミッド 型 ) 上 位 組 織 の 閲 覧 組 を 超 えての 情 報 ( 災 害 情 報 ) 提 供 2 公 的 機 関 の 情 報 の 取 り 込 み 自 治 体 気 象 庁 などの 公 的 機 関 が 提 供 する 情 報 の 取 得 ユーザ 一 人 ひとりに 通 知 (Push 通 知 ) 3ユーザーインターフェースの 改 良 画 面 遷 移 を 少 なくする 緩 慢 な 動 きを 改 善 する ボタンや 文 字 をさらに 大 きく 入 力 を 少 なくする
具 体 的 な 追 加 機 能 グループの 階 層 化 (1) グループ 内 の 情 報 共 有 (1) グループ 間 の 連 携 (1) 公 的 機 関 からの 被 害 状 況 の 取 得 (2) 詳 細 な 被 害 情 報 の 発 信 (1) 地 図 との 連 携 (2) ユーザインタフェースの 改 良 (3)
防 災 SNSv2のシステム 構 成
IPhone 画 面
実 証 実 験 Ⅱ 平 成 22 年 11-12 月
目 的 町 内 会 の 情 報 の 共 有 化 住 民 の 信 頼 関 係 の 構 築 が 行 えるか? 震 災 後 の 一 連 の 共 助 活 動 が 行 えるか? 状 況 設 定 1. 震 災 前 に 町 内 の 家 族 情 報 を 共 有 ( 共 有 条 件 分 散 条 件 ) 2. 地 震 発 生 3. 共 助 策 を 話 あって 決 定 してもらう 被 験 者 女 子 短 大 生 63 名 (3 人 21 組 ) シニアの 方 々 19 名 2010 年 11 月 ~12 月 2011 年 2 月 28 日
実 証 実 験 Ⅱの 様 子
実 証 実 験 Ⅱの 結 果 協 力 度 については 地 震 の 発 生 前 には 分 散 条 件 も 共 有 条 件 も かなり 協 力 できる の 割 合 は 多 いが 非 常 に 協 力 できる の 割 合 は 少 なかっ た しかし 地 震 発 生 後 に 対 応 策 を 決 定 した 後 は 非 常 に 協 力 できた の 割 合 がいずれの 条 件 でも 上 昇 した この 結 果 も 防 災 SNS(iPhone)が 地 域 住 民 の 協 力 意 識 を 高 めるのに 有 効 であることを 示 してい る
実 証 実 験 Ⅱの 結 果 地 震 発 生 前 : 一 括 共 有 方 式 は 分 散 積 み 上 げ 方 式 よりも 非 常 に 共 有 できた の 割 合 は 少 な い 地 震 発 生 後 に 対 応 策 を 決 定 した 後 は 非 常 に 共 有 できた の 回 答 者 が 増 え 分 散 条 件 と 遜 色 なくなった 地 震 発 生 前 から 分 散 条 件 も 共 有 条 件 も 非 常 に 信 頼 している かなり 信 頼 している の 割 合 が 高 かったが 地 震 発 生 後 に 救 助 策 を 決 定 した 後 は さらに 非 常 に 信 頼 している の 回 答 者 が 増 えた この 傾 向 は とくに 共 有 条 件 に 見 られ る
実 証 実 験 Ⅱの 結 果 1つの 画 面 で 多 くの 情 報 が 分 かるのは 便 利 地 図 との 連 動 は 便 利 把 握 しやすい ケータイより 見 やすい 悪 かったところ 焦 っているときに 本 当 使 えるかどうか 疑 問 ( 言 葉 よりイメージ) 反 応 が 遅 い タッチしたかどうか 分 からない (ボタンの 色 を 変 える 音 を 使 う) バッテリーが 切 れたら 使 えない
防 災 SNSを 利 用 することで 平 常 時 : 地 域 の 人 のつながりの 復 活 災 害 時 : 共 助 を 支 援 することで 減 災 の 可 能 性 を 示 せた スマートフォン SNSの 利 用 対 面 的 な 話 し 合 いを 行 う 前 に 情 報 共 有 や 人 間 関 係 づくりの 支 援 も 可 能 地 域 社 会 と 進 化 するIT 地 域 に 普 及 啓 発 の 必 要 性
まとめ 防 災 SNS(iPhone)を 利 用 することで, 平 素 の 情 報 共 有 や 人 間 関 係 づくりの 支 援 災 害 時 の 的 確 な 被 害 状 況 の 共 有 ができる 防 災 に 対 する 意 識 共 助 の 意 識 の 自 覚 50
大 きな 課 題 日 頃 : 皆 が 使 ってくれるかどうか? お 年 寄 り 使 い 勝 手 個 人 情 報 災 害 時 : 使 えるかどうか? 電 池 の 改 良 携 帯 ネットワークの 増 強 避 難 所 仮 設 住 宅 生 活 の 心 的 サポート 未 実 施
平 成 23 年 3 月 11 日 に 東 日 本 大 震 災 が 起 きた 減 災 に 向 けた 研 究 の 意 義 と 乗 り 越 えなければ ならない 大 きな 壁 を 実 感 研 究 の 継 続 意 欲 を 改 めてもった 大 津 波 が 来 る 東 日 本 大 震 災 のような 海 溝 型 巨 大 地 震 では 津 波 来 る 高 台 に 避 難 せよ の 行 政 連 絡 がすぐ 入 るようなシステムが 必 要 阪 神 淡 路 大 震 災 のような 内 陸 直 下 型 では す ぐの 避 難 ではなく 救 助 も 大 切 である この2つのタイプの 地 震 にどう 対 応 するかは システム 上 も 大 きな 課 題 である
今 後 の 研 究 について 現 場 への 活 用 県 が 進 める 防 災 プラットフォームとの 連 携 新 しい 防 災 訓 練 の 取 り 組 み 避 難 訓 練 ではなく 共 助 のための 訓 練 教 育 分 野 見 守 り 分 野 への 応 用
ご 静 聴 ありがとうございました