201312 6.4%222 20146 CFO F Peter F Drucker 1909 年 オーストリア 生 まれ アメリカの 経 営 学 者 現 代 経 営 学 の 祖 マ ネジメントの 発 明 者 と 呼 ばれ 20 世 紀 後 半 世 界 中 の 経 営 者 に 多 大 な 影 響 を

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Japan Tax Newsletter

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第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可


平成24年度 業務概況書

Microsoft Word )40期決算公開用.doc



2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

●電力自由化推進法案

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

スライド 1

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第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

第316回取締役会議案

連結計算書

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

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平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

m07 北見工業大学 様式①

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情


(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

公表表紙

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

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社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

18 国立高等専門学校機構

 

建設特別・資産運用の基本方針

Microsoft Word - 【QA】外貨MMF受付停止.doc

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

基礎からのM&A 講座 第9 回 M&A の論点 (2)ストラクチャー

文化政策情報システムの運用等

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

目 次 ( 資 産 の 部 金 融 資 産 ) 1. 資 金 4 1 資 金 明 細 台 帳 ( 資 産 負 債 整 簿 ) 5 2 資 金 の 明 細 台 帳 ( 付 属 明 細 表 ) 5 2. 税 等 未 収 金 6 3 債 権 債 務 整 台 帳 ( 資 産 負 債 整 簿 ) 6 4 当


(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

Microsoft Word - 目次.doc

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

(参考資料)国際会計基準(IFRS)の2012年3月期からの任意適用について

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Japan Tax Newsletter

<重要な会計方針及び注記>

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企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について③・資本連結実務指針(その2)

平成29年2月期 第2四半期決算短信


第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

2016年夏のボーナス見通し

第4回税制調査会 総4-1

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

Microsoft Word 利子補給金交付要綱

別紙3

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

Taro13-公示.jtd

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

慶應義塾利益相反対処規程

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

しかし 主 に 欧 州 の 一 部 の 回 答 者 は 受 託 責 任 について 資 源 配 分 の 意 思 決 定 の 有 用 性 とは 独 立 の 財 務 報 告 の 目 的 とすべきであると 回 答 した 本 ED に 対 する ASBJ のコメント レターにおける 意 見 経 営 者 の 受

1_2013BS(0414)

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小山市保育所整備計画

東京都立産業技術高等専門学校

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

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科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

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Q IFRSの特徴について教えてください

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

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16 日本学生支援機構

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

Transcription:

CFO 経 営 学 者 ピ ー タ ー F ド ラ ッ カ ー 2014 ISSUE 07 Photo EPA Entrepreneurs focus on profits. But it comes last rather than first. Cash flow, capital and controls come much earlier. Without them, the profit figures are fiction.

201312 6.4%222 20146 CFO F Peter F Drucker 1909 年 オーストリア 生 まれ アメリカの 経 営 学 者 現 代 経 営 学 の 祖 マ ネジメントの 発 明 者 と 呼 ばれ 20 世 紀 後 半 世 界 中 の 経 営 者 に 多 大 な 影 響 を 与 えた 分 権 化 経 営 戦 略 目 標 管 理 ナレッジワーカー 等 ドラッ カーが 考 案 した 経 営 コンセプトは 現 在 の 企 業 経 営 にも 活 かされている ドラッカーは 企 業 は 利 潤 を 極 大 化 するのではなく 存 続 と 成 長 こそが 重 要 な 目 標 である とする 企 業 生 存 説 を 唱 え 企 業 を 存 続 させるために 現 金 を 稼 ぎ 出 すことの 重 要 性 を 説 いた

Cash キャッシュを回す経営へ 利益は意見 キャッシュは事実 企業が持続的に成長を遂げるためには 次なる投資の源泉となるキャッシュを 日々のビジネスから確実に生み出す好循環を描かねばならない

Issue キャッシュフロー 経 営 という 言 葉 は 日 本 企 業 にも 浸 透 しており 経 営 管 理 上 資 金 の 流 れを 把 握 する 必 要 性 について 異 議 を 唱 えるものはいないだろう しかし 日 本 企 業 の 手 元 資 金 は 年 々 増 加 しており 通 常 のビジネスサイクルで キャッシュを 循 環 させることに 対 する 意 識 が 一 段 と 低 下 したことは 否 めない ビジネスでキャッシュを 稼 ぎだし それを 有 効 に 活 用 することで 新 たな 成 長 の 機 会 を 得 ようとする 真 のキャッシュフロー 経 営 を 実 現 できているだろうか キャッシュを 循 環 させる ことは 企 業 の 存 続 発 展 のために 不 可 欠 だが そ の 大 前 提 は 日 々のビジネスから 確 実 にキャッシュを 生 み 出 す ことにある 既 存 ビジネスのオペレーションサイクルにおいて 必 要 となるベースの 運 転 資 本 の 規 模 を 正 確 に 把 握 した 上 で 企 業 を 取 り 巻 く 環 境 の 変 化 に 対 応 して 必 要 資 金 を 備 えることができているだろうか こうした 基 本 を 押 さえてこそ 将 来 を 見 据 えた 新 規 事 業 投 資 の 適 切 な 意 思 決 定 が 可 能 になる 足 もとのビジネスにおけ るキャッシュの 動 きを 読 めなければ 企 業 として 正 しい 判 断 はできない 企 業 の 成 長 に 向 けたキャッシュの 好 循 環 を 実 現 するために ファイナンス 組 織 は 何 をするべきなのか 単 に 数 値 目 標 を 定 め 事 業 部 門 からの 報 告 を 待 ってい るだけでは 十 分 な 成 果 は 得 られないだろう 米 系 企 業 のファイナンス 組 織 の 貢 献 領 域 を 見 ると 戦 略 領 域 から 運 転 資 本 の 管 理 まで 広 くビジネスにコミッ トしていることがうかがえる ファイナンス 組 織 がビジネス 構 造 にしっかりと 目 配 りし 中 長 期 的 な 視 点 からキャッシュを 生 み 出 すためのサポート 役 として 機 能 しているのだ 4

( 兆 円 ) 200 150 100 175 183 184 186 184 180 181 187 194 202 209 222 50 0 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 出 所 : 日 本 銀 行 資 金 循 環 統 計 (2014 年 )より 作 成 数 字 は 日 本 の 民 間 非 金 融 法 人 が 保 有 する 現 金 預 金 残 高 の 推 移 ( 案 件 の 選 定 分 析 実 行 等 ) ( 製 品 顧 客 地 域 の 選 択 等 ) 87% 85% ( 競 争 優 位 オペレーティングモデルの 選 択 等 ) 66% ( 価 格 プロモーション 案 件 の 分 析 等 ) ( 投 資 の 評 価 および 選 定 等 ) ( 顧 客 製 品 地 域 のターゲティング 等 ) 21% 32% 58% ( 効 率 性 有 効 性 外 注 先 の 評 価 等 ) (サプライヤー 契 約 調 達 価 格 の 評 価 等 ) ( 効 率 性 有 効 性 の 分 析 等 ) 39% 56% 87% ( 効 率 性 有 効 性 の 分 析 等 ) 37% ( 在 庫 売 掛 金 買 掛 金 の 最 適 化 等 ) ( 購 入 売 却 除 却 等 ) 63% 85% ( 上 記 選 択 肢 より 複 数 選 択 数 字 は ファイナンス 組 織 が 一 定 程 度 の 貢 献 を 果 たしていると 回 答 したCFOの 割 合 ) 出 所 : Deloitte CFO Signals Survey TM 4Q 2013 北 米 地 域 大 企 業 96 社 のCFOより 回 答 5

Case Study キャッシュに 対 する 意 識 が 高 い 企 業 では 事 業 や 案 件 をスタートさせる 段 階 か ら ファイナンス 組 織 がコミットする 仕 組 みを 構 築 している ビジネスの 構 造 を 理 解 し 必 要 な 運 転 資 本 などコントロールポイントを 把 握 することで 経 営 環 境 の 変 化 をいち 早 く 察 知 し 改 善 に 向 けたアクションを 促 すことができる A ビジネスの 立 ち 上 げから 関 与 し ファイナンス 観 点 からの 課 題 やリスク 対 応 をビジネスモデルに 反 映 主 要 なバイヤとサプライヤやその 力 関 係 回 収 サイクルなどを 把 握 し ファイナンス 部 門 がビジネスを 構 造 的 に 理 解 予 め ビジネスの 構 造 や 背 景 を 理 解 することで 日 々のオペレーションの 中 で 数 値 が 悪 化 した 際 の 改 善 策 を 的 確 に 助 言 提 案 することが 可 能 ( 売 掛 買 掛 在 庫 ) (プロジェクトファイナンス 等 ) 等 ( 投 資 生 産 販 売 計 画 等 ) 等 6

刻 々と 変 化 するビジネス 動 向 に 対 応 するためには より 現 場 に 近 いポジション でビジネスを 把 握 することが 重 要 となる 各 事 業 に 配 置 されるファイナンス 担 当 者 は 数 値 管 理 や 分 析 をするだけではない ビジネスを 深 く 理 解 し 事 業 部 門 とのパートナーシップを 築 き ファイナンス 視 点 から 助 言 を 行 っている B ファイナンス 担 当 者 を 各 事 業 部 門 に 配 置 し 直 接 事 業 担 当 者 とコミュニケーションをとりながら 数 値 の 裏 づけや 市 場 予 測 を 実 施 週 次 で 生 産 計 画 / 販 売 計 画 を 精 査 し 予 測 される 過 剰 在 庫 などキャッシュへの 影 響 を 製 造 及 び 営 業 の 各 担 当 者 と 協 議 アクションプランを 提 案 各 事 業 の 情 報 を 元 に 全 社 レベルのキャッシュフローの 状 態 を 適 時 正 確 に 把 握 し 長 期 的 な 視 点 で 投 資 や 資 金 調 達 といった 経 営 判 断 に 助 言 A B X A 生 産 ( 製 造 ) 調 整 販 売 ( 営 業 ) 生 産 計 画 販 売 計 画 ファイナンス 主 要 数 値 の 予 測 差 異 分 析 等 7

Insight 昨 今 の 経 営 環 境 はめまぐるしいスピードで 変 化 している その 中 で 企 業 が 持 続 的 な 成 長 力 を 維 持 するには キャッシュを 回 す 経 営 へと 深 化 を 遂 げるこ とが 求 められている 事 業 部 門 はキャッシュよりも 売 上 や 利 益 を 優 先 する 傾 向 がある また キャッ シュは 生 み 出 した 会 社 に 帰 属 するとの 考 えが 根 強 く 企 業 グループ 全 体 として キャッシュを 有 効 に 活 用 する 機 会 を 逸 しているのではないだろうか こうした 現 状 を 打 破 するには キャッシュ 対 する 共 通 意 識 を 持 ち 全 社 的 に 感 度 を 高 め ることが 肝 要 だ 企 業 全 体 のキャッシュを 最 大 限 活 用 するために ファイナンス 組 織 は 各 事 業 の 構 造 を 理 解 し 事 業 環 境 や 課 題 に 精 通 していなければならない ビジネスモデ ルの 構 築 や 事 業 計 画 を 策 定 する 段 階 から 積 極 的 に 関 与 し キャッシュの 動 きを 借 入 / 返 済 出 資 / 配 当 オペレーションサイクル 投 資 財 務 サイクル 8

構 造 的 に 捉 えることで 経 営 環 境 の 変 化 に 対 応 した 迅 速 適 切 なアクションを 起 こすことが 可 能 になる これらを 実 行 していくには ファイナンス 部 門 が 事 業 部 門 の 良 きパートナーと ならなければならない そのためには 社 内 外 から 多 様 な 人 材 を 登 用 しながら 事 業 部 門 と 協 働 できる 人 材 の 育 成 に 取 り 組 む 必 要 がある 3 1 ファイナンス 部 門 は 売 上 や 利 益 と 同 様 に キャッシュも 重 要 であるという 意 識 を 事 業 部 門 とともに 醸 成 していく 必 要 がある CFO 自 らが Cash belongs to corporate の 旗 を 掲 げ グループ 全 体 でキャッ シュを 有 効 に 活 用 し 循 環 させるという 意 識 改 革 が 不 可 欠 だ 2 キャッシュの 有 効 活 用 を 実 現 するためには ファイナンス 組 織 は 単 なる 指 標 管 理 にとどまらず ビジネスそのものを 理 解 しなければならない 各 ビジネスを 構 造 化 し 指 標 の 先 にあるコントロールポイントを 見 極 め その 特 性 やステージを 考 慮 した 管 理 水 準 を 設 定 する 必 要 がある 3 環 境 の 変 化 に 機 動 的 に 対 応 し ビジネスに 貢 献 するファイナンス 組 織 となるた めには 人 材 の 多 様 化 が 不 可 欠 だ 事 業 経 験 者 や 専 門 家 を 登 用 するなど 様 々な 経 験 知 見 を 有 した 人 材 を 擁 する 組 織 作 りを 目 指 すとともに 常 に 他 部 門 と 適 切 にコミュニケーションをとり 事 業 部 門 と 協 働 できる 人 材 を 育 てなければならない 9

World CFO Survey CFO CFO 2013 4 10 12 これらのサーベイはデロイトがコンタクトのあるCFOに 対 して 行 っているもので 統 計 学 的 なアプローチに 基 づくものではありません CFO 世 界 各 国 のCFOの 収 益 環 境 に 対 する 認 識 は 前 期 に 引 き 続 き 総 じて 楽 観 的 と なっており 2013 年 を 通 じて 四 半 期 ごとに 先 行 きへの 期 待 が 強 まっている 特 に 全 体 を 牽 引 したのはインドである 2011 年 以 降 の 景 気 減 速 により 一 時 的 に 悲 観 に 転 じたが 経 済 の 復 調 と 共 に 楽 観 的 見 方 が 台 頭 している 80% CFO 収 益 環 境 について 3カ 月 前 と 比 較 して 楽 観 的 である(More optimistic) または 楽 観 的 ではない(Less Optimistic) と 回 答 したCFOの 割 合 の 平 均 値 More Optimistic 60% 40% 20% 0% Less Optimistic -20% -40% 北 米 地 域 (アメリカ カナダ メキシコ) イギリス オーストラリア インド 全 回 答 国 の 平 均 ( ) -60% 2011 4Q 2012 1Q 2012 2Q 2012 3Q 2012 4Q 2013 1Q 2013 2Q 2013 3Q 2013 4Q ( ) 北 米 地 域 3 ヶ 国 (アメリカ カナダ メキシコ) イギリス 中 欧 地 域 12 ヶ 国 (ブルガリア ハンガリーなど) オーストラリア インド 他 5カ 国 の 合 計 23 ヶ 国 による 平 均 10

CFO 左 の 調 査 結 果 にあるように 北 米 地 域 のCFOは 多 少 の 浮 き 沈 みはあるものの 民 間 部 門 の 回 復 を 映 し 2013 年 を 通 じて 総 じて 先 行 きの 収 益 環 境 に 対 して 楽 観 的 な 見 方 を 維 持 していた (サーベイ 対 象 :アメリカ カナダ メキシコの105 企 業 のCFO) 自 社 の 業 績 に 影 響 を 与 える 要 因 について 尋 ねたところ 70% 以 上 のCFOが 北 米 の 経 済 動 向 が 促 進 要 因 になる と 回 答 した 一 方 で 業 界 規 制 環 境 政 策 政 府 予 算 等 の 政 策 的 な 要 因 が 業 績 を 阻 害 することを 懸 念 している 北 米 の 経 済 動 向 業 界 特 有 のニーズ 業 界 内 競 争 ( 価 格 競 争 連 携 M&A 新 規 参 入 等 ) 技 術 革 新 資 本 の 確 保 中 国 の 経 済 動 向 その 他 地 域 の 経 済 動 向 欧 州 の 経 済 動 向 エネルギー 資 源 価 格 人 材 の 確 保 業 界 規 制 政 府 支 出 予 算 政 策 外 国 為 替 レート 非 エネルギー 資 源 価 格 環 境 規 制 政 策 人 件 費 ( 例 : 報 酬 福 利 厚 生 給 与 ) 60% 40% 20% 0% 20% 40% 60% 80% ファイナンス 組 織 のパフォーマンスを 評 価 する 指 標 について 尋 ねたところ 社 内 満 足 度 計 画 予 算 の 達 成 度 業 績 予 測 の 正 確 性 等 ビジネス 部 門 に 対 する 支 援 貢 献 に 関 わる 項 目 が 上 位 を 占 めた CFOが 事 業 への 貢 献 をファイナンスの 価 値 として 捉 え ていることが 読 み 取 れる 採 用 している 指 標 とその 重 要 性 をスコアに 換 算 CFO ファイナンス 組 織 のコスト 効 率 41% 123 社 内 満 足 度 24% 67 財 務 報 告 の 迅 速 性 品 質 27% 65 計 画 予 算 の 達 成 度 22% 62 決 算 の 迅 速 性 品 質 21% 61 業 績 予 測 の 正 確 性 21% 53 CFO コンプライアンス 16% 45 キャッシュフロー 15% 42 ファイナンス 人 材 の 育 成 19% 41 ファイナンス 取 引 の 効 率 性 有 効 性 19% 40 業 務 部 門 の 巻 き 込 み 15% 37 分 析 の 品 質 意 思 決 定 のサポート 12% 33 11

お 問 合 せ 先 CFOプログラムlこ 関 するお 問 合 せ ご 相 談 はこちらまでお 願 いします メールアドレス :cfoprogram@tohmatsu.co.jp ホームページ : http://www.tohmatsu.com/jp/cfo CFOプログラムとは CFOプログラムは 日 本 経 済 を 支 える 企 業 のCFOを 支 援 し CFO 組 織 の 能 力 向 上 に 寄 与 す ることで 日 本 経 済 そのものの 活 性 化 を 目 指 すトーマツグループによる 包 括 的 な 取 り 組 み です 信 頼 のおけるアドバイザ(the Trusted Advisor)として さまざまな 領 域 のプロフェッ ショナルが 連 携 し CFOが 抱 える 課 題 の 解 決 をサポート 致 します さらに 企 業 や 業 界 の 枠 を 超 えたCFOのネットワーキング グローバル 動 向 も 含 めた 最 新 情 報 の 提 供 を 通 じ 日 本 企 業 の 競 争 力 向 上 を 目 指 します 百 家 争 鳴 (ひゃっかそうめい) とは CFOプログラムが 発 行 する 季 刊 誌 毎 号 CFOにとって 関 心 の 高 い 最 新 の 話 題 を 取 り 上 げ グローバル 動 向 や 先 進 企 業 の 取 り 組 みの 中 から 課 題 解 決 の 示 唆 となる 情 報 をご 提 供 してい ます タイトルである 百 家 争 鳴 は 多 くの 識 者 や 専 門 家 が 何 の 遠 慮 もなく 自 由 に 自 説 を 発 表 し 活 発 に 論 争 しあうこと を 意 味 する 言 葉 です 本 誌 が 議 論 を 活 性 化 し 企 業 に 変 革 を 起 こすきっかけとなることへの 願 いを 込 めています トーマツグループは 日 本 におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド( 英 国 の 法 令 に 基 づく 保 証 有 限 責 任 会 社 )のメンバーファームおよびそれらの 関 係 会 社 ( 有 限 責 任 監 査 法 人 トーマツ デロイト トーマツ コンサルティン グ 株 式 会 社 デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー 株 式 会 社 および 税 理 士 法 人 トーマツを 含 む)の 総 称 です トーマツグループは 日 本 で 最 大 級 のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり 各 社 がそれ ぞれの 適 用 法 令 に 従 い 監 査 税 務 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリー 等 を 提 供 しています また 国 内 約 40 都 市 に 約 7,300 名 の 専 門 家 ( 公 認 会 計 士 税 理 士 コンサルタントなど)を 擁 し 多 国 籍 企 業 や 主 要 な 日 本 企 業 をクライアントとしています 詳 細 はトーマツグループWebサイト(www.tohmatsu.com)をご 覧 ください Deloitte(デロイト)は 監 査 税 務 コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスを さま ざまな 業 種 にわたる 上 場 非 上 場 のクライアントに 提 供 しています 全 世 界 150を 超 える 国 地 域 のメンバーファー ムのネットワークを 通 じ デロイトは 高 度 に 複 合 化 されたビジネスに 取 り 組 むクライアントに 向 けて 深 い 洞 察 に 基 づき 世 界 最 高 水 準 の 陣 容 をもって 高 品 質 なサービスを 提 供 しています デロイトの 約 200,000 名 を 超 える 人 材 は standard of excellence となることを 目 指 しています Deloitte(デロイト)とは 英 国 の 法 令 に 基 づく 保 証 有 限 責 任 会 社 であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド ( DTTL )ならびにそのネットワーク 組 織 を 構 成 するメンバーファームおよびその 関 係 会 社 のひとつまたは 複 数 を 指 します DTTLおよび 各 メンバーファームはそれぞれ 法 的 に 独 立 した 別 個 の 組 織 体 です DTTL(または Deloitte Global )はクライアントへのサービス 提 供 を 行 いません DTTLおよびそのメンバーファームについての 詳 細 は www.tohmatsu.com/deloitte/ をご 覧 ください 2014. For information, contact Deloitte Touche Tohmatsu LLC.