研究成果報告書

Similar documents
ません 高知県立のいち動物公園では,2009 年 4 月に 35 歳の女性サンゴが, 性別の異なる二卵性の双生児 ( 男の子 : ダイヤ, 女の子 : サクラ ) を出産しました ( 図 1) そして, 今日まで, サンゴによる自然哺育が継続しています ふたごが自然哺育によって育つ例は稀であり, 日

Microsoft PowerPoint 名古屋大学講義第1回

Powered by TCPDF ( Title 組織のスラック探索に関する包括的モデルの構築と実証研究 Sub Title On the comprehensive model of organizational slack search Author 三橋, 平 (M

計画研究 年度 定量的一塩基多型解析技術の開発と医療への応用 田平 知子 1) 久木田 洋児 2) 堀内 孝彦 3) 1) 九州大学生体防御医学研究所 林 健志 1) 2) 大阪府立成人病センター研究所 研究の目的と進め方 3) 九州大学病院 研究期間の成果 ポストシークエンシン

平成 26 年 8 月 21 日 チンパンジーもヒトも瞳の変化に敏感 -ヒトとチンパンジーに共通の情動認知過程を非侵襲の視線追従装置で解明- 概要マリスカ クレット (Mariska Kret) アムステルダム大学心理学部研究員( 元日本学術振興会外国人特別研究員 ) 友永雅己( ともながまさき )

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

プロジェクト概要 ー ヒト全遺伝子 データベース(H-InvDB)の概要と進展

ヒトもチンパンジーも日常生活で笑顔を見せます 自発的微笑が笑顔の起源であるなら, 笑顔を見せる種では自発的微笑が見られる可能性があると考えられます ヒトやチンパンジーとは約 3000 万年前に共通祖先から枝分かれして進化してきたニホンザルも, 遊びのときに口を開けて笑顔を見せます ( プレイフェイス

Untitled

nagasaki_GMT2015_key09

統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を,神経発達関連遺伝子のNDE1内に同定した

会議Ⅱ/古賀1

研究成果報告書

研究成果報告書(基金分)

Powered by TCPDF ( Title ダウン症における心奇形発症の原因遺伝子の同定 Sub Title Identification of the responsible gene(s) for congenital heart defect in Down

本成果は 以下の研究助成金によって得られました JSPS 科研費 ( 井上由紀子 ) JSPS 科研費 , 16H06528( 井上高良 ) 精神 神経疾患研究開発費 24-12, 26-9, 27-

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

研究成果報告書

成果 本研究の解析で着目したのは 25 の遺伝性疾患とそれらの 57 の原因遺伝子で これらは ACMG が推奨する 偶発的 二次的所見としての遺伝情報の結果の返却を推奨する遺伝子のセットのうち常染色体上のものに相当し 大部分が遺伝性腫瘍や遺伝性循環器疾患の原因遺伝子です 本研究では 当機構で作成し

2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個

論文の内容の要旨

研究の背景社会生活を送る上では 衝動的な行動や不必要な行動を抑制できることがとても重要です ところが注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などの精神 神経疾患をもつ患者さんの多くでは この行動抑制の能力が低下しています これまでの先行研究により 行動抑制では 脳の中の前頭前野や大脳基底核と呼ばれる領域が

国際塩基配列データベース n DNA のデータベース GenBank ( アメリカ :Na,onal Center for Biotechnology Informa,on, NCBI が運営 ) EMBL ( ヨーロッパ : 欧州生命情報学研究所が運営 ) DDBJ ( 日本 : 国立遺伝研内の日

別紙 自閉症の発症メカニズムを解明 - 治療への応用を期待 < 研究の背景と経緯 > 近年 自閉症や注意欠陥 多動性障害 学習障害等の精神疾患である 発達障害 が大きな社会問題となっています 自閉症は他人の気持ちが理解できない等といった社会的相互作用 ( コミュニケーション ) の障害や 決まった手

PRESS RELEASE (2014/2/6) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL:

報道機関各位 平成 27 年 8 月 18 日 東京工業大学広報センター長大谷清 鰭から四肢への進化はどうして起ったか サメの胸鰭を題材に謎を解き明かす 要点 四肢への進化過程で 位置価を持つ領域のバランスが後側寄りにシフト 前側と後側のバランスをシフトさせる原因となったゲノム配列を同定 サメ鰭の前

核内受容体遺伝子の分子生物学

表紙.indd

平成17年度研究報告

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt

長期/島本1

クワガタムシの大顎を形作る遺伝子を特定 名古屋大学大学院生命農学研究科 ( 研究科長 : 川北一人 ) の後藤寛貴 ( ごとうひろき ) 特任助教 ( 名古屋大学高等研究院兼任 ) らの研究グループは 北海道大学 ワシントン州立大学 モンタナ大学との共同研究で クワガタムシの発達した大顎の形態形成に

研究成果報告書

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

サカナに逃げろ!と指令する神経細胞の分子メカニズムを解明 -個性的な神経細胞のでき方の理解につながり,難聴治療の創薬標的への応用に期待-

様式 F-19 科学研究費助成事業 ( 学術研究助成基金助成金 ) 研究成果報告書 平成 25 年 5 月 15 日現在 機関番号 :32612 研究種目 : 若手研究 (B) 研究期間 :2011~2012 課題番号 : 研究課題名 ( 和文 ) プリオンタンパクの小胞輸送に関与す

研究成果報告書

様式F-19 記入例・作成上の注意

PowerPoint プレゼンテーション

™…{,

本成果は 主に以下の事業 研究領域 研究課題によって得られました 日本医療研究開発機構 (AMED) 脳科学研究戦略推進プログラム ( 平成 27 年度より文部科学省より移管 ) 研究課題名 : 遺伝子改変マーモセットの汎用性拡大および作出技術の高度化とその脳科学への応用 研究代表者 : 佐々木えり

遺伝子の近傍に別の遺伝子の発現制御領域 ( エンハンサーなど ) が移動してくることによって その遺伝子の発現様式を変化させるものです ( 図 2) 融合タンパク質は比較的容易に検出できるので 前者のような二つの遺伝子組み換えの例はこれまで数多く発見されてきたのに対して 後者の場合は 広範囲のゲノム

報道発表資料 2002 年 10 月 10 日 独立行政法人理化学研究所 頭にだけ脳ができるように制御している遺伝子を世界で初めて発見 - 再生医療につながる重要な基礎研究成果として期待 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は プラナリアを用いて 全能性幹細胞 ( 万能細胞 ) が頭部以外で脳

統合失調症の発症に関与するゲノムコピー数変異の同定と病態メカニズムの解明 ポイント 統合失調症の発症に関与するゲノムコピー数変異 (CNV) が 患者全体の約 9% で同定され 難病として医療費助成の対象になっている疾患も含まれることが分かった 発症に関連した CNV を持つ患者では その 40%

Microsoft Word - 最終:【広報課】Dectin-2発表資料0519.doc

1. 背景 NAFLD は非飲酒者 ( エタノール換算で男性一日 30g 女性で 20g 以下 ) で肝炎ウイルス感染など他の要因がなく 肝臓に脂肪が蓄積する病気の総称であり 国内に約 1,000~1,500 万人の患者が存在すると推定されています NAFLD には良性の経過をたどる単純性脂肪肝と

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

論文の内容の要旨 日本人サンプルを用いた 15 番染色体長腕領域における 自閉症感性候補遺伝子の検討 指導教員 笠井清登教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 13 年 4 月入学 医学博士課程 脳神経医学専攻 加藤千枝子 はじめに 自閉症は (1 ) 社会的な相互交渉の質的な障害 (2 ) コミュ

Untitled

Powered by TCPDF ( Title フィラグリン変異マウスを用いた新規アトピー性皮膚炎マウスモデルの作製 Sub Title Development of a new model for atopic dermatitis using filaggrin m

Microsoft Word - 【広報課確認】 _プレス原稿(最終版)_東大医科研 河岡先生_miClear

( 図 ) 自閉症患者に見られた異常な CADPS2 の局所的 BDNF 分泌への影響

様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書 平成 22 年 6 月 16 日現在 研究種目 : 若手研究 (B) 研究期間 :2008~2009 課題番号 : 研究課題名 ( 和文 ) 心臓副交感神経の正常発生と分布に必須の因子に関する研究 研究課題名 ( 英文 )Researc

ノム解析が実施された場合に偶発的 二次的所見としての遺伝情報を知ることが患者にとって有意義としている遺伝性疾患の原因遺伝子です 具体的には 現在示されている 26 疾患 (59 遺伝子 ) のうちから 常染色体上に存在する 57 遺伝子 (25 疾患 ) を本研究の解析対象としました 2KJPN の

解禁時間:(テレビ、ラジオ)平成16年11月19日午前3時(新聞)     平成16年11月19日付け朝刊

Powered by TCPDF ( Title Sub Title Author 喫煙による涙腺 眼表面ダメージのメカニズム解明 Assessment of the lacrimal and ocular surface damage mechanism related

Slide 1

会報35号表紙.pdf

2017 年 2 月 6 日 アルビノ個体を用いて菌に寄生して生きるランではたらく遺伝子を明らかに ~ 光合成をやめた菌従属栄養植物の成り立ちを解明するための重要な手がかり ~ 研究の概要 神戸大学大学院理学研究科の末次健司特命講師 鳥取大学農学部の上中弘典准教授 三浦千裕研究員 千葉大学教育学部の

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

ルス薬の開発の基盤となる重要な発見です 本研究は 京都府立医科大学 大阪大学 エジプト国 Damanhour 大学 国際医療福祉 大学病院 中部大学と共同研究で行ったものです 2 研究内容 < 研究の背景と経緯 > H5N1 高病原性鳥インフルエンザウイルスは 1996 年頃中国で出現し 現在までに

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D>

報道発表資料 2001 年 12 月 29 日 独立行政法人理化学研究所 生きた細胞を詳細に観察できる新しい蛍光タンパク質を開発 - とらえられなかった細胞内現象を可視化 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は 生きた細胞内における現象を詳細に観察することができる新しい蛍光タンパク質の開発に成

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が

Microsoft Word - tohokuuniv-press _02.docx

統合失調症モデルマウスを用いた解析で新たな統合失調症病態シグナルを同定-統合失調症における新たな予防法・治療法開発への手がかり-

研究の背景と経緯 植物は 葉緑素で吸収した太陽光エネルギーを使って水から電子を奪い それを光合成に 用いている この反応の副産物として酸素が発生する しかし 光合成が地球上に誕生した 初期の段階では 水よりも電子を奪いやすい硫化水素 H2S がその電子源だったと考えられ ている 図1 現在も硫化水素

■リアルタイムPCR実践編

研究成果報告書

生物時計の安定性の秘密を解明

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

れており 世界的にも重要課題とされています それらの中で 非常に高い完全長 cdna のカバー率を誇るマウスエンサイクロペディア計画は極めて重要です ゲノム科学総合研究センター (GSC) 遺伝子構造 機能研究グループでは これまでマウス完全長 cdna100 万クローン以上の末端塩基配列データを

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al.

Microsoft Word doc

<4D F736F F D208DC58F498A6D92E88CB48D652D8B4C8ED289EF8CA992CA926D2E646F63>

Microsoft Word - 1 color Normalization Document _Agilent version_ .doc

Microsoft Word - PRESS_

我々のビッグデータ処理の新しい産業応用 広告やゲーム レコメンだけではない 個別化医療 ( ライフサイエンス ): 精神神経系疾患 ( うつ病 総合失調症 ) の網羅的ゲノム診断法の開発 全人類のゲノム解析と個別化医療実現を目標 ゲノム育種 ( グリーンサイエンス ): ブルーベリー オオムギ イネ


補助事業者 研究代表者及び研究分担者所属研究機関氏名 部局 職名 同一機関に所属する補助事業者の間接経費譲渡額は 合計額のみを記入してください 間接経費の交付申請書に記譲渡額載の補助金額 13,000,000 13,000,621 5,500,000 大学 学部 准教授 20234

untitled

研究成果報告書

Microsoft PowerPoint - 資料6-1_高橋委員(公開用修正).pptx

-2-

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

GWB

<4D F736F F D DC58F49288A6D92E A96C E837C AA8E714C41472D3382C982E682E996C D90A78B408D5C82F089F096BE E646F6378>


研究成果報告書

スライド 1

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

STAP現象の検証の実施について

Microsoft Word - 【セット版】別添資料2)環境省レッドリストカテゴリー(2012)

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

Transcription:

様式 C-19 科学研究費助成事業 ( 科学研究費補助金 ) 研究成果報告書 平成 24 年 5 月 24 日現在 機関番号 :14301 研究種目 : 挑戦的萌芽研究研究期間 :2010~2011 課題番号 :22650053 研究課題名 ( 和文 ) 比較認知ゲノム科学の確立に向けて 比較認知科学と比較ゲノム科学のクロストーク 研究課題名 ( 英文 ) Toward the rise of comparative cognitive genomics: Crosstalk between comparative cognitive science and comparative genomics 研究代表者友永雅己 (TOMONAGA MASAKI) 京都大学 霊長類研究所 准教授研究者番号 :70237139 研究成果の概要 ( 和文 ): ヒト以外の霊長類の 遺伝子 ( ゲノム ) と 心 の研究成果を有機的に融合させることで ヒトとは何か? を明らかにしようとする 比較認知ゲノム科学 の立ち上げに寄与すべく 萌芽的研究を実施した その結果 嗅覚受容体遺伝子の多型解析 味覚受容体遺伝子の多型解析と行動実験 およびチンパンジー二卵性双生児の行動発達において予備的な成果を得ることができた 研究成果の概要 ( 英文 ): To contribute the rise of comparative cognitive genomics, to address the question What makes us human? from the integrative standpoint of genome and mind, we have tried a series of seminal studies and obtained preliminary but fruitful results on polymorphic analyses of taste and olfactory receptor genes and behavioral development of dizygotic twin chimpanzees. 交付決定額 ( 金額単位 : 円 ) 直接経費 間接経費 合計 2010 年度 1,600,000 0 1,600,000 2011 年度 1,300,000 390,000 1,690,000 年度年度年度総計 2,900,000 390,000 3,290,000 研究分野 : 総合領域科研費の分科 細目 : 情報学 認知科学キーワード : 霊長類 味覚 嗅覚 受容体 ゲノム 1. 研究開始当初の背景 2001 年に発表されたヒトゲノム配列の解読は生物学のさまざまな領域に多大なインパクトをもたらした それは 心理学 認知科学も同様である 心という認知機能は脳という器官の活動そのものであり その脳の中では多様な遺伝子が発現している 認知科学お よび認知神経科学では認知機能のゲノム的基盤の解明を目指す認知ゲノム科学 (Cognitive genomics) という領域が興隆してきた そのターゲットは統合失調などの心の障害を引き起こす遺伝子の探索や感覚 知覚 さらには認知に関連する遺伝子群における一塩基多型 (SNP) と認知課題遂行の間の

連関を調べる研究などである 一方 認知科学およびゲノム科学はヒト以外の動物を対象にした研究領域でも近年多大な成果を挙げつつある 認知科学の領域では ヒトの心の進化の過程の解明や 生物界における心の進化の多様性と収斂を探る 比較認知科学 が大きく進歩した ゲノム科学の領域ではヒト以外の生物のゲノム配列を決定し ヒトゲノムと比較することで 人の多様性や進化の歴史を探る 比較ゲノム科学 がポストゲノム時代の一つの柱となっている この両者の究極の目標はある意味で一致している ヒトの独自性はどこにあるのか そしてそれはどのように進化してきたのか 2004 年に発表されたチンパンジーの 22 番染色体のゲノム配列決定の推進役となったのは 遺伝子 ( ゲノム ) と 心 など様々な表現型の連関を探るというパースペクティブであった 2. 研究の目的ヒト以外の霊長類の 遺伝子 ( ゲノム ) と 心 の研究は お互いに発展しているが 双方の研究成果を有機的に融合させることで ヒトとは何か? を明らかにしようとする試みは研究開始 (2010 年 ) 時点においてほとんど行われていなかった これは特に日本に限ったことではない 認知ゲノム科学 (Cognitive Genomics) を標榜する研究チームはいくつか存在するが 比較認知ゲノム科学 (Comparative Cognitive Genomics) は皆無である わずかに 性格 などの個体特性と神経伝達物質受容体の多型との関連をヒト以外の霊長類やイヌなどで調べる研究が散見するのみで 認知機能そのものとゲノムとの連関を比較の視点で調べた研究は皆無といってよい そこで本研究はこのような両者の間のギャップを少しでも埋めて 比較認知ゲノム科学 の立ち上げに寄与すべく構想された 3. 研究の方法京都大学霊長類研究所および野生動物研究センター熊本サンクチュアリで飼育されているチンパンジーとニホンザルを対象とし 遺伝的背景の網羅的検出と集団特性に注目した感覚特性の検出を行なった 具体的には 比較認知実験の刺激として用いる味覚や嗅覚特性の個体差のゲノム基盤を明らかにする目的で 個体ごとの味覚 嗅覚受容体遺伝子の遺伝子型の決定を行い 多型解析を行なった また 多型解析の結果に基づき 行動実験を行った また 2009 年に高知県のいち動物園で生まれた二卵性双生児のチンパンジーの行動発達について縦断的に観察を行った この事例は 将来生まれる可能性のある一卵性双生児のチンパンジーでの比較認知ゲノム科学的研究にとっての貴重な比較 資料となりうる (1) 嗅覚受容体については霊長類研究所に飼育されている 14 頭に加えて京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリに飼育されている東チンパンジー 1 個体の計 15 個体のチンパンジーを対象とし 嗅覚受容体遺伝子としては 我々が先行研究で行った嗅覚受容体遺伝子比較ゲノム解析の結果 ヒト特異的に偽遺伝子化している可能性の高い 70 遺伝子を選抜して研究を行った 70 遺伝子全てに関して PCR のためのプライマーを遺伝子近傍領域に作製して PCR 反応を行い サンガーシーケンス法により配列決定を行い遺伝子型の決定を行なった シーケンス解析をほぼ全ての個体に関して終了した また より広範でゲノムワイドな個体差のゲノム基盤 さらに親子間における個体差のゲノム基盤を明らかにするための端緒として 父親 - 母親 子供の親子トリオの次世代シーケンサーを用いた全ゲノム解析を共同研究の一部として行なった (2) 味覚受容体については 嗅覚受容体と同様に多型解析を行った後 認知機能と比較するためチンパンジー ニホンザルを対象とした行動実験を展開した まず ヒトを含めて比較的受容体とリガンドと関係が明確な苦味受容体 TAS2R38 と phenylthiocarbamide (PTC) の系を用いて味覚について実験条件を整備した 苦味物質を含む溶液に浸したリンゴを与え 拒否反応の程度を評価する方法により 遺伝子型と行動表現型の比較を行った また マウスなどで広く用いられている二瓶法を用いることにより 一塩基多型 (SNP) 程度の感受性の違いでも検出可能な実験系の構築を目指した 標準的な実験系が確立した後 既に化学物質が同定されている苦味受容体についての行動実験を行った (3) 二卵性双生児チンパンジーの行動発達については 高知県のいち動物園との間で共同研究協定を結び 同園のスタッフおよび動物園ボランティアの協力を得て 2010 年秋 (1 歳半 ) から現在まで月 3-4 日のペースで観察とビデオ記録を行っている 観察は主として双生児個体と他個体の間の近接関係に着目し その発達に応じた変化を見た 4. 研究成果 (1) 嗅覚受容体の多型解析嗅覚受容体遺伝子の配列解析の結果から 解析がすすんでいる 57 遺伝子のうち 8 遺伝子において少なくとも 1 個体以上において挿入 欠失型の変異を保有していた このタイプの変異を持つアリルは偽遺伝子化していることが予想されるので それらの嗅覚受容

体遺伝子に関しては嗅覚特性の個体差を生み出しうる事を明らかにした また 親子トリオの全ゲノム解析からは 先行研究で解読されたチンパンジー参照ゲノム配列との比較解析により 141 遺伝子に少なくとも 1 個体においてタンパク質をコードする領域の途中にアミノ酸の合成をストップさせるようなプレマチュアーストップコドン (premature stop codon) が検出された また 27 の遺伝子においては 親子間でプレマチュアーストップコドンの出現に多様性があった プレマチュアーストップコドンが検出された遺伝子は遺伝子として機能していない可能性があり それが親子間を含めた個体差の原因と成りうることを明らかにした (2) 味覚受容体の多型解析と行動実験チンパンジー約 50 個体 ニホンザル アカゲザル個体約 580 個体の味覚受容体遺伝子型を網羅的に解析した 30 近い遺伝子のうち 20 個近くが非同義置換を含む遺伝子多型を示すことを見いだした 多くの苦味受容体の中でも人工苦味物質 PhenylThioCarbamide を受容する苦味受容体 TAS2R38 の遺伝子多型が顕著であった ニホンザルでは特に 紀伊半島由来の個体から開始コドン ATG が ACG に変異している個体が約 30% の割合で発見された (Suzuki et al., 2010) 同様の変異は チンパンジーで ATG が AGG に変異した個体が存在することが報告されている (Wooding et al., 2006) そこで この遺伝子を基準にして遺伝子型と認知行動の比較解析を行った まず リンゴを用いた選択行動実験を行った その結果 チンパンジー 55 個体では開始コドンの変異をホモ接合で持つ個体には PTC の苦味を見分けることができない個体が多いことがわかった ( 図 1) 一方で 変異をホモで持っている個体でも PTC の苦味を見分けている可能性や 変異を持っていない個体でも 苦味を見分けられないかのような行動を示すデータもあった この傾向はニホンザルでも同様で リンゴを用いた場合はリンゴに対する嗜好性や実験者との関係に由来する行動も含まれてくると考えられた ニホンザルを用いた二瓶法による より詳細な実験の結果から 遺伝子型と行動による表現型すなわち認知域には相関は確かにあるが 個体による認知域または行動域の差が非常に大きく 行動実験だけでは遺伝子型の予測までは困難であることがわかった すなわち 認知行動実験 遺伝子型の方向の推定はまだ困難であるが 遺伝子型 認知行動実験の方向では実験条件を整えることにより 遺伝子の機能と認知行動の相関を抽出することは可能であると考えられる 今後 各個体のゲノム決定が進むことから それぞれの遺伝子型に基づいた認知行動の解析により 意外な遺伝子 - 認知機能相関が発見されるかもしれない 図 1 PTC を含むリンゴを与えた際にはき出す回数 ( 横軸 ) の個体数分布 ( 縦軸 ) はき出す回数が多い個体には TAS2R38 機能遺伝子 (+) を含むものが多く はき出す回数が少ない個体には TAS2R38 機能欠損遺伝子 (-) を含むものが多い (3) 二卵性双生児チンパンジーの行動発達高知県のいち動物公園で 2009 年 4 月に誕生した二卵性双生児のチンパンジー ダイヤ ( ) とサクラ ( ) を対象に観察を行った 観察は 彼らが 1 歳半になった 2010 年 11 月から 月に 3~4 日の割合で行った 一回の観察記録の時間は 1 時間とし 1 分ごとにそれぞれの個体についての最近接個体を記録した ダイヤとサクラには当初 母親のサンゴの他にコユキという 乳母 が飼育担当者によって用意された 観察開始以前はサクラとコユキの近接が高く コユキによる育児補助が 自然下でもきわめてまれなチンパンジー双生児の生存が可能となったといえる また きわめて興味深いことに 観察開始時点では群れの別のメス個体チェリーが 極めて高頻度でサクラの世話をするようになっていた ( 図 2) 野生下のチンパンジーでは 母親を失った子どもの面倒を見る個体が現れる ( 里親 ) ことが報告されているが 今回の事例は それとは異質である すなわち サクラには生物学的な母親がおり 観察期間中も授乳や抱いての移動などの養育行動は問題なく観察されていた 少なくとも このような 乳母 の存在が母親の育児負担を軽減し 2 人の子どもたちの生存に大きく貢献をしていたことは否定できない また 3 歳を経過した現時点では チェリーとサクラの間の関係も少しずつ変化しつつある 今後さらに観察を縦断的にすすめ 彼らの発達とひとりっこの発

達の類似点と相違点を浮き彫りにして行く予定である また 本事例は将来生まれる可能性のある一卵性双生児のチンパンジーでの比較認知ゲノム科学的研究にとっての貴重な比較資料となりうる 図 2 ダイヤとサクラの観察期間中の最近接個体 (NN) の割合 サクラにおいてチェリーの頻度が高いことがわかる 5. 主な発表論文等 ( 研究代表者 研究分担者及び連携研究者には下線 ) 雑誌論文 ( 計 8 件 ) 1. *H. Imai, N. Suzuki, Y. Ishimaru, T. Sakurai, L. Yin, W. Pan, K. Abe, T. Misaka, and H. Hirai (2012) Functional diversity of bitter taste receptor TAS2R16 in primates. Biology Letters in press. 査読有 10.1098/rsbl.2011.1251. 2. K. Katayama, Y. Furutani, H. Imai, and H. Kandori (2012) Protein-Bound Water Molecules in Primate Red- and Green-Sensitive Visual Pigments. Biochemistry 51, 1126-1133. 査読有 10.1021/bi201676y 3. H. Nagai, Y. Terai, T. Sugawara, H. Imai, H. Nishihara, M. Hori, and N. Okada (2011) Reverse evolution in RH1 for adaptation of cichlids to water depth in Lake Tanganyika Mol. Biol. Evol. 28, 1769-1776. 査読有 10.1093/molbev/msq344 4. *T. Sugawara, Y. Go, T. Udono, N. Morimura, M. Tomonaga, H. Hirai, and *H. Imai. (2011) Diversification of bitter taste receptor gene family in western chimpanzees. Mol. Biol. Evol. 28, 921-931. 査読有 5. N. Suzuki, T. Sugawara, A. Matsui, Y. Go, H. Hirai, and *H. Imai (2010) Identification of non-taster Japanese macaques for a specific bitter taste. Primates 51, 285-289. 査読有 6. K. Katayama, Y. Furutani, H. Imai, H. Kandori. (2010) An FTIR Study of Monkey Green- and Red-Sensitive Visual Pigments. Angewandte Chemie 49, 891-894. 査読有 7. T. Matsuyama, T. Yamashita, H. Imai, and Y. Shichida (2010) Covalent Bond between Ligand and Receptor Required for Efficient Activation in Rhodopsin. J. Biol. Chem. 285, 8114-8121. 査読有 8. T. Sugawara, H. Imai, M. Nikaido, Y. Imamoto, and N. Okada. (2010) Vertebrate Rhodopsin Adaptation to Dim Light via Rapid Meta-II Intermediate Formation. Mol. Biol. Evol. 27, 506-519. 査読有 学会発表 ( 計 22 件 ) 1. 今井啓雄霊長類味覚受容体の進化 日本生理学会大会第 89 回大会シンポジウム 2012 年 3 月 31 日 松本 2. 今井啓雄 ゲノム多型の機能解析 : 霊長類 第二回脳表現型の分子メカニズム研究会 2011 年 11 月 19 日 東京 3. 早川卓志チンパンジーの味覚に地域差はあるか? ~ 分子遺伝学からの考察 ~ SAGA14 2011 年 11 月 12 日 熊本 4. Nami SUZUKI Region specific dysfunction of bitter taste receptor TAS2R38 in Japanese macaques The 9th International Symposium on Molecular and Neural Mechanisms of Taste and Olfactory Perception 2011 年 11 月 6 日 福岡 5. 今井啓雄 霊長類バイオリソースの現状と展望 熊本大学第 16 回遺伝子実験施設セミナー バイオリソース最前線 2011 年 10 月 12 日 熊本 6. 権田彩 2011 年 10 月 6 日 コモンマーモセットにおける消化器系での味覚情報伝達物質の定量的解析 第 45 回大会 金沢 7. 今井啓雄 2011 年 9 月 18 日 霊長類ゲノムスクリーニングによる自然発生的遺伝子変異モデルの探索 第 34 回日本神経

科学会大会シンポジウム 横浜 8. Hiroo Imai 2011 年 7 月 30 日 Functional evolution of primate TAS2Rs シンポジウム 環境適応の最前線 : 感覚受容体の機能進化 Adaptive molecules: functional evolution of sensory receptors 日本進化学会第 13 回大会 京都 9. 鈴木南美 2011 年 7 月 30 日 ニホンザルにおける地域特異的な苦味感受性変異 日本進化学会第 13 回大会 京都 10. 早川卓志 2011 年 7 月 30 日 チンパンジー 3 亜種における苦味受容体遺伝子ファミリーの分子進化 日本進化学会第 13 回大会 京都 11. 鈴木南美 2011 年 7 月 17 日 ニホンザルにおける苦味受容体 TAS2R38 の地域特異的な感受性変異第 27 回日本霊長類学会大会 犬山 12. 早川卓志 2011 年 7 月 17 日 チンパンジー 3 亜種における苦味受容体遺伝子ファミリーの分子進化第 27 回日本霊長類学会大会 犬山 13. 今井啓雄 2011 年 7 月 17 日 苦味受容体 TAS2R16 感受性の種間差と分子機構第 27 回日本霊長類学会大会 犬山 14. Hiroo IMAI, Polymorphism in Bitter Taste Receptors of Primates. April 22, 2010, Association for Chemoreception Sciences 2010 annual meeting, St. Petersberg, USA 15. H. Imai, Differences in bitter taste receptors and behaviours in species and sub-species of primates: Identification of non-taster Japanese macaques for a specific bitter taste. September 18, 2010, European Chemoreception Research Organization XXth CONGRESS, Avignon, France 16. Hiroo IMAI IPS BITTER TASTE RECEPTORS OF PRIMATES International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 2010 年 9 月 13 日 京都 17. T. Sugawara DIVERSIFICATION OF BITTER TASTE RECEPTOR GENE FAMILY IN CHIMPANZEES. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 2010 年 9 月 13 日 京都 18. N. Suzuki REGION-SPECIFIC DISTRIBUTION OF NON-TASTER JAPANESE MACAQUES International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 2010 年 9 月 京都 19. T. Hayakawa INTRASUBSPECIFIC POLYMORPHISMS AND INTERSUBSPECIFIC DIVERGENECE OF BITTER TASTE RECEPTOR GENES IN CHIMPANZEES. International Primatological Society XXIII Congress Kyoto 2010 2010 年 9 月 京都 20. Nami SUZUKI, Genetic Polymorphism in Sensory Receptor Genes of Primates, 2010 年 9 月 12 日, The 4th International Symposium of the Biodiversity and Evolution Global COE project"evolution of Sensor, Communication and Society",Kyoto. 21. 鈴木南美苦味受容体遺伝子の多型解析による味覚変異ニホンザルの発見 2010 年 9 月 8-10 日 日本味と匂い学会大会 北九州 22. 早川卓志チンパンジー亜種集団間における苦味受容体遺伝子配列の比較解 2010 年 8 月 2-5 日 日本進化学会大会 東京 図書 ( 計 1 件 ) 1. T. Sugawara and H. Imai (2012) Post-Genome Biology of Primates Focusing on Taste Perception. In Post-Genome Biology of Primates, Springer (eds H. Hirai, H. Imai, Y. Go) pp 79-92. 産業財産権 出願状況 ( 計 0 件 ) 取得状況 ( 計 0 件 ) その他 報道 1. 今井啓雄 ニホンザル 苦味に鈍感 ( 産経新聞 2012 年 4 月 10 日 ) 2. 今井啓雄 ニホンザルは苦味に強い!? ( 日刊工業新聞 2012 年 3 月 27 日 ) 3. 今井啓雄 ニホンザル苦味に鈍感 ( 朝日新聞 2012 年 3 月 23 日 朝刊 ) 4. 平井啓久 今井啓雄 ニホンザル苦味に強い ( 京都新聞 2012 年 3 月 16 日 朝刊 ) 5. 今井啓雄 早川卓志 チンパンジー 生息地で味覚異なる ( 読売新聞中部版 2011 年 12 月 28 日 朝刊 ) 6. 今井啓雄 鈴木南美 紀伊のサル苦み去る ( 読売新聞全国版 2011 年 7 月 27 日 夕刊 ) ホームページ等 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h /h1/news6/2011/120315_2.htm

6. 研究組織 (1) 研究代表者友永雅己 (TOMONAGA MASAKI) 京都大学 霊長類研究所 准教授研究者番号 :70237139 (2) 研究分担者今井啓雄 (IMAI HIROO) 京都大学 霊長類研究所 准教授研究者番号 :60314176 郷康広 (GO YASUHIRO) 京都大学 霊長類研究所 助教研究者番号 :50377123 (3) 連携研究者