Microsoft Word - 03_情報共有



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スライド 1


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(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

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別添2             入札説明書例                      (電子入札用)

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17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

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続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

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事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用


1

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

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大 田 区 保 育 従 事 職 員 宿 舎 借 り 上 げ 支 援 事 業 Q&A 目 次 Ⅰ 補 助 事 業 全 般 について P3~P4 Ⅱ 補 助 対 象 施 設 について P5 Ⅲ 補 助 対 象 職 員 について P6~P10 Ⅳ 補 助 対 象 経 費 について P11~P13 2

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

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1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

1.システム 構 成 1.1 ハードウェア 及 ぶ 基 本 ソフトウェア (1) システム 構 成 の 基 本 方 針 システム 構 成 のコンセンプトについて 2 頁 以 内 で 記 述 してください 1ハードウェア 構 成 のコンセプト

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存 しておくべきこと (2) 知 事 の 承 認 を 受 けて 財 産 を 処 分 することにより 収 入 があった 場 には その 収 入 の 全 部 又 は 一 部 を 県 に 納 付 すべきこと (3) 補 助 事 業 により 取 得 し 又 は 効 用 の 増 加 した 財 産 については

とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

平 成 26 年 度 事 業 計 画 書 ( 平 成 26 年 4 月 1 日 から 平 成 27 年 3 月 31 日 まで) 公 益 目 的 事 業 事 業 の 趣 旨 共 用 品 共 用 サービス( 高 齢 者 障 害 のある 人 々 等 日 常 生 活 に 不 便 さのある 者 に 対 して

は し が き

Transcription:

情 報 共 有 サービスの SaaS 型 ビジネスの 展 開 Developing SaaS Information Sharing Business クラウドコンピューティングの 中 でソフトウェアをサービスとして 提 供 する 形 態 のことを SaaS と 呼 ぶ ( 株 ) 日 立 東 日 本 ソリューションズ( 以 下, 日 立 TO) は SaaS 型 情 報 共 有 サービス OnSchedule の 提 供 を 開 始 したが, 今 後 の 事 業 展 開 に 関 しては 様 々な 課 題 が 存 在 する 本 報 告 では SaaS 型 サービスの 事 業 立 ち 上 げにおける 顧 客 獲 得 スキームや, 無 償 試 行 によるユーザニーズ 抽 出 による 拡 販 施 策 を 論 ずる 戸 沢 拓 栗 林 昌 彦 新 藤 南 平 斎 藤 裕 峰 Tozawa Taku Kuribayashi Masahiko Shindo Nampei Saito Hiroyuki 1.はじめに クラウドが 求 められる 背 景 として, 激 変 するビジネス 環 境 に 迅 速 に 対 応 しながらコストや 運 用 負 荷 を 低 減 した いというニーズがある 自 社 の 事 情 に 合 わせて 個 別 にシ ステムを 開 発 するよりも, 既 に 提 供 されている 外 部 サー ビスや, 自 社 内 の 共 有 サービスを 利 用 した 方 がコスト スピード 品 質 の 面 でも 効 率 的 に 対 応 できるのではない かという 期 待 感 の 高 まりがある 近 年,クラウドサービスへの 関 心 が 高 まっている ガ ートナー 社 の 調 べでは 国 内 ビジネス アプリケーション SaaS の 市 場 規 模 は 2010~2014 年 の 4 年 間 に CAGR( 年 平 均 成 長 率 )が 12.1%で 成 長 すると 推 計 しており, 国 内 外 主 要 IT ベンダもクラウド 事 業 に 注 力 している( 図 1) 1) 日 立 TO も 顧 客 のクラウドサービスに 対 する 期 待 に 応 え るとともに 事 業 領 域 拡 大 を 目 指 し,SaaS(Software as a Service) 事 業 の 検 討 を 進 めてきた クラウドの 定 義 には 様 々なものがあるが, 共 通 して 言 えることは, 所 有 から 利 用 という 大 きな 流 れの 中 で, 必 要 な 機 能 がサービスとして 提 供 され,ユーザはコンピュ ータリソースの 物 理 的 な 場 所 を 意 識 することなく 利 用 す ることができるという 点 である また, 必 要 なサービス を 必 要 な 時 に 必 要 な 分 だけ 利 用 して, 利 用 量 に 応 じた 支 払 いを 行 うという 点 も 共 通 の 考 え 方 だ ユーザがクラウド 環 境 から 得 られる 価 値 としては 下 記 のようなものがある 1インターネットを 介 して 簡 単 にアクセスが 可 能 で, 必 要 な 時 にすぐ 利 用 可 能 である 2 高 い 拡 張 性 を 持 つと 同 時 にスモールスタートにも 対 応 可 能 である 3ビジネスの 需 要 に 応 じて 柔 軟 に IT リソースの 増 減 が 可 能 となり 無 駄 を 削 減 できる 4 利 用 した 分 だけ 支 払 う 従 量 課 金 モデルにより 無 駄 のな い 投 資 が 可 能 である 5ユーザは 利 用 するサービスの 下 位 レイヤー(ハードウ ェアやミドルウェアなど)の 管 理 をする 必 要 がなく, 運 用 負 荷 を 軽 減 できる 図 1 日 本 のビジネス アプリケーション SaaS 市 場 規 模 日 立 TO は SaaS 事 業 の 第 1 弾 として, 企 業 間 のシン プルな 情 報 共 有 をコンセプトとする 業 務 システム OnSchedule の 検 討 に 着 手 した OnSchedule は 月 額 10,000 円 からの 価 格 で 提 供 し, 社 内 外 の 関 係 者 間 でのプ ロジェクト 情 報 の 共 有 を 支 援 する ガントチャート 形 式 のスケジュール 管 理 機 能 では,メール 添 付 による 進 捗 表 の 受 け 渡 しで 発 生 しがちな 異 なるバージョンの 参 照 を 防 止 する また,ドキュメント 管 理 機 能 ではバージョン 管 理 が 可 能 になっており, 過 去 のバージョンを 含 めた 体 系 的 な 一 元 管 理 や,メール 添 付 が 困 難 な 大 容 量 ファイルを 共 有 できる これらにより, 情 報 の 参 照 誤 りや, 必 要 な 情 報 を 探 すための 工 数 を 削 減 できる( 図 2) 6

図 2 OnSchedule 概 要 2.SaaS ビジネス 事 業 化 の 背 景 2.1 想 定 課 題 低 価 格 の SaaS によるビジネス 展 開 で 利 益 を 確 保 する ためには 充 分 な 契 約 数 を 確 保 する 必 要 がある 一 方,サ ービスを 訴 求 する 上 では, 提 供 するユーザ 層 や 業 務 を 具 体 的 に 想 定 することが 必 要 である 製 造 業 に 多 くのユー ザを 持 つ 日 立 TO では, 本 情 報 共 有 サービスの 重 要 なセ グメントを 製 造 業 とし, 製 造 業 設 計 業 務 が 抱 える 情 報 共 有 を 想 定 課 題 をとした 近 年 の 厳 しい 経 済 状 況 と 急 激 な 円 高, 製 造 コストの 抑 制 に 対 する 地 産 地 消 対 策 として, 生 産, 販 売 拠 点 の 海 外 シフトが 加 速 している 設 計 業 務 全 体 は, 日 本 の 拠 点 が 取 り 纏 め,コア 部 品 やユニットの 設 計 を 行 い, 海 外 拠 点 では 現 地 向 けの 仕 様 の 設 計 をする など 分 業 されつつある このため, 頻 繁 に 変 更 される 図 面, 仕 様 書, 工 程 表 などの 情 報 やドキュメントの 管 理 に おいては 適 切 なバージョンを 共 有 する 必 要 がある しか し, 日 本 の 設 計 拠 点 と 海 外 生 産 拠 点 間 や 社 外 委 託 先 等 と の 情 報 共 有 はメールや 郵 送 で 実 施 されることが 多 いため, 確 認 に 手 間 がかかり, 異 なる 版 を 参 照 することによる 認 識 のずれや 工 程 遅 延 が 発 生 しやすい,という 課 題 がある 2.2 China-SCM プロジェクト 試 行 による 課 題 検 証 ( 株 ) 日 立 製 作 所 の 情 報 通 信 システム 社 産 業 流 通 シ ステム 事 業 部 では 企 業 間 ビジネスメディアサービス TWX-21( 以 下,TWX-21)の 約 400 業 種 約 43,000 社 の 利 用 実 績 と SaaS 基 盤 技 術 を 基 に,グローバル SCM(サプ ライチェーンマネージメント)&ECM(エンジニアリン グチェーンマネージメント)を 支 援 する 業 務 システムを TWX-21 の SaaS 基 盤 上 で 立 ち 上 げ, 中 国 に 進 出 する 日 系 製 造 業 のユーザを 中 心 に 試 行 サイトを 提 供 する China-SCM プロジェクト( 以 下,China-SCM) 2) を 2010 年 4 月 より 開 始 した ユーザはそれらの 評 価 検 証 を 行 い, 導 入 の 可 否 を 決 定 することができる また, SaaS 事 業 主 側 はサービスの 機 能 性 および 事 業 性 の 評 価 を 行 うことができる 日 立 TO は, 本 プロジェクトに 参 画 するとともに,こ の 中 で,OnSchedule の 機 能 評 価 と 事 業 性 の 評 価 を 目 的 とし,2010 年 11 月 ~2011 年 6 月 の 期 間, 試 行 を 実 施 した 日 系 企 業 10 社 による OnSchedule 試 行 評 価 の 結 果, ドキュメントと 工 程 表 や BOM との 連 動 など 設 計 業 務 特 有 課 題 と, 大 容 量 ドキュメントの 共 有 や 懸 案 管 理 など 他 業 種 / 業 務 でも 共 通 して 発 生 する 課 題, 合 計 15 件 を 抽 出 した 業 務 特 有 課 題 に 対 応 するためには 大 幅 な 機 能 追 加 が 求 められ, 提 供 価 格 も 高 額 になる 懸 念 が 生 まれる シ ンプルな 情 報 共 有 をコンセプトとする OnSchedule は, 低 価 格 での 提 供 と, 他 業 種 や 業 務 への 横 展 開 を 見 据 え, 他 業 種 や 業 務 でも 共 通 して 発 生 する 課 題 解 決 をターゲッ トとした 3.ビジネス 展 開 3.1 ビジネス 展 開 方 針 SaaS 利 用 者 のメリットとして, 必 要 な 時 に 利 用 し, 不 要 であれば 解 約 できる 点 が 挙 げられる そのため SaaS 事 業 者 にとっては, 契 約 数 の 維 持 拡 大 と, 契 約 内 容 の 拡 充 (ID 数 /ディスク 容 量 の 追 加 )が 重 要 になる それを 実 現 するためには,SaaS 事 業 者 は 利 用 者 ニーズを 充 分 に 把 握 し,そのニーズに 対 応 できるサービスを 追 加 展 開 し 続 ける 必 要 がある 本 項 では 以 下 にその 施 策 を 述 べる (1)ユーザニーズ 反 映 サイクルの 実 現 ユーザ 試 行 により 継 続 的 に 製 品 改 善 する 仕 組 みを 構 築 した OnSchedule の 試 行 によりユーザにメリットを 体 験 いただいた 上 で 適 用 業 務 を 拡 大 してもらうと 共 に, 収 集 したユーザ 要 望 に 基 づいて OnSchedule を 継 続 エンハ ンスすべく,2011 年 7 月 から 日 立 TO 独 自 に 試 行 サービ スを 提 供 している 試 行 企 業 は 製 造 業 設 計 部 門 / 営 業 部 門, 情 報 通 信 業 SE 部 門 /ソフトウェア 開 発 部 門 / 調 達 部 門 な ど, 複 数 の 業 種 / 業 務 部 門 に 渡 っている 試 行 顧 客 数 を 増 やすことで, 本 契 約 の 増 大 と, 業 種 別 ユーザ 要 望 の 抽 出, 試 行 評 価 結 果 に 基 づいた OnSchedule のエンハンスが 可 能 となる( 図 3) 7

図 3 ユーザ 中 心 のサービス 提 供 サイクル くとも 数 百 社 からの 詳 細 説 明 要 望 に 応 える 必 要 がある しかし, 自 社 の 体 制 のみでは 対 応 が 困 難 であるため,サ ービスを 再 販 するビジネススキームを 構 築 し 販 売 パート ナーを 含 めた 拡 販 体 制 を 強 化 する 必 要 がある なかでも クラウドサービスの 仲 介 事 業 者 と 連 携 することを 検 討 し ている 顧 客 側 としても 仲 介 事 業 者 を 経 由 することで 日 立 TO 以 外 の 複 数 サービスを 利 用 することができ, 料 金 支 払 いを 一 本 化 することができるなどのメリットがある 表 1 顧 客 からの 主 な 要 望 例 (2)ターゲット 企 業 規 模 China-SCM プロジェクトを 通 じて 得 た 試 行 顧 客 と 合 わせ,2011 年 10 月 現 在, 製 造 業 を 中 心 に 約 80 社 に 試 行 実 施 いただいている 試 行 顧 客 の 企 業 規 模 比 率 の 傾 向 としては, 年 商 50 億 円 未 満 の 企 業 が 最 も 多 い( 図 4) OnSchedule が 解 決 する 情 報 共 有 の 課 題 は 企 業 規 模 や 業 種, 部 門 に 関 らず 存 在 すると 考 えられる しかし, 企 業 規 模 が 大 きいほど, 自 社 システムや 他 のサービスにより 解 決 されていることが 多 い また, 企 業 内 業 務 システム との 連 携 を 求 められる 傾 向 が 強 い そのため OnSchedule では 年 商 500 億 円 以 下 の 中 小 ~ 中 堅 企 業 に 対 し 積 極 的 なアプローチを 行 う 3.2 活 用 事 例 OnSchedule は 多 様 な 業 種 / 業 務 / 企 業 規 模 で 発 生 する 情 報 共 有 の 課 題 を 解 決 することができる 製 造 業 設 計 部 門 /ソフトウェア 開 発 業 開 発 部 門 /デザイン 業 営 業 部 門 な ど 幅 広 い 分 野 で 活 用 いただいている 電 子 部 品 製 造 業 の 設 計 / 営 業 / 製 造 部 門 における 活 用 事 例 を 以 下 に 紹 介 する 活 用 シーン 事 業 をグローバルに 展 開 している 電 子 部 品 製 造 業 様 で は, 海 外 の 設 計 / 営 業 / 製 造 部 門 間 の 設 計 / 営 業 / 生 産 進 捗 情 報 の 共 有 で OnSchedule を 活 用 いただいている( 図 5) 下 図 に 示 す 通 り, 設 計 ドキュメント 生 産 進 捗 情 報 懸 案 事 項 案 件 情 報 など, 更 新 が 頻 繁 に 発 生 する 情 報 の 共 有 が 課 題 となっており,その 解 決 に 取 り 組 んでいる 図 5 活 用 事 例 図 4 企 業 年 商 別 の 試 行 顧 客 割 合 (3) 再 販 契 約 SaaS ビジネスにおいても 顧 客 からの 詳 細 説 明 の 要 望 に 応 える 体 制 を 整 える 必 要 がある OnSchedule では 既 存 ビジネス 以 上 の 顧 客 数 獲 得 を 見 込 んでいるため, 少 な 4.SaaS ビジネスの 早 期 立 ち 上 げ 4.1 SaaS 事 業 支 援 サービスの 活 用 SaaS ビジネスはシステム 環 境 の 維 持 管 理 費 が 継 続 的 に 発 生 するため, 早 期 の 黒 字 化 が 必 要 となる 早 期 立 ち 上 げには 主 に 3 つの 課 題 が 存 在 する それら 課 題 を 解 決 し 3 章 で 述 べたビジネス 展 開 方 針 を 実 現 するため, 日 立 製 作 所 情 報 通 信 システム 社 の 産 業 流 通 システム 事 業 部 が 提 供 する TWX-21 SaaS 事 業 支 援 サービスを 活 用 し 8

た PaaS サービス 等 も 存 在 するが, 以 下 のような 検 討 から SaaS 事 業 支 援 サービスを 選 択 した( 表 2) 表 2 他 社 SaaS 事 業 支 援 サービスとの 比 較 課 題 1:マーケットプレイスの 拡 大 日 立 TO ではこれまで 製 造 業 における 生 産 計 画 / 管 理 パ ッケージ 販 売 /SI を 中 心 にビジネスを 展 開 している 既 存 チャネルのみでは 充 分 な 顧 客 数 の 獲 得 が 困 難 なため, アプローチする 顧 客 の 拡 大 が 必 要 である しかし 新 規 顧 客 開 拓 を 行 う 場 合, 多 大 な 期 間 と 工 数 を 要 し SaaS ビジ ネス 黒 字 化 が 遅 延 する 可 能 性 が 高 い そこで,グローバ ルに 約 400 業 種 約 43,000 社 のユーザを 抱 える TWX-21 のブランドの 下 で,TWX-21 ユーザ 会 員 に 向 けた 拡 販 を 展 開 している 課 題 2: 営 業 活 動 の 効 率 化 契 約 数 増 加 と セールスサイクル 短 縮 コスト 削 減 を 同 時 に 実 現 するために, 非 対 面 営 業 の 充 実 を 図 る その 一 環 として,SaaS 事 業 支 援 サービスのテレマーケ ティングを 活 用 した TWX-21 ユーザ 会 員 を 対 象 とした 課 題 / ニーズアンケート 調 査 の 結 果 を 活 用 し, OnSchedule で 解 決 できる 課 題 がある 顧 客 約 200 社 を 抽 出 した さらに 約 200 社 に 対 しテレマーケティングを 実 施 し, 約 40 社 の 試 行 引 合 いを 獲 得 した このように 有 望 な 顧 客 層 への 効 果 的 なアプローチを 通 じて 本 契 約 に 繋 げることでセールスサイクルの 短 縮 とコスト 削 減 を 実 現 している 課 題 3: 料 金 回 収 SaaS ビジネスにおける 最 も 大 きな 課 題 のひとつが 料 金 回 収 である 月 額 支 払 いのため, 従 来 通 りの 請 求 書 払 いでは, 顧 客 数 の 増 加 に 応 じて 毎 月, 料 金 回 収 に 多 大 な 事 務 コストが 発 生 する そこで SaaS 事 業 支 援 サービス の 料 金 回 収 代 行 サービスを 活 用 した 料 金 の 請 求, 回 収, および 日 立 TO への 入 金 を 一 括 して 委 託 することで, 事 務 コストの 削 減 を 実 現 している 4.2 SaaS 対 応 機 能 (1) マルチテナント 対 応 のエンハンス OnScheduleを China-SCM 環 境 で 試 行 した 際 には 1 顧 客 あたり,1 テナントに 1 アプリケーションの 構 成 であった 試 行 時 には 10 テナントを 想 定 していたため, OnSchedule のアプリケーションも 10 プロセスを 別 々 に 起 動 して 試 行 した しかし,この 構 成 では CPU やメ モリといったサーバリソースの 消 費 が 多 くなる SaaS 型 のビジネスでは, 安 価 なサービス 提 供 と 収 益 の 確 保 の ために,アプリケーションを 提 供 するサーバ 構 成 を 省 力 化 すると 共 に, 運 用 コストを 下 げる 必 要 があった この ため,OnSchedule の 1 プロセスで 複 数 のテナントにサ ービスを 提 供 できるように,マルチテナント 機 能 を 開 発 した マルチテナント 機 能 により, 1プロセスの 起 動 で 最 大 100 テナントまで 同 時 対 応 できる 見 込 みとなり, OnSchedule のコスト 低 減 を 実 現 することができた マルチテナントに 対 応 するにあたっては,TWX-21 の ユーザ 管 理 機 能 と 連 携 し,シングル サイン オンで 利 用 可 能 な 構 成 とした さらに,TWX-21 とユーザ 管 理 を 連 動 させることにより,TWX-21 の 既 存 ユーザは 利 用 中 の ID で,OnSchedule を 利 用 可 能 である (2) テンプレート 機 能 の 充 実 OnSchedule の 大 きな 特 徴 のひとつは,プログラムの 変 更 を 実 施 することなく, 懸 案 管 理 や Q&A といった 画 面 構 成 や 機 能 構 成 をカスタマイズできることにある 2) China-SCM での 試 行 によるユーザの 意 見 として,カス タマイズした 後 の 画 面 や 機 能 構 成 を 他 のプロジェクトで も 再 利 用 したいとの 要 望 を 多 数 寄 せられた この 要 望 に 対 応 するために,ユーザの WBS に 応 じて,カスタマイ ズした OnSchedule の 画 面 や 機 能 構 成 をテンプレートし て 保 存 することにより, 再 利 用 しやすい 機 能 を 実 現 した ( 図 6) 前 述 したテンプレートは 1 つのテナントに 対 応 したテ ンプレート 機 能 の 強 化 策 である China-SCM での 試 行 による 成 果 は, 多 数 のお 客 様 に 標 準 で 提 供 する 画 面 や 機 能 構 成 を 提 案 するための 情 報 を 収 集 できたことである この 内 容 を 整 理 し,1ソフトウェア 開 発 向 け,2 設 計 業 務 向 け,3 簡 易 プロジェクト 向 けなどの 標 準 テンプレー トを 用 意 した これらは, 全 てのお 客 様 (テナント)で 直 9

接 利 用 できると 共 に,これらの 標 準 テンプレートをカス タマイズして,テナント 独 自 のテンプレートとして 再 利 用 できるようになり, 操 作 性 が 大 きく 向 上 した 参 考 文 献 1) ガートナー, 日 本 のビジネス アプリケーション 領 域 における SaaS 市 場 規 模 予 測,C.Morikawa,2010 年 12 月 19 日,PFST-J1-MT-1022 2) 木 内 英 則 他, 日 立 評 論 2011 年 4 月 号 グローバル な 企 業 活 動 を 支 援 する TWX-21, 2011 年 4 月, VoL.93 No.04 342-345, 日 立 製 作 所 3) 齋 藤 邦 夫 他, 日 立 TO 技 報 第 16 号 SaaS 向 けセ ルフ カスタマイズ 機 能, 日 立 東 日 本 ソリューショ ンズ 図 6 標 準 テンプレートの 提 供 とカスタマイズ 方 法 業 種 / 業 務 別 テンプレートの 拡 充 を 図 ることで, 他 業 種 / 業 務 への 展 開 を 狙 う 戸 沢 拓 2005 年 入 社 グローバル 事 業 企 画 室 自 社 ソリューションのグローバル 事 業 展 開 tozawa@hitachi-to.co.jp 5. 今 後 の 展 開 5.1 OnSchedule 今 後 の 展 開 3 年 間 で 500 件 の 契 約 を 目 標 としている 目 標 を 達 成 するために,4 章 で 述 べた 拡 販 アプローチを 推 進 し, 他 の 業 種 や 業 務 への 展 開 を 狙 う 5.2 次 期 SaaS 型 サービスの 展 開 日 立 TO では OnSchedule に 続 き,パッケージ 群 の SaaS 化 を 検 討 している プロジェクト 管 理 システム SynViz/PJ 成 果 物 管 理 システム SynViz/DM テキス トマイニングシステム CoreExplorer 農 業 版 販 売 生 産 プラットフォーム( 仮 称 )AgRMS の SaaS 化 検 討 を 進 めており, 日 立 TO における SaaS ビジネスの 拡 充 を 図 る SaaS 化 を 進 めることで, 上 記 業 務 システムに 関 し ても 複 数 拠 点 での 共 同 利 用 や 管 理 コストの 低 減 など のメリットが 提 供 できるものと 考 える 栗 林 昌 彦 2003 年 入 社 ソリューション 事 業 統 括 本 部 自 社 ソリューションの 企 画 kuribaya@hitachi-to.co.jp 新 藤 南 平 1991 年 入 社 パッケージ 開 発 部 自 社 パッケージ 開 発 shindou@hitachi-to.co.jp 斎 藤 裕 峰 1985 年 入 社 パッケージ 開 発 第 2 グループ 自 社 パッケージ 開 発 sait_hir@hitachi-to.co.jp 6.おわりに グローバル 化 が 一 層 進 み, 新 興 国 を 中 心 に 海 外 の 需 要 が 伸 びるなか, 企 業 は 最 適 な 場 所 での 調 達, 生 産, 販 売 体 制 を 整 備 すべく 海 外 シフトを 加 速 している また, 資 産 の 所 有 からサービスの 利 用 へと 大 きくビジネスモデル や IT 環 境 が 変 化 するなか, 日 立 TO としても 従 来 のパ ッケージ 販 売 に 加 え OnSchedule のような SaaS 型 サー ビスによりニーズの 多 様 化 に 対 応 することが 必 要 である OnSchedule を 初 め, 今 後 も 顧 客 視 点 のサービスを 開 発 し,お 客 様 に 提 供 していく 10