ニュースの 報 道 形 態 の 定 量 的 評 価 グループ 演 習 3 班 伊 藤 文 也 有 田 和 晃 尾 羽 秀 晃 平 木 通 紘 アドバイザー 教 員 遠 藤 靖 典 1 はじめに 1.1 テーマの 背 景 近 年 日 本 のテレビのニュース 報 道 において 娯 楽 化 (ソ フト 化 )された 報 道 形 態 が 増 加 している[1] 例 えば 芸 能 人 のニュースキャスターへの 起 用 や 分 かりやすいフリッ プやボードの 使 用 BGM や 効 果 音 による 過 剰 な 演 出 など が 挙 げられソフト 化 された 報 道 形 態 はニュースを 身 近 に 感 じることができることや 政 治 や 経 済 に 興 味 を 持 つき っかけになる[2]といったメリットがあ 一 方 で 娯 楽 的 に 演 出 されたニュースに 依 存 することで 受 け 手 の 批 判 的 視 聴 能 力 が 低 下 し 報 道 内 容 を 鵜 呑 みにする 可 能 性 が 指 摘 されている[1] 本 来 ニュースに 接 する 際 には その 情 報 を 自 分 で 吟 味 し 判 断 することが 必 要 とされしかし こ のことによりキャスターやコメンテータの 個 人 的 な 意 見 や 図 1のようなテロップ 内 における 強 調 表 示 などの 演 出 上 の 工 夫 から 生 まれるテレビ 局 側 の 恣 意 的 な 報 道 を 容 易 に 受 容 する 危 険 性 が 考 えられよう したがって ソフト 化 された 報 道 形 態 により 視 聴 者 が 無 意 識 の 内 に 情 報 操 作 を 受 けるリスクが 存 在 すると 考 えられ 1.2 目 的 本 研 究 は ニュースをソフト 化 させる 報 道 形 態 はどのよ うなものかを 調 査 することを 目 的 とす 具 体 的 には ソ フト 化 させる 報 道 形 態 の 要 因 を 検 証 し その 要 因 に 基 づい て 報 道 番 組 のソフト 度 を 定 量 的 に 評 価 す 最 終 的 に そ のソフト 度 と 我 々が 感 じる 番 組 の 印 象 との 比 較 考 察 を 行 う 1.3 研 究 の 流 れ 本 研 究 の 流 れを 以 下 に 示 す ソフト 度 の 定 義 指 標 の 設 定 番 組 調 査 指 標 の 絞 り 込 み 指 標 の 重 み 決 定 評 価 考 察 2 調 査 方 法 2.1 本 研 究 におけるソフト 度 ニュースを ハードニュース と ソフトニュース に 分 類 する 研 究 は 古 くから 行 われていしかし その 多 く は 出 来 事 や 報 道 のタイミングによる 分 類 [2][3][4]や 内 容 による 分 類 [5][6][7][8][9]であり 報 道 形 態 による 分 類 に 着 目 している 研 究 [1]は 少 ない 本 研 究 はニュースの 内 容 が 同 様 であっても 報 道 形 態 に よって 視 聴 者 の 受 け 取 り 方 が 異 なるという 点 に 着 目 して いるため 報 道 形 態 による 分 類 を 試 みた まず 以 下 の 3 つの 条 件 を 満 たす 報 道 形 態 の 番 組 をソフト 度 0 のハードニ ュースと 定 義 す 1 2 一 人 がニュースを 伝 える 専 門 職 (アナウンサーなど)がニュースを 伝 える 1
3 演 出 が 一 切 ない 1は ただニュースを 伝 えるのに 複 数 人 である 必 要 がな く また 会 話 の 掛 け 合 いの 中 でニュース 伝 達 者 の 個 人 的 な 意 見 が 発 せられるのを 防 ぐため 条 件 に 設 定 した 2は ニ ュース 伝 達 者 のバックグラウンドが ニュースの 本 質 から 目 を 逸 らさせる 要 素 となりうるため 条 件 に 設 定 した 3は テレビ 局 側 の 演 出 上 の 工 夫 が 同 じくニュースの 本 質 から 目 を 逸 らさせる 要 素 となりうるため 条 件 に 設 定 した ここで 1 2は 視 覚 的 にすぐ 認 識 できるものであるが 3は 視 聴 者 が 意 識 して 見 るものではないので 客 観 的 に 報 道 内 容 を 受 け 取 り 視 聴 者 が 自 ら 考 えることを 阻 害 する 危 険 性 が 考 えられよって 今 回 は3についての 定 量 的 な 評 価 に 取 り 組 むこととす 2.2 指 標 の 設 定 とその 数 値 化 既 往 研 究 [1]を 参 考 に ニュースをソフト 化 させる 要 因 を 以 下 のように 設 定 した なお この 指 標 はプレ 調 査 によっ て 誰 が 見 ても 回 数 が 変 化 しないような 客 観 的 な 指 標 であ ること 調 査 を 一 人 で 行 ったとしても 取 得 可 能 な 指 標 であ ることを 確 認 してい 発 話 テロップ 発 話 テロップ 内 強 調 インタビュー 文 字 変 声 文 字 テロップ BGM 図 表 模 型 ボード 聴 し 2.2 において 設 定 した 指 標 のカウントを 行 った 今 回 対 象 とした 番 組 を 以 下 に 示 す これらの 番 組 は 時 間 帯 や 放 送 局 のバランスを 考 慮 して 選 択 した なお 放 送 された 日 付 は 平 日 の 番 組 は 7 月 29 日 休 日 の 番 組 はそれぞれ 31 日 8 月 1 日 であった 平 日 ( 朝 ) NHK ニュース 日 本 (NHK) みのもんたの!(TBS) 平 日 ( 夕 方 ) FNS (フジ) スーパーJ チャンネル(テレ 朝 ) NHK ニュース 7(NHK) 平 日 ( 夜 ) NEWS ZERO( 日 テレ) (テレ 朝 ) 休 日 情 報 7days ニュースキャスター(TBS) 真 相 報 道 バンキシャ!( 日 テレ) 3 結 果 と 考 察 3.1 分 析 に 用 いる 指 標 の 選 定 2.2 にて 設 定 した ニュースをソフト 化 させると 考 えら れる 指 標 の 中 でも 特 にソフト 度 に 影 響 を 与 えていると 考 えられる 指 標 を 選 定 するために 以 下 に 示 す 方 法 で 指 標 の 本 研 究 では これらの 指 標 の 使 用 頻 度 を 番 組 ごとに 調 査 絞 り 込 みを 行 った することにより 各 番 組 のソフト 度 の 定 量 化 を 試 み まず NHK のは 2.1 で 提 示 した 本 研 究 で なお 発 話 テロップとはインタビューや 会 見 などで 人 が 考 えるハードニュースの 定 義 に 最 も 近 いと 考 えられるた 話 した 日 本 語 を 文 字 に 書 き 起 こしたテロップであり 発 話 め NHK のにてあまり 使 用 されていない 演 出 テロップ 内 強 調 文 字 は 一 つの 発 話 テロップ 内 での 一 部 分 指 標 が ニュースをソフト 化 する 指 標 と 考 えることとした において 文 字 の 大 きさや 色 が 変 化 している 箇 所 であ 次 に 各 指 標 における NHK ニュース 7 の 他 の 報 道 番 組 と 変 声 とはインタビュー 相 手 の 声 色 を 機 械 によって 変 化 さ 比 較 した 使 用 頻 度 の 偏 差 値 を 算 出 し 偏 差 値 が 40 以 下 に せることであ なる 指 標 を 選 定 した つまり NHK ニュース 7 における 発 話 テロップ 文 字 テロップは 一 つの 表 示 につき 一 つカ 偏 差 値 が 低 い 指 標 ほど ニュースをソフト 化 させている 可 ウントす 発 話 テロップ 強 調 文 字 は 強 調 があった 箇 所 一 能 性 があるという 考 え 方 であ 表 1 は NHK ニュース つにつき 一 カウントし インタビュー 変 声 図 表 は 使 用 7 における 各 指 標 の 偏 差 値 を 示 す 偏 差 値 40 以 下 となる 一 回 につき 一 つカウントすBGM は 曲 が 変 化 した 時 点 指 標 は 表 1 より 発 話 テロップ インタビュー 発 で 一 つカウントす 話 テロップ 内 強 調 文 字 BGM の4つの 変 数 であり これらを 特 にニュースをソフト 化 させる 要 因 として 選 定 2.3 番 組 調 査 した 番 組 調 査 として 一 番 組 につき 番 組 開 始 から 終 了 まで 視 2
表 1 NHK ニュース 7 における 各 指 標 の 偏 差 値 指 標 偏 差 値 発 話 テロップ 40 文 字 テロップ 70 インタビュー 38 変 声 44 発 話 テロップ 内 強 調 文 字 40 BGM 38 図 表 模 型 ボード 49 3.2 主 観 による 各 番 組 のソフト 度 の 決 定 3.1 にて 選 定 された 4 つの 変 数 を 用 いて 各 番 組 のソフト 度 を 算 出 には 各 指 標 に 係 数 ( 重 み)を 設 定 する 必 要 があ り 回 帰 的 アプローチ 等 で 重 みを 設 定 することが 求 められ しかしながら 被 説 明 変 数 となり 得 る 各 報 道 番 組 のソフ ト 度 に 関 しては 客 観 的 に 評 価 されたデータは 存 在 しない そこで 本 研 究 では グループ 演 習 3 班 の 4 人 のメンバーが 第 2 章 にて 示 したソフトニュースの 定 義 に 基 づいて 主 観 的 評 価 を 基 に 各 番 組 のソフト 度 を 設 定 した 具 体 的 な 評 価 方 法 としては 各 報 道 番 組 のソフト 度 を 0 ~100 までのポイントにて 主 観 的 に 評 価 を 行 った 結 果 は 表 2 の 通 りであ 表 2 主 観 評 価 による 各 報 道 番 組 のソフト 度 番 組 名 主 観 評 価 によるソフト 度 ニュース 7 5 日 本 10 35 FNS 40 真 相 報 道 バンキシャ! 45 NEWS ZERO 50 スーパーJ チャンネル 55 の 算 出 の 際 の 重 みとなる 係 数 を 決 定 することを 目 的 とす 本 研 究 では ソフト 度 を 算 出 するにあたり 主 観 的 評 価 に 基 づくソフト 度 と 最 も 当 てはまりが 良 い 変 数 を 選 定 す るために ステップワイズ 法 を 用 いた 重 回 帰 分 析 を 行 った ステップワイズ 法 とは 1 つずつ 説 明 変 数 を 出 し 入 れしな がら 最 もモデルの 当 てはまりが 良 くなるように 変 数 選 択 を 行 う 手 法 であ 結 果 を 表 4 に 示 す モデルの 当 てはまりが 最 も 良 くなる ために 採 択 された 変 数 は 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 の みであった また モデルの 当 てはまりの 良 さ を 示 す 決 定 係 数 は 0.7 と 十 分 当 てはまりが 良 いことがわか 尚 本 節 におけるステップワイズの 回 帰 分 析 により 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 の 指 標 のみが 採 択 された しかし 本 節 における 目 的 は 変 数 を 一 つに 選 定 することではなく 主 観 的 評 価 に 基 づく 各 番 組 のソフト 度 と 最 も 当 てはまり が 良 くなるように 4 つの 指 標 の 組 み 合 わせである 全 15 通 りの 中 から 選 定 し 選 定 された 指 標 の 係 数 (ソフト 度 算 出 における 重 み)を 決 定 することにあそして 4 つの 指 標 を 用 いて 主 観 的 評 価 による 各 番 組 のソフト 度 と 最 も 当 てはまりが 良 くなるように 指 標 を 選 定 した 結 果 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 の 指 標 のみが 採 択 された この 結 果 より 2.2 にていくつかの 指 標 を 列 挙 し 実 際 の 番 組 視 聴 を 通 じて 指 標 の 検 討 を 行 なったが 各 番 組 のソ フト 度 を 算 出 する 際 には 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 に のみ 着 目 することが 望 ましいと 考 えられ 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 が 高 くなるほど 2.1 で 定 義 したソフト 化 され たニュース 番 組 である 可 能 性 が 高 いということを 示 す 結 果 となった また この 結 果 から 複 数 の 指 標 に 着 目 する 必 要 がなく 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 にのみ 着 目 することで 簡 便 に 各 番 組 のソフト 度 を 算 出 できる 可 能 性 があ みのもんたの! 80 ニュースキャスター 90 3.3 回 帰 的 アプローチによる 各 指 標 の 係 数 決 定 本 節 では 3.1 にて 選 定 された NHK では 使 用 頻 度 が 極 めて 低 い 演 出 に 関 する 4 つの 指 標 を 説 明 変 数 とし 3.2 に て 主 観 的 に 評 価 した 各 番 組 のソフト 度 を 被 説 明 変 数 とし て( 表 3 参 照 ) 重 回 帰 分 析 を 行 い 各 指 標 におけるソフト 度 3
表 3 重 回 帰 分 析 にて 使 用 した 変 数 定 義 に 基 づき 主 観 的 に 評 価 した 各 番 組 被 説 明 変 数 のソフト 度 発 話 テロップの 使 用 頻 度 BGM の 使 用 頻 度 説 明 変 数 強 調 文 字 の 使 用 頻 度 インタビューの 使 用 頻 度 表 4 ステップワイズ 法 による 分 析 結 果 採 択 された 指 標 偏 相 関 係 数 t 値 p 値 発 話 テロップの 使 用 頻 度 0.847 4.22 0.003 サンプル 数 9 決 定 係 数 R 2 0.718 自 由 度 調 整 済 決 定 係 数 R 2 0.678 また 図 1~4 に 示 すように 4 つの 各 指 標 と 主 観 的 評 価 によるソフト 度 とのプロット 図 及 び 相 関 係 数 をそれぞれ 見 てみても 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 と 主 観 的 評 価 に 基 づくソフト 度 との 当 てはまりが 非 常 に 良 いことがわか BGM の 使 用 頻 度 も 発 話 テロップと 同 様 に その 相 関 係 数 からソフト 度 との 当 てはまりが 良 いことが 分 かる が その 分 布 や 相 関 係 数 から 理 解 できるように 発 話 テ ロップ の 使 用 頻 度 との 多 重 共 線 性 を 考 慮 した 結 果 採 択 しなかった バンキシャ インタビュー ニュース 相 関 係 数 =0.45 図 2 インタビューと との 散 布 図 ニュースキャスター 強 調 相 関 係 数 =0.35 バン 図 3 強 調 文 字 と との 散 布 図 バンキシャ ニュースキャスタ 相 関 係 数 =0.85 ニュースキャスター バンキシャ 相 関 係 数 =0.78 発 話 BGM 図 1 発 話 量 と との 散 布 図 図 4 BGM と との 散 布 図 4
3.4 定 義 に 基 づかない 主 観 的 評 価 によるソフ ト 度 と 発 話 テロップの 相 関 3.2 では 2.1 にて 示 したソフトニュースの 定 義 の 3 つの 基 準 に 基 づいて 3 班 のメンバーが 主 観 的 に 各 ニュース 番 組 のソフト 度 を 評 価 した しかしながら 一 般 の 人 が 考 える 各 ニュース 番 組 のソフト 度 とは 本 研 究 において 定 義 した ように 明 確 な 判 定 基 準 は 存 在 しないため 一 般 の 人 は 不 明 確 な 基 準 でニュース 番 組 のソフト 度 というものを 評 価 し ていると 考 えられそこで 各 番 組 のソフト 度 を 定 義 に 基 づかずに 単 純 なイメージで 主 観 的 に 評 価 した 値 と 発 話 テロップとの 相 関 が 定 義 に 基 づいたソフト 度 との 相 関 と 比 較 して どのような 違 いが 現 れるのかを 考 察 することは 重 要 であると 考 えられ3.2 と 同 様 の 手 法 を 用 いて 各 番 組 のソフト 度 を 本 研 究 におけるソフトニュースの 定 義 に 基 づかず 単 純 な 印 象 をもとに 主 観 的 に 評 価 をした 結 果 が 表 5 であまた 図 5 は 縦 軸 に 定 義 に 基 づかない 主 観 的 評 価 によるソフト 度 横 軸 に 発 話 テロップの 使 用 頻 度 を とり プロットした 図 であ 散 布 図 から 回 帰 直 線 の 上 下 でニュースが 2 つに 分 類 され ていることがわかそれぞれのグループの 特 徴 を 考 察 す ると 回 帰 直 線 よりも 上 にプロットされているニュース 番 組 の 群 では メインキャスターやコメンテータに 芸 能 人 が 起 用 されていたり アナウンサーであっても 視 聴 者 がそ のキャラクターやバックグラウンドに 関 して 強 い 印 象 を 持 っている 者 を 起 用 しているなどの 特 徴 があると 考 えら れ 例 えば では 古 館 伊 知 郎 氏 という 世 間 的 に 非 常 に 有 名 なアナウンサーが 起 用 されており NEWSZERO では ジャニーズの 櫻 井 翔 氏 が 起 用 されてい この 結 果 より 理 解 できることは 演 出 (ここでは 発 話 テ ロップ)を 多 用 していないニュース 番 組 であっても 芸 能 人 や 特 徴 的 なキャラクターを 持 つ 人 気 アナウンサーが 起 用 されているニュース 番 組 に 関 しては 我 々はソフト 化 し ているという 印 象 を 持 ちやすいということが 明 らかとな った 本 研 究 においては 起 用 されているキャスターやコメン テータなどの 属 性 に 関 して 考 慮 した 指 標 は 作 成 していな い しかし 人 気 のコメンテータやキャスター または 芸 能 人 などがニュースを 読 み 上 げることによって ニュース を 鵜 呑 みにする 危 険 性 は 大 きいと 考 えられるため この 点 に 関 しては 今 後 の 課 題 としたい 表 5 感 覚 的 なソフト 度 番 組 名 主 観 評 価 によるソフト 度 ニュース 7 5 日 本 10 FNS 40 スーパーJ チャンネル 50 NEWS ZERO 70 ニュースキャスター 75 真 相 報 道 バンキシャ! 80 85 みのもんたの 朝 ズバ 95 感 覚 的 なソフト 度 バンキシャ ニュースキャ 相 関 係 数 =0.55 発 話 図 5 発 話 量 と 感 覚 的 なソフト 度 との 散 布 図 3.5 本 章 のまとめ 本 研 究 では ニュースをソフト 化 させる 要 因 に 関 してい くつかの 指 標 を 列 挙 し 実 際 のニュース 番 組 の 視 聴 を 通 じ て 指 標 の 検 討 を 行 なった しかし 本 章 において 示 したと おり 発 話 テロップの 使 用 頻 度 と 主 観 的 評 価 による 各 番 組 のソフト 度 との 相 関 は 高 く 回 帰 的 アプローチからも 発 話 テロップのみを 説 明 変 数 としたときの 回 帰 モデルが 最 も 当 てはまりが 良 くなることが 明 らかとなった これより 発 話 テロップにのみ 着 目 することで 各 番 組 のソフト 度 を 容 易 に 測 ることができると 考 えられしかし 本 研 究 は 調 査 対 象 番 組 が 9 番 組 に 限 定 されている 点 と 主 観 的 に 評 価 した 各 番 組 のソフト 度 が 3 班 のメンバー4 人 による 評 価 のみに 限 定 していることから サンプル 数 を 今 後 増 加 させ るという 点 が 課 題 であ 5
4 まとめ 報 道 番 組 のソフト 化 により テレビ 局 側 の 恣 意 的 な 報 道 を 容 易 に 受 容 してしまう 可 能 性 が 考 えられ 本 研 究 は ニュースをソフト 化 させる 報 道 形 態 の 調 査 を 行 い 報 道 番 組 のソフト 度 の 定 量 的 評 価 に 取 り 組 んだ 調 査 の 前 段 階 として 本 研 究 におけるソフト 度 を 3 つの 条 件 より 定 義 した その 中 から 今 回 は 演 出 面 の 工 夫 に 着 目 することとした ニュースをソフト 化 する 指 標 を 7 つ 設 定 し それらの 使 用 頻 度 について 9 番 組 を 対 象 に 調 査 を 行 った 分 析 結 果 からは 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 と 主 観 的 に 評 価 された 各 ニュースのソフト 度 との 相 関 が 高 いこと が 明 らかとなり ステップワイズ 法 による 重 回 帰 分 析 にお いても 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 のみが 採 択 されたこ とから 対 象 ニュースの 発 話 テロップ の 使 用 頻 度 に 着 目 することで ソフト 化 されたニュースかどうかを 簡 便 に 計 測 することができることを 示 唆 した 5 今 後 の 課 題 はじめに 本 研 究 では 対 象 番 組 選 定 の 際 に ニュース 番 組 が 放 送 される 朝 夕 夜 に 偏 りがないように 且 つ 対 象 放 送 局 に 偏 りがないように 番 組 を 選 定 したが データ 取 得 の 限 界 から 9 つの 番 組 を 対 象 としてデータ 収 集 を 行 った しかし 多 くの 人 が 見 ているニュース 番 組 はより 多 様 であ り それらの 番 組 も 含 めて 調 査 を 行 い 時 間 帯 ごとや 放 送 局 ごとに 演 出 に 仕 方 や ニュース 番 組 をソフト 化 させる 要 因 についても 比 較 し 考 察 することで 明 らかになることが 多 いと 考 えられ 調 査 対 象 番 組 を 増 やすことが 一 点 目 の 課 題 であ 次 に 本 研 究 における 各 番 組 のソフト 度 の 評 価 に 当 たっ ては 3 班 の 班 員 4 人 によってのみ 評 価 された 結 果 であり 非 常 に 少 数 の 意 見 しか 反 映 されていない 評 価 であると 考 えられそこで アンケート 調 査 を 実 施 し より 多 くの 人 の 意 見 に 基 づいた 各 番 組 のソフト 度 を 算 出 するとこと が 二 点 目 の 課 題 であ 最 後 に 3.4 にて 定 義 に 基 づかないソフト 度 と 発 話 テロッ プの 使 用 頻 度 とのプロット 図 を 示 したが 結 果 的 番 組 の 群 が2つに 分 類 されるという 結 果 が 得 られた 3.4 でも 述 べ たが おそらく 人 々の 印 象 として 芸 能 人 やタレント メ インキャスターの 性 格 が 印 象 的 なニュース 番 組 はソフト 6 度 を 高 く 見 積 もる 傾 向 にあると 考 えられしかし これ らは 推 測 にすぎず 客 観 的 な 指 標 をもって 分 類 することは できなかったため 客 観 的 な 指 標 によりこれらを 分 類 する ことが 三 点 目 の 課 題 であ 6 参 考 文 献 [1] 萩 原 滋, ニュース 番 組 の 内 容 と 形 式 娯 楽 化 傾 向 の 検 証 と 番 組 の 類 型 化, 丸 善 株 式 会 社,2001 [2] Jamieson, K.H. & Campbell, K.K., The interp lay of influence: Mass media & their publics in news, advertising, politics.,wadsworth Publis hing Company,1983 [3] Tuchman, G., Making news,the Free Press., 1978 [4] Smith, F.L., Prespectives on radio and televisi on: An introduction to broadcasting in the Unit ed States.,Harper & Row,1979 [5] 上 滝 徹 也, テレビニュースの 多 様 化 とその 内 実, 放 送 学 研 究,1989 [6] 萩 原 滋, テレビにおけるニュース 報 道 の 分 析 午 後 6 時 台 と 9 時 以 降 の 番 組 比 較 を 中 心 に, 慶 応 義 塾 大 学 新 聞 研 究 所 年 報,1992 [7] 稲 増 一 憲, 多 様 化 するテレビ 報 道 と 有 権 者 の 選 挙 へ の 関 心, 社 会 心 理 学 研 究,2009 [8] Scott, D.K. & Gobetz, R.H., Hard news/ soft n ews content of the national broadcast networks, 1972-1987,Journalism Quarterly,1992 [9] 川 端 美 樹, ニュース 番 組 の 娯 楽 化 傾 向 に 対 する 認 識 と 評 価, 丸 善 株 式 会 社,2001