研 究 ノート 概 要 Microsoft Excel による 試 験 採 点 システムの 製 作 The Manufacture of the Examination Marking System by Microsoft Excel * 渡 邊 光 太 郎 WATANABE, Kohtaro * 学 生 はレポートの 作 成 やデータ 分 析 などコンピュータの 操 作 であるコンピュータリテラシーを 習 得 することは 重 要 である しかし, 実 技 科 目 の 試 験 を 採 点 することは 多 くの 労 力 が 必 要 である 複 数 の 科 目 担 当 者 がいても 統 一 基 準 で 採 点 者 による 誤 差 はないことが 望 まれる 数 十 人 以 上 の 学 習 者 の 試 験 を 採 点 するために Excel2007 の 新 機 能 などに 対 応 した 実 用 に 耐 えられる 試 験 採 点 システムを 製 作 したので 報 告 する 1.はじめに IT の 活 用 は 大 学 生 活 においても, 社 会 人 としても 必 須 であり, 大 学 でコンピュータリテラシー を 習 得 することは 重 要 である しかし, 学 生 のコンピュータリテラシーは 個 人 差 が 大 きく, 不 十 分 な 学 生 も 多 くいる このような 科 目 の 試 験 は, 従 来 の 設 問 に 対 する 知 識 を 問 う 試 験 よりも,コ ンピュータを 実 際 に 操 作 した 演 習 による 試 験 でコンピュータリテラシーが 習 得 できているかを 問 う 方 が 適 切 である 1) 城 西 情 報 科 学 研 究 でExcelによる 試 験 採 点 システムの 試 作 を 報 告 したが, 部 分 点 の 設 定 やIF 関 数 のような 引 数 にいくつかのパターンが 考 えられる 関 数 の 採 点 などいくつかの 問 題 点 があった また, 学 内 のシステムも SCNL2005 ( WindowsXP Office2003 ) から SCNL2009 (WindowsVista Office2007)に 変 更 され 環 境 も 変 化 した 学 外 の 環 境 としても OS は Windows7 が Office は Office2010 が 発 売 されている 本 試 験 採 点 システムの 開 発 環 境 である ExcelVBA も VSTO(Visual Studio Tools for Microsoft Office System)による 外 部 開 発 環 境 も 用 意 されているが,Excel2010 でも VBA の 機 能 は 残 る 前 回 の 問 題 点 をいくつか 解 決 し,Excel2007 での 新 機 能 への 対 応 を 行 ったので 報 告 する 2. 試 験 採 点 システムの 製 作 2.1 試 験 採 点 システムの 構 成 前 回 試 作 した 試 験 採 点 システムは Excel2003 で 開 発 したが, 今 回 作 成 した 試 験 採 点 システムは Excel2007 および 2010 で 製 作 および 採 点 を 行 った 開 発 環 境 は Excel VBA を 用 いた Excel2003 との 変 更 は 新 機 能 などへの 対 応 で.NET への 対 応 などはなく, 一 部 のオブジェクトやプロパティ が 変 更 されているが 大 きな 変 更 なく 開 発 できた * 情 報 科 学 研 究 センター 非 常 勤 講 師 37 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
2.2 試 験 採 点 システムによる 採 点 手 順 試 験 採 点 システムによる 採 点 には, 評 価 する 試 験 の 模 範 解 答 ファイルと 採 点 の 基 準 および 採 点 の 対 象 となるファイルが 必 要 である 試 験 採 点 システムを 起 動 すると 配 点 モードと 採 点 モードと を 選 択 する 配 点 モードで 模 範 解 答 ファイルを 開 き, 採 点 の 基 準 をもとに 配 点 を 設 定 する 設 定 後, 配 点 ファイルとして 保 存 する 採 点 モードは 配 点 モードで 作 成 した 配 点 ファイルと, 採 点 対 象 ファイルまたは 複 数 の 採 点 対 象 ファイルのあるフォルダを 指 定 し, 採 点 結 果 の 記 録 をする 記 録 ファイルを 指 定 または 新 規 に 作 成 し, 採 点 後 記 録 ファイルに 採 点 結 果 を 記 録 し 保 存 する 2.3 試 験 採 点 システムの 改 善 2.3.1 式 の 評 価 前 回 試 作 した 試 験 採 点 システムの 問 題 点 は, 式 の 評 価 が 完 全 に 一 致 しているかどうかだけで, 加 算 や 乗 算 のように 順 不 同 でも 良 い 計 算 や IF 関 数 の 論 理 式 のように 数 通 り 考 えられるものに 対 応 していなかった しかし,どのような 場 合 でも 厳 密 に 判 定 するのは 難 しいので, 簡 易 的 に 式 の 評 価 を 行 った セル 範 囲 A1:A5 の 値 を 合 計 する 場 合, 関 数 を 用 いると=SUM(A1:A5)とするのが 通 常 だが, =SUM(A1,A2,A3,A4,A5)としても 同 じ 結 果 が 得 られる しかし,セル 範 囲 が 広 がると 引 数 の 指 定 が 大 変 であり, 指 定 するセル 範 囲 が 255 を 超 えると 出 来 なくなってしまう これを 正 答 とするか どうかが 問 題 となる また, 関 数 を 用 いず 計 算 式 として,=A1+A2+A3+A4+A5 としても 同 様 の 結 果 となる このように, 計 算 式 や 関 数 の 評 価 をいくつかの 基 準 に 対 応 できるように, 以 下 の 図 1 のようなダイアログを 用 意 し 選 択 できるようにした 図 1 式 の 評 価 ダイアログ 完 全 一 致 は,SUM 関 数 のように 一 般 的 操 作 として 引 数 が 一 意 として 取 れる 場 合, 採 点 基 準 と 同 一 の 解 答 が 望 ましい 場 合, 正 答 とした 値 は, 求 め 方 を 指 定 しない 場 合,セルの 値 が 同 一 であれば 正 答 とした 38 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
計 算 式 は, 計 算 式 や 関 数 を 用 いて 計 算 し,セルの 値 が 採 点 基 準 と 同 一 であれば 正 答 とした 関 数 は,IF 関 数 のように 引 数 を 一 意 と 特 定 できない 場 合, 計 算 式 ではなく 関 数 を 用 いてセルの 値 が 同 一 であれば 正 答 とした 関 数 のみは,RAND 関 数 のように 計 算 結 果 が 可 変 の 場 合, 採 点 基 準 と 同 一 の 関 数 を 用 いていれ ば 正 答 とした 2.3.2 フォルダの 指 定 本 試 験 採 点 システムは 多 くの 学 習 者 の 採 点 を 自 動 化 することを 目 的 の 一 つとしているが, 前 回 試 作 したシステムではファイルを 一 つずつ 指 定 しなければいけなかった フォルダ 内 のいずれか のファイルを 指 定 することで,そのフォルダ 内 の Excel ファイルを 採 点 の 対 象 とし,すべて 開 き, 採 点 を 行 えるように 変 更 した 1 つのファイルを 採 点 後, 採 点 結 果 を 記 録 し,そのファイルを 閉 じ, 次 のファイルを 採 点 する 採 点 後 多 くのファイルを 閉 じることなく,プログレスバーを 用 いなくてもタスクバーのファイル 数 が 減 っていくことで 採 点 の 進 捗 が 確 認 できる 2.3.3 採 点 箇 所 の 表 示 データや 計 算 式 関 数, 書 式 などは 模 範 解 答 を 作 成 するときに 確 認 しやすいが,グラフの 大 き さなどは 確 認 が 難 しい 模 範 解 答 となる Excel のファイルが 問 題 の 意 図 通 り 間 違 いないかを 確 認 するために, 配 点 ファイルから 採 点 箇 所 の 表 示 をするダイアログを 追 加 した 図 2 採 点 箇 所 の 表 示 ダイアログ 39 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
グラフの 大 きさなどワークシート 上 ではわかりづらい 箇 所 も 確 認 できる しかし, 配 置 やグラ フの 種 類 などは 番 号 で 表 示 され 確 認 できない 欠 点 がある 2) 2.3.4 Excel2007 の 新 機 能 への 対 応 Excel2003 から 2007 への 変 更 点 は 主 にユーザインタフェースの 変 更 であるが, 関 数 の 追 加 など 以 外 に 新 しい 機 能 も 追 加 されている 本 システムではすべての 新 機 能 に 対 応 していないが, 以 下 の 機 能 は 使 うことも 多 いと 思 われる テーマ Excel に 限 らず Office2007 ではドキュメントの 統 一 感 を 得 るために 配 色 フォント 効 果 をテ ーマとして 設 定 できる しかし,VBA でテーマ 名 を 取 得 することは 難 しいので,テーマカラーの アクセント 1 とアクセント 2 からテーマ 名 に 変 換 し 評 価 した テーブル セルの 範 囲 をテーブルとして 変 換 でき, 配 色 やフィルター, 集 計 行 などの 機 能 が 使 用 できる テーブルを 適 用 すると,テーブルスタイルを 指 定 できるので,テーブルスタイルを 採 点 基 準 と 比 較 することで 評 価 した 条 件 付 き 書 式 従 来 から 条 件 付 き 書 式 の 機 能 は 存 在 したが,Excel2007 になってデータバーやアイコンセット など 機 能 強 化 された 図 3 に 示 すダイアログを 追 加 して 対 応 した 図 3 条 件 付 き 書 式 のダイアログ フィルターやピボットテーブルなどの 従 来 からある 機 能 についても 追 加 した 40 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
3. 実 験 結 果 および 考 察 3.1 前 回 の 試 験 採 点 システムとの 比 較 前 回 の 試 作 試 験 採 点 システムと 今 回 の 試 験 採 点 システムを 通 常 で 採 点 した 得 点 との 差 を 比 較 し た 通 常 で 採 点 した 得 点 を 手 動, 試 験 採 点 システムでの 採 点 を 自 動 とし,その 差 の 人 数 を 以 下 の 図 4 に 示 す 図 4 試 験 採 点 システムの 比 較 対 象 とした 試 験 は, 小 テストとして SUM 関 数 や 計 算 式, 書 式 の 設 定 による 表 の 作 成, 円 グラ フの 作 成 などを 25 分 間 で 実 施 した 10 点 満 点 の 試 験 で 他 大 学 の 講 義 である Excel の 基 本 的 な 機 能 のみの 評 価 であるが, 表 を 作 成 し,そのデータをもとにグラフを 作 成 する Excel の 一 般 的 な 操 作 であると 考 えられる 新 システムは 試 作 システムに 比 べて 多 くの 設 定 ができることにより, 試 作 システムでは±1 点 の 間 に 73.2%の 試 験 が 含 まれたのに 対 して, 新 システムでは 84.1%の 試 験 が 含 まれた 特 に 計 算 式 や 関 数 の 採 点 で 違 いがあり, 採 点 の 精 度 が 向 上 したと 考 えられる 41 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
3.2 単 一 ワークシート 本 学 センター 講 座 のコンピュータリテラシー2 では, 期 末 試 験 として 30 分 間 の 実 作 業 時 間,ダ ウンロードしデータを 用 いて Excel の 操 作 により 解 答 し,データの 提 出 および 印 刷 で 評 価 を 行 っ た 試 験 の 内 容 は,データの 入 力 および 設 定, 計 算 式 や 関 数,その 他 としてテーマやテーブルお よび 並 び 替 えなど,グラフの 作 成 である 評 価 対 象 は 単 一 シートで 行 った 1 クラス 分 の 手 動 と 自 動 との 採 点 結 果 の 分 布 を 図 5 に 示 す 図 5 単 一 シートの 採 点 結 果 (N=32) 図 5 の 直 線 は 近 似 曲 線 ではなく, 手 動 と 自 動 との 採 点 結 果 が 同 一 の 場 合 である 相 関 係 数 は 0.889 と 1 とはならなかった, 自 動 採 点 で 評 価 できていない 個 所 や 簡 易 的 にした 採 点 箇 所 も 考 え られるが, 手 動 で 採 点 した 場 合 の 見 落 としや 部 分 点 などのあいまいな 点 などによる 差 が, 自 動 採 点 の 結 果 よりも 手 動 採 点 の 結 果 のほうが, 得 点 が 高 く 出 た 原 因 と 考 えられる しかし,4 名 ほど 直 線 から 大 きく 外 れている 結 果 となった 42 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
手 動 採 点 の 結 果 と 自 動 採 点 の 結 果 との 差 をとり,その 分 布 を 図 6 に 示 す 図 6 単 一 シートの 差 の 分 布 (N=32) 0 点 以 上 5 点 未 満 の 人 数 が 多 く,15 以 上 の 差 が 出 ているのは 3 名 である これらの 原 因 として, 表 をテーブルに 変 換 するとき,セルを 指 定 して 行 うか,セル 範 囲 を 指 定 して 行 うかの 違 いだと 考 えられる 問 題 文 でもセル 範 囲 を 指 示 してあるのでセル 範 囲 を 指 定 してテーブルに 変 換 する 場 合 を 図 7 に 示 す 図 7 テーブル(セル 範 囲 指 定 ) セル 範 囲 を 指 定 しテーブルに 変 換 すると,テーブルの 作 成 ダイアログで 先 頭 行 をテーブル 見 出 しとして 使 用 する にチェックが 自 動 的 に 入 るので 問 題 はない 43 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
次 に,セルを 指 定 してテーブルに 変 換 する 場 合 を 図 8 に 示 す 図 8 テーブル(セル 指 定 ) セルを 指 定 しテーブルに 変 換 すると,テーブルの 作 成 ダイアログで 先 頭 行 をテーブル 見 出 し として 使 用 する にチェックが 自 動 的 に 入 らないので,その 結 果, 見 出 し 行 の 上 に 列 1 列 2 という 1 行 が 入 ってしまう これにより,データがすべて 1 行 ずれてしまうので, 自 動 採 点 する とデータの 入 力 や 計 算 結 果 などは 指 定 のセルとは 違 ってしまい 不 正 解 となってしまう 手 動 での 採 点 であれば 考 慮 できるかもしれないが, 自 動 採 点 では 難 しい テーブルの 変 換 時 の 操 作 により 大 きな 誤 差 が 出 たと 考 えられる コンピュータリテラシー2 の 試 験 受 験 者 の 得 点 分 布 を 図 9 に 示 す 図 9 得 点 分 布 (N=503) 1 クラス(N=32)の 得 点 分 布 と 似 たような 分 布 になっているので 本 試 験 採 点 システムは 実 用 上 44 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
完 全 ではないが 使 用 に 耐 えうるものと 考 えられる 3.3 複 数 のワークシート 本 試 験 採 点 システムは,ファイル 名 やシート 名,セルなどを 指 定 して 配 点 を 行 うので, 単 一 の ワークシートだけが 採 点 の 対 象 ではない 複 数 のワークシートが 設 定 されたファイルをダウンロ ードし, 表 の 作 成 やグラフ 以 外 にも 分 析 ツールやピボットテーブルなども 評 価 の 対 象 とした 試 験 を 採 点 した ワークシートは 問 題 ごとに 6 つ 用 意 し, 表 の 作 成 (セルを 指 定 し,データの 入 力 か ら 計 算, 書 式 の 設 定 ),テーブル フィルター グラフの 作 成, 並 べ 替 え, 分 析 ツール, 統 計 関 数, ピボットテーブルや 散 布 図 などを 出 題 し,75 分 間 を 実 作 業 時 間 とし, 他 大 学 の 試 験 で 実 施 した 手 動 採 点 と 自 動 採 点 との 比 較 を 図 10 に 示 す 図 10 複 数 シートの 採 点 結 果 (N=54) 図 10 の 直 線 は 近 似 曲 線 ではなく, 手 動 と 自 動 の 採 点 結 果 が 同 一 の 場 合 である 相 関 係 数 は 0.941 と 1 とはならなかった, 単 一 シートの 場 合 と 同 様 の 理 由 で 自 動 採 点 の 結 果 よりも 手 動 採 点 の 結 果 のほうが, 得 点 が 高 く 出 たと 考 えられる 単 一 シートよりも 複 数 シートのほうが 問 題 数 も 多 く 採 点 箇 所 も 多 いのでより 手 動 採 点 の 結 果 が 高 得 点 に 出 やすくなったと 考 えられる 強 い 正 の 相 関 が 得 られたことにより, 本 試 験 採 点 システムは 実 用 に 耐 えうるものと 考 えられる しかし, 分 析 ツールやピボットグラフなどで 解 答 中 に 新 規 のワークシートを 作 成 する 場 合,ワ ークシート 名 を 指 定 する 必 要 があり,シート 名 が 異 なると 評 価 できない 45 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b
4.まとめ 今 回 製 作 した 試 験 採 点 システムにより 採 点 を 行 ったが 完 全 な 自 動 化 ではないがコンピュータリ テラシー2 で 必 要 な Excel の 基 本 的 な 機 能 については 実 用 的 な 採 点 結 果 が 得 られた 本 学 センタ ー 講 座 のコンピュータリテラシー2 は 12 クラスあり, 本 年 度 は 2 名 の 担 当 者 で, 講 義 の 内 容 や 進 捗 および 試 験 について 打 ち 合 わせをしながら 講 義 を 進 行 した 同 一 の 試 験 なので 同 一 の 採 点 基 準 で 採 点 を 行 うが, 完 全 に 一 致 した 採 点 基 準 は 難 しく 採 点 者 の 裁 量 により 採 点 結 果 が 異 なる 場 合 が 想 定 されるが 本 試 験 採 点 システムにより 同 一 の 採 点 結 果 が 得 られた これによりどちらの 担 当 者 の 講 義 を 履 修 したとしても 履 修 者 には 遜 色 ない 講 義 が 今 まで 以 上 に 提 供 できたと 思 われる しかし,まだ 評 価 できない Excel の 機 能 もあり, 特 にグラフの 評 価 基 準 は 多 くが 未 搭 載 である より 多 くの 採 点 基 準 を 追 加 する 必 要 がある 今 回 Excel2010 を 用 いても 採 点 を 行 ったが 問 題 はなかった 本 試 験 採 点 システムは Excel2010 の 新 機 能 には 対 応 していないので 今 後 スパークラインや 項 目 が 増 えたテーマなどに 対 応 する 必 要 がある 参 考 文 献 1) 渡 邊 光 太 郎, 城 西 情 報 科 学 研 究,18 号,pp15-pp24,(2008) 2)Microsoft Office Excel 2007 の 新 機 能,http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help (Received Feb. 21, 2011) 46 城 西 情 報 科 学 研 究 21 巻 1 号 b