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Microsoft Word - H25年度の概要

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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スライド 1

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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第316回取締役会議案

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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

Microsoft Word - 目次.doc

公表表紙

Microsoft Word - J_ エンゲル.docx


平成24年度 業務概況書

タイトル

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

連結計算書

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職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

2016年夏のボーナス見通し

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

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市況トレンド

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●電力自由化推進法案

(3) 善 通 寺 市 の 状 況 善 通 寺 市 においては 固 定 資 産 税 の 納 期 前 前 納 に 対 する 報 奨 金 について 善 通 寺 市 税 条 例 の 規 定 ( 交 付 率 :0.1% 限 度 額 :2 万 円 )に 基 づき 交 付 を 行 っています 参 考 善 通 寺

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は し が き

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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個人住民税徴収対策会議

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

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経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

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波佐見町の給与・定員管理等について

 

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

16 日本学生支援機構

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

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Microsoft Word - 公表資料(H22).doc

平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

PowerPoint プレゼンテーション

資料3 家電エコポイント制度の政策効果等について

業 種 別 業 況 は 製 造 業 が 46.2 で 前 期 より 12.3 ポイント 低 下 ( 前 期 33.9) し 建 設 業 が 48.1 で 13.1 ポイントの 低 下 商 業 サービス 業 が 65.1 で 3.4 ポイントの 低 下 となりました 製 造 業 のポイントの 低 下

記者発表資料

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(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

Microsoft Word - 07②-2 補足説明資料1.docx

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

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片岡氏提出資料

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Microsoft PowerPoint - 基金制度

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

Transcription:

平 成 3 年 (11 年 ) 月 18 日 ~ 景 気 は 堅 調 持 続 政 府 はインフレ 抑 制 スタンスを 強 化 ~ 1.アジア 経 済 全 般 (1) 景 気 の 現 状 景 気 は 内 外 需 とも に 堅 調 持 続 アジア 主 要 国 地 域 の 景 気 は 内 外 需 ともに 堅 調 が 持 続 している 米 国 を 中 心 とした 先 進 国 経 済 の 回 復 ペースが 予 想 を 上 回 ったことや 域 内 需 要 の 拡 大 を 受 け 輸 出 が 堅 調 に 推 移 したことに 加 え 雇 用 環 境 の 改 善 を 追 い 風 に 個 人 消 費 が 底 堅 く 推 移 した また 原 材 料 高 にもかかわらず 企 業 収 益 の 拡 大 が 続 いており 企 業 の 設 備 投 資 も 高 い 伸 びが 続 いている 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 期 から 鈍 化 すると 予 想 していたが 実 際 には 多 くの 国 地 域 で 加 速 した インドネシア(3Q: 前 年 比.8% Q: 同.9%)や 中 国 ( 同 9.% 同 9.8%) ベトナム( 同 7.% 同 7.3%) など 内 需 主 導 型 の 国 で 成 長 率 が 加 速 したほか シンガポール( 同 1.% 同 1.%)や 韓 国 ( 同.% 同.8%)など 外 需 依 存 度 が 高 い 国 の 成 長 率 も 伸 びが 高 まった( 第 1 図 ) この 結 果 1 年 のアジア 11 カ 国 地 域 の 実 質 GDP 成 長 率 は 9.%とグローバル 金 融 危 機 前 の 平 均 (3~7 年 平 均 9.%)を 上 回 った 見 込 みである 第 1 図 :アジア 各 国 の 実 質 GDP 成 長 率 外 需 依 存 型 NIEs 韓 国 シンガポール 香 港 台 湾 1 タイ マレーシア 1 - -1-1 7 8 9 1 ( 年 ) 内 需 型 人 口 大 国 1 1 インド インドネシア フィリピン 中 国 - ベトナム 7 8 9 1 ( 年 ) 1

輸 出 は 中 国 イン ドを 中 心 に 底 堅 く 推 移 輸 出 は 前 年 の 反 動 要 因 の 剥 落 により 第 四 半 期 をピークに 鈍 化 して いるものの 第 四 半 期 は 中 国 ( 前 年 比 +.9%) インド( 同 +8.%) が 高 い 伸 びとなったほか NIEs( 同 +.%) ASEAN( 同 +.%)も 底 堅 く 推 移 した( 第 図 ) 仕 向 地 別 にみると ホリデー 商 戦 が 良 好 であっ た 米 国 など 先 進 国 向 けが 堅 調 であったほか ASEAN を 中 心 とした FTA( 自 由 貿 易 協 定 )の 拡 充 や 域 内 需 要 の 拡 大 を 背 景 にアジア 域 内 向 けも 堅 調 であ った( 第 3 図 ) 年 と 9 年 の ASEAN 及 び NIEs の 輸 出 先 シェアを 比 較 すると 米 国 日 本 欧 州 向 けのシェアが 低 下 する 一 方 中 国 を 中 心 としたアジア 域 内 向 けのシェアが 大 幅 に 上 昇 している( 第 図 ) アジアからの 輸 出 品 の 最 終 需 要 地 は 日 米 欧 などの 先 進 国 が 依 然 過 半 を 占 めているとみられるが 世 界 経 済 に 占 めるアジアのシェアは 年 の 約 7%から 1 年 には 約 1%へ 1 年 間 で 倍 増 しており 域 内 需 要 が 輸 出 を 支 える 構 造 にシフトし つつあると 考 えられる 8 - - - 第 図 :アジア 主 要 国 の 輸 出 動 向 中 国 NIEs ASEAN インド 7 8 9 1 3 1-1 - -3 第 3 図 :アジア 主 要 国 の 仕 向 地 別 輸 出 中 国 アジア( 除 く 中 国 ) 日 本 欧 州 米 国 輸 出 計 7 8 9 1 ( 注 ) 中 国 韓 国 台 湾 シンカ ホ ール イント ネシア マレーシア フィリヒ ン タイの 合 計 1 8 <ASEAN> 米 日 欧 1.7% 第 図 :ASEAN NIEs の 輸 出 先 別 シェア 推 移 米 日 欧 9.9% 1 8 <NIEs> 米 日 欧 31.% 米 日 欧.3% アジア 3.% 年 9 年 ( 資 料 )JETROより 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 アジア 8.3% 米 国 日 本 EU NIEs ASEAN 中 国 その 他 アジア.1% 年 9 年 アジア.1% 米 国 日 本 EU NIEs ASEAN 中 国 その 他

雇 用 環 境 の 改 善 を 背 景 に 消 費 は 堅 調 に 推 移 個 人 消 費 は 引 き 続 き 堅 調 に 推 移 している 消 費 拡 大 の 背 景 には 景 気 回 復 の 起 点 となった 輸 出 の 増 加 が 雇 用 所 得 環 境 の 改 善 をもたらしている ことがある 失 業 率 は 軒 並 み 低 下 傾 向 にあり シンガポール(1 月.%) タイ(1 月.7%)は ほぼ 完 全 雇 用 に 近 い 水 準 まで 低 下 している( 第 図 ) また 韓 国 では 雇 用 増 が 製 造 業 からサービス 業 へ 波 及 しており 雇 用 の 裾 野 が 拡 大 している 賃 金 の 動 向 をみると 名 目 賃 金 は 1 年 に 入 り 上 昇 している( 第 図 ) 中 国 タイ インドネシア ベトナムでは 最 低 賃 金 が 約 ~3% 引 き 上 げ られていることも 購 買 力 の 向 上 に 結 びついている( 第 7 図 ) また 商 品 価 格 の 上 昇 により 農 業 収 入 が 拡 大 しており インドネシア マレーシア タイなどでは 都 市 部 のみならず 農 村 部 の 購 買 力 が 向 上 してい る タイでは 農 業 収 入 の 増 加 が 自 動 車 販 売 の 約 半 数 を 占 めるピックアップ トラックの 販 売 増 につながっている( 第 8 図 ) 第 図 :アジア 主 要 国 の 失 業 率 タイ マレーシア シンガポール 第 図 :アジア 主 要 国 の 名 目 賃 金 上 昇 率 1 1 7 8 9 1 ( 年 ) - マレーシア( 製 造 業 ) 韓 国 シンガポール -1 7 8 9 1 ( 年 ) 3 3 1 1 第 7 図 : 中 国 の 月 額 賃 金 と 上 昇 率 ( 元 ) 平 均 賃 金 ( 左 ) 最 低 賃 金 ( 左 ) 平 均 賃 金 上 昇 率 最 低 賃 金 上 昇 率 7 8 9 1 ( 年 ) ( 注 )1 年 の 平 均 賃 金 は1~9 月 の 上 昇 率 に 基 づく 推 計 値 ( 資 料 )CEIC 等 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 3 3 1 1 第 8 図 :タイの 農 業 収 入 とヒ ックアッフ トラック 販 売 8 農 業 収 入 - - ピックアップトラック 販 売 - 3 7 8 9 1 ( 年 ) 3

1 年 の 自 動 車 販 売 は 中 国 イン ド ASEAN で 過 去 最 高 を 記 録 アジアの 消 費 拡 大 を 象 徴 しているのが 自 動 車 販 売 である 1 年 の 販 売 台 数 は 中 国 (1,8. 万 台 ) インド(3. 万 台 ) タイ(8. 万 台 ) インドネシア(7. 万 台 ) マレーシア(. 万 台 ) フィリピン(1.8 万 台 )にて 過 去 最 高 を 更 新 した( 第 1 表 ) アジア 主 要 国 地 域 ( 除 く NIEs)の 自 動 車 普 及 率 をみると マレーシ ア タイが 比 較 的 高 いものの 1 年 に 一 人 当 たり GDP が 3, ドルを 越 えたインドネシアや 9 年 に 1, ドルを 越 えたインドは 1, 人 当 た り 1 台 程 度 に 過 ぎない また 年 連 続 で 米 国 を 抜 き 販 売 台 数 が 世 界 一 となった 中 国 でさえも 普 及 率 は 1, 人 当 たり 台 と 日 本 の 19 年 代 後 半 の 水 準 にとどまっており 潜 在 的 な 購 買 需 要 は 依 然 大 きい( 第 9 図 ) 第 1 表 :アジア 主 要 国 の 自 動 車 販 売 台 数 ( 万 台 ) 中 国 インド タイ インドネシア マレーシア 7.7 1. 7.3 3.. 718. 17.1 8. 31.9 9.1 7 878. 199. 3.1 3. 8.7 8 938.1 198. 1..8.8 9 13...9 8. 3.7 1 18. 3. 8. 7.. -1 伸 び 率 13.7% 111.% 13.8% 3.% 9.% ( 資 料 )CEIC 各 種 報 道 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 千 人 あ た 3 り の 3 自 動 車 保 有 1 台 数 1 ( 台 ) 第 9 図 :アジアの 自 動 車 普 及 率 マレーシア タイ 197 197 19 台 湾 198 198 韓 国 中 国 インド インドネシア フィリピン ベトナム 199 シンガポール 199, 1, 1,,, 3, 3,,, 1 人 当 たりGDP(ドル) ( 注 ) 年 表 示 は 日 本 アジア 各 国 の1 人 当 たりGDPおよび 自 動 車 保 有 台 数 は8 年 時 点 ( 資 料 ) 国 連 統 計 などより 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 食 品 価 格 の 高 騰 を 背 景 にインフレ 高 進 各 国 は 金 融 引 き 締 め 姿 勢 を 強 化 インフレは 加 速 している 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 1 年 第 四 半 期 以 降 上 昇 ペースが 加 速 している( 第 1 図 ) 主 因 は 食 品 価 格 の 上 昇 で 天 候 不 順 ( 水 害 旱 魃 )の 影 響 で 野 菜 が 高 騰 していることに 加 え 投 機 マネーの 流 入 も 手 伝 い とうもろこしや 大 豆 など 国 際 的 な 穀 物 価 格 が 上 昇 している 国 際 通 貨 基 金 (IMF)が 発 表 している 食 品 価 格 指 数 をみると 11 年 1 月 には 食 品 価 格 が 高 騰 した 8 年 月 の 水 準 を 上 回 り 過 去 最 高 を 更 新 した( 第 11 図 ) 中 国 インド 韓 国 インドネシア ベトナムの 物 価 上 昇 率 は 政 府 中 銀 の 目 標 水 準 を 上 回 っており これらの 国 では 金 融 引 き 締 め 姿 勢 を 強 化 して いる 中 国 は 1 年 1 月 以 降 3 度 にわたり 合 計 7bp の 利 上 げを 実 施 し たほか アジアの 中 でマレーシアと 並 び 最 も 早 く(1 年 3 月 ) 利 上 げに 着 手 したインドは 1 月 には 利 上 げを 見 送 ったが インフレが 再 加 速 した ことを 受 け 1 月 に 再 び 利 上 げを 実 施 した また 海 外 マネーの 流 入 を 警 戒 し アジアの 中 では 利 上 げに 最 も 慎 重 であったインドネシアも 月 に 年 カ 月 ぶりに 利 上 げに 踏 み 切 った

第 1 図 :アジア 主 要 国 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 インドネシア 中 国 1 タイ インド(WPI) 1-7 8 9 1 11 ( 年 =1) 18 1 1 1 1 第 11 図 :アジア 主 要 国 の 食 品 物 価 食 品 価 格 指 数 (IMF) CPI 食 品 (ベトナム) CPI 食 品 (タイ) CPI 食 品 (インド) 8 7 8 9 1 11 ( 資 料 )IMF,CEICより 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 () 今 後 の 見 通 し 11 年 は 7% 台 へ 成 長 ペースが 鈍 化 するも 堅 調 持 続 11 年 のアジア 経 済 を 展 望 すると 年 前 半 は 輸 出 が 伸 び 悩 むこと こ れまでの 引 き 締 め 効 果 が 顕 在 化 することから 成 長 ペースはやや 鈍 化 する とみられる しかし 年 後 半 は 1 年 の 政 権 交 代 に 向 け 中 国 の 成 長 が 加 速 に 向 かう 上 海 外 経 済 の 回 復 も 鮮 明 になることから その 他 アジア 諸 国 地 域 の 成 長 率 も 加 速 が 見 込 まれる 11 年 の 成 長 率 は 11 カ 国 地 域 全 体 で 7.9%と 高 成 長 を 記 録 した 前 年 (9.% 見 込 み)から 鈍 化 するもの の 堅 調 な 成 長 が 持 続 しよう 個 人 消 費 は 所 得 の 拡 大 や 景 況 感 の 改 善 を 背 景 に 堅 調 が 続 こう 企 業 部 門 は 原 材 料 高 が 圧 迫 要 因 となるものの 需 要 拡 大 により 企 業 収 益 は 高 水 準 が 続 く 見 込 みである また 中 期 的 な 域 内 需 要 の 拡 大 や 海 外 からの 直 接 投 資 の 増 加 を 背 景 に 企 業 の 設 備 投 資 が 活 発 化 することや インフラ 整 備 な どの 公 共 事 業 も 景 気 を 下 支 えしよう 金 融 政 策 については インフレ 圧 力 の 高 まりを 受 け 各 国 地 域 ともに 金 融 引 き 締 め 姿 勢 を 強 化 するであろう 国 地 域 によって 差 はあるものの 年 内 に bp~1bp 程 度 の 利 上 げが 予 想 される もっとも 米 国 の 低 金 利 政 策 が 続 くなか 米 国 との 金 利 差 拡 大 は 一 段 の 通 貨 高 を 誘 発 するリスク があることから 各 国 は 物 価 と 為 替 動 向 を 睨 みながらの 対 応 になろう

(3) 当 面 のリスク 要 因 1 食 糧 インフレ アジア 経 済 の 当 面 のリスク 要 因 は 食 糧 インフレと 資 産 インフレの つ あると 考 えられる 食 糧 インフレは 目 下 のアジア 経 済 にとって 最 も 注 視 すべきリスクであ る 前 述 の 通 り 近 年 食 品 価 格 の 上 昇 がアジアの 物 価 を 押 し 上 げている 例 えば インドの 食 生 活 にとって 不 可 欠 なタマネギの 価 格 は 昨 年 1 月 には 1kg 当 たり 7~8 ルピー( 約 1 円 )と 従 来 の 倍 以 上 に 跳 ね 上 が った この 他 の 国 でも ニンニク 唐 辛 子 コメなどの 基 本 食 材 の 価 格 が 高 騰 した 1 月 に 入 り 供 給 増 加 により 価 格 が 下 落 した 品 目 もあるが 価 格 は 依 然 高 止 まっているものが 多 い 消 費 者 物 価 指 数 に 占 める 食 品 の 割 合 をみると フィリピン(.%)を 筆 頭 に インド(.%) ベトナム(39.9%) インドネシア(3.1%) と 1% 前 後 にとどまる 先 進 国 と 比 べ 大 幅 に 高 い( 第 1 図 ) このように アジアでは ASEAN を 中 心 にエンゲル 係 数 が 高 い 国 が 多 いことから 食 品 価 格 の 経 済 に 与 える 影 響 は 大 きい 8 年 の 食 糧 インフレ 時 の 動 向 をみ ると 物 価 高 騰 が 消 費 者 マインドの 低 下 をもたらした( 第 13 図 ) また アジアの 場 合 食 品 価 格 の 高 騰 は 経 済 のみならず 社 会 への 影 響 があることに 留 意 が 必 要 である 実 際 の 物 価 上 昇 率 は 統 計 以 上 に 厳 しい との 見 方 も 多 く 物 価 上 昇 により 国 民 の 不 満 が 高 まり 社 会 の 不 安 定 化 要 因 にもなるためである 3 3 1 1 第 1 図 :アジア 主 要 国 のエンゲル 係 数 フィリヒ ン イント ヘ トナム イント ネシア マレーシア 中 国 タイ ( 注 )エンゲル 係 数 は 消 費 者 物 価 指 数 に 占 める 食 品 のウェイト ( 資 料 )ADB インド 統 計 局 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 第 13 図 :インドネシアの 物 価 と 消 費 者 マインド (ポイント) 1 11 消 費 者 マインド 指 数 ( 左 ) 18 1 1 1 9 8 食 糧 インフレ 1 1 7 8 ガソリン 価 格 大 幅 引 き 上 げ 消 費 者 物 価 上 昇 率 ( 右 ) 7 8 9 1 11 食 糧 インフレに 直 面 している 政 府 は 金 融 引 き 締 めを 強 化 すると 同 時 に 価 格 上 昇 が 鮮 明 になった 昨 年 1 月 以 降 相 次 いで 物 価 抑 制 策 を 打 ち 出 し た( 第 表 ) その 内 容 を 大 別 すると 1 食 品 を 含 む 生 活 必 需 品 の 輸 入 関 税 引 き 下 げ( 韓 国 インドネシア 台 湾 ) 生 活 必 需 品 及 び 公 共 料 金 の 価 格 凍 結 (タイ 韓 国 ) の 点 である

食 品 価 格 の 高 騰 は 天 候 不 順 による 供 給 ショック が 主 因 であり 利 上 げで 食 品 価 格 の 上 昇 を 抑 制 することは 困 難 であることから 政 府 は 利 上 げよりも 直 接 的 な 物 価 抑 制 策 に 軸 足 を 置 いている 利 上 げについては ア ジアの 多 くの 国 の 実 質 金 利 がマイナスに 陥 っていることから 金 利 正 常 化 を 進 めることで インフレが 食 品 以 外 の 財 サービスに 拡 大 することを 防 ぐ 目 的 がある( 第 1 図 ) 第 表 :アジア 主 要 国 地 域 の 物 価 抑 制 策 国 地 域 導 入 時 期 主 な 内 容 韓 国 1/1 18の 生 活 必 需 品 (ベビーカー スナック 菓 子 など)の 関 税 引 き 下 げ 決 定 11/1 公 共 料 金 ( 電 気 ガス 水 道 バスなど11 種 類 )の 凍 結 (1- 月 期 ) 食 料 品 7 品 目 ( 砂 糖 食 用 油 とうもろこしなど)の 関 税 引 き 下 げ 実 施 (1 月 より) 白 菜 ニンニクなど 政 府 備 蓄 を 放 出 (3~ 月 ) 台 湾 11/1 食 料 品 の 輸 入 関 税 を 引 き 下 げる 方 針 を 発 表 タイ 1/1 主 要 消 費 財 ( 牛 乳 ナンプラー 植 物 油 など)の 価 格 凍 結 を3 月 末 まで 延 長 軽 油 価 格 を1リットル3バーツ 未 満 に 抑 制 ( 月 に 期 限 を3 月 末 から 月 末 へ 延 長 ) インドネシア 11/1 コメ 小 麦 大 豆 など 食 品 7 品 目 の 輸 入 関 税 を 一 時 的 に 免 税 砂 糖 の 輸 入 免 税 措 置 を3 月 末 まで 延 長 インド 11/1 タマネギの 輸 出 禁 止 パキスタンからの 輸 入 契 約 締 結 ( 資 料 ) 各 種 報 道 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 1 8 - - 中 国 台 湾 韓 国 - 7 8 9 1 11 ( 注 ) 実 質 金 利 = 政 策 金 利 消 費 者 物 価 上 昇 率 第 1 図 :アジア 主 要 国 の 実 質 金 利 1 8 - - - インドネシア フィリピン マレーシア -8 タイ インド -1 7 8 9 1 11 7

海 外 マネー 流 入 に 伴 う 資 産 インフ レ 1 年 後 半 は 資 本 流 入 が 加 速 もう 一 つのリスクは 海 外 からの 資 本 流 入 に 伴 う 資 産 インフレリスクで ある 世 界 的 な 過 剰 流 動 性 の 環 境 下 中 期 的 な 成 長 期 待 や 米 ドルとの 金 利 差 拡 大 から アジアへ 海 外 マネーが 流 入 している とりわけ 米 国 の 追 加 金 融 緩 和 観 測 が 高 まった 昨 年 9 月 以 降 アジアの 株 式 及 び 債 券 市 場 に 資 本 流 入 が 加 速 した アジアの 中 でも ASEAN とインドの 証 券 市 場 への 資 本 流 入 が 顕 著 であ る 1 年 第 3 四 半 期 の 証 券 投 資 流 入 額 (ネット)をみると ASEAN(タ イ マレーシア インドネシア フィリピン)は 1 億 ドルとグローバル 金 融 危 機 前 に 記 録 した 年 通 年 (11 億 ドル)を 上 回 った 他 方 イ ンドの 流 入 額 は 19 億 ドルと 四 半 期 ベースでは 過 去 最 高 を 記 録 9 年 通 年 (9 億 ドル)に 匹 敵 する 水 準 となった( 第 1 図 ) 第 四 半 期 の 統 計 は 揃 っていないが 9 月 以 降 株 価 の 上 昇 ペースが 加 速 したことから 鑑 みると 第 3 四 半 期 を 上 回 る 資 本 流 入 があったと 推 測 さ れる 第 1 図 :ASEAN インドの 資 本 収 支 (1 億 ドル) 3 ASEAN (1 億 ドル) インド 3 1 1-1 - -3 - 直 接 投 資 証 券 投 資 その 他 投 資 経 常 収 支 資 本 収 支 7 8 9 1 ( 年 ) -1 - -3 直 接 投 資 証 券 投 資 その 他 投 資 資 本 収 支 経 常 収 支 7 8 9 1 ( 年 ) もっとも インフレ 懸 念 が 高 まった 1 月 以 降 は 資 本 流 入 に 変 調 の 兆 しがみられる 1 年 に 大 幅 上 昇 した ASEAN インドの 株 価 は 1 月 はマレーシアを 除 き 下 落 した 中 でも インドの 1 月 の 株 価 騰 落 率 は 前 月 末 比 1.%と 1 年 通 年 の 上 昇 率 (17.%)の 半 分 超 を 1 カ 月 で 消 した これは インドはアジアの 他 国 よりもインフレが 加 速 しているこ とに 加 え 不 動 産 融 資 や 携 帯 電 話 の 周 波 数 割 当 を 巡 るスキャンダルが 相 次 いだことも 一 因 である 中 国 や NIEs の 株 価 も 1 月 以 降 下 落 もしく は 上 昇 が 一 服 している 11 年 前 半 は 月 末 に 終 了 予 定 の 米 国 の 追 加 金 融 緩 和 策 (QE)を 巡 り 市 場 の 金 利 観 が 交 錯 することから アジアの 証 券 市 場 が 乱 高 下 す る 可 能 性 がある 8

住 宅 市 場 への 資 本 流 入 は 持 続 政 府 の 抑 制 策 にも かかわらず 上 昇 持 続 株 式 市 場 への 資 本 流 入 ペースが 鈍 化 する 一 方 住 宅 市 場 への 資 本 流 入 は 続 いている アジアの 中 でも 9 年 以 降 華 人 経 済 圏 と 称 される 中 国 香 港 台 湾 シンガポールの 住 宅 価 格 の 上 昇 が 顕 著 である これらの 国 地 域 の 価 格 上 昇 が ASEAN インドに 比 べ 著 しいのは 中 国 マネーが 流 入 していることが 一 因 であると 考 えられる 1 年 以 降 は 政 府 の 抑 制 策 を 受 けて 伸 びは 鈍 化 しているものの 上 昇 に 歯 止 めがかかっていない( 第 1 図 ) 中 国 の 住 宅 価 格 は 昨 年 月 の 不 動 産 価 格 抑 制 策 を 契 機 に 急 騰 に 歯 止 め がかかったものの 価 格 調 整 は 起 こらず 9 月 以 降 は 再 び 上 昇 に 転 じた シンガポールの 第 四 半 期 の 住 宅 価 格 は 前 期 比 +.7%と 前 期 ( 同 +.9%) から 小 幅 鈍 化 したものの 過 去 最 高 を 記 録 した 9 年 第 四 半 期 の 水 準 を 約 7% 上 回 った また 香 港 の 住 宅 価 格 は 1 月 は 前 月 比.9%と 小 幅 下 落 したものの 過 去 最 高 水 準 にある こうした 状 況 を 踏 まえ 政 府 は 住 宅 価 格 の 抑 制 策 を 一 段 と 強 化 している ( 第 3 表 ) 中 国 は 1 月 に 入 り 1 軒 目 の 住 宅 購 入 時 の 頭 金 比 率 の 引 き 上 げ 上 海 市 重 慶 市 を 対 象 にした 固 定 資 産 税 の 試 験 的 導 入 などの 抑 制 策 を 立 て 続 けに 打 ち 出 した また シンガポールや 香 港 は 短 期 転 売 に 対 する 課 税 を 強 化 した 3 3 1 1 第 1 図 :アジア 主 要 国 地 域 の 住 宅 価 格 フィリヒ ン イント ヘ トナム イント ネシア マレーシア 中 国 タイ ( 注 )エンゲル 係 数 は 消 費 者 物 価 指 数 に 占 める 食 品 のウェイト ( 資 料 )ADB インド 統 計 局 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 第 3 表 : 最 近 のアジアの 住 宅 投 資 規 制 国 地 域 導 入 時 期 主 な 内 容 1/ 1 軒 目 の 住 宅 購 入 時 の 頭 金 比 率 を3% 以 上 に 設 定 1/9 3 軒 目 以 上 の 住 宅 購 入 時 のための 貸 付 を 一 時 停 止 中 国 軒 目 の 住 宅 購 入 時 の 頭 金 比 率 を 引 き 上 げ(% %) 11/1 購 入 後 年 未 満 の 住 宅 売 却 時 の 課 税 強 化 地 方 政 府 に 不 動 産 価 格 抑 制 目 標 の 設 定 と 公 表 義 務 化 11/1 固 定 資 産 税 試 験 導 入 ( 上 海 市 重 慶 市 ) 香 港 1/11 住 宅 の 短 期 転 売 に 対 し 最 高 1%の 印 紙 税 を 従 来 の.%へ 上 乗 せ 台 湾 11/1 遊 休 地 税 の 課 税 再 開 インド 1/11 住 宅 価 格 に 対 する 融 資 比 率 (Loan to Value, LTV)の 上 限 を8%に 設 定 シンガポール 1/8 軒 目 の 以 上 のLTVの 上 限 を8%から7%へ 引 き 下 げ 11/1 年 以 内 の 短 期 転 売 に 対 し 最 高 1%の 印 紙 税 を 課 税 マレーシア 1/11 3 軒 目 の 以 上 のLTVの 上 限 を7%に 設 定 タイ 1/11 住 宅 ローンのLTVに 応 じ 銀 行 資 産 のリスクウェイトを 高 める 措 置 を 導 入 ( 資 料 ) 各 種 報 道 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 アジア 各 国 は 物 価 上 昇 を 受 け 金 融 引 き 締 め 姿 勢 を 強 化 しているものの 当 面 実 質 金 利 はマイナスもしくは 低 水 準 が 持 続 することから 住 宅 市 場 に マネーが 流 入 しやすい 環 境 が 続 こう とりわけ 米 ドルペッグ 制 の 為 替 制 度 を 採 っている 香 港 では 香 港 ドル 金 利 が 米 ドル 金 利 に 追 随 する 仕 組 みになっ ていることから 11 年 にかけて % 近 い 成 長 が 見 込 まれるにもかかわらず 金 融 緩 和 が 当 面 続 く 公 算 が 大 きい また 金 融 政 策 を 金 利 ではなく 為 替 で 操 作 しているシンガポールでは シンガポールドル 金 利 が 米 金 利 に 追 随 する 傾 9

向 があり 香 港 同 様 に 金 融 緩 和 が 当 面 続 くであろう 中 国 については 住 宅 市 場 の 大 幅 な 調 整 は 実 体 経 済 への 影 響 が 大 きいこ とから 政 府 はソフトランディングに 向 けて 綿 密 な 政 策 運 営 を 行 うであろ う 従 って 住 宅 バブルの 崩 壊 リスクは 大 きくないと 予 想 する 仮 に 調 整 局 面 入 りした 場 合 でも 潜 在 的 な 住 宅 需 要 が 大 きいこともあり 大 幅 な 調 整 は 回 避 できる 見 込 みである 他 方 香 港 は 持 ち 家 比 率 が 低 く 当 面 供 給 が 低 水 準 にとどまること シンガポールについては 持 ち 家 比 率 は 高 いものの 所 得 拡 大 に 伴 い 住 み 替 え 需 要 が 高 いこと などから 住 宅 の 潜 在 的 な 需 要 は 底 堅 い 従 って 住 宅 価 格 は 上 昇 傾 向 が 続 く 可 能 性 があるが これらの 国 地 域 は 中 国 マネー への 依 存 度 が 高 いこと 金 融 政 策 が 米 国 に 連 動 することから 1 中 国 が 大 幅 な 利 上 げに 踏 み 切 った 場 合 米 国 の 長 期 金 利 が 急 上 昇 する 局 面 では 価 格 調 整 に 見 舞 われるリスクがあることに 留 意 する 必 要 があろう 1

() 各 国 地 域 の 見 通 し( 要 約 ) 各 国 地 域 の 見 通 しの 概 要 は 以 下 の 通 りである 詳 細 は 次 章 以 降 を 参 照 されたい 1 中 国 中 国 の 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 9.8%と 前 期 ( 同 9.%) から 加 速 した 輸 出 が 高 い 伸 びを 維 持 する 一 方 投 資 は 政 府 が 引 き 締 めを 強 化 したにもかかわらず 加 速 した 好 調 な 景 気 拡 大 の 一 方 食 料 高 による インフレ 抑 制 が 最 重 要 課 題 となっている 当 局 は 預 金 準 備 率 と 貸 出 金 利 の 引 き 上 げを 持 続 する 見 込 みである 11 年 前 半 は 引 き 締 め 策 強 化 によ り 減 速 するものの 年 後 半 は 1 年 の 政 権 交 代 に 向 け 地 方 政 府 の 投 資 意 欲 が 高 まる 政 治 サイクル 下 成 長 が 加 速 に 向 かう 11 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は 9.%と 前 年 (1.3%)から 小 幅 低 下 にとどまろう NIEs 輸 出 依 存 度 が 高 い NIEs 諸 国 地 域 では 内 外 需 ともに 堅 調 である シ ンガポールの 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 1.%と 四 半 期 連 続 で 二 桁 増 となったほか 台 湾 や 韓 国 経 済 も 堅 調 に 推 移 している 11 年 は 年 前 半 は 前 年 の 反 動 要 因 の 一 巡 と 引 き 締 め 策 の 影 響 で 成 長 ペースは 鈍 化 するものの 年 後 半 は 海 外 経 済 の 回 復 傾 向 が 鮮 明 になること から 成 長 率 は 加 速 しよう 11 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は.%を 予 想 する 3ASEAN ASEAN カ 国 の 経 済 は 内 需 の 拡 大 により 堅 調 に 回 復 している 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は インドネシアが 内 需 主 導 で 前 年 比.9% 内 外 需 ともに 堅 調 なフィリピンは 同 7.1%と 各 々 前 期 から 加 速 した 今 後 内 外 の 需 要 回 復 を 追 い 風 に 景 気 は 堅 調 に 推 移 し 11 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は.%を 予 想 する インド インド 経 済 は 成 長 ペースは 鈍 化 しているものの 所 得 の 拡 大 や 景 況 感 の 改 善 などを 背 景 に 内 需 を 中 心 に 堅 調 に 推 移 している こうしたなか インフレ 加 速 を 受 け 中 銀 は 3 月 以 降 7 度 にわたり 利 上 げを 実 施 した 今 後 11 年 度 にかけては 引 き 締 め 策 の 影 響 で 成 長 率 は 鈍 化 するものの 内 需 の 拡 大 を 牽 引 役 に 11 年 度 の 実 質 GDP 成 長 率 は 8.%と 高 成 長 が 続 くことを 予 想 する ( 竹 島 慎 吾 ) 11

第 表 :アジア 経 済 見 通 し 総 括 表 名 目 GDP 規 模 実 質 GDP 成 長 率 消 費 者 物 価 上 昇 率 経 常 収 支 ( 億 ドル) 9 年 /1 億 ドル 9 年 1 年 11 年 9 年 1 年 11 年 9 年 1 年 11 年 中 国,99 9. 1.3 9..7 3.3.,971 3,,81 韓 国 833..1.3.8 3. 3. 38 8 18 台 湾 379 1.9 1.8..9 1. 1.3 9 39 3 香 港 11.8..7.. 3.7 183 1 1 シンガポール 177.8 1....8 3. 39 9 NIEs 1,99.8 8.. 1.. 3. 1,89 1,31 1, インドネシア 39..1..8.1. 1 3 3 マレーシア 191 1.7 7... 1.7.7 3 33 31 タイ.3 7...8 3.3 3.8 19 18 9 フィリピン 11 1.1 7.3.3 3. 3.8.1 8 91 73 ASEAN 1,1 1..8.. 3.9.9 77 3 インド 1,3 8. 8. 8. 1. 1. 7. 38 7 8 アジア1カ 国 地 域 8,9. 9. 7.9 1.9..7,3,81 3,9 ベトナム 9.3.8..9 9. 1. 7 7 7 アジア11カ 国 地 域 8,99. 9. 7.9..3.8,8,7 3,89 見 通 し 見 通 し 見 通 し ( 注 )インドは 年 度 ( 月 ~3 月 )ベース 1

. 中 国 (1) 現 状 1 年 は 3 年 振 り に 二 桁 成 長 人 民 元 再 上 昇 する も 輸 出 への 影 響 は 限 定 的 投 資 は 引 き 締 め 強 化 の 下 でも 小 幅 加 速 中 国 の 市 場 パワー を 印 象 付 けた 販 売 振 興 策 の 効 果 中 国 では 高 成 長 が 続 いている 1 年 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 9.8%と 前 期 の 同 9.%から 加 速 し 通 年 では 1.3%と 3 年 振 りの 二 桁 成 長 となった 名 目 GDP 成 長 率 は 1.7%に 達 し 日 本 を 抜 いて 世 界 第 位 の 経 済 大 国 となったことは 世 界 的 にも 大 きく 報 じられた 第 四 半 期 の 詳 細 をみていくと まず 輸 出 については 前 期 の 同 +3.%から 同 +.9%へ 減 速 したとはいえ 高 い 伸 びを 維 持 した 反 動 増 による 押 し 上 げ 効 果 は 剥 落 してきたものの 欧 米 の 1 月 のホリデー 商 戦 を 含 め 海 外 需 要 の 好 調 に 支 えられた 月 に 人 民 元 の 対 ドル 相 場 はほ ぼ 年 振 りに 再 上 昇 を 開 始 し 年 末 までの 上 昇 率 は 3.%となったが 1 月 下 旬 の 1.% 上 昇 で 嵩 上 げされた 面 もあり 実 体 的 な 上 げ 幅 はさらに 小 さく 影 響 も 限 定 的 であった 投 資 は 第 四 半 期 に 預 金 準 備 率 引 き 上 げ 3 回 利 上 げ 回 と 引 き 締 め 政 策 が 強 化 されたにもかかわらず 同 +3.1%と 前 期 ( 同 +.%)か ら 加 速 した 経 済 成 長 ペースが 速 く しかも 貸 出 金 利 が 実 質 的 に 極 め て 低 い 状 況 では 投 資 意 欲 は 容 易 に 衰 えないことがわかる 第 11 次 カ 年 計 画 の 最 終 年 ゆえに 単 位 GDP 当 りエネルギー 消 費 量 % 削 減 という 省 エネ 目 標 達 成 のために 電 力 供 給 停 止 のような 極 端 な 対 応 策 が 導 入 された 地 域 もあり エネルギー 多 消 費 型 産 業 向 けの 投 資 に は 厳 しい 抑 制 圧 力 がかかった しかし 自 動 車 家 電 販 売 振 興 策 の 恩 恵 を 受 けた 輸 送 機 器 電 気 機 器 電 子 情 報 向 けの 投 資 は 前 年 比 +% 前 後 と 好 調 な 伸 びであった 消 費 については 小 売 売 上 高 の 実 質 的 な 伸 び 率 が 前 期 の 同 +1.%から 同 +1.%と 低 下 し インフレに 伴 う 購 買 意 欲 の 減 退 が 窺 われた もっと も 自 動 車 販 売 台 数 は 同 +3.%と 前 期 ( 同 +1.9%)に 比 べ 伸 びが 加 速 し 小 型 車 減 税 など 販 売 振 興 策 の 年 末 期 限 切 れを 前 にした 駆 け 込 み 購 入 が 下 支 え 効 果 を 発 揮 した 模 様 である 最 後 に 1 年 の 販 売 振 興 策 の 効 果 を 総 括 しておきたい まず 自 動 車 販 売 台 数 は 前 年 比 +3.%の 1,8 万 台 と 前 年 に 続 き 世 界 第 1 位 と なった また 農 村 部 の 家 電 購 入 補 助 に 基 づく 販 売 額 は 1,73 億 元 で 前 年 比.7 倍 に 達 した 都 市 部 の 家 電 買 い 替 え 補 助 に 基 づく 販 売 額 は 1,11 億 元 となった 9 年 には 月 導 入 から 同 年 末 までで 13 億 元 にとどまっ たが 1 年 月 に 対 象 地 域 が 拡 大 し 大 幅 増 加 となった このように 中 国 の 市 場 としてのパワーを 内 外 に 印 象 付 けた 政 策 効 果 は 極 めて 顕 著 な ものであったといわざるを 得 ない 13

() 見 通 し 食 料 品 価 格 の 高 騰 を 踏 まえ インフレ 対 策 がプライオリ ティに 引 き 締 めは 強 化 さ れるも 内 需 は 堅 調 推 移 こうした 好 調 な 景 気 拡 大 の 一 方 インフレリスクが 最 重 要 課 題 となっ ている 高 騰 が 目 立 っていた 野 菜 の 価 格 が 政 策 効 果 もあり 昨 年 1 月 に は 下 落 に 転 じたことから 食 料 インフレはピークアウトの 期 待 もあった が 北 部 の 旱 魃 の 深 刻 化 などから 長 期 化 の 様 相 を 呈 してきた 構 成 品 目 の 見 直 しにおいて 食 料 品 のウェイトが 低 下 したこともあり 1 月 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は.9%と 市 場 予 想 より 低 率 となったが かねてより 物 価 上 昇 率 以 上 にインフレによる 生 活 へのダメージは 大 きいとの 市 民 の 声 は 根 強 い 歴 史 的 にインフレは 社 会 不 安 を 喚 起 し 混 乱 の 引 き 金 となり 易 い ことから 政 府 としても 軽 視 できない インフレの 主 因 が 天 候 不 順 に 伴 う 農 産 物 の 供 給 ショックであることか ら 増 産 に 向 けた 農 業 対 策 にも 注 力 されているが 11 年 については 金 融 政 策 方 針 が 過 去 年 間 の 適 度 な 緩 和 から 中 立 を 意 味 する 穏 健 に 切 り 替 えられているなかで 引 き 締 め 強 化 はやむを 得 ない 状 況 にある 実 際 11 年 に 入 るや 貸 出 が 急 増 しているとの 報 道 が 相 次 ぎ 1 月 1 日 の 預 金 準 備 率 引 き 上 げに 続 き 月 8 日 には 旧 正 月 休 暇 最 終 日 というタ イミングで 利 上 げが 決 定 された 利 上 げ 後 も 1 年 物 預 金 金 利 は 3%と イ ンフレ 率 を 大 きく 下 回 る 実 質 マイナス 金 利 状 態 であり 預 金 の 取 り 崩 し で 不 動 産 市 場 や 農 産 物 などに 流 れ 込 む 投 機 マネーの 膨 張 に 拍 車 をかけ かねない これらを 踏 まえれば 預 金 準 備 率 はすでに 過 去 最 高 の 19%に 達 し また 利 上 げについても 内 外 金 利 差 拡 大 による 資 金 流 入 が 懸 念 されるなど ともに 制 約 要 因 はあるものの 今 後 も 複 数 回 の 預 金 準 備 率 の 引 き 上 げならびに 利 上 げは 避 けられない 見 通 しである ただし 引 き 締 め 強 化 から 投 資 の 腰 折 れにまで 至 るとは 考 えにくい 中 国 には 政 府 も 支 援 する 投 資 分 野 が 少 なからず 存 在 するからである 兆 元 対 策 は 終 了 するが 本 年 から 始 動 している 第 1 次 カ 年 計 画 におい ても 1 7 大 戦 略 的 新 興 産 業 ( 省 エネ 環 境 保 護 新 世 代 IT バイオ 先 端 機 械 設 備 新 エネルギー 新 素 材 新 エネルギー 車 ) 内 陸 部 のイ ンフラ 整 備 3 大 規 模 な 低 所 得 層 向 け 住 宅 建 設 などの 重 点 分 野 を 中 心 とした 投 資 拡 大 は 期 待 できる 消 費 については 堅 調 持 続 が 予 想 される 政 府 は 第 1 次 カ 年 計 画 で 輸 出 投 資 に 依 存 した 発 展 パターンの 転 換 をメインテーマに 掲 げており 消 費 振 興 のための 所 得 拡 大 は 不 可 欠 なものとして 追 求 されよう また 医 療 改 革 を 中 心 とした 社 会 保 障 の 整 備 戸 籍 改 革 を 通 じた 都 市 化 の 推 進 なども 深 化 が 見 込 まれる 自 動 車 については 一 部 の 購 入 振 興 策 の 期 限 切 れに 加 え 渋 滞 緩 和 のための 規 制 導 入 ガソリン 価 格 の 上 昇 などが 下 押 し 要 因 となり 得 るが 自 動 車 普 及 率 が 1, 人 当 り 台 と 圧 倒 的 に 低 いこともあり 一 定 のペースでの 販 売 増 は 想 定 できよう また 家 電 購 1

輸 出 は 人 民 元 賃 金 の 上 昇 などから 減 速 へ 入 振 興 策 は 継 続 され 効 果 の 浸 透 が 期 待 される 輸 出 は 1 月 には 前 年 比 +37.7%と 大 幅 加 速 したが 旧 正 月 休 暇 が 月 初 旬 にあたったため 通 関 手 続 きが 集 中 したという 要 因 が 大 きかったとみ られている 今 後 については 以 下 の 二 つの 要 素 から 競 争 力 低 下 は 避 け られまい まず 人 民 元 相 場 に 関 しては 米 国 を 中 心 に 海 外 からの 切 り 上 げ 圧 力 が 強 まるなか 通 年 で % 程 度 は 上 昇 しよう また 賃 金 につい ても 法 定 最 低 賃 金 の 大 幅 上 昇 や 労 働 需 給 の 逼 迫 を 受 けて 相 当 の 上 昇 が 予 想 される ただし 米 国 アジアの 景 気 堅 調 を 考 慮 すれば 1% 前 後 の 輸 出 の 伸 びを 維 持 することは 可 能 と 考 えられる 以 上 を 総 合 すれば 年 前 半 はインフレ 抑 制 を 主 眼 とした 引 き 締 め 政 策 強 化 により 成 長 減 速 が 予 想 される ただし 後 半 以 降 は 食 料 インフレ がピークアウトするとともに 来 年 の 共 産 党 大 会 における 人 事 異 動 を 念 頭 に 地 方 政 府 の 実 績 作 りに 向 け 投 資 が 喚 起 されるという 政 治 サイクル の 下 で 景 気 加 速 に 向 かおう この 結 果 11 年 通 年 では 9.%と 前 年 の 1.3%から 小 幅 の 成 長 率 低 下 にとどまろう ( 萩 原 陽 子 ) 7 3 1-1 - -3 - 第 17 図 : 中 国 の 成 長 関 連 指 標 固 定 資 産 投 資 伸 び 率 小 売 総 額 伸 び 率 輸 出 伸 び 率 輸 入 伸 び 率 実 質 GDP 成 長 率 ( 右 目 盛 ) 98 99 1 3 7 8 9 1 ( 資 料 )CEIC 等 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 年 ) 1 1 13 1 11 1 9 8 7 13 1 1 11 11 1 1 第 18 図 : 中 国 の 物 価 と 住 宅 価 格 ( 年 7 月 =1) 主 要 7 都 市 住 宅 販 売 価 格 指 数 1 消 費 者 物 価 上 昇 率 ( 右 目 盛 ) 13-7 8 9 1 11 ( 年 ) ( 資 料 )CEIC 等 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 1 8 - - 1

3. NIEs (1) 韓 国 1 現 状 : 景 気 は 内 需 主 導 で 拡 大 雇 用 環 境 は 改 善 が 持 続 インフレ 圧 力 の 高 まりを 背 景 に 追 加 利 上 げ 実 施 韓 国 経 済 は 内 需 主 導 で 堅 調 に 拡 大 している 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 ( 速 報 値 )は 前 年 比.8%と 前 期 ( 同.%)から 加 速 した 輸 出 増 加 を 背 景 に 半 導 体 や 機 械 などの 生 産 が 増 加 企 業 の 設 備 投 資 は 堅 調 に 拡 大 した また 雇 用 環 境 の 改 善 を 追 い 風 に GDP の 約 半 数 を 占 める 民 間 消 費 ( 同 +3.%)が 底 堅 く 推 移 した 消 費 の 中 身 をみると 食 料 品 が 鈍 化 す る 一 方 自 動 車 など 耐 久 消 費 財 百 貨 店 販 売 が 増 加 した 他 方 外 需 は 輸 出 が 加 速 し 輸 入 の 伸 びを 上 回 ったことから 外 需 の 寄 与 度 はプラスに 転 じた この 結 果 1 年 の 成 長 率 は 前 年 比.1%と 年 (7.%) 以 来 の 高 成 長 を 記 録 した 雇 用 環 境 は 改 善 傾 向 が 持 続 している 1 月 の 就 業 者 数 は 前 年 比 +33.1 万 人 とグローバル 金 融 危 機 前 (~7 年 )の 月 間 平 均 (+9. 万 人 )を カ 月 連 続 で 上 回 った 業 種 別 にみると 製 造 業 ( 同 +. 万 人 )に 加 え サービス 業 (+1. 万 人 )が 牽 引 しており 雇 用 の 裾 野 が 拡 大 している また 非 正 規 雇 用 者 数 が 減 少 する 一 方 正 規 雇 用 者 数 の 増 加 が 持 続 してお り 雇 用 の 質 も 改 善 している 物 価 は 上 昇 圧 力 が 高 まっている 1 月 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比.1% と 1 月 に 続 き 韓 国 銀 行 の 目 標 (3±1%)を 上 回 った これを 受 け 韓 国 銀 行 は 1 月 に.%ポイントの 追 加 利 上 げに 踏 み 切 った( 現 行 の 政 策 金 利.7%) 見 通 し:11 年 は.3% 成 長 潜 在 成 長 率 近 辺 の 底 堅 い 成 長 追 加 利 上 げを 継 続 11 年 の 韓 国 経 済 は 前 年 の 高 成 長 の 反 動 で 成 長 率 は 鈍 化 するものの 内 外 需 の 堅 調 を 背 景 に % 台 と 目 される 潜 在 成 長 率 近 辺 の 底 堅 い 成 長 を 予 想 する(11 年 の 成 長 率 予 測.3%) 韓 国 の 輸 出 先 は 新 興 国 向 けが 約 割 と 先 進 国 向 けを 上 回 っており 堅 調 が 予 想 される 新 興 国 経 済 の 恩 恵 を 受 けやすい 加 えて 米 国 など 先 進 国 経 済 の 回 復 ペースが 速 まることから 輸 出 は 底 堅 い 推 移 が 見 込 まれる この 結 果 輸 出 を 起 点 とした 雇 用 環 境 の 改 善 が 持 続 し 消 費 は 堅 調 な 拡 大 が 続 くであろう 食 品 価 格 を 中 心 に 物 価 上 昇 圧 力 が 高 まっていることから 韓 国 銀 行 ( 中 銀 )は 11 年 前 半 にかけて bp の 追 加 利 上 げを 実 施 すると 予 想 する も っとも 物 価 上 昇 の 主 因 である 食 品 価 格 の 高 騰 を 利 上 げで 抑 制 することは 困 難 であることから インフレ 対 策 は 公 共 料 金 の 凍 結 や 輸 入 関 税 引 き 下 げ などの 物 価 抑 制 策 が 主 眼 となる 政 府 は 1 月 に 生 活 必 需 品 18 品 目 (ス ナック 菓 子 ベビーカーなど)の 関 税 引 き 下 げに 加 え 1 月 には 公 共 料 金 の 凍 結 や 食 品 7 品 目 ( 砂 糖 食 用 油 とうもころしなど)の 輸 入 関 税 引 き 下 げを 決 定 したが 物 価 の 動 向 をみながら 対 象 品 目 の 拡 大 などの 追 加 策 を 打 ち 出 す 可 能 性 があろう 1

( 竹 島 慎 吾 ) 第 19 図 : 韓 国 の 実 質 GDP 成 長 率 1 - -1 民 間 消 費 政 府 消 費 建 設 投 資 設 備 投 資 -1 在 庫 変 動 純 輸 出 統 計 誤 差 GDP 成 長 率 - 7 8 9 1 7 3 1-1 - -3 第 図 : 韓 国 の 雇 用 情 勢 ( 前 年 差 千 人 ) 雇 用 者 増 減 数 ( 左 ) 輸 出 (3カ 月 先 行 右 ) 7 8 9 1 3 1-1 - -3 - () 台 湾 1 現 状 : 成 長 は 減 速 するも 予 想 以 上 の 好 結 果 小 幅 利 上 げ 継 続 により 金 融 正 常 化 へ 台 湾 では 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 が 前 年 比.9%と 前 期 ( 同 1.7%)から 低 下 した ただし 前 年 同 期 にすでに 同 9.%まで 急 回 復 し 反 動 増 による 押 し 上 げ 効 果 が 剥 落 していたという 要 素 を 考 えれば 相 当 の 好 結 果 ということができ 実 際 市 場 予 想 も 上 回 っていた この 結 果 1 年 通 年 では 1.8% 成 長 と 年 振 りの 高 水 準 に 達 した 第 四 半 期 における 需 要 項 目 の 内 訳 を 確 認 すると 輸 出 は 同 +1.9% 設 備 投 資 は 同 +13.%と 前 期 に 比 べれば 伸 び 率 は 大 幅 に 低 下 したとはい え 依 然 として 高 水 準 を 維 持 した 一 方 消 費 は 同 +.9%と 前 期 ( 同 +.%) から 大 きく 減 速 した 雇 用 情 勢 の 改 善 株 価 不 動 産 価 格 上 昇 に 伴 う 資 産 効 果 中 国 人 観 光 客 の 大 幅 増 加 などのプラス 要 因 に 変 わりはなかった ものの 自 動 車 販 売 が 前 年 同 期 に 減 税 の 期 限 切 れを 前 にした 駆 け 込 み 需 要 で 盛 り 上 がった 反 動 で 同 1.%と 落 ち 込 んだため 足 を 引 っ 張 ったと みられる なお 他 のアジア 諸 国 で 急 速 にインフレリスクが 顕 在 化 しつつあるな かで 台 湾 では 本 年 1 月 に 入 っても 消 費 者 物 価 上 昇 率 が 1.1%と 低 水 準 に 収 まっている ただし 中 央 銀 行 は 国 際 的 な 商 品 市 況 の 高 騰 を 踏 まえ 今 後 の 輸 入 インフレに 対 し 警 戒 感 を 示 している このため 昨 年 月 の 金 融 政 策 決 定 会 合 ( 四 半 期 に 1 回 開 催 )で 年 振 りに 公 定 歩 合 に 相 当 する 再 割 引 率 の.1% 引 き 上 げに 踏 み 切 ったのに 続 いて 9 月 1 月 と 同 会 合 毎 に.1%の 利 上 げを 続 けた 現 在 の 再 割 引 率 は 1.%とな っている 今 後 も 政 策 決 定 会 合 の 度 に.1%の 小 幅 利 上 げによる 金 融 正 常 化 を 継 続 すると 考 えられる 17

見 通 し: 反 動 増 効 果 は 剥 落 する も 中 国 要 因 が 下 支 え 1 年 には 前 年 のマイナス 成 長 の 反 動 で 二 桁 成 長 にまで 押 し 上 げられ た 以 上 11 年 の 成 長 率 の 低 下 は 避 けられまい とはいえ 世 界 経 済 の 順 調 な 拡 大 を 前 提 とすれば 輸 出 主 導 型 の 台 湾 経 済 も 底 堅 い 成 長 が 望 め よう さらに 中 国 との 経 済 協 力 枠 組 み 協 定 (ECFA)を 契 機 とした 経 済 交 流 強 化 によるプラス 効 果 も 加 わる ECFA に 基 づき 11 年 初 から 関 税 引 き 下 げ 開 始 ( 最 長 年 間 で 撤 廃 ) となる 対 象 は 台 湾 側 の 8 品 目 ( 台 湾 の 対 中 輸 入 の 1.%)に 対 し 中 国 側 は 7 品 目 ( 中 国 の 対 台 湾 輸 入 の 1.1%)となっている そのな かには 石 油 化 学 工 作 機 械 自 動 車 部 品 なども 含 まれており 台 湾 企 業 は 競 合 する 日 韓 企 業 に 対 し 優 位 に 立 つ サービス 業 でも 台 湾 の 9 業 種 に 対 し 中 国 は 金 融 会 計 コンピュータ 関 連 サービスなど 11 業 種 を 開 放 対 象 とした また 中 国 人 旅 行 客 については 8 年 の 団 体 旅 行 解 禁 に 続 き 11 年 には 個 人 旅 行 の 解 禁 が 予 想 されている 中 国 人 旅 行 客 数 はすでに 1 年 時 点 で 前 年 比 +7.7%の 13 万 人 と 急 増 し それまで 最 大 であった 日 本 人 旅 行 客 数 を 上 回 っているだけに 11 年 には 一 段 と 台 湾 の 観 光 小 売 飲 食 輸 送 などに 幅 広 く 恩 恵 をもたらすとの 期 待 が 高 まっている これらを 考 え 合 わせれば 11 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比.%と 前 年 ( 同 1.8%)からは 大 幅 に 低 下 するとはいえ 底 堅 い 成 長 が 見 込 ま れる ( 萩 原 陽 子 ) 1 1 1 8 - - - -8-1 -1 第 1 図 : 台 湾 の 実 質 GDP 成 長 率 個 人 消 費 総 固 定 資 本 形 成 在 庫 投 資 政 府 消 費 外 需 実 質 GDP 成 長 率 3 7 8 9 1 ( 年 ) 第 図 : 台 湾 の 物 価 金 利 雇 用 消 費 者 物 価 上 昇 率 9 再 割 引 金 利 失 業 率 ( 右 目 盛 ) 8 7 3 1 3-1 - 1-3 3 7 8 9 1 11 ( 年 ) ( 資 料 )CEIC より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ( 資 料 )CEIC 等 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 18

(3) 香 港 1 現 状 : 反 動 増 効 果 は 剥 落 するも 底 堅 い 成 長 を 維 持 不 動 産 バブル 対 策 は 強 化 される も 効 果 には 疑 問 符 香 港 においても 反 動 増 効 果 は 剥 落 してきたが 底 堅 い 成 長 を 維 持 して いる 第 四 半 期 の 小 売 売 上 高 は 前 年 比 +1.9%と 前 期 ( 同 +1.%)を 上 回 った 雇 用 環 境 の 改 善 株 価 不 動 産 価 格 の 上 昇 に 伴 う 資 産 効 果 に 加 え 中 国 からの 旅 行 客 が 引 き 続 き 大 幅 増 加 し 旺 盛 な 購 買 力 を 発 揮 している 一 方 輸 出 は 同 +1.%と 前 期 の 同 +7.7%からは 半 減 したとはいえ 堅 調 な 伸 びを 維 持 した ここからすれば 第 四 半 期 も 前 年 比 % 前 後 の 成 長 を 確 保 し 1 年 通 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は.%と 前 年 の.8%から 顕 著 に 回 復 したと 見 込 まれる こうしたなか 不 動 産 バブルが 大 きな 懸 念 材 料 となっている 住 宅 価 格 は 8 年 末 から 割 以 上 も 急 騰 し 1997 年 の 過 去 最 高 値 圏 に 近 付 いて いる しかし 香 港 はドルペッグ 制 を 採 用 していることから 金 融 政 策 の 面 では 米 国 に 追 随 せざるを 得 ず 独 自 の 対 応 をとることはできない そこで 当 局 は 9 年 秋 頃 から 不 動 産 対 策 を 強 化 し 1 年 11 月 19 日 には 保 有 年 以 内 の 転 売 に 対 し 特 別 印 紙 税 (~1% 保 有 期 間 が 短 いほど 高 率 )を 従 来 の 印 紙 税 ( 不 動 産 価 格 によって 異 なり 最 高.%)に 上 乗 せする 増 税 措 置 を 導 入 した( 翌 日 実 施 ) 同 日 香 港 金 融 管 理 局 ( 中 央 銀 行 に 相 当 )も 高 級 物 件 に 対 する 頭 金 比 率 の 引 き 上 げを 発 表 した(8 万 香 港 ドル 以 上 1, 万 香 港 ドル 未 満 ;3 % 1, 万 香 港 ドル 以 上 ; %) これに 伴 い 1 月 の 住 宅 価 格 は 前 月 比.9% と 小 幅 下 落 したが 金 融 緩 和 が 続 く 状 況 では 効 果 は 限 定 的 との 見 方 も あり 先 行 きは 予 断 を 許 さない 見 通 し: 中 国 の 高 成 長 持 続 の 波 及 効 果 で 安 定 成 長 11 年 は 前 年 に 比 べ ペースダウンは 避 けられないものの 底 堅 い 成 長 は 維 持 できると 考 えられる 中 国 の 輸 出 においても 反 動 増 効 果 は 一 巡 して きたが 世 界 的 な 需 要 拡 大 の 下 では 通 年 で 1% 前 後 の 増 加 は 見 込 め 勢 い 中 国 製 品 の 仲 介 貿 易 センターである 香 港 の 輸 出 も 一 定 の 成 長 は 期 待 できよ う また 中 国 経 済 が 減 速 とはいえ 9% 台 の 成 長 を 確 保 すると 想 定 される 以 上 香 港 への 波 及 効 果 は 依 然 として 大 きい 中 国 人 旅 行 客 の 購 買 や 雇 用 情 勢 のさらなる 改 善 などから 消 費 は 堅 調 が 予 想 される また 中 国 と 連 結 する 高 速 鉄 道 などの 大 型 プロジェクトを 含 む 公 共 投 資 ならびに 中 国 ビジネスを 睨 んだ 民 間 投 資 の 拡 大 も 見 込 めよう これらを 考 え 合 わせれば 11 年 の 実 質 GDP 成 長 率 は.7%と 予 想 される なお 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 食 料 品 価 格 や 不 動 産 価 格 の 高 騰 の 影 響 によ り 1 月 時 点 で 前 年 比 3.1%と 年 振 りの 高 水 準 に 達 した こうしたなか 曽 蔭 権 行 政 長 官 は 強 い 物 価 上 昇 圧 力 を 受 けているとの 認 識 を 示 し 必 要 に 応 じて 生 活 支 援 策 を 打 ち 出 す 意 向 を 表 明 している このため 3 月 に 期 限 切 れとなる 固 定 資 産 税 免 税 の 延 長 などの 対 応 策 が 予 想 されるが そ 19

れでも 11 年 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 の.%から 3% 台 後 半 へと 上 昇 が 見 込 まれる ( 萩 原 陽 子 ) 3 1-1 - -3 第 3 図 : 香 港 の 地 域 別 輸 出 の 推 移 その 他 その 他 アジア EU 米 国 中 国 香 港 輸 出 中 国 輸 出 7 8 9 1 ( 年 ) 1 1 第 図 : 香 港 の 資 産 価 格 (9 年 1 月 =1) 住 宅 価 格 3 株 価 1 インターバンク3カ 月 物 ( 右 目 盛 ) 1 9 97 98 99 1 3 7 8 9 1 11 ( 年 ) ( 資 料 )CEIC 等 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 8 ()シンガポール 1 現 状 :1 年 の 成 長 率 は 前 年 比 1.%と 過 去 最 高 を 記 録 インフレ 圧 力 の 強 まりを 背 景 に MAS は 引 き 締 め 策 を 継 続 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 1.%( 前 期 比 年 率 3.9%)へ 加 速 した 製 造 業 ( 前 年 比 +.%)が バイオ 医 薬 部 門 の 拡 大 を 主 因 に 伸 びを 高 めたほか サービス 業 ( 同 +8.8%)は 貿 易 拡 大 や 金 融 取 引 の 活 発 化 外 国 人 来 訪 者 数 の 増 加 に 伴 うホテルや 小 売 飲 食 など 観 光 関 連 サービスの 拡 大 などを 背 景 に 堅 調 を 維 持 した 第 四 半 期 の 非 石 油 地 場 輸 出 (NODX)は エレクトロニクスが 伸 び 悩 む 一 方 医 薬 品 石 油 化 学 などが 下 支 えし 前 年 比 +17.%と 堅 調 を 維 持 した また 1 年 の 来 訪 者 数 は 景 気 回 復 や 総 合 リゾート(IR) 開 業 などを 追 い 風 に 1,1 万 人 と 過 去 最 高 を 更 新 観 光 収 入 は 前 年 比 +9%と 大 幅 な 増 加 をみせた この 結 果 1 年 の 成 長 率 は 前 年 比 1.%と 過 去 最 高 の 伸 びを 記 録 した 景 気 回 復 と 海 外 からの 来 訪 者 数 の 増 加 などを 背 景 に サービス 業 を 中 心 に 雇 用 拡 大 が 続 いており 1 月 末 時 点 の 失 業 率 ( 季 節 調 整 値 )は.% とほぼ 完 全 雇 用 とも 言 える 低 水 準 で 推 移 している 景 気 が 好 調 に 推 移 する 中 自 動 車 や 不 動 産 の 価 格 上 昇 燃 料 価 格 の 上 昇 などを 背 景 に 物 価 は 上 昇 傾 向 にある 第 四 半 期 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比.%と 年 ぶりの 水 準 まで 上 昇 した シンガポール 通 貨 庁 (MAS)は 1 年 月 以 降 通 貨 高 政 策 ( 緩 やか かつ 段 階 的 な 通 貨 高 を 容 認 する 政 策 )を 通 じて 金 融 引 き 締 め( 為 替 相 場 が 操 作 手 段 ) を 継 続 している 不 動 産 価 格 については 所 得 の 増 加 や 低 金 利 海 外 か

らの 資 本 流 入 などを 背 景 に 民 間 住 宅 価 格 指 数 が 過 去 最 高 を 更 新 するな ど 上 昇 基 調 が 続 いている もっとも 短 期 転 売 に 課 す 印 紙 税 課 税 強 化 や 不 動 産 購 入 に 対 するローン 上 限 比 率 (LTV)の 引 き 下 げなど 政 府 当 局 による 過 熱 抑 制 策 により 上 昇 ペースは 鈍 化 しつつある 見 通 し:11 年 は % 前 後 の 安 定 成 長 へ 11 年 のシンガポール 経 済 は 前 年 の 反 動 要 因 の 一 巡 と 引 き 締 め 政 策 の 影 響 などで 成 長 ペースは 鈍 化 するものの 潜 在 成 長 率 とされる % 程 度 の 水 準 を 確 保 しよう 輸 出 は 世 界 的 なスマートフォン 市 場 の 拡 大 や 企 業 の PC 更 新 需 要 の 回 復 などが 下 支 えすると 予 想 する また 雇 用 所 得 環 境 の 改 善 に 加 え 株 式 や 不 動 産 など 資 産 価 格 の 上 昇 周 辺 アジア 諸 国 からの 来 訪 者 数 の 増 加 なども 内 需 拡 大 を 下 支 えしよう 物 価 については 労 働 需 給 の 逼 迫 や 資 源 価 格 の 上 昇 などを 背 景 に 年 央 にかけて 上 昇 基 調 が 続 こう もっとも 賃 金 上 昇 ペースは 相 対 的 に 緩 や かであるほか MAS の 通 貨 高 政 策 ( 引 き 締 め 政 策 )による 輸 入 インフレ 抑 制 効 果 が 見 込 まれること 自 動 車 や 不 動 産 の 価 格 上 昇 ペースは 徐 々に 鈍 化 するとみられることなどから 11 年 通 年 のインフレ 率 は 前 年 比 3.%と 3% 台 に 着 地 すると 予 想 する (シンガポール 駐 在 福 地 亜 希 ) 第 図 :シンガポールの 実 質 GDP 成 長 率 サービス 業 建 設 業 製 造 業 1 実 質 GDP 成 長 率 1 - - -1 7 8 9 1 ( 資 料 )シンガポール 通 産 省 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 第 図 :シンガポールの 物 価 と 雇 用 8 7 消 費 者 物 価 上 昇 率 失 業 率 3 1 - -1-7 8 9 1 1

. ASEAN (1)インドネシア 1 現 状 : 第 四 半 期 の 成 長 率 は.9%と 年 ぶり の 高 成 長 食 品 価 格 の 高 騰 を 背 景 にインフレが 再 加 速 中 銀 は 年 カ 月 ぶりの 利 上 げを 実 施 インドネシア 経 済 は 内 需 を 牽 引 役 に 高 成 長 が 続 いている 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比.9%と 前 期 ( 同.8%)から 加 速 年 ぶり の 高 成 長 を 記 録 した 民 間 消 費 ( 同 +.%)は 食 品 価 格 の 高 騰 などを 受 け 拡 大 ペースがやや 鈍 化 したものの 建 設 投 資 や 企 業 の 設 備 投 資 な ど 総 固 定 資 本 形 成 ( 同 +8.7%)が 内 需 拡 大 を 下 支 えした また 輸 出 ( 同 +1.1%)は 石 炭 など 資 源 輸 出 の 好 調 が 続 き 外 需 のプラス 寄 与 度 拡 大 に 繋 がった この 結 果 1 年 通 年 の 成 長 率 は 同.1%( 前 年 : 同.%) と 年 ぶりに % 台 の 水 準 を 回 復 した 物 価 は 昨 年 央 以 降 一 旦 沈 静 化 の 兆 しが 見 られたものの 年 末 以 降 天 候 不 順 に 伴 うコメやトウガラシなど 食 品 価 格 の 高 騰 などを 背 景 に 再 び 上 昇 基 調 が 強 まっている 11 年 1 月 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比 7.%と 9 年 月 以 来 の 水 準 に 達 した インドネシア 中 銀 は 9 年 9 月 以 降 政 策 金 利 を 過 去 最 低 の.%で 据 え 置 いてきたが 11 年 月 年 カ 月 ぶりに.%ポイントの 利 上 げを 実 施 した これまで 中 銀 は コアインフレやインフレ 期 待 の 安 定 に 加 え 中 小 企 業 向 け 貸 出 促 進 利 上 げに 伴 う 更 なる 海 外 からの 投 資 資 金 流 入 に 対 する 警 戒 などから 利 上 げに 対 しては 慎 重 な 姿 勢 を 堅 持 食 品 価 格 の 高 騰 に 対 しては 政 府 がコメの 輸 入 関 税 撤 廃 や 輸 入 拡 大 などで 対 応 してきた しかし 今 回 利 上 げに 踏 み 切 った 背 景 としては 国 内 の 食 品 価 格 高 騰 に 加 え 原 油 など 国 際 商 品 価 格 の 上 昇 に 伴 い インフレ 期 待 が 高 まりつつあることなどが 挙 げられる また 今 年 に 入 り 当 局 がインフレ 対 応 で 後 手 に 回 っているとの 懸 念 から 投 資 資 金 が 流 出 ルピ ア 安 が 進 行 したため 海 外 投 資 家 の 信 認 回 復 とルピア 高 値 維 持 による 輸 入 インフレ 抑 制 への 思 惑 なども 利 上 げ 決 定 を 後 押 ししたと 考 えられる 見 通 し: 内 需 を 牽 引 役 に % 台 の 成 長 が 持 続 11 年 のインドネシア 経 済 は 内 需 を 牽 引 役 に % 台 の 成 長 を 維 持 す ると 予 想 する 1 年 の 1 人 当 たり GDP は 3, ドルと 3, ドルの 大 台 を 突 破 自 動 車 や 家 電 など 耐 久 消 費 財 の 本 格 的 な 普 及 期 に 入 ってきて いる 資 源 価 格 の 上 昇 に 伴 う 所 得 増 加 なども 内 需 拡 大 の 支 えとなろう 物 価 は ルピア 高 による 輸 入 インフレ 抑 制 効 果 が 引 き 続 き 見 込 まれる ものの 食 品 や 燃 料 価 格 を 中 心 に 年 央 にかけて 上 昇 基 調 が 続 き 通 年 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 1 年 の 前 年 比.1%から 11 年 は 同.%へ 高 まると 予 想 する 中 銀 の 金 融 政 策 は 内 需 への 悪 影 響 が 懸 念 される 大 幅 な 引 き 締 めは 考 え 難 いものの 食 品 や 原 油 価 格 など 供 給 面 からのインフ レ 圧 力 に 加 え 需 給 ギャップの 縮 小 に 伴 う 期 待 インフレ 率 の 高 まりなど

需 要 面 からのインフレ 圧 力 を 見 極 めつつ 年 央 にかけて 追 加 利 上 げのタ イミングを 模 索 する 展 開 となろう 海 外 からの 資 本 流 入 については 中 銀 短 期 証 券 (SBI)の 1 カ 月 保 有 義 務 や 短 期 (1 3 カ 月 物 )の 発 行 停 止 に 加 え 銀 行 の 海 外 からの 短 期 借 入 に 関 する 規 制 強 化 ( 自 己 資 本 の 3% 以 内 11 年 1 月 8 日 から 実 施 ) 外 貨 建 て 預 金 準 備 率 の 段 階 的 な 引 き 上 げ( 現 行 1% 3 月 に % 月 に 8% へ 引 き 上 げ)などにより 1 年 に 比 べて 流 入 は 抑 えられよう もっと も 高 成 長 や 政 治 の 安 定 など 良 好 なファンダメンタルズ 大 手 格 付 け 機 関 によるソブリン 格 付 けの 上 方 修 正 などを 追 い 風 に 堅 調 な 推 移 が 続 くと 予 想 する (シンガポール 駐 在 福 地 亜 希 ) 第 7 図 :インドネシアの 実 質 GDP 成 長 率 第 8 図 :インドネシアの 物 価 と 金 利 1 1 8 - - 民 間 消 費 総 固 定 資 本 形 成 純 輸 出 実 質 GDP 成 長 率 政 府 消 費 在 庫 投 資 誤 差 1 1 CPI CPI( 食 品 ) CPI(コア) 政 策 金 利 消 費 者 信 頼 感 指 数 ( 物 価 : 先 行 き)( 右 ) (ポイント) 19 18 17 1 1-7 8 9 1-7 8 9 1 11 1 ()マレーシア 1 現 状 : 成 長 ペー スは 鈍 化 傾 向 なが らも 内 需 を 中 心 に 堅 調 を 維 持 マレーシアでは 急 回 復 の 一 巡 と 外 需 の 伸 び 悩 みに 伴 い 成 長 ペースは 鈍 化 しているものの 内 需 を 中 心 に 堅 調 を 維 持 している 第 四 半 期 の 鉱 工 業 生 産 指 数 は 前 年 比 +.%と 前 期 ( 同 +.3%) 並 みの 水 準 を 維 持 製 造 業 の 設 備 稼 働 率 も 8.9%と 約 年 ぶりの 水 準 へ 高 まった 輸 出 は 主 力 の 電 子 電 機 を 中 心 に 伸 び 悩 みがみられる 一 方 石 油 製 品 や 化 学 品 などの 工 業 品 のほか パーム 油 天 然 ガスなどの 資 源 関 連 の 好 調 が 続 い ている 一 方 良 好 な 雇 用 所 得 環 境 などを 背 景 に 消 費 者 信 頼 感 指 数 は 117. ポイント( 前 期 :11.8)と 7 年 第 3 四 半 期 以 来 の 高 水 準 を 回 復 した 製 造 業 雇 用 者 数 は 年 央 に 増 加 が 一 服 したものの 1 月 以 降 は 再 び 前 月 比 3, 人 ペースでの 増 加 が 続 いており 11 月 の 失 業 率 は 3.1% と 低 水 準 にとどまっている 物 価 は 政 府 が 1 年 7 月 に 続 き 1 月 にもガソリンや 砂 糖 など 統 制 品 目 の 補 助 金 を 削 減 した 影 響 などで 上 昇 傾 向 がみられるものの 1 年 1 3

物 価 上 昇 は 緩 や か 中 銀 は 金 利 の 据 え 置 きを 継 続 月 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比.%と 緩 やかな 上 昇 にとどまっている 中 銀 は 景 気 の 急 回 復 を 受 け 1 年 3 月 に 金 利 正 常 化 に 着 手 7 月 ま でに 段 階 的 に 合 計.7%ポイントの 利 上 げを 実 施 したが その 後 は 政 策 金 利 を.7%で 据 え 置 いている 見 通 し:11 年 の 成 長 率 は % 台 に 鈍 化 へ マレーシア 経 済 は 反 動 要 因 の 一 巡 と 外 需 の 伸 びの 鈍 化 などから 成 長 ペースの 鈍 化 が 予 想 される 実 質 GDP 成 長 率 は 1 年 の 前 年 比 7.%( 見 込 み)に 対 し 11 年 は 同.%へ 低 下 しよう 輸 出 は 年 央 にかけて 伸 び 悩 みが 続 くものの 年 後 半 には 先 進 国 経 済 の 回 復 に 伴 い 再 び 拡 大 に 転 じることが 見 込 まれる 内 需 については 安 定 した 雇 用 環 境 に 加 え 資 源 価 格 の 上 昇 に 伴 う 所 得 増 加 実 質 金 利 の 低 下 などが 民 間 消 費 の 拡 大 を 下 支 えしよう また 投 資 については 高 水 準 の 設 備 稼 働 率 に 伴 う 製 造 業 での 拡 張 投 資 のほか クアラルンプール 国 際 空 港 (KLIA) 第 空 港 や 第 ペナン 橋 などの 大 型 の 公 共 工 事 年 の 先 進 国 入 りに 向 けた 経 済 改 革 プログラム(ETP) に 基 づく 資 源 エネルギー その 他 の 投 資 計 画 の 実 施 などで 拡 大 基 調 が 続 こう 物 価 は 食 品 や 燃 料 価 格 の 上 昇 に 加 え 最 低 賃 金 引 き 上 げなどが 上 昇 圧 力 になるとみられ 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 1 年 の 前 年 比 1.7%から 11 年 は 同.7%へ 高 まると 予 想 する 中 銀 の 金 融 政 策 は 景 気 と 物 価 の 動 向 を 見 極 めつつ 必 要 に 応 じて 追 加 利 上 げの 可 能 性 をみておく 必 要 があろ う (シンガポール 駐 在 福 地 亜 希 ) 第 9 図 :マレーシアの 生 産 第 3 図 :マレーシアの 物 価 と 金 利 1 8 1. 1 8 3. 8. 8 3. - 78.. - -1-1 - 鉱 工 業 生 産 指 数 稼 働 率 ( 右 ) 7 8 9 1 7 7 7 7 1. 政 策 金 利 (Overnight Policy Rate) 1 CPI( 前 年 比 伸 び 率 右 ). 7 8 9 1.. -. -.

(3)タイ 1 現 状 : 内 外 需 と もに 堅 調 が 持 続 中 銀 は 1 月 1 月 と カ 月 連 続 で 利 上 げ 実 施 タイ 経 済 は 内 外 需 ともに 堅 調 である 第 3 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比.7%と 前 期 ( 同 9.%)から 鈍 化 したものの 底 堅 い 伸 びとなっ た 第 四 半 期 に 入 り 成 長 ペースは 鈍 化 しているものの 内 外 需 とも に 堅 調 に 推 移 している 1-1 月 期 の 民 間 消 費 指 数 は 前 年 比 +3.%と 前 期 ( 同 +.9%)から 鈍 化 したが 自 動 車 販 売 は 前 年 比 +33.8%と 高 い 伸 びが 続 いており 総 じて 消 費 は 堅 調 を 維 持 しているといえる この 背 景 には 農 産 物 価 格 の 上 昇 に よる 農 業 収 入 の 拡 大 や 失 業 率 の 低 下 など 雇 用 環 境 の 改 善 を 背 景 に 消 費 者 マインドが 良 好 なことがある 1 月 の 消 費 者 信 頼 感 指 数 は 81. ポイン トとなり 昨 年 8 月 以 降 年 以 来 の 高 水 準 (8 ポイント 前 後 )で 推 移 している 他 方 輸 出 は 伸 びが 鈍 化 しているものの 前 年 の 反 動 要 因 が 剥 落 した ことを 勘 案 すると 堅 調 に 推 移 しているといえる 1 月 は 前 年 比 +18.%と 農 産 物 や 自 動 車 などを 中 心 に 伸 びた 物 価 は 上 昇 傾 向 にある 1 月 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比 3.%と カ 月 連 続 で 3% 台 に 達 した コアインフレ 率 は 同 1.3%と 中 銀 のターゲッ ト(.~3.%)に 収 まっているものの 食 品 価 格 を 中 心 にインフレ 圧 力 が 高 まっていることから 中 銀 は 1 月 1 月 と カ 月 連 続 で 合 計.%ポ イントの 利 上 げを 実 施 した( 現 行 の 政 策 金 利.%) また 昨 年 1 月 政 府 はインフレ 対 策 として 主 要 消 費 財 ( 牛 乳 ナンプラーなど)の 価 格 凍 結 を 3 月 末 まで 延 長 することを 決 定 した 見 通 し:11 年 は.3% 成 長 堅 調 持 続 中 銀 は 利 上 げを 継 続 11 年 の 成 長 率 は 前 年 (7.% 見 込 み)の 高 成 長 の 反 動 で.%へ 鈍 化 するものの 底 堅 い 成 長 が 持 続 しよう 1 月 の 最 低 賃 金 の 引 き 上 げ( 平 均 約 %)や 月 の 公 務 員 給 与 の 引 き 上 げに 加 え 年 内 に 実 施 さ れる 総 選 挙 関 連 の 支 出 も 見 込 まれることから 消 費 は 底 堅 く 推 移 しよう また 海 外 直 接 投 資 (FDI)の 増 加 や 高 い 稼 働 率 を 背 景 に 企 業 の 設 備 投 資 も 堅 調 な 伸 びが 期 待 できる 他 方 輸 出 は 高 い 伸 びを 記 録 した 前 年 から 鈍 化 するものの 米 国 を 中 心 とした 先 進 国 経 済 の 回 復 を 背 景 に 堅 調 に 推 移 するであろう また ASEAN を 中 心 とした 自 由 貿 易 協 定 (FTA)ネットワークの 拡 充 に 伴 い 中 国 や ASEAN などアジア 域 内 向 けの 輸 出 増 加 が 続 くことが 見 込 まれる インフレ 圧 力 の 高 まりを 受 け 中 銀 は 利 上 げを 継 続 しよう 11 年 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比 3.8%と 前 年 (3.3%)から 加 速 する 見 込 みで ある 1 月 7 日 に 初 公 開 された 金 融 政 策 委 員 会 の 議 事 録 (1 月 1 日 分 ) では 政 策 委 員 7 名 の 全 員 一 致 で.%ポイントの 利 上 げを 決 定 した 会 合 では.%ポイントの 利 上 げも 検 討 されており 中 銀 はインフレ 抑 制

スタンスを 強 めている 政 府 は 今 後 のインフレ 抑 制 策 として 食 品 価 格 の 上 昇 に 対 しては 輸 入 関 税 の 引 き 下 げや 価 格 凍 結 などの 価 格 抑 制 策 で 対 応 するであろう と 同 時 に 中 銀 は 利 上 げによりマイナスに 陥 っている 実 質 金 利 を 是 正 す ることで 食 品 価 格 の 上 昇 が 食 品 以 外 の 財 サービス 価 格 の 上 昇 へ 波 及 することを 防 ぐであろう ( 竹 島 慎 吾 ) 第 31 図 :タイの 消 費 動 向 (ポイント) 1 8 1 9 9 8 8 - - - 民 間 消 費 指 数 消 費 者 信 頼 指 数 ( 右 ) 7 7-8 7 8 9 1 11 第 3 図 :タイの 物 価 金 利 動 向 1 8 CPI 上 昇 率 - コアインフレ 率 - 1 日 物 レポ 金 利 - 7 8 9 1 11 ( 資 料 )タイ 中 銀 資 料 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 ()フィリピン 1 現 状 : 景 気 は 回 復 基 調 が 持 続 物 価 は 上 昇 傾 向 フィリピン 経 済 は 回 復 基 調 が 鮮 明 となっている 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 7.1%と 前 期 ( 同.3%)から 伸 びを 高 めた 前 期 比 では 3.%と マイナス 成 長 となった 前 期 (.8%)からプラスに 転 じた こ の 結 果 通 年 の 成 長 率 は 同 7.3%と 前 年 (1.1%)から 大 幅 に 加 速 し 198 年 の 民 主 主 義 体 制 の 復 活 以 来 最 高 の 伸 びを 記 録 した 第 四 半 期 の 動 向 を 需 要 項 目 別 にみると 個 人 消 費 が 前 年 比 +7.%と 前 期 ( 同 +.1%)から 加 速 し 牽 引 役 となったほか 固 定 資 本 形 成 ( 同 +13.7%)が 二 桁 増 を 維 持 し 全 体 を 支 えた 個 人 消 費 は 景 気 回 復 期 待 か ら 消 費 者 マインドが 改 善 していること 1-1 月 期 の 海 外 労 働 者 送 金 (OFW)が 前 年 比 +9.3%と 前 期 ( 同 +9.%)に 続 き 高 い 伸 びとなった ことが 追 い 風 となった また 固 定 資 本 形 成 は 景 況 感 の 改 善 を 背 景 に 企 業 が 設 備 投 資 を 積 極 化 したことが 押 し 上 げ 材 料 となった 外 需 は 底 堅 く 推 移 している 第 四 半 期 の 輸 出 は 前 年 比 +1.%と 前 期 ( 同 +39.9%)から 鈍 化 したものの 主 力 の 電 子 機 器 類 を 支 えに 高 い 伸 びを 維 持 した 物 価 は 上 昇 傾 向 にある 1 月 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比 3.%と 前 月 ( 同 +3.%)から 上 昇 ペースを 高 めた 押 し 上 げ 圧 力 となったのは 食 ( 注 料 品 で 前 年 要 因 の 剥 落 ) に 伴 い 上 昇 ペースが 高 まった

中 銀 は 月 の 金 融 委 員 会 で 政 策 金 利 ( 中 銀 借 入 金 利 :% 同 貸 出 金 利 : %)を 据 え 置 いた 中 銀 は 決 定 の 背 景 として 物 価 の 上 昇 ペースは 高 ま っているが 政 府 の 通 年 目 標 (3~%)の 範 囲 内 に 収 まっている 点 を 挙 げ た 一 方 消 費 者 物 価 上 昇 率 の 見 通 しについては 原 油 や 商 品 価 格 の 上 昇 を 背 景 に 11 年 の 予 測 値 を 従 来 の 3.%から.%へ 1 年 は 3.% から 3.%へ それぞれ 上 方 修 正 した 見 通 し:11 年 は.3% 年 央 にかけ 利 上 げ 開 始 を 予 想 先 行 き 景 気 は 回 復 基 調 が 持 続 しよう 11 年 の 成 長 率 は 同.3%を 予 想 する 11 年 前 半 は 輸 出 や 海 外 労 働 者 送 金 が 伸 び 悩 むとみられるほ か 昨 年 の 選 挙 に 伴 う 押 し 上 げ 効 果 の 反 動 で 成 長 ペースは 緩 やかとな ると 考 えられる しかし 年 後 半 は 海 外 経 済 の 回 復 傾 向 が 鮮 明 となること から 輸 出 や 海 外 労 働 者 送 金 の 増 加 ペースが 再 び 高 まり 成 長 ペースは 加 速 しよう 物 価 は 食 料 品 価 格 の 上 昇 に 伴 い 上 昇 しよう こうしたなか 中 銀 は 金 利 が 史 上 最 低 水 準 にあることから 金 利 正 常 化 を 推 進 すると 考 える 利 上 げの 開 始 時 期 は 景 気 再 加 速 の 兆 しがみられ 物 価 の 上 昇 基 調 が 一 段 と 高 まる 年 央 頃 と 予 想 する ( 注 )1 年 第 四 半 期 の 食 料 品 価 格 は 前 年 に 大 型 台 風 による 被 害 で 青 果 や 米 価 格 等 が 上 昇 した 影 響 で 比 較 的 安 定 していた ( 福 永 雪 子 ) 第 33 図 :フィリピンの 実 質 GDP 成 長 率 18 1 1 7 8 9 1 個 人 消 費 ( 年 ) 政 府 消 費 固 定 資 本 形 成 純 輸 出 在 庫 統 計 誤 差 ( 資 料 ) 統 計 局 より 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 経 済 調 査 室 作 成 第 3 図 :フィリピンの 消 費 者 物 価 上 昇 率 1 1 消 費 者 物 価 食 料 品 1 7 8 9 1 11 7

. その 他 アジア (1)インド 1 現 状 : 成 長 ペー スは 鈍 化 するも 堅 調 維 持 消 費 は 好 調 持 続 香 辛 料 やタマネ ギが 高 騰 中 銀 は 追 加 利 上 げ 実 施 インド 経 済 は 堅 調 に 推 移 している 7-9 月 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 8.9%と 前 期 ( 同 8.9%)に 続 き 高 い 伸 びとなった 需 要 項 目 別 にみる と 民 間 消 費 ( 同 +9.3%) 及 び 総 固 定 資 本 形 成 ( 同 +11.1%)が 景 気 を 牽 引 した 1 月 以 降 は 成 長 ペースは 鈍 化 しているものの 堅 調 を 維 持 している 1-1 月 期 の 鉱 工 業 生 産 は 前 年 比 +.9%と 高 成 長 を 記 録 した 前 年 の 反 動 で 前 期 ( 同 +8.9%)から 大 幅 に 鈍 化 したが 1-1 月 期 の 企 業 決 算 は 増 収 増 益 が 続 き 1 月 の PMI( 製 造 業 購 買 担 当 者 指 数 )は 前 月 から 持 ち 直 すなど 企 業 部 門 は 引 き 続 き 堅 調 といえる 消 費 は 好 調 を 維 持 している 1 年 に 過 去 最 高 を 記 録 した 乗 用 車 販 売 は 今 年 に 入 っても 好 調 で 1 月 の 販 売 台 数 は 3 カ 月 ぶりに 月 間 過 去 最 高 台 数 を 更 新 した 原 材 料 高 による 車 両 価 格 の 引 き 上 げにもかかわらず 所 得 拡 大 を 背 景 に 販 売 は 好 調 を 維 持 している 他 方 輸 出 は 前 年 の 反 動 要 因 が 剥 落 した 1 月 以 降 も 高 い 伸 びが 続 き 1 月 は 前 年 比 +3.%と 前 月 (+.%)から 加 速 した 1 月 も 3% 台 の 伸 びとなった 模 様 である 食 品 価 格 の 上 昇 を 受 け インフレ 圧 力 が 再 び 高 まっている 1 月 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比 9.%と 前 月 ( 同 8.3%)から 加 速 した とり わけ 香 辛 料 やタマネギの 価 格 が 高 騰 しており 政 府 は 1 月 にタマネギ をパキスタンから 輸 入 する 契 約 を 締 結 した インド 準 備 銀 行 (RBI 中 央 銀 行 )は インフレがピークアウトしたとみて 1 月 は 利 上 げを 見 送 った ものの 物 価 が 再 加 速 したことを 受 け 1 月 に 昨 年 3 月 以 降 7 度 目 の 利 上 げを 実 施 した( 現 行 :レポレート.% リバースレポレート.%) 見 通 し:11 年 度 の 成 長 率 は 8.% 今 後 のインド 経 済 を 展 望 すると 物 価 の 高 止 まりが 続 くことに 加 え 昨 年 来 の 利 上 げ 効 果 が 浸 透 することから 内 需 の 拡 大 ペースは 鈍 化 する ことが 見 込 まれる もっとも 所 得 拡 大 を 背 景 に 消 費 は 底 堅 く 推 移 する ことに 加 え 企 業 部 門 は 原 材 料 高 が 収 益 圧 迫 要 因 となるものの 中 期 的 な 需 要 増 大 を 背 景 に 設 備 投 資 は 拡 大 傾 向 が 続 くであろう 他 方 外 需 は 米 国 を 中 心 とした 先 進 国 経 済 の 回 復 傾 向 が 鮮 明 になる ことから 11 年 度 の 輸 出 は 前 年 度 の 3% 台 のペースから 鈍 化 するもの の 二 桁 増 を 維 持 する 見 込 みである このように インド 経 済 は 内 外 需 ともに 底 堅 く 推 移 することから 11 年 度 の 成 長 率 は 8.%と 前 年 度 (8.%)からやや 鈍 化 するものの 8% 台 の 高 成 長 が 続 くと 予 想 する 物 価 は 11 年 前 半 にかけては 食 品 価 格 を 中 心 に 高 止 まりが 続 く 公 算 が 大 きい 11 年 度 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 7.%と 1 年 度 (1.%) 8

から 鈍 化 するものの 高 水 準 を 予 想 する 食 品 価 格 は 天 候 要 因 による 供 給 の 減 少 に 加 え 消 費 の 拡 大 が 価 格 を 押 し 上 げている 中 銀 は 近 年 高 たんぱく 食 品 ( 卵 牛 乳 肉 など)の 消 費 量 が 増 加 しており こうし た 食 生 活 の 変 化 が 食 品 価 格 の 上 昇 圧 力 の 一 因 となっているとみている また 食 品 以 外 の 物 価 も 上 昇 していることから 中 銀 はインフレ 抑 制 ス タンスを 強 化 11 年 中 に bp の 追 加 利 上 げに 踏 み 切 ると 予 想 する ( 竹 島 慎 吾 ) ( 千 台 ) 1 1 - -1 第 3 図 :インドの 乗 用 車 販 売 乗 用 車 販 売 台 数 前 年 比 伸 び 率 1 7 8 9 1 11 8 - - 第 3 図 :インドの 物 価 と 政 策 金 利 18 1 消 費 者 物 価 (CPI) 卸 売 物 価 (WPI) 1 預 金 準 備 率 (CRR) レポ レート リバース レポ レート 1 1 8-7 8 9 1 ()ベトナム 1 現 状 :1 年 の 成 長 率 は.8%へ 加 速 インフレは 加 速 ベトナム 経 済 は 堅 調 に 推 移 している 第 四 半 期 の 実 質 GDP 成 長 率 は 前 年 比 7.3%と 前 期 ( 同 7.%)から 加 速 した この 結 果 1 年 の 成 長 率 は 同.8%と 前 年 ( 同.3%)を 上 回 り 政 府 目 標 ( 同.%)を 達 成 した 1 年 の 伸 びを 業 種 別 にみると 好 調 な 製 造 業 ( 前 年 比 +8.%) などに 支 えられた 鉱 工 業 建 設 業 ( 同 +7.7%)や サービス 業 ( 同 +7.%) が 伸 びを 高 めた 需 要 項 目 別 の 内 訳 は 公 表 されていないが 1 年 の 実 質 小 売 売 上 高 は 前 年 比 +1.%と 前 年 ( 同 +11.%)から 一 段 と 加 速 しており 雇 用 所 得 環 境 の 改 善 を 背 景 とする 個 人 消 費 が 成 長 を 牽 引 したと 考 えられる ま た 外 需 も 好 調 で 1 年 の 輸 出 は 71.3 億 ドル( 前 年 比 +.%)と マ イナスに 陥 った 前 年 から 大 幅 に 持 ち 直 した 一 次 産 品 や 縫 製 品 電 子 部 品 など 幅 広 い 品 目 の 輸 出 が 増 加 した 物 価 の 上 昇 圧 力 は 高 まっている 1 年 の 消 費 者 物 価 上 昇 率 は 前 年 比 9.%と 前 年 ( 同.9%)から 加 速 し 政 府 の 目 標 ( 同 8.%)を 上 回 っ た また 1 月 は 同 1.%と 3 カ 月 連 続 で 二 桁 台 の 伸 びが 続 いた 高 成 長 に 伴 う 内 需 の 拡 大 通 貨 安 による 輸 入 インフレの 進 行 食 料 品 価 格 の 上 昇 などが 物 価 の 上 昇 圧 力 となっている 中 銀 はグローバル 金 融 危 機 後 通 貨 の 安 定 とインフレ 抑 制 を 主 眼 に 9 9

月 に %ポイン トの 追 加 利 上 げ 実 施 年 1 月 1 年 11 月 の 回 に 亘 り 政 策 金 利 ( 基 準 金 利 再 割 引 金 利 公 定 歩 合 )をそれぞれ 1%ポイント 引 き 上 げ 11 年 月 には 再 割 引 金 利 のみを %ポイント 引 き 上 げた 現 行 水 準 は 基 準 金 利 9% 再 割 引 金 利 11% 公 定 歩 合 7%となっている 見 通 し:11 年 の 成 長 率 は.% 中 銀 過 去 最 大 の 通 貨 切 り 下 げを 実 施 一 段 のドン 安 が 進 行 するとイン フレ 加 速 再 切 り 下 げの 可 能 性 も 11 年 の 成 長 率 は.%と 前 年 ( 同.8%)より 小 幅 鈍 化 するものの 堅 調 を 維 持 しよう 年 前 半 雇 用 の 改 善 と 所 得 増 加 による 内 需 の 拡 大 が 続 く 一 方 外 需 の 伸 びの 鈍 化 により 成 長 ペースはやや 緩 やかになると 考 える 年 後 半 は 海 外 経 済 の 回 復 基 調 が 鮮 明 となると 予 想 されることから 輸 出 の 拡 大 を 起 点 に 成 長 ペースは 再 び 加 速 しよう 月 11 日 中 銀 はドンの 対 ドル 為 替 レートを 9.3% 切 り 下 げることを 発 表 した 同 時 に1ドンの 対 米 ドル 許 容 変 動 幅 をコアレート±3%から 同 ± 1%へ 縮 小 すること コアレートを 実 勢 レートに 合 わせて 弾 力 的 に 調 整 することを 決 定 した 今 回 のドンの 切 り 下 げ 幅 は 過 去 最 大 で 9 年 以 降 の 切 り 下 げ 幅 は 累 計 で 約 1%に 達 した ベトナムでは 根 強 いドル 需 要 を 背 景 に 公 定 レー トと 実 勢 レートが 乖 離 する 二 重 相 場 が 度 々 発 生 しているが 特 に 昨 年 1 月 以 降 は 追 加 切 り 下 げ 懸 念 などからドン 売 り 圧 力 が 高 まり 実 勢 レ ートは 11 月 末 には 過 去 最 安 値 となる 1 ドル=1, ドンを 記 録 した 昨 年 後 半 格 付 け 機 関 3 社 がベトナムの 長 期 債 の 信 用 格 付 けを 相 次 いで 引 き 下 げたことも ( 注 ) ドンの 信 任 を 損 なうものだったと 考 えられる 中 銀 は 従 前 より 年 内 ( 旧 暦 )の 切 り 下 げ を 否 定 していたことから 年 明 け 直 後 の 切 り 下 げはある 程 度 織 り 込 まれていたが 切 り 下 げ 幅 は 市 場 の 想 定 を 上 回 るものだった 中 銀 は 大 幅 切 り 下 げで 実 勢 レートに 一 気 に 近 づけると 同 時 に 追 加 切 り 下 げ 懸 念 を 払 拭 することを 狙 ったとみら れ その 点 は 評 価 できる しかし 肝 心 のドンの 先 安 感 の 払 拭 には 至 っていない 今 回 中 銀 が コアレートを 実 勢 レートに 合 わせて 弾 力 的 に 調 整 する としたことを 市 場 は 一 層 のドル 高 の 容 認 と 受 け 取 り 切 り 下 げ 後 も 実 勢 レートはドン 安 傾 向 が 続 いている 実 勢 レートは 昨 年 11 月 以 降 既 に, ドンを 越 える 水 準 で 推 移 して いたことから 今 回 の 切 り 下 げによるインフレへの 影 響 は 限 定 的 とみら れる ただし 今 後 一 段 のドン 安 が 進 行 すれば インフレ 加 速 の 要 因 と なり 得 るほか 中 銀 が 再 切 り 下 げを 迫 られる 可 能 性 もあろう 1 月 には 年 に 一 度 の 共 産 党 大 会 が 開 催 され 年 にかけての 成 長 目 標 は 7~8%に 設 定 された 今 後 高 成 長 を 持 続 するには 外 資 の 活 用 が 不 可 欠 となるなか 政 府 は 通 貨 の 安 定 への 対 応 を 迫 られている 3

( 注 ) 格 下 げ 理 由 は 1 経 常 赤 字 を 主 因 とする 国 際 収 支 バランスの 悪 化 外 貨 準 備 高 の 減 少 3インフレの 加 速 経 営 危 機 に 陥 り 昨 年 末 に 債 務 不 履 行 を 出 したベトナ ム 造 船 工 業 総 公 社 (ビナシン) 問 題 など ( 福 永 雪 子 ) 第 37 図 :ベトナムの 実 質 GDP 成 長 率 1 1 GDP 農 林 水 産 業 鉱 工 業 建 設 業 サービス 業 1 8 7 8 9 1 ( 年 ) 第 38 図 : ベトナムの 為 替 動 向 (ドン/ドル), 公 定 レート(market rate) 1, 実 勢 レート(unofficial rate) コアレート/ 下 限 (core rate, under limit), コアレート/ 上 限 (core rate, upper limit) コアレート(core rate) 19, 18, 17, 1, 1, 8/ 8/1 9/ 9/1 1/ 1/1 ( 年 / 月 ) ( 資 料 ) 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 ホーチミン 支 店 提 供 資 料 より 経 済 調 査 室 作 成 照 会 先 : 経 済 調 査 室 ( 次 長 佐 久 間 ) TEL:3-3-3 E-mail: koji_sakuma@mufg.jp 当 資 料 は 情 報 提 供 のみを 目 的 として 作 成 されたものであり 金 融 商 品 の 売 買 や 投 資 など 何 らかの 行 動 を 勧 誘 するものではありません ご 利 用 に 関 しては すべてお 客 様 御 自 身 でご 判 断 下 さいますよう 宜 しくお 願 い 申 し 上 げます 当 資 料 は 信 頼 できると 思 われる 情 報 に 基 づいて 作 成 されていますが 当 室 はその 正 確 性 を 保 証 するものではありません 内 容 は 予 告 なしに 変 更 することがありますので 予 めご 了 承 下 さい また 当 資 料 は 著 作 物 であり 著 作 権 法 により 保 護 されております 全 文 または 一 部 を 転 載 する 場 合 は 出 所 を 明 記 してください また 当 資 料 全 文 は 弊 行 ホームページ http://www.bk.mufg.jp でもご 覧 いただけます 31