修 士 論 文 ( 要 旨 ) 2013 年 1 月 日 本 と 中 国 の 企 業 の 社 会 的 責 任 に 関 する 考 察 -コスモ 石 油 中 国 石 油 の 比 較 研 究 - 指 導 牧 田 東 一 教 授 国 際 学 研 究 科 国 際 協 力 専 攻 211J1054 沈 冰
目 次 はじめに 第 1 章 CSR の 理 論 的 アプローチ 4 第 1 節 CSR の 定 義 第 2 節 CSR の 基 本 分 野 第 3 節 CSR の 取 り 組 み 理 由 第 2 章 日 本 企 業 と 中 国 企 業 の CSR の 現 状 6 第 1 節 CSR 調 査 項 目 の 日 本 特 色 第 2 節 日 本 企 業 のさまざま 企 業 不 祥 事 が 起 きる 原 因 と 予 防 策 第 3 節 中 国 における 日 系 企 業 の 社 会 貢 献 活 動 に 関 する 調 査 第 4 節 中 国 企 業 CSR の 現 状 第 3 章 中 国 石 油 とコスモ 石 油 の 概 要 11 第 1 節 中 国 石 油 の 概 要 第 2 節 コスモ 石 油 の 概 要 第 4 章 中 国 石 油 とコスモ 石 油 の CSR の 比 較 考 察 15 第 1 節 全 体 比 較 第 2 節 石 油 天 然 ガスの 持 続 的 供 給 類 似 項 目 と 相 違 項 目 第 3 節 気 候 変 動 への 対 応 第 4 節 社 員 福 祉 第 5 節 社 会 貢 献 おわりに 持 続 可 能 な 社 会 と CSR を 期 待 40 参 考 文 献 i,ii
はじめに 問 題 意 識 経 済 の 発 展 に 従 って 情 報 化 やグローバル 化 の 急 速 な 進 展 が 社 会 の 変 化 を 呼 び 起 こしてい る 経 済 活 動 は 地 球 規 模 で 伸 びている 国 連 の 提 唱 した 企 業 に 関 する 国 際 的 なイニシアチブで あるグローバルコンパクトに 参 加 する 企 業 の 数 が 増 加 している 今 日 においては 経 済 活 動 を 行 っている 主 な 主 体 は 企 業 である 企 業 は 社 会 活 動 の 主 体 にして 日 に 日 に 重 要 な 効 果 を 発 揮 し 社 会 の 中 で 活 躍 している 企 業 を 構 成 しているのは 人 である また 企 業 の 製 品 を 買 い サービ スを 受 ける 消 費 者 も 人 だということを 考 えれば 企 業 の 社 会 的 責 任 (Corporate Social Responsibility: CSR)が 注 目 されている CSR に 関 する 記 事 が 新 聞 をにぎわせ 企 業 経 営 者 の 話 の 中 にも CSR が 頻 繁 に 登 場 するようになっている 企 業 は 利 潤 追 求 を 目 的 とするものである ため 企 業 の 事 業 活 動 におけるさまざまなマイナスの 側 面 が 指 摘 されており 地 球 温 暖 化 対 策 や 食 品 の 安 全 性 など ビジネスのさまざまな 場 面 で たとえば 環 境 基 準 の 低 い 国 において 操 業 活 動 を 行 い 有 害 廃 棄 物 などを 放 置 していたとして 公 害 輸 出 の 問 題 が 指 摘 されている 公 害 輸 出 の 事 例 は 裁 判 にもなった [ 芦 田 他 2008:160] また 最 近 中 国 では 食 品 の 安 全 性 に 関 する 例 として ブタにはクレンブテロールが 入 っており 牛 肉 も 羊 肉 も 有 害 添 加 物 入 り 結 局 企 業 に 関 する 商 品 の 不 買 運 動 が 行 われたり 企 業 イメージの 低 下 という 損 害 を 被 ったりするこ ともある これは 長 期 的 にみれば 企 業 の 利 益 が 減 少 することにもつながる ビジネスとい う 観 点 から 企 業 が 社 会 的 責 任 を 果 たす 必 要 が 生 じているのである CSR の 源 流 ともいえるヨーロッパと メセナ 活 動 やフィランソロピーの 発 達 しているアメリ カを 中 心 に CSR の 現 状 をみたうえで 一 部 アジア 太 平 洋 地 域 の 状 況 も 入 れて 特 に 日 本 と 中 国 について 詳 しく 考 察 していきたい CSR とは 企 業 が 社 会 問 題 と 環 境 問 題 を 従 来 の 財 務 問 題 を 同 じように 企 業 の 責 務 として 利 害 関 係 者 とのやり 取 りのなかに 自 主 的 にと 見 込 むこと とされる [ 岡 本 2004:80] このようにヨーロッパの CSR の 背 景 には 失 業 問 題 やグローバ ル 企 業 の 社 会 問 題 に 端 を 発 している ヨーロッパの 最 大 の 社 会 問 題 とは 国 によっては 30%と も 40%ともいわれる 高 率 に 悩 む 若 者 の 失 業 問 題 である [ 岡 本 2004:82] 一 方 でアジア 地 域 の 最 先 進 国 である 日 本 は やはり 他 の 先 進 国 諸 国 と 同 様 に 高 度 経 済 成 長 と 工 業 化 による 公 害 問 題 労 働 雇 用 問 題 を 経 験 している そのため CSR についてはすでに 欧 米 と 同 水 準 の 取 り 組 みがなされている 大 企 業 による 環 境 報 告 書 CSR 報 告 書 の 作 成 も ほ ぼ 浸 透 しているといってよい 特 に 日 本 は 高 度 経 済 成 長 期 の 1960 年 代 70 年 代 に 悲 惨 な 環 境 汚 染 を 体 験 した 結 果 公 害 や 環 境 への 対 応 が 世 界 的 に 見 てもっとも 進 んでいる 国 となったと いえる アジア 地 域 全 体 としては 日 本 をフロントランナーとした 資 本 主 義 経 済 の 発 展 階 段 に あり 工 業 化 経 済 活 性 化 のなかで 公 害 防 止 面 などの 環 境 問 題 に 重 点 が 置 かれる 傾 向 にある 今 後 世 界 のなかで アジアを 代 表 する 先 進 国 として 日 本 は CSR の 進 化 の 方 向 性 を 真 剣 な 態 度 で 考 えていかなければならない[ 岡 本 2004:81] 中 国 は 急 速 に 経 済 成 長 をしつつある 中 国 企 業 は 経 済 のグローバル 化 の 試 練 を 受 けてきて 1
おり 国 営 企 業 の 力 は 日 増 しに 強 大 になっている 中 国 企 業 は 民 間 組 織 として 価 値 ある 製 品 システムを 社 会 に 提 供 するとともに 地 域 貢 献 や 環 境 保 全 等 CSR が 求 める 活 動 の 多 くの 分 野 において 積 極 的 に 企 業 責 任 を 果 たし 地 域 との 共 存 に 重 きを 置 いてくるべきである そのた め 企 業 で 社 会 責 任 を 引 き 受 けることはすでに 妨 げてはいけない 国 際 的 趨 勢 になってきた し かし ここ 数 年 来 中 国 の 企 業 には 企 業 社 会 責 任 事 件 が 絶 えず 生 じている CSR は 中 国 におい て 発 展 の 初 期 段 階 にあるため 中 国 の CSR はまだいろいろな 不 足 がある 中 国 の 現 状 と 関 連 し 欧 米 諸 国 の CSR は 最 先 端 だが 直 接 まねをすることは 中 国 の 場 合 は 不 相 応 と 考 える やはり 中 国 の CSR のモデルとしては アジア 地 域 の 最 先 進 国 である 日 本 の 方 が 適 切 である そこで 筆 者 は 中 国 の 企 業 社 会 責 任 の 現 状 に 基 づき 問 題 が 発 生 する 原 因 を 分 析 したいと 思 う また 日 本 企 業 は CSR をどのように 実 施 しているか それも 研 究 内 容 の 一 つである それ に 中 国 国 営 企 業 はどのような CSR を 実 施 し 社 会 活 動 の 主 体 に 効 果 を 発 揮 しているのだろう か また どのような 課 題 を 抱 えているのだろうか これらが 次 に 研 究 すべき 課 題 である そのうえで 日 本 の 大 手 企 業 の CSR の 発 展 の 現 状 から 何 を 参 考 にし 中 国 企 業 の CSR の 長 所 を 伸 ばし 短 所 を 改 めることを 考 えたい 新 興 国 では 経 済 発 展 にともなって 環 境 問 題 や 社 会 問 題 の 悪 化 が 注 目 されている 日 本 企 業 が 過 去 の 経 験 から 得 た 教 訓 を 活 かして 見 本 となること は 現 地 からの 信 頼 が 得 られるうえ 尊 敬 を 集 めることにつながるであろう さらに 企 業 の 社 会 的 責 任 のレベルを 引 き 上 げる 方 法 についても 探 求 したいと 思 う これは 企 業 の 社 会 的 責 任 の 問 題 だけではなく 同 時 にグローバル 化 した 世 界 において 中 国 企 業 が 発 展 するための 要 求 で もある 2
参 考 文 献 (アイウエオ 順 ) 日 本 語 文 献 芦 田 健 太 郎 薬 師 寺 公 夫 坂 元 茂 樹 (2008) ブリッジブックス 国 際 人 権 法 信 山 出 版 インターリスク 総 研 (2004) 実 践 CSR 持 続 可 能 な 発 展 に 向 けて 経 済 法 令 研 究 会 海 野 みづえ(2009) 企 業 の 社 会 的 責 任 (CSR)の 基 本 がよくわかる 本 中 経 出 版 海 野 みづえ 細 田 悦 弘 (2011) 企 業 ブランディング 産 業 編 集 センター 榎 本 徹 (2005) CSR 活 用 ガイド 問 われ 始 めた 企 業 の 社 会 的 責 任 オーム 社 江 橋 崇 (2009) 企 業 の 社 会 的 責 任 経 営 CSR とグローバル コンパクトの 可 能 性 法 政 大 学 出 版 局 岡 本 亨 二 (2004) CSR 入 門 企 業 の 社 会 的 責 任 とは 何 か 日 本 経 済 新 聞 社 王 名 (2007) 中 国 の NPO いま 社 会 改 革 の 扉 が 開 く 第 一 書 林 出 版 清 川 佑 二 (2007) 企 業 改 革 への CSR 実 践 論 日 本 BP 企 画 国 廣 正 (2010) それでも 企 業 不 祥 事 が 起 こる 理 由 日 本 経 済 新 聞 出 版 国 際 交 流 基 金 (2008) 中 国 における 日 系 企 業 の 社 会 貢 献 活 動 に 関 する 調 査 報 告 書 谷 本 寛 治 (2006) CSR 経 営 中 央 経 済 社 谷 本 寛 治 (2006) CSR 企 業 と 社 会 を 考 える NTT 出 版 日 本 電 気 ( 株 )(2004) CSR 実 践 的 経 営 の 進 め 方 日 科 技 連 萩 原 愛 (2005) 企 業 の 社 会 的 責 任 (CSR) 背 景 と 取 り 組 み Issue Brief No.476 国 立 国 会 図 書 館 横 田 洋 三 (2008) 国 際 人 権 入 門 法 律 文 化 社 横 田 洋 三 (2006) 新 国 際 機 構 論 上 下 国 際 書 院 中 国 語 文 献 陳 英 (2009) 企 業 社 会 的 責 任 理 論 与 実 践 経 済 管 理 出 版 社 企 業 CSR 報 告 書 中 国 石 油 天 然 気 グループ 会 社 (2012) 中 国 石 油 天 然 気 グループ 会 社 企 業 社 会 責 任 報 告 2011 コスモ 石 油 (2011) コスモ 石 油 グループコーポレートレポート2010 参 考 HP リスト 中 国 石 油 HP [http://www.csr-china.net/templates/node/index.aspx?nodeid=75f12b28-5802-4353-85a1-5f0f1439f254&page=contentpage&contentid=a44dab4c-c606-4c29-855f-1410a0cf5d06] 大 慶 石 油 HP [http://dqyt.cnpc.com.cn/news/dq/dqyt/shzr/index.shtml] i
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