中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 太 極 五 防 功 について 宮 本 知 次 体 育 研 究 第 47 号 抜 刷 2013 年 3 月 31 日 発 行
< 研 究 資 料 > 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 太 極 五 防 功 について 宮 本 知 次 1. は じ め に 筆 者 ら 中 央 大 学 保 健 体 育 研 究 所 古 武 道 研 究 班 の メンバーは, 研 究 所 紀 要 において, 中 国 伝 統 養 生 法 や 伝 統 武 術 ( 太 極 拳 )の 現 代 化 や 発 展 のか たちを 紹 介 し,それらの 現 代 における 意 義 を 検 証 してきた 具 体 的 には 紀 要 第 18 号 (2000 年 )で 中 国 伝 統 太 極 拳 の 現 代 化 に 関 する 研 究 - 太 極 養 生 功 を 中 心 として- を 発 表 して, 伝 統 呉 式 太 極 拳 の 武 術 動 作 と 道 教 の 求 道 者 ( 道 家 )の 気 功 鍛 錬 術 である 養 生 法 を 結 びつけた 太 極 養 生 功 を 紹 介 した また 紀 要 第 30 号 (2012 年 )では 中 国 伝 統 太 極 拳 の 現 代 化 に 関 する 研 究 Ⅱ- 呉 式 伝 統 太 極 拳 の 簡 化 における 取 り 組 みについて- と 題 し て, 伝 統 太 極 拳 の 練 習 法 として 古 くから 踏 襲 され てきた 長 大 な 套 路 ( 型 )の 表 演 時 間 を 短 くし, 動 作 も 基 礎 的 かつ 簡 明 な 動 きに 限 定 して 組 み 合 わせ た 内 容 になっていることを 写 真 画 像 を 多 用 して 紹 介 した 太 極 養 生 功 や 簡 化 で 扱 った 套 路 呉 氏 太 極 拳 十 三 勢 のいずれも, 整 理 編 纂 表 演 にあ たったのは 呉 式 伝 統 太 極 拳 四 代 傳 人 馬 長 勲 であ る さて 本 稿 では, 馬 長 勲 が,より 純 粋 に 養 生 法 を 意 識 して 整 理 編 纂 したと 思 われる 太 極 五 防 功 を 紹 介 する これも 公 刊 されるのは 中 国 で も, 本 邦 でも 初 めてなので 全 7 動 作 すべてを 掲 載 したいと 考 える 2. 馬 長 勲 ( ma chang xun) の 経 歴 馬 長 勲 は1933 年 11 月 に 中 国 河 北 省 で 生 まれ, 二 十 余 歳 にして 北 京 の 著 名 な 太 極 拳 家 で 呉 式 太 極 拳 三 代 傳 人 ( 継 承 者 宗 家 )である 劉 晩 蒼 に 1955 年 から 師 事 し,1960 年 正 式 な 拝 礼 をして 門 下 に 加 わった その 後 4 人 の 入 室 弟 子 ( 師 の 私 宅 に 入 り 稽 古 することを 許 された 弟 子, 内 弟 子 )の 一 人 となり,1990 年 に 師 が 死 去 されるまで 仕 え た 後 に,その 技 法 心 法 の 全 面 的 継 承 者 として 第 四 代 傳 人 となった 彼 が 青 年 時 代 を 送 った1950 年 代 の 北 京 は 太 極 拳 をはじめ 中 国 武 術 の 名 人 上 手 が 百 花 繚 乱 の 如 く 輩 出 し,どこの 公 園 に 行 っても 優 れた 武 術 家 達 の 技 を 堪 能 することができたと 述 懐 している 武 術 世 界 に 魅 せられた 馬 長 勲 は, 刻 苦 研 鑽 し ながら 呉 式 太 極 拳 第 二 代 名 家 である 王 子 英 をはじ め 李 文 傑, 張 継 之, 楊 禹 廷 などの 多 くの 先 達 師 家 から 学 び, 太 極 拳 と 推 手 の 技 と 理 合 いの 深 い 影 響 を 受 け, 真 伝 を 伝 授 された 他 流 派 の 太 極 拳 の 研 究 にも 余 念 がなく, 呉 斌 芝 から 楊 澄 浦 伝 承 の 拳 式 と 剣 刀 粘 杆 などの 器 械 を, 李 香 遠 からは 武 式 太 極 拳 を,また, 楊 式 太 極 拳 三 代 傳 人 の 鮑 全 福 からは 紀 子 修 伝 承 の 拳 式 と 道 家 養 生 功 を 学 んだ 馬 長 勲 は 鮑 全 福 に 対 し 敬 愛 と 懐 旧 の 思 いを 込 め 著 作 太 極 養 生 功 序 文 のなかで 以 下 のよう に 述 べている 先 生 は 楊 式 太 極 拳 の 第 三 代 傳 人 であり, 鮑 先 生 の 一 家 と 劉 晩 蒼 先 生 は 付 き 合 い
26 体 育 研 究 第 47 号 (2013) の 古 い 友 人 同 士 でした 劉 晩 蒼 先 生 は 私 の 師 匠 ( 師 傳 )であったため, 鮑 先 生 はごく 自 然 に 私 が 教 えを 受 けた 老 師 のなかの 一 人 となりました 鮑 先 生 は 非 常 に 深 い 文 化 教 養 を 備 えた 方 で, 道 家 文 化 を 熱 心 に 研 究 することに 一 生 を 費 やされた 方 で もありました この 鮑 先 生 がかつて 私 に 一 通 りの 内 家 養 生 功 ( 内 養 功 )を 教 授 してくださったので す 1) 今 年 80 歳 を 迎 える 馬 長 勲 は,50 数 年 間 伝 統 技 術 の 基 礎 に 忠 実 に 従 って 研 鑽 した 結 果, 独 自 の 風 格 を 持 ち,まさに 円 熟 の 境 地 をそなえるといった 感 がある 馬 長 勲 の 太 極 拳 拳 風 は 大 河 の 流 れのようにゆ るやかで 静 かでありながら,また 雲 海 の 湧 き 出 る ような 気 のエネルギーを 持 ち,その 美 しさは 芸 術 といっても 過 言 ではない 特 に, 太 極 拳 推 手 に 関 しては 現 代 北 京 武 術 界 における 第 一 人 者 の 評 価 を 受 けている 劉 晩 蒼 先 生 の 功 力 と, 李 文 傑 先 生 の 軽 霊 さ, 張 継 之 先 生 の 沈 鬆, 王 子 英 先 生 の 深 い 韻 律 を 一 つの 炉 で 融 合 したもので, 技 術 の 極 限 を 超 えて 芸 術 の 境 地 に 達 している 2) との 評 は 正 鵠 を 得 ている 技 芸 より 徳 が 優 ること, 悟 理 ( 道 理 に 目 覚 めること)が 最 も 大 切 なのである 3) とは, 馬 長 勲 が 一 貫 してこの 哲 理 で 自 己 を 律 してきた 自 戒 の 言 葉 でもある 弟 子 たちには 常 々, 太 極 拳 の 稽 古 の 目 的 は, 徳 操 を 修 養 し,その 哲 理 を 悟 ることである 人 に 勝 ちたいという 心 を 捨 て, 人 に 勝 たなくても 済 む 力 量 ( 功 夫 )を 身 につける 稽 古 をしなければ 太 極 拳 の 真 諦 を 悟 ることはできな い 4) と 説 いている まさに,このような 思 想 が 氏 の 朴 実 で 温 厚, 文 雅 な 性 格 と 気 質 を 表 している 馬 長 勲 は 長 年 にわたり 太 極 拳 の 古 い 文 献 や, 易 経 道 徳 経 黄 帝 内 経 孫 子 兵 法 などの 典 籍 を 深 く 研 修 し,さらに 高 度 な 武 術 世 界 を 構 築 すべく 精 進 を 重 ねている 術 技 指 導 業 績 では,1979 年 に 南 寧 市 で 開 かれ た 第 一 回 全 国 武 術 観 摩 交 流 大 会 の 伝 統 太 極 拳 の 部 で 銀 賞 を 受 賞 し,1981 年 瀋 陽 市 で 開 かれた 第 三 回 全 国 武 術 観 摩 交 流 大 会 で 王 培 生 と 共 に 推 手 を 紹 介 して 優 秀 演 武 賞 を 受 賞 した 同 年 に, 全 国 太 極 拳 推 手 競 技 規 則 制 定 作 業 に 参 画 し, 翌 年 の 規 則 改 定 作 業 にも 尽 力 した また,1993 年 に 中 国 武 術 研 究 院 が 組 織 した 推 手 普 及 套 路 の 編 纂 作 業 にも 参 加 した 国 家 体 育 運 動 委 員 会 と 北 京 体 育 運 動 委 員 会 の 関 係 部 門 の 要 請 に 応 じて, 日 本,アメリカ,カナダ,ノルウェー, オーストラリアなどからの 学 生 を 受 け 入 れて 教 授 し, 数 次 にわたり 太 極 拳 と 推 手 指 導 のため 来 日 し た 現 在, 北 京 市 武 術 協 会 員, 北 京 呉 式 太 極 研 究 会 名 誉 副 会 長, 中 国 民 間 中 医 医 薬 研 究 開 発 協 会 武 術 医 療 研 究 会 名 誉 副 会 長, 伝 統 太 極 拳 健 身 推 手 研 究 社 名 誉 社 長, 国 家 武 術 一 級 審 判 員 (1981 年 取 得 ) を 歴 任 している 3. 太 極 五 防 功 功 法 の 特 質 と 行 法 上 の 留 意 点 1 平 易 簡 便 理 解 しやすく 簡 単 に 学 ぶことがで き, 健 康 効 果 が 期 待 できる 老 若 男 女 初 心 者 病 弱 者 など 無 理 せずマイペースで 行 える 2 意 識 と 呼 吸 法 通 常 の 気 功 は 身 体 の 特 定 の 部 位 に 意 識 を 保 つ( 意 守 する)ことを 要 求 す る 例 えば 丹 田 を 意 守 する, どこどこのツ ボ( 経 穴 )を 意 守 する などである この 功 法 では 意 守 を 求 めない 腹 式 呼 吸, 逆 腹 式 呼 吸 など 特 定 の 呼 吸 法 を 要 求 しない また, 無 理 をして 氣 を 探 すことも 必 要 がな い 全 身 の 放 鬆 (ほうしょう fang song リラックスのこと 簡 便 に 放 松 と 書 くことも ある)を 行 えば 丹 田 は 探 さなくても 自 から 得 ら れるし, 偏 差 ( 練 功 時 におこる 副 作 用 )も 出 な い 偏 差 は 無 理 な 集 中 や 不 自 然 な 呼 吸 法 から 起 こる 場 合 が 多 い 3 功 法 自 在 功 法 はどんな 場 所 でもできる 動 作 の 回 数 ややり 方 は 一 応, 記 してあるが 自 在 に
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 27 変 化 させてよい 要 は 中 身 の 問 題 で 形 や 外 見 に 囚 われず, 自 分 の 心 地 よさの 実 感 を 大 切 にすること 心 地 よさ は 氣 の 流 れが 良 くなっている 証 と 考 える 4 からだの 放 鬆 身 体 をゆるめて,こころ 静 か に 行 ずる 中 で 自 然 に 身 心 が 統 一 された 状 態 にな る 放 鬆 はこのような 行 法 では 基 本 要 求 で あるが,それは 身 体 各 部 の 関 節 をゆるめること で 気 血 の 流 れを 整 え, 感 覚 を 研 ぎ 澄 まし, 融 通 無 碍 の 技 を 引 き 出 すための 必 須 の 条 件 である 放 鬆 であるためには 無 駄 な 力 を 極 力 廃 する ことである 日 常 生 活 のなかで 人 は 必 要 以 上 の 力 を 使 いがちである これを 拙 力 とい い, 放 鬆 してこれを 極 限 まで 抜 き 去 ること が 最 も 必 要 とされている こころのなかで 鬆 になることをイメージしながら 全 身 すべ てを 放 鬆 させる 例 えば, 肩 から 肘 手 首 指 先 まで 腕 全 体 を, 次 に 頭 顔 面 頸 背 中 腰 股 関 節 太 腿 膝 脹 脛 足 首 踵 足 先 にいたるまでゆるめていく 5 こころの 放 鬆 からだの 放 鬆 と 同 時 にこころ も 放 鬆 させ,こころの 安 静 を 保 つことが 大 切 で ある 雑 念 にとらわれず,あたまを 空 っぽにし て 脳 を 休 息 させる ものごとにこだわらず, 淡 々と, 自 然 で, 楽 観 的 でいれば,こころとか らだの 両 面 を 養 生 することができる この 行 法 を 通 して,このような 至 福 の 境 地 を 求 めること が 肝 要 である 4. 太 極 五 防 功 動 作 要 領 五 防 功 の 流 れ タイジー チーシー 第 1 動 作 太 極 起 勢 taiji qishi 第 2 動 作 大 地 回 春 ダーディ ホイ チュン da di hui chun 第 3 動 作 犀 牛 望 月 シー ニュウ ワン ユエ xi niu wang yue 第 4 動 作 俯 身 深 海 フー シェン シェン ハイ fu shen shen hai 第 5 動 作 揉 動 双 膝 ロウ ドン シャン シー rou dong shuang xi 6 身 心 の 伸 展 すべての 動 作 はのびやかにひろ げて 行 うことを 心 がける 大 きく 開 き, 大 き く 広 げ, 仙 人 のように 飄 々と 動 く 感 覚 であ る ゆるめてひろげるのを 体 内 から 外 に 向 けて 行 い, 段 々と 指 先 まで 伸 ばしていく 但 しひら きひろげることは, 突 っ 張 って 硬 くすることで はなく,あたかも 平 らに 垂 らして 広 げたハンカ チのように, 柔 らかいけど 弛 んでなく, 広 がっ ているが 突 っ 張 っていないような 状 態 を 指 す 第 6 動 作 流 星 趕 月 リュー シン ガン ユエ liu xing gan yue タイジー ショーシー 第 7 動 作 太 極 収 勢 taiji shou shi
28 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 1 動 作 太 極 起 勢 ( 写 真 1 ) ( 写 真 2 ) ( 写 真 3 ) ( 写 真 4 ) ( 写 真 5 ) ( 写 真 6 ) 1. 放 鬆 し, 両 足 を 揃 え,つま 先 を 前 方 に 向 けて 立 つ 視 線 は 遠 く 水 平 に 見 る( 写 真 1 ) 2. 徐 々に 重 心 を 右 足 に 移 し, 左 足 を 軽 くして 踵 を 上 げる( 写 真 2 ) 3. 重 心 が 全 て 右 足 に 移 ったところで, 右 手 を 少 全 身 をゆるめ, 雑 念 をはらう 心 が 穏 やかになり, 気 とからだがおさまり 軽 快 になる し 下 に 沈 めるようにしてバランスをとりなが ら,ゆっくりと 左 足 を 肩 幅 に 開 く( 写 真 3 ) 4. 徐 々に 重 心 を 左 に 移 し, 左 右 均 等 に 体 重 をの せる( 写 真 4 ) 5. 少 し 腰 を 沈 めて 重 心 を 下 ろす( 写 真 5 )
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 29 ( 写 真 7 ) ( 写 真 8 ) ( 写 真 9 ) ( 写 真 10) ( 写 真 11) ( 写 真 12) 6. 足 裏 からのつながりを 感 じながら,ゆっくり と 両 手 を 前 方 に 向 かって 持 ち 上 げる 肩, 肘, 手 首 はゆるめ, 指 先 が 自 然 に 下 を 向 く 状 態 にす る( 写 真 6 ~ 7 ) 7. 股 関 節 をゆるめて 腰 を 沈 めながら, 肩, 肘, 手 首 の 順 に 両 手 もゆるめ, 指 先 を 伸 びやかに 前 方 に 向 けて 伸 ばす( 写 真 8 ~ 9 ) 8. 椅 子 に 腰 掛 けるようにしてさらに 腰 を 沈 め, 両 腕 はゆるめながら 腰 の 高 さまでゆっくりと 下 ろす( 写 真 10~11) 9. 手 首 をさらに 緩 めて, 指 先 が 自 然 に 下 を 向 く ようにする この 時, 腰 の 高 さは 楽 に 立 てる 位 置 まで 引 き 上 げる( 写 真 12) 開 始 動 作 とし て 1 回 行 う
30 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 2 動 作 大 地 回 春 ( 写 真 13) ( 写 真 14) ( 写 真 15) ( 写 真 16) ( 写 真 17) ( 写 真 18) 1. 両 腕 を 体 の 横 からゆっくりと 上 げていく こ の 時, 手 のひらは 下 を 向 いている( 写 真 13) 2. 両 手 を 肩 の 高 さ 付 近 で, 人 差 し 指 を 軸 にして 手 のひら 返 して 前 に 向 ける( 写 真 14~15) 3. 両 手 の 動 きは 止 めず, 手 のひらをさらに 回 転 意 識 を 下 ろし, 全 身 をゆるめる 気 血 をおだやかにし, 心 をおだやかにするのに 非 常 に 効 果 がある させて 上 に 向 けながら, 両 手 を 上 げていく こ の 時, 顔 は 両 手 の 動 きに 合 わせて, 上 を 向 いて いく( 写 真 16) 4. 両 手 が 頭 の 上 に 来 るところで, 自 然 に 手 のひ らが 向 かい 合 うようにする( 写 真 17)
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 31 ( 写 真 19) ( 写 真 20) ( 写 真 21) ( 写 真 22) ( 写 真 23) ( 写 真 24) 5. 股 関 節, 腰, 肩, 肘 を 緩 めるようにして, 写 真 のように 指 先 が 向 かい 合 うようにする( 写 真 18) 6.さらに, 股 関 節, 腰, 肩, 肘 を 緩 めながら, 向 かい 合 った 指 先 を 正 中 線 に 沿 って 下 ろしてい く( 写 真 19~21) 7. 腰 の 高 さまで 両 手 を 降 ろしたら, 指 先 を 離 し, 両 手 が 体 の 両 脇 に 来 るように, 自 然 に 下 ろ していく( 写 真 22~24) 第 2 動 作 は 5 回 程 度 行 う 動 作 の 回 数 は 気 持 ち 良 さを 指 標 に 回 数 を 増 やしてもよい
32 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 3 動 作 犀 牛 望 月 1 ( 写 真 25) ( 写 真 26) ( 写 真 27) ( 写 真 28) ( 写 真 29) ( 写 真 30) 1. 両 腕 を 体 の 横 からゆっくりとあげていく こ の 時, 手 のひらは 下 を 向 いている( 写 真 25) 2. 両 手 を 肩 の 高 さ 付 近 で, 人 差 し 指 を 軸 にして 手 のひら 返 して 前 に 向 ける( 写 真 26~27) 3. 両 手 の 動 きは 止 めず, 手 のひらをさらに 回 転 開 合 虚 実 を 明 確 に 分 ける 胸 がひろがり, 腰 が 回 り, 首 の 中 の 通 りが 良 くなる させて 上 に 向 けながら, 両 手 を 上 げていく こ の 時, 両 手 の 動 きに 合 わせて, 顔 も 上 を 向 いて いく( 写 真 28) 4. 両 手 が 頭 の 上 に 来 るところで, 自 然 に 手 のひ らが 向 かい 合 うようにする( 写 真 29)
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 33 ( 写 真 31) ( 写 真 32) ( 写 真 33) ( 写 真 34) ( 写 真 35) ( 写 真 36) 5. 頭 を 前 に 倒 しながら, 肘 から 先 をゆるめて, 両 手 を 首 の 後 ろまで 下 ろしてくる.この 時, 首 の 後 ろで 指 先 が 向 き 合 うようにし, 肘 は 外 に 開 いた 形 になる( 写 真 30~31) 6. 左 右 の 肘 と 肘 を 前 方 で 合 わせるように, 手 の ひらは 頭 の 両 側 をなでるように 回 転 させる 肘 の 高 さは 変 わらない この 時, 手 の 動 きに 合 わ せて, 頭 を 起 こして 肘 が 合 わさるところでは 上 を 見 た 形 になる( 写 真 32~33) 7. 顔 は 上 に 向 けたまま, 両 手 を 上 方 に 伸 ばして いく 手 のひらはやや 前 を 向 く( 写 真 34) 8. 腰, 体 を 左 に 回 転 させ, 左 手 は 回 転 に 合 わせ て 左 後 方 へ 開 いていき, 右 手 は 徐 々に 下 ろしな がら 左 肩 前 に 来 るようにする 右 手 の 手 の 甲 が
34 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 3 動 作 犀 牛 望 月 2 ( 写 真 37) ( 写 真 38) ( 写 真 39) ( 写 真 40) ( 写 真 41) ( 写 真 42) 左 頬 に 付 くようにする 顔 は 手 の 動 きに 合 わせ て 左 後 方 を 見 る( 写 真 35~37) 9. 腰, 体 を 戻 すように 右 に 回 転 させ, 左 手 はや や 遠 くに 伸 ばすように, 大 きな 弧 を 描 きなが ら, 右 膝 外 側 に 挿 し 込 んでいくようにする 右 手 は 左 肩 前 で 手 の 甲 を 頬 の 方 に 向 けたまま 添 え ている 目 線 は 挿 し 込 んだ 右 手 を 追 う( 写 真 38 ~40) 10. 体 を 起 こして, 手 を 胸 の 前 で 左 右 に 分 け 開 く ( 写 真 41~43)
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 35 ( 写 真 43) ( 写 真 44) ( 写 真 45) ( 写 真 46) ( 写 真 47) ( 写 真 48) 11. 左 右 に 開 いた 手 を, 人 差 し 指 を 軸 にして 手 の ひら 返 して 上 に 向 け( 写 真 44), 両 手 を 上 げて いく この 時, 顔 は 両 手 の 動 きに 合 わせて, 上 を 向 いていく( 写 真 45) 12. 両 手 が 頭 の 上 に 来 るところで, 自 然 に 手 のひ らが 向 かい 合 うようにする( 写 真 46) 13. 頭 を 前 に 倒 しながら, 肘 から 先 をゆるめて, 両 手 を 首 の 後 ろまで 降 ろしてくる この 時, 首 の 後 ろで 指 先 が 向 き 合 うようにし, 肘 は 外 に 開 いた 形 になる( 写 真 47~49)
36 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 3 動 作 犀 牛 望 月 3 ( 写 真 49) ( 写 真 50) ( 写 真 51) ( 写 真 52) ( 写 真 53) ( 写 真 54) 14. 左 右 の 肘 と 肘 を 前 方 で 合 わせるように, 手 の ひらは 頭 の 両 側 をなでるように 回 転 させる 肘 の 高 さは 変 わらない この 時, 手 の 動 きに 合 わ せて, 頭 を 起 こして 肘 が 合 わさるところでは 上 を 見 た 形 になる( 写 真 50) 15. 顔 は 上 に 向 けたまま, 両 手 を 上 方 に 伸 ばして いく 手 のひらはやや 前 を 向 く( 写 真 51) 16. 腰, 体 を 右 に 回 転 させ, 右 手 は 回 転 に 合 わせ て 右 後 方 へ 開 いていき, 左 手 は 徐 々に 降 ろしな がら 右 肩 前 に 来 るようにする 左 手 の 手 の 甲 が 右 頬 に 付 くようにする 顔 は 手 の 動 きに 合 わせ て 右 後 方 を 見 る( 写 真 52~53)
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 37 ( 写 真 55) ( 写 真 56) ( 写 真 57) ( 写 真 58) ( 写 真 59) ( 写 真 60) 17. 腰, 体 を 戻 すように 左 に 回 転 させ, 右 手 はや や 遠 くに 伸 ばすようにして 大 きな 弧 を 描 くよう にして, 左 膝 外 側 に 挿 し 込 んでいくようにす る 左 手 は 右 肩 前 で 手 の 甲 を 頬 の 方 に 向 けたま ま 添 えている 目 線 は 挿 し 込 んだ 左 手 を 追 う ( 写 真 54~56) 18. 体 を 起 こして, 手 を 胸 の 前 で 左 右 に 分 け 開 く ( 写 真 57~60) 第 3 動 作 は 左 右 を 1 回 として 5 回 程 度 行 う 動 作 の 回 数 は 気 持 ち 良 さを 指 標 に 回 数 を 増 やして もよい
38 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 4 動 作 俯 身 深 海 ( 写 真 61) ( 写 真 62) ( 写 真 63) ( 写 真 64) ( 写 真 65) ( 写 真 66) 1. 第 3 動 作 ( 最 終 回 で) 左 右 に 開 いた 手 を, 人 差 し 指 を 軸 にして 手 のひら 返 して 上 に 向 け, 両 手 を 上 げていく この 時, 顔 は 両 手 の 動 きに 合 わせて, 上 を 向 いていく( 写 真 61~62) 2. 両 手 が 上 まで 来 たところで, 指 先 を 内 向 きに 身 をかがめた 後 に 起 こし, 胸 と 背 中 をひろげる 腰 を 強 化 し, 腎 臓 を 丈 夫 に, 丹 田 に 効 果 がある 回 し, 手 のひらを 上 に 向 ける( 写 真 63) 3.さらに 手 のひらを 前 に 向 けるようにして 伸 ば し, 股 関 節 を 曲 げて, 上 半 身 を 少 しずつ 前 に 倒 す それに 合 わせて 両 手 は 前 方 から 下 方 に 伸 ば していく 両 足 は 曲 げない( 写 真 63~64)
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 39 ( 写 真 67) ( 写 真 68) ( 写 真 69) ( 写 真 70) ( 写 真 71) ( 写 真 72) 4. 両 手 のひらが 床 まで 降 りたら, 腰 を 起 こし て, 上 半 身 を 少 しずつ 起 こしていく この 時, 両 手 は 床 から 両 足 に 沿 って 腰 の 位 置 まで 上 げて いき,やや 軽 く 握 る( 写 真 65~66) 5. 写 真 のように, 軽 く 握 ったこぶしを 向 かい 合 せ,やや 腰 を 沈 める( 写 真 67) 6. 手 のひらを 開 きながら, 両 手 を 前 方 に 差 し 出 す 指 先 は 徐 々に 前 に 向 け, 沈 めた 腰 は 動 作 に 合 わせて 元 に 戻 す( 写 真 68~69) 7. 肘 をゆるめながら 前 方 に 出 した 手 を 体 の 方 に 戻 す この 時, 手 のひらは 開 いたまま, 指 先 が 向 き 合 う( 写 真 70~71) 8. 左 右 の 手 を 体 の 脇 に 自 然 に 下 ろす( 写 真 72) 第 4 動 作 は10 回 程 度 行 う
40 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 5 動 作 揉 動 双 膝 ( 写 真 73) ( 写 真 74) ( 写 真 75) ( 写 真 76) ( 写 真 77) ( 写 真 78) 1. 両 手 を 体 の 横 からゆっくりとあげていき, 肩 の 高 さで 手 のひらを 上 に 向 けて,さらに 上 方 ま で 上 げる( 写 真 73) 2. 股 関 節, 腰, 肩, 肘 を 緩 めるようにして, 指 先 を 向 かい 合 せ, 正 中 線 上 をゆっくりと 降 ろし 身 をかがめ, 両 膝 を 回 す 経 絡 が 活 発 に 通 り, 脚 や 膝 が 丈 夫 になる ていく( 写 真 74) 3. 両 手 が 腰 の 高 さまで 来 たら( 写 真 75), 股 関 節 を 曲 げて 上 半 身 を 倒 し, 両 手 を 膝 に 当 てる ( 写 真 76)
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 41 ( 写 真 79) ( 写 真 80) ( 写 真 81) ( 写 真 82) 4. 椅 子 に 座 るようにして, 腰 を 落 とし,やや 膝 を 内 側 に 入 れる 膝 が 前 に 出 ないように 注 意 す る( 写 真 76~77) 5. 膝 を 開 くようにして 膝 をやや 伸 ばす 膝 を 内 から 外 へ 回 す 回 転 運 動 になるように 動 かす( 写 真 78~79) 6. 反 対 に 膝 が 外 側 に 開 くように 腰 を 落 とし,そ こから 内 側 に 膝 を 回 しながら, 膝 を 伸 ばす( 写 真 80~82) 第 5 動 作 は 内 回 し, 外 回 し,それぞれ10 回 程 度 行 う 動 作 の 回 数 は 気 持 ち 良 さを 指 標 に 回 数 を 増 やしてもよい
42 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 6 動 作 流 星 趕 月 ( 写 真 83) ( 写 真 84) ( 写 真 85) ( 写 真 86) ( 写 真 87) ( 写 真 88) 1. 両 手 を 体 の 横 からゆっくりとあげていき, 肩 の 高 さで 手 のひらを 上 に 向 けて,さらに 上 方 ま で 上 げる( 写 真 83) 2. 股 関 節, 腰, 肩, 肘 を 緩 めるようにして, 指 先 を 向 かい 合 せ, 正 中 線 上 をゆっくりと 降 ろし 胸, 腰, 背 中, 首 がつながるように 回 す くるぶし 肩, 腕, 股 関 節, 膝, 踝 がつながる ていく( 写 真 84) 3. 両 手 が 腰 の 高 さまで 来 たら( 写 真 85), 手 首, 肘 をゆるめて, 左 右 の 手 を 体 の 脇 に 自 然 に 下 ろす 4. 股 関 節 を 緩 め, 腰, 上 半 身 を 左 右 に 回 しなが
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 43 ( 写 真 89) ( 写 真 90) ( 写 真 91) ら, 両 手 を 左 右 に 振 る 最 初 は 小 さく 行 う( 写 真 86~ 写 真 87) 5. 徐 々に 回 転 と 手 の 振 りを 大 きくしていく こ の 時 上 になった 手 は 手 のひらで 肩 から 首 の 後 ろ あたりに 触 れ, 下 になった 手 は 手 の 甲 で 腰 を 軽 く 叩 く( 写 真 88~90) 6. 徐 々に, 回 転 と 手 の 振 りを 小 さくし, 写 真 の ような 姿 勢 に 収 める( 写 真 91) 第 6 動 作 は, 左 右 を 1 回 として10 回 を 目 安 と するが, 慣 れてきたら, 左 右 の 振 れを 小 さいとこ ろから 段 々と 大 きくしていき, 気 持 ち 良 くなった ら, 自 然 に 少 しずつ 振 れを 小 さくして 収 めてい く
44 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 動 作 要 領 第 7 動 作 太 極 収 勢 ( 写 真 92) ( 写 真 93) ( 写 真 94) ( 写 真 95) ( 写 真 96) ( 写 真 97) 1. 両 手 を 体 の 横 からゆっくりと 上 げていく 手 のひらは 下 方 に 向 ける( 写 真 92) 2. 肩 の 高 さまで 上 げたところで 手 のひらを 返 し て 上 に 向 け,そのまま 上 方 に 上 げていく 視 線 も 腕 の 動 きに 合 わせて 上 方 に 向 けていく 体 を 緩 め 意 識 を 落 ち 着 け, 自 然 な 状 態 を 保 つ 性 と 命 の 双 方 を 修 養 し, 養 生 が 完 全 な 状 態 となる 3. 両 手 が 頭 の 上 まで 来 たら, 股 関 節, 腰, 肩, 肘 を 緩 めるようにして, 指 先 が 向 かい 合 うよう にし( 写 真 93),さらに 各 部 を 緩 めながら, 向 かい 合 った 指 先 を 正 中 線 に 沿 って 下 ろしていく ( 写 真 94~96)
宮 本 : 中 国 伝 統 養 生 法 に 関 する 研 究 45 ( 写 真 98) ( 写 真 99) ( 写 真 100) ( 写 真 101) ( 写 真 102) ( 写 真 103) 4. 手 のひらを 下 に 向 けたまま 両 手 を 体 の 横 から ゆっくりと 持 ち 上 げ, 肩 の 高 さまで 上 げる( 写 真 97) 5. 両 手 を 肩 の 高 さと 水 平 に 体 の 前 まで 持 ってい き( 写 真 98), 両 肘 をゆるめて 静 かにお 腹 の 前 まで 下 ろす( 写 真 99~ 写 真 100) 6. 手 をゆるめて 自 然 な 姿 勢 に 戻 ったら( 写 真 101), 右 足 に 重 心 を 移 し, 左 足 を 徐 々に 軽 くす る 右 手 をやや 沈 めるようにしてバランスをと りながら 軽 くなった 左 足 を 静 かに 引 き 寄 せ, 最 初 の 姿 勢 に 戻 る( 写 真 102~103) 功 法 動 作 の 最 後 に 収 めの 動 作 として 1 回 行 う 表 演 写 真 馬 長 勲
46 体 育 研 究 第 47 号 (2013) 5. まとめにかえて 中 国 武 術 の 名 家 や 達 人 の 多 くが, 晩 年 には, 武 術 の 持 つ 格 闘 技 的 な 技 法 の 追 求 から 長 生 を 意 識 し た 健 身 養 生 法 に 研 究 の 軸 足 を 移 すという 話 をよ く 聞 く これは 自 分 の 生 命 の 先 行 きが 感 じ 始 めら れた 時 に,そのいのちを 少 しでも 長 らえさせたい という 生 き 物 としての 本 能 のようなものからきて いるのだろうか 本 稿 で 取 り 上 げた 馬 長 勲 老 師 の 稽 古 に 対 する 取 り 組 み 方 を 拝 見 すると,それに 対 するひとつの 回 答 を 導 きだせるような 気 がす る それは 老 師 の 稽 古 の 体 系 では, 武 術 ( 格 闘 技 ) と 養 生 法 健 身 法 の 間 に 垣 根 が 無 いのである ま た, 質 の 高 い 武 術 的 な 力 は 勁 力 といって, 筋 力 だけに 頼 らない 力 を 想 定 しているのである そ れを 体 得 しようとすれば 筋 肉 を 緊 張 させ, 大 汗 を かいて 息 を 切 らすような 動 きをしないよう 心 掛 け なければならない 馬 長 勲 老 師 の 北 京 の 稽 古 場 では, 武 術 の 稽 古 がそのまま 健 身 法 であり 養 生 法 ともなっているように 見 受 けられる その 稽 古 風 景 の 一 部 を 具 体 的 に 紹 介 すると, 私 たち 日 本 の 稽 古 仲 間 十 数 人 みな 熟 年 者,なかには 高 齢 者 といっ てもよさそうな 年 代 の 者 たちが, 馬 長 勲 老 師 と 共 にホテルに 缶 詰 めになって 1 週 間 ちかく, 午 前 中 3 時 間 以 上, 午 後 3 時 間 ほどの 稽 古 をするので ある しかし,その 稽 古 の 最 中 も 終 了 後 も 全 員 疲 労 困 憊 という 感 じはない 稽 古 すればするほど 元 気 になっていくような 感 じがするのである これは, 武 術 の 稽 古 が 元 気 を 取 り 込 むような 健 身 養 生 法 になっていると 考 えざるを 得 ない つ まり 上 記 中 国 武 術 の 名 家 や 達 人 の 多 くが 一 見 健 身 養 生 法 に 傾 斜 していくように 見 えることは, 高 度 な 技 や 境 地 に 辿 りついた 人 たちが 更 に 高 みを 目 指 すときの 状 態 は 格 闘 技 的 武 術 とは 別 の 次 元 に いるように 見 えるということであろう 今 回 この 稿 で 紹 介 した 太 極 五 防 功 は 武 術 的 よりも 養 生 法 的 動 作 が 多 い 功 法 だと 思 われる しかし, 氣 を 体 内 に 取 り 込 み, 中 国 医 学 でいう 気 血 水 の 働 きを 高 め, 健 身 養 生 効 果 をあげるとともに, 武 術 的 能 力 も 高 めていくことができる 功 法 といっ てもよいのではないかと 感 じている 今 後 はこれ らのことを 実 技 練 習 を 通 じて 検 証 していこうと 考 えている 謝 辞 本 研 究 の 写 真 構 成 にあたっては 照 沼 秀 世 氏, 中 谷 康 司 氏 らの 協 力 があった ここに 感 謝 の 意 を 表 する 注 1) 馬 長 勲 太 極 養 生 功 科 学 工 業 出 版 社 : 中 華 人 民 共 和 国 (1988). 2) 前 掲 1. 3) 前 掲 1. 4) 前 掲 1. 参 考 文 献 宮 本 知 次, 石 原 康 彦, 増 田 勝, 深 瀬 吉 邦 (2000) 中 国 伝 統 太 極 拳 の 現 代 化 に 関 する 研 究 太 極 養 生 功 を 中 心 と し て, 中 央 大 学 保 健 体 育 研 究 所 紀 要 18 : 29-68. 宮 本 知 次, 中 谷 康 司, 青 木 清 隆 (2012) 中 国 伝 統 太 極 拳 の 現 代 化 に 関 する 研 究 Ⅱ 呉 式 伝 統 太 極 拳 の 簡 化 における 取 り 組 みについて, 中 央 大 学 保 健 体 育 研 究 所 紀 要 30 : 87-109.