このマニュアルは 医 療 機 関 等 に 勤 務 する 医 療 従 事 者 が 万 が 一 医 療 行 為 看 護 や 介 護 に よる HIV 曝 露 事 故 に 遭 遇 した 時 に 速 やかに 感 染 予 防 の 行 動 がとれるよう 基 本 的 な 対 応 につ いて 記 載 したものです



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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

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< 一 般 医 療 機 関 向 け> 曝 露 事 故 等 によるHIV 感 染 防 止 のための 予 防 服 用 マニュアル 医 療 事 故 緊 急 対 応 用 平 成 28 年 3 月 香 川 県 エ イ ズ 対 策 協 議 会 香 川 県 健 康 福 祉 部 薬 務 感 染 症 対 策 課

このマニュアルは 医 療 機 関 等 に 勤 務 する 医 療 従 事 者 が 万 が 一 医 療 行 為 看 護 や 介 護 に よる HIV 曝 露 事 故 に 遭 遇 した 時 に 速 やかに 感 染 予 防 の 行 動 がとれるよう 基 本 的 な 対 応 につ いて 記 載 したものです マニュアル 作 成 にあたりましては 香 川 県 におけるエイズ 対 策 の 総 合 的 な 推 進 について 必 要 な 事 項 を 協 議 する 香 川 県 エイズ 対 策 協 議 会 と エイズ 診 療 治 療 の 拠 点 となる 病 院 である5か 所 のエイズ 治 療 拠 点 病 院 にご 協 力 をいただきました ここに 厚 くお 礼 申 し 上 げます 医 療 機 関 等 において HIV 曝 露 事 故 が 発 生 した 時 には 当 マニュアルにより HIV の 感 染 が 防 止 されることを 望 みます 香 川 県 健 康 福 祉 部 薬 務 感 染 症 対 策 課 長 < 参 考 資 料 > 平 成 26 年 度 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 エイズ 対 策 研 究 事 業 (エイズ 対 策 政 策 研 究 事 業 ) HIV 感 染 症 及 びその 合 併 症 の 課 題 を 克 服 する 研 究 班 抗 HIV 治 療 ガイドライン(2015 年 3 月 ) 独 立 行 政 法 人 国 立 国 際 医 療 センターエイズ 治 療 研 究 開 発 センター 血 液 体 液 曝 露 事 故 ( 針 刺 し 事 故 ) 発 生 時 の 対 応 東 京 都 エイズ 診 療 協 力 病 院 運 営 協 議 会 編 ( 東 京 都 福 祉 保 健 局 ) HIV 感 染 防 止 のための 予 防 服 用 マニュアル( 平 成 26 年 7 月 改 訂 版 )

目 次 マニュアル 使 用 上 の 注 意 1 曝 露 事 故 発 生 後 の 予 防 服 用 フローチャート( 緊 急 対 応 用 ) 2 エイズ 治 療 拠 点 病 院 一 覧 3 1 事 故 の 発 生 した 一 般 医 療 機 関 での 対 応 4 2 エイズ 治 療 拠 点 病 院 での 対 応 6 3 服 用 継 続 の 適 否 6 4 費 用 負 担 7 5 抗 HIV 薬 予 防 服 用 説 明 書 8 6 予 防 服 用 に 推 奨 される 各 薬 剤 の 服 用 方 法 と 副 作 用 9 ( 様 式 ) 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 および 依 頼 書 11 附 属 資 料 使 用 済 み 医 療 器 具 由 来 のHIV 等 の 感 染 予 防 について( 依 頼 ) 13 ( 平 成 13 年 9 月 27 日 付 け 厚 生 労 働 省 健 康 局 疾 病 対 策 課 長 ほか 通 知 ) C 型 肝 炎 エイズ 及 びMRSA 感 染 症 に 係 る 労 災 保 険 における 取 扱 いについて( 抄 ) 15 ( 平 成 5 年 10 月 29 日 付 け 労 働 省 労 働 基 準 局 長 通 知 )

マニュアル 使 用 上 の 注 意 Ⅰ 医 療 事 故 によるHIV 感 染 を 防 止 するためには 事 故 後 できるだけ 早 く 抗 HIV 薬 の 服 用 を 開 始 する 必 要 があります (8ページ 抗 HIV 薬 予 防 服 用 説 明 書 参 照 のこと) Ⅱ 予 防 服 用 を 開 始 するかどうかは 医 療 事 故 により 曝 露 にあった 医 療 従 事 者 本 人 が 自 己 決 定 しなければなりません Ⅲ 予 防 服 用 に 際 しては インフォームドコンセントが 必 要 ですが 事 故 が 起 こってからインフ ォームドコンセントを 行 うのでは 速 やかな 予 防 服 用 が 困 難 であるため 医 療 従 事 者 に はあらかじめ 予 防 服 用 や 副 作 用 についての 知 識 を 周 知 しておき 事 故 が 発 生 した 場 合 にどう 対 応 するかを 決 定 しておくための 事 前 教 育 が 必 要 です 特 に 医 療 事 故 担 当 医 は 当 マニュアルや 附 属 資 料 をよく 読 み 理 解 しておく 必 要 があります Ⅳ このマニュアルに 基 づき エイズ 治 療 拠 点 病 院 に 抗 HIV 薬 の 投 与 を 依 頼 するには 必 ず 本 人 の 同 意 書 と 医 療 事 故 担 当 医 の 依 頼 書 を 提 出 してください Ⅴ 服 用 開 始 後 4 週 間 の 服 用 を 継 続 するかどうか 及 び 服 用 継 続 に 問 題 が 有 る 場 合 の 対 処 法 は 曝 露 者 がエイズ 治 療 拠 点 病 院 の 医 師 と 相 談 の 上 決 定 するべきです Ⅵ このマニュアルは 医 療 機 関 において HIV 感 染 の 恐 れのある 曝 露 事 故 が 発 生 した 場 合 に エイズ 治 療 拠 点 病 院 に 受 診 するまでの 緊 急 対 応 用 として 作 成 したものです - 1 -

HIV 感 染 のおそれのある 曝 露 事 故 が 発 生 した 場 合 は 以 下 の 曝 露 事 故 発 生 後 の 予 防 服 用 フローチャート( 緊 急 対 応 用 ) に 従 って 対 応 する フローチャートの 詳 細 については マニュア ル 4 ページ 以 降 を 参 照 のこと 曝 露 事 故 発 生 後 の 予 防 服 用 フローチャート( 緊 急 対 応 用 ) 一 曝 露 事 故 発 生 般 応 急 処 置 医 療 事 故 担 当 医 に 報 告 で き る だ け 早 く ( 二 時 医 療 機 HIV 陽 性 血 液 または 陽 性 が 強 く 疑 われる 血 液 ( ) ニューモシスティス 肺 炎 クリ プトコッカス 髄 膜 炎 等 の 症 状 があり HIV 陽 性 であることが 推 定 できる 血 液 希 望 あり YES インフォームドコンセント 予 防 服 用 の 希 望 の 有 無 妊 娠 の 有 無 確 認 希 望 なし NO 予 防 服 用 不 必 要 第 1 回 目 の 服 用 の 適 否 は 曝 露 者 本 人 が 自 己 決 定 する 経 過 観 察 間 以 関 自 院 対 応 エイズ 治 療 拠 点 病 院 へ 電 話 連 絡 内 に ) エ イ ズ 治 療 拠 点 病 院 第 1 回 目 の 服 用 は 事 故 後 できるだけ 早 く 行 う 基 本 的 な 服 用 期 間 は 4 週 間 である 服 用 継 続 及 び 継 続 に 関 する 問 題 に ついては エイズ 治 療 拠 点 病 院 医 師 に 相 談 する 同 意 書 依 頼 書 作 成 エイズ 治 療 拠 点 病 院 に 受 診 同 意 書 依 頼 書 の 提 出 薬 剤 受 領 服 用 服 用 継 続 の 判 断 エイズ 治 療 拠 点 病 院 3ページ 参 照 - 2 -

エ イ ズ 治 療 拠 点 病 院 病 院 名 所 在 地 代 表 電 話 番 号 担 当 科 連 絡 先 等 診 療 時 間 外 の 緊 急 時 連 絡 先 香 川 大 学 医 学 部 附 属 病 院 香 川 県 立 中 央 病 院 高 松 赤 十 字 病 院 四 国 こどもとおとなの 医 療 センター 三 豊 総 合 病 院 木 田 郡 三 木 町 大 字 池 戸 1750-1 連 絡 先 : 医 事 課 外 来 係 時 間 外 受 付 担 当 者 へ 連 絡 TEL:087-898-5111 TEL:087-898-5111( 代 表 ) TEL:087-891-2334( 代 表 ) 高 松 市 朝 日 町 1 丁 目 2-1 担 当 科 : 血 液 内 科 管 理 日 直 者 へ 連 絡 TEL:087-811-3333 TEL:087-811-3333( 代 表 ) TEL:087-811-3333( 代 表 ) 高 松 市 番 町 4 丁 目 1-3 担 当 科 : 血 液 内 科 当 直 者 等 へ 連 絡 TEL:087-831-7101 連 絡 先 : 医 療 社 会 事 業 課 TEL:087-831-7101( 内 線 1175) TEL:087-831-7101( 代 表 ) 善 通 寺 市 仙 遊 町 2 丁 目 1-1 担 当 科 : 小 児 科 当 直 者 等 へ 連 絡 TEL:0877-62-1000 TEL:0877-62-1000( 代 表 ) TEL:0877-85-7777( 代 表 ) 観 音 寺 市 豊 浜 町 姫 浜 708 番 地 担 当 科 : 内 科 当 直 者 等 へ 連 絡 TEL:0875-52-3366 TEL:0875-52-3366( 代 表 ) TEL:0875-52-3366( 代 表 ) < 注 > 診 療 等 の 状 況 により 連 絡 をしたエイズ 治 療 拠 点 病 院 で 必 ずしも 対 応 できるとは 限 りません そ の 場 合 は 他 のエイズ 治 療 拠 点 病 院 にご 連 絡 ください - 3 -

1 事 故 の 発 生 した 一 般 医 療 機 関 での 対 応 (1) 曝 露 事 故 発 生 曝 露 事 故 とは 針 刺 し 事 故 や 鋭 利 な 医 療 器 具 による 切 創 等 皮 内 への HIV 汚 染 血 液 の 曝 露 及 び 粘 膜 や 傷 のある 皮 膚 への 血 液 等 感 染 性 体 液 の 曝 露 をさす (2) 応 急 処 置 曝 露 事 故 が 発 生 した 場 合 は 血 液 又 は 体 液 に 曝 露 された 創 部 又 は 皮 膚 を 石 鹸 と 流 水 に よって 十 分 に 洗 浄 する (3) 医 療 事 故 担 当 医 に 報 告 曝 露 者 は 事 故 の 発 生 時 刻 状 況 程 度 事 故 の 原 因 となった 患 者 の 症 状 等 を 直 ちに 院 内 の 医 療 事 故 担 当 医 に 報 告 する (4) HIV 陽 性 血 液 及 び 陽 性 が 強 く 疑 われる 血 液 陽 性 が 強 く 疑 われる 血 液 とは HIV 抗 体 検 査 の 結 果 は 不 明 だが ニューモシスティス 肺 炎 クリプトコッカス 髄 膜 炎 等 の 症 状 があり HIV 陽 性 であることが 推 定 できる 血 液 をさす (5) 妊 娠 の 有 無 確 認 妊 娠 の 有 無 を 確 認 し 可 能 な 場 合 は 妊 娠 反 応 検 査 を 実 施 する (6) インフォームドコンセント 医 療 事 故 担 当 医 は 事 故 の 状 況 を 確 認 し 8ページ 抗 HIV 薬 予 防 服 用 説 明 書 により 予 防 服 用 の 効 果 について 説 明 する 曝 露 者 は 予 防 服 用 の 利 益 と 不 利 益 を 考 慮 して 服 用 を 開 始 するかどうか 自 己 決 定 する その 際 担 当 医 は 曝 露 者 のプライバシー 保 護 について 十 分 に 留 意 する 必 要 がある なお 院 内 での 感 染 報 告 経 路 については 1 服 薬 開 始 の 迅 速 性 2プライバシーの 保 護 を 考 慮 し 可 能 な 範 囲 で 短 縮 するべきである 診 療 所 の 医 師 等 で 曝 露 者 が 医 療 事 故 担 当 医 を 兼 ねている 場 合 などは 自 身 で 判 断 す る (7) エイズ 治 療 拠 点 病 院 へ 事 前 電 話 連 絡 自 院 で 予 防 服 用 のための 処 方 が 困 難 で エイズ 治 療 拠 点 病 院 ( 以 下 拠 点 病 院 とい う )に 予 防 投 与 を 依 頼 する 場 合 は 3ページ エイズ 治 療 拠 点 病 院 一 覧 により 必 ず 事 前 に 拠 点 病 院 の 担 当 者 に 電 話 連 絡 する (8) 同 意 書 依 頼 書 作 成 曝 露 者 が 予 防 服 用 を 希 望 する 場 合 は 11ページ 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 に 曝 露 者 自 身 が 署 名 する - 4 -

予 防 投 与 を 依 頼 する 場 合 は 医 療 事 故 担 当 医 は 11 ページ 抗 HIV 予 防 投 与 依 頼 書 を 記 載 し 署 名 する (9) エイズ 治 療 拠 点 病 院 に 受 診 薬 剤 受 領 服 用 事 故 後 できるだけ 早 く( 可 能 であれば2 時 間 以 内 に) 服 用 開 始 するため 拠 点 病 院 を 緊 急 受 診 した 場 合 は 当 該 病 院 に 同 意 書 および 依 頼 書 を 提 出 して 薬 剤 を 受 領 後 直 ちに 第 1 回 目 の 服 用 を 行 う (10) その 他 原 因 となった 患 者 の 抗 体 検 査 が 未 実 施 の 場 合 は 必 ず 患 者 の 同 意 を 得 た 上 で 抗 体 検 査 ( 迅 速 検 査 など)を 実 施 する 原 因 となった 患 者 への HIV 抗 体 検 査 の 同 意 を 得 る 場 合 に 最 低 限 伝 えるべき 内 容 ( 注 )プライバシーが 守 れる 環 境 で 告 げる 針 刺 し 事 故 がおきましたので HIV 抗 体 検 査 をさせてください 結 果 は 判 り 次 第 お 伝 えし ます (スクリーニング 検 査 を 行 う 場 合 : 抗 体 検 査 には 偽 陽 性 の 場 合 もあり 確 定 診 断 がでるま では 時 間 がかかります ) 万 が 一 HIV に 感 染 されている 場 合 でも 現 在 は 良 い 治 療 法 や 社 会 の 支 援 制 度 があるの で 心 配 いりません - 5 -

2 エイズ 治 療 拠 点 病 院 での 対 応 (1) 事 前 準 備 電 話 で 緊 急 の 予 防 投 与 の 依 頼 を 受 けた 拠 点 病 院 は 事 故 後 できるだけ 早 く 1 回 目 の 服 用 が 可 能 となるよう 直 ちに 診 療 及 び 薬 剤 の 準 備 をする (2) 緊 急 診 療 薬 剤 処 方 拠 点 病 院 の 担 当 医 は 同 意 書 および 依 頼 書 に 記 載 されている 曝 露 者 の HIV 抗 体 HBs 抗 原 HB ワクチン 接 種 の 有 無 HCV 抗 体 を 確 認 後 自 院 で 扱 う 予 防 薬 の 内 服 や 副 作 用 につ いて 説 明 する 曝 露 者 の HIV 検 査 が 未 実 施 あるいは 不 明 の 場 合 は 当 該 検 査 を 実 施 した 後 に 上 記 説 明 を 行 う また 必 要 に 応 じて HBs 抗 原 HCV 抗 体 検 査 等 を 行 う 初 回 の 予 防 服 用 については 説 明 を 受 けて 曝 露 者 本 人 が 決 定 する 拠 点 病 院 では 曝 露 者 から 同 意 書 および 依 頼 書 を 受 領 する 服 用 開 始 前 には 活 動 性 B 型 肝 炎 腎 機 能 低 下 糖 尿 病 妊 娠 の 有 無 などを 確 認 する また 常 用 薬 がある 場 合 には 相 互 作 用 にも 注 意 する (3) 診 療 の 取 扱 い 原 則 として 一 般 外 来 患 者 と 同 様 にカルテを 作 成 し 処 方 せんの 発 行 により 予 防 薬 を 投 与 する (4) その 他 曝 露 事 故 の 発 生 した 一 般 医 療 機 関 で 妊 娠 反 応 検 査 が 実 施 できず 曝 露 者 から 妊 娠 反 応 検 査 の 依 頼 があった 時 は 拠 点 病 院 で 検 査 を 実 施 する 3 服 用 継 続 の 適 否 曝 露 後 予 防 の 服 用 については 4 週 間 (28 日 間 )の 服 用 が 推 奨 されているが 事 故 後 緊 急 に 予 防 服 用 をした 曝 露 者 は 服 用 継 続 の 適 否 について 拠 点 病 院 医 師 と 相 談 のうえ 決 定 し 併 せ て HIV 検 査 を 実 施 する 拠 点 病 院 医 師 は 感 染 の 有 無 について 必 要 な 期 間 評 価 する - 6 -

4 費 用 負 担 抗 HIV 薬 の 予 防 服 用 については 健 康 保 険 の 給 付 の 対 象 ではないが HIV の 感 染 源 である HIV 保 有 者 の 血 液 等 に 業 務 上 接 触 したことに 起 因 し 感 染 の 危 険 に 対 して 有 効 であると 認 めら れる 場 合 は 労 災 保 険 の 給 付 の 対 象 となるので 所 管 の 労 働 基 準 監 督 署 に 相 談 すること 労 災 保 険 における 取 扱 いについては 附 属 資 料 15 ページ 参 照 平 成 5 年 10 月 29 日 付 け 基 発 第 619 号 ( 平 成 22 年 9 月 9 日 付 け 基 発 0909 第 1 号 により 改 正 ) 労 働 省 労 働 基 準 局 長 通 知 C 型 肝 炎 エイズ 及 び MRSA 感 染 症 に 係 る 労 災 保 険 における 取 扱 いについて < 参 考 > C 型 肝 炎 エイズ 及 び MRSA 感 染 症 に 係 る 労 災 保 険 における 取 扱 いについて より 抜 粋 2 エイズについて (3) 労 災 保 険 上 の 取 扱 い エイズについては 現 在 HIV 感 染 が 判 明 した 段 階 で 専 門 医 の 管 理 下 に 置 か れ 定 期 的 な 検 査 とともに 免 疫 機 能 の 状 態 をみてHIVの 増 殖 を 遅 らせる 薬 剤 の 投 与 が 行 われることから HIV 感 染 をもって 療 養 を 要 する 状 態 とみるものである したがって 医 療 従 事 者 等 が HIV の 感 染 源 である HIV 保 有 者 の 血 液 等 に 業 務 上 接 触 したことに 起 因 して HIV に 感 染 した 場 合 には 業 務 上 疾 病 として 取 り 扱 われ るとともに 医 学 上 必 要 な 治 療 は 保 険 給 付 の 対 象 となる イ 血 液 等 に 接 触 した 場 合 の 取 扱 いの 場 合 (イ) ( 略 ) (ロ) 療 養 の 範 囲 a ( 略 ) b ( 略 ) c 受 傷 等 の 後 HIV 感 染 の 有 無 が 確 認 されるまでの 間 に 行 われた 抗 HIV 薬 の 投 与 は 受 傷 等 に 起 因 して 体 内 に 侵 入 した HIV の 増 殖 を 抑 制 し 感 染 を 防 ぐ 効 果 があることから 感 染 の 危 険 に 対 し 有 効 であると 認 められる 場 合 には 療 養 の 範 囲 として 取 り 扱 う - 7 -

5 抗 HIV 薬 予 防 服 用 説 明 書 次 の 感 染 予 防 のための 服 薬 についての 説 明 文 書 を 良 く 読 み 服 用 の 意 義 注 意 点 等 につい て 確 認 して 下 さい ( =チェック 欄 ) 服 用 の 意 義 針 刺 し 事 故 などで HIV 汚 染 血 液 等 に 曝 露 した 場 合 の 感 染 リスクは B 型 C 型 肝 炎 と 比 較 し てかなり 低 く B 型 肝 炎 の 1/100 C 型 肝 炎 の 1/10 程 度 で 針 刺 し 事 故 においては 約 0.3% 粘 膜 の 曝 露 においては 約 0.09%と 報 告 されています また 感 染 直 後 に AZT(アジドチミジン 別 名 を ZDV 抗 HIV 薬 )を 服 用 することで そのリスクを 約 80% 低 下 させると 言 われています そして 現 在 行 われている 抗 HIV 薬 による 多 剤 併 用 療 法 を 行 うことで 曝 露 後 の 予 防 効 果 は さらに 高 まると 考 えられています 予 防 服 用 により 100% 感 染 を 防 げるわけではありませんが 予 防 服 用 を 強 くすすめる 理 由 はこのためです 服 用 の 意 義 を 理 解 し 次 に 進 んで 下 さい 服 用 に 当 たっての 注 意 点 感 染 予 防 の 効 果 をあげるためには 事 故 後 できるだけ 早 く( 可 能 であれば2 時 間 以 内 に) 予 防 薬 を 服 用 するのが 望 ましく 24~36 時 間 以 後 では 効 果 が 減 弱 する 可 能 性 があります 予 防 服 用 期 間 については 通 常 4 週 間 の 継 続 服 用 が 必 要 と 考 えられています 妊 娠 しているあるいは 妊 娠 の 可 能 性 がある 場 合 至 急 妊 娠 の 有 無 を 調 べて 下 さい 今 回 の 基 本 治 療 については 妊 娠 初 期 での 胎 児 への 安 全 性 は 確 認 されておりません 妊 婦 の 場 合 医 師 と 大 至 急 服 薬 について 相 談 して 下 さい しかし 胎 児 への HIV 感 染 予 防 のために DHHS(アメリカ 合 衆 国 保 健 社 会 福 祉 省 )ガイドラ インで HIV 抗 体 陽 性 の 妊 婦 に 対 して 抗 HIV 薬 内 服 が 推 奨 されています 妊 娠 していて も 抗 HIV 薬 の 服 用 は 可 能 ですが その 場 合 は 服 用 開 始 前 服 用 開 始 後 も 拠 点 病 院 に 受 診 または 相 談 して 下 さい B 型 肝 炎 の 既 往 がある 場 合 抗 HIV 薬 は B 型 肝 炎 の 治 療 薬 として 使 われるものがあります B 型 肝 炎 の 既 往 がある 場 合 は エイズ 治 療 拠 点 病 院 医 師 への 相 談 が 必 要 です 予 防 服 用 される 抗 HIV 薬 の 注 意 点 および 副 作 用 準 備 されている 薬 剤 は 拠 点 病 院 によって 異 なることがあります 感 染 を 予 防 する 利 益 と 副 作 用 による 不 利 益 を 考 えた 上 で 予 防 服 用 が 必 要 と 判 断 された 場 合 には 少 しでも 早 く 服 用 を 開 始 することをお 勧 めします - 8 -

6 予 防 服 用 に 推 奨 される 各 薬 剤 の 服 用 方 法 と 副 作 用 予 防 服 用 に 用 いる 代 表 的 な 薬 剤 予 防 服 用 に 用 いる 薬 剤 はキードラッグとバックボーンから1つずつ 選 択 する [ 推 奨 選 択 ] RAL (アイセントレス) 1 錠 400mg 1 回 1 錠 1 日 2 回 + TDF/FTC(ツルバダ) 1 錠 1 回 1 錠 1 日 1 回 [ 代 替 選 択 ] ツルバタは TDF:ビリアード 300mg と FTC:エムトリバ 200mg の 合 剤 内 服 中 の 常 用 薬 との 相 互 作 用 投 与 後 の 副 作 用 等 にて 推 奨 薬 剤 のいずれか あるいは 両 方 が 使 用 できない 場 合 代 替 選 択 の HIV 薬 に 変 更 する 場 合 がある 以 下 に 代 替 選 択 として 考 えられる 主 な 薬 剤 をあげる RAL (アイセントレス)の 代 替 薬 剤 : DRV (プリジスタナイーブ) +RTV(ノービア) LPV/RTV(カレトラ) ATV(レイアタッツ) +RTV(ノービア) TDF/FTC(ツルバダ)の 代 替 薬 剤 : ABC/3TC(エプジコム) AZT/3TC(コンビビル) キードラッグ RAL (アイセントレス) or DRV(プリジスタナイーブ)+RTV(ノービア) or LPV/RTV(カレトラ) or ATV(レイアタッツ)+RTV(ノービア) + バックボーン TDF/FTC (ツルバダ) or ABC/3TC(エプジコム) or AZT/3TC(コンビビル) - 9 -

抗 HIV 治 療 ガイドライン(2015 年 3 月 ) に 記 載 されている 薬 剤 から 抜 粋 代 表 的 な 副 作 用 のみを 掲 載 しています 詳 細 は 薬 剤 添 付 文 章 を 参 照 してください [ 第 1 推 奨 ] RAL アイセントレス TDF/FTC ツルバダ 薄 橙 色 の 錠 剤 1 錠 400mg 1 回 1 錠 1 日 2 回 服 用 副 作 用 は 比 較 的 少 ない 従 来 の 抗 HIV 薬 と 比 較 しても 副 作 用 や 薬 物 相 互 作 用 が 少 ない 青 色 の 錠 剤 1 回 1 錠 1 日 1 回 服 用 TDF と FTC の 合 剤 である 副 作 用 は 各 薬 剤 説 明 を 参 照 開 始 時 には 慢 性 B 型 肝 炎 関 連 事 項 と 急 性 腎 不 全 に 注 意 する [ 第 2 推 奨 ] DRV プリジスタナイーブ RTV ノービア ETR インテレンス RPV エジュラント ATV レイアタッツ LPV/RTV カレトラ DGT テビケイ TDF ビリアード FTC エムトリバ 3TC エピビル AZT/3TC コンビビル AZT レトロビル STB スタリビルド 1 錠 800mg の 場 合 ( 暗 赤 色 の 錠 剤 ) 1 回 1 錠 1 日 1 回 食 時 中 もしくは 食 直 後 1 錠 400mg の 場 合 ( 薄 橙 色 の 錠 剤 ) 1 回 2 錠 1 日 1 回 食 時 中 もしくは 食 直 後 必 ず RTV(ノービア 錠 )1 錠 と 併 用 する 事 故 後 に 食 事 不 可 であれば 早 期 内 服 を 優 先 2 回 目 以 降 は 食 後 に 服 用 する 副 作 用 : 発 疹 嘔 気 下 痢 など 白 色 の 錠 剤 1 錠 100mg 1 回 1 錠 1 日 1 回 食 後 服 用 DRV や 代 替 選 択 の ATV を 投 与 する 際 に 効 果 を 高 めるために 併 用 する 副 作 用 : 嘔 気 下 痢 など 白 色 の 錠 剤 1 錠 100mg 1 回 2 錠 1 日 2 回 食 後 服 用 空 腹 時 や 高 繊 維 食 の 服 用 では 薬 の 吸 収 が 悪 くなる 副 作 用 : 発 疹 下 痢 悪 心 白 色 の 錠 剤 1 錠 25mg 1 回 1 錠 1 日 1 回 食 時 中 もしくは 食 直 後 副 作 用 : 頭 痛 悪 心 不 眠 症 浮 動 性 めまい 異 常 な 夢 青 色 のカプセル 1カプセ 150mg の 場 合 1 回 2 カプセル 1 日 1 回 服 用 食 時 中 もしくは 食 直 後 本 剤 の 溶 解 には 胃 酸 の 存 在 が 重 要 であり 空 腹 時 における 内 服 では 血 中 濃 度 が 大 きく 低 下 してしまう 食 事 中 または 食 直 後 に 服 用 する また 制 酸 剤 服 用 中 の 場 合 には 血 中 濃 度 が 低 下 するため 使 用 できない 副 作 用 : 発 疹 嘔 気 黄 疸 腎 結 石 リポジストロフィー 黄 色 の 錠 剤 通 常 1 回 2 錠 1 日 2 回 服 用 1 回 4 錠 1 日 1 回 服 用 も 可 副 作 用 : 嘔 気 下 痢 発 疹 肝 機 能 障 害 高 脂 血 症 など 黄 色 の 錠 剤 1 錠 50mg 1 回 1 錠 1 日 1 回 服 用 副 作 用 : 悪 心 下 痢 頭 痛 水 色 の 錠 剤 1 錠 300mg 1 回 1 錠 1 日 1 回 事 故 後 に 食 事 不 可 であれば 早 期 内 服 を 優 先 2 回 目 以 降 は 食 後 に 服 用 する B 型 肝 炎 患 者 の 服 用 の 場 合 服 用 中 止 時 に 肝 炎 が 悪 化 することがある 副 作 用 : 腹 部 膨 満 感 腎 機 能 障 害 青 と 白 のカプセル 1 カプセル 200mg 1 回 1 カプセル 1 日 1 回 服 用 副 作 用 は 比 較 的 少 ない B 型 肝 炎 患 者 の 服 用 の 場 合 服 用 中 止 時 に 肝 炎 が 悪 化 することがある 白 色 の 錠 剤 1 錠 150mg 1 回 1 錠 1 日 2 回 服 用 副 作 用 : 肝 機 能 障 害 脂 質 増 加 貧 血 下 痢 嘔 気 白 色 の 錠 剤 1 回 1 錠 1 日 2 回 服 用 B 型 肝 炎 患 者 の 服 用 の 場 合 服 用 中 止 時 に 肝 炎 が 悪 化 することがある 副 作 用 : 食 欲 不 振 嘔 気 貧 血 など 白 色 のカプセル 1カプセル 100mg 1 回 2 3 カプセルを 1 日 2 回 副 作 用 : 貧 血 白 血 球 減 少 嘔 気 好 中 球 減 少 顆 粒 球 減 少 食 欲 不 振 緑 色 の 錠 剤 1 回 1 錠 1 日 1 回 食 事 中 または 食 直 後 B 型 肝 炎 患 者 の 服 用 の 場 合 服 用 中 止 時 に 肝 炎 が 悪 化 することがある 副 作 用 : 悪 心 下 痢 異 常 な 夢 頭 痛 - 10 -

< 取 扱 注 意 > 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 私 は HIV 汚 染 血 液 等 曝 露 後 の 抗 HIV 薬 予 防 服 用 における 利 益 と 不 利 益 について 説 明 を 受 け 十 分 に 理 解 しました 私 は 自 らの 意 志 により 予 防 服 用 を 希 望 します エイズ 治 療 拠 点 病 院 病 院 長 殿 年 月 日 署 名 抗 HIV 薬 予 防 投 与 依 頼 書 曝 露 者 事 故 状 況 氏 名 生 年 月 日 年 月 日 生 性 別 男 女 妊 娠 の 有 無 無 有 ( 週 ) 現 在 服 用 中 の 薬 剤 ( ) HIV 抗 体 ( + - 不 明 ) HBs 抗 原 ( + - 不 明 ) HCV 抗 体 ( + - 不 明 ) HB ワクチン 接 種 ( 有 無 ) その 他 発 生 日 時 年 月 日 時 分 発 生 事 故 針 刺 し 切 創 粘 膜 汚 染 皮 膚 汚 染 原 因 患 者 HIV 抗 体 陽 性 陽 性 疑 の 病 状 HBs 抗 原 ( + - 不 明 ) HCV 抗 体 ( + - 不 明 ) その 他 上 記 の 者 は HIV 感 染 のおそれがあり 予 防 服 用 についての 説 明 に 同 意 があったので 抗 HIV 薬 の 投 与 を 依 頼 します エイズ 治 療 拠 点 病 院 病 院 長 殿 年 月 日 時 分 医 療 機 関 所 在 地 医 療 機 関 名 連 絡 先 担 当 医 署 名 - 11 -

附 属 資 料

各 都 道 府 県 衛 生 主 管 部 ( 局 ) 長 殿 健 疾 発 第 7 0 号 健 感 発 第 5 2 号 医 薬 安 発 第 139 号 平 成 13 年 9 月 27 日 厚 生 労 働 省 健 康 局 疾 病 対 策 課 長 厚 生 労 働 省 健 康 局 結 核 感 染 症 課 長 厚 生 労 働 省 医 薬 局 安 全 対 策 課 長 使 用 済 み 医 療 器 具 由 来 のHIV 等 の 感 染 予 防 について( 依 頼 ) 今 般 別 添 1 のとおり 使 用 済 み 医 療 器 具 由 来 が 疑 われるHIV 感 染 症 例 がエイズ 動 向 委 員 会 に 報 告 されたところである 当 該 報 告 は 医 療 機 関 内 の 清 掃 業 従 事 者 へのHIV 感 染 の 可 能 性 を 指 摘 したものであ るが 本 件 に 限 らず 医 療 従 事 者 や 医 療 用 具 等 の 滅 菌 消 毒 業 務 に 従 事 している 者 等 に も 感 染 の 危 険 性 があること HIVのほか 肝 炎 ウイルス 等 による 感 染 の 危 険 性 も 考 えら れることから 当 該 従 事 者 の 健 康 を 確 保 する 観 点 から 幅 広 くこれらの 危 険 性 の 周 知 を 図 る 必 要 がある ついては 貴 職 におかれても 管 内 医 療 機 関 に 対 し 当 該 危 険 性 の 周 知 をお 願 いす る 記 1 医 療 機 関 に 対 し 使 用 済 み 医 療 器 具 を 安 全 かつ 適 切 に 処 理 し 使 用 済 み 医 療 器 具 由 来 のHIVや 肝 炎 ウイルス 等 に 感 染 を 起 こさないための 万 全 の 対 策 を 取 るよう 周 知 すること 2 医 療 機 関 内 清 掃 業 従 事 者 等 が 使 用 済 み 医 療 器 具 の 取 扱 いによりHIVに 感 染 した 可 能 性 がある 場 合 ( 針 刺 しを 起 こした 場 合 等 )は エイズ 拠 点 病 院 等 医 療 機 関 との 緊 密 な 連 携 を 図 り 平 成 11 年 8 月 30 日 付 健 医 疾 発 第 90 号 医 薬 安 第 105 号 厚 生 省 保 健 医 療 局 エイズ 疾 病 対 策 課 長 厚 生 省 医 薬 安 全 局 安 全 対 策 課 長 連 名 通 知 針 刺 し 事 故 後 のHIV 感 染 防 止 体 制 の 整 備 について ( 別 添 2)に 基 づく 適 切 な 対 応 を 図 るこ と また 肝 炎 ウイルスの 感 染 事 故 予 防 及 び 事 故 の 場 合 の 対 応 等 については 平 成 8 年 1 月 5 日 付 健 医 感 発 第 1 号 厚 生 省 保 健 医 療 局 エイズ 結 核 感 染 症 課 長 通 知 ウイルス 肝 炎 感 染 防 止 対 策 の 啓 発 普 及 について ( 別 添 3)が 出 ているので 周 知 されたい 3 医 療 機 関 における 感 染 性 廃 棄 物 の 取 扱 いについて 平 成 4 年 8 月 13 日 付 衛 環 第 234 号 厚 生 省 生 活 衛 生 局 水 道 環 境 部 長 通 知 感 染 性 廃 棄 物 の 適 正 処 理 について を 別 添 4として 添 付 するので 参 考 にされたいこと - 13 -

( 別 添 1) 医 療 機 関 内 の 清 掃 業 従 事 者 のエイズ 発 症 について 平 成 13 年 年 9 月 厚 生 労 働 省 健 康 局 疾 病 対 策 課 平 成 13 年 7 月 31 日 に 開 催 された 第 86 回 エイズ 動 向 委 員 会 ( 委 員 長 : 吉 倉 廣 国 立 感 染 症 研 究 所 長 )において 以 下 の 事 例 が 報 告 された 症 例 医 療 機 関 内 の 清 掃 業 従 事 中 に 使 用 済 み 医 療 器 具 による 針 刺 しを 頻 繁 に 起 こしていた 57 歳 の 日 本 人 男 性 が エイズ 発 症 のために 都 内 病 院 を 受 診 した 感 染 原 因 当 該 男 性 がすでに 死 亡 しており 国 が 本 症 例 を 特 定 して 更 なる 調 査 を 行 うことは 困 難 なために HIVの 感 染 経 路 を 針 刺 しとは 断 定 できなかった 今 後 の 対 応 医 療 機 関 内 の 清 掃 従 事 者 等 に 対 しては 使 用 済 み 医 療 器 具 によるHIV 感 染 の 危 険 性 について 改 めて 周 知 徹 底 する 必 要 があると 考 えられる 1 医 療 機 関 内 清 掃 業 者 等 への 更 なる 周 知 : 使 用 済 み 医 療 器 具 による 針 刺 しがあった 場 合 はHIV 感 染 の 危 険 性 があり その 際 は 初 期 対 応 が 必 要 なことについて 講 習 会 等 を 通 じて 更 なる 周 知 をお 願 いする なお 初 期 対 応 としては 国 立 国 際 医 療 セ ンターエイズ 治 療 研 究 開 発 センター/ 医 療 事 故 後 フローチャート( 別 添 2)を 参 考 にされたい 2 医 療 従 事 者 等 に 対 する 呼 びかけ: 清 掃 業 者 等 が 針 刺 しを 起 こさないような 使 用 済 み 医 療 器 具 の 取 扱 いを 呼 びかける 3 エイズ 動 向 委 員 会 への 報 告 : 以 上 の 対 応 後 の 経 過 をまとめ 第 87 回 エイズ 動 向 委 員 会 ( 本 年 10 月 23 日 開 催 予 定 )にて 報 告 する 別 添 2 3 4 ( 略 ) - 14 -

平 成 5 年 10 月 29 日 基 発 第 6 1 9 号 改 正 平 成 22 年 9 月 9 日 基 発 0 9 0 9 第 1 号 都 道 府 県 労 働 基 準 局 長 殿 労 働 省 労 働 基 準 局 長 C 型 肝 炎 エイズ 及 びMRSA 感 染 症 に 係 る 労 災 保 険 における 取 扱 いについて( 抄 ) 近 年 医 療 従 事 者 等 のC 型 肝 炎 や 我 が 国 において 感 染 者 が 増 加 している 後 天 性 免 疫 不 全 症 候 群 ( 以 下 エイズ という ) さらにはメチシリン 耐 性 黄 色 ブドウ 球 菌 ( 以 下 MR SA という ) 感 染 症 など 細 菌 ウイルス 等 の 病 原 体 による 感 染 症 について 社 会 的 関 心 が 高 まっていることから これらの 感 染 症 に 係 る 労 災 請 求 事 案 を 処 理 するため 今 般 標 記 について 下 記 のとおり 取 りまとめたので 今 度 の 取 扱 いに 遺 漏 のないよう 万 全 を 期 さ れたい 記 1 C 型 肝 炎 について (1)~(2) ( 略 ) (3) 労 災 保 険 上 の 取 扱 い ( 略 ) イ 血 液 等 に 接 触 した 場 合 の 取 扱 い (イ) 血 液 等 への 接 触 の 機 会 ( 略 ) (ロ) 療 養 の 範 囲 a( 略 ) b 受 傷 等 の 後 HCV 抗 体 検 査 等 の 検 査 ( 受 傷 等 の 直 後 に 行 われる 検 査 を 含 む )が 行 われた 場 合 には 当 該 検 査 結 果 が 業 務 上 外 の 認 定 に 当 たっての 基 礎 資 料 をして 必 要 な 場 合 もあることから 当 該 検 査 は 業 務 上 の 負 傷 に 対 する 治 療 上 必 要 な 検 査 と して 保 険 給 付 の 対 象 に 含 めるものとして 取 り 扱 うこととするが 当 該 検 査 は 医 師 がその 必 要 性 を 認 めた 場 合 に 限 られるものである なお 受 傷 等 以 前 から 既 に HCV に 感 染 していたことが 判 明 している 場 合 のほか 受 傷 等 の 直 後 に 行 われた 検 査 により 当 該 受 傷 等 以 前 から HCV に 感 染 していたこと が 明 らかとなった 場 合 には その 後 の 検 査 は 療 養 の 範 囲 には 含 まれないものである ロ C 型 肝 炎 の 発 症 が 確 認 された 場 合 の 取 扱 い ( 略 ) 2 エイズについて (1) 法 令 上 の 取 扱 い エイズは その 原 因 となる 病 原 体 がウイルスであり また 後 記 (2)のロに 示 す とおり 伝 染 性 疾 患 である したがって 業 務 に 起 因 する 医 療 従 事 者 等 のエイズについては 186 号 通 達 の 記 の 第 2の2の(6)のイの(ハ) 及 び(ニ)に 示 す ウイルス 性 肝 炎 等 に 含 ま れ 労 基 則 別 表 第 1の2 第 6 号 1 又 は5に 定 める 業 務 上 の 疾 病 に 該 当 するものであ る (2)エイズに 係 る 医 学 的 事 項 - 15 -

イ エイズの 病 像 等 エイズとは ヒト 免 疫 不 全 ウイルス( 以 下 HIV という )によって 体 の 免 疫 機 構 が 破 壊 され 日 和 見 感 染 症 ( 健 康 な 状 態 では 通 常 はり 患 しないが 免 疫 力 が 低 下 したときにしばしばり 患 する 感 染 症 ) 悪 性 腫 瘍 神 経 症 状 等 を 伴 うに 至 った 病 態 を いうものである また HIVの 感 染 によって 引 き 起 こされる 初 期 症 状 から これに 続 く 無 症 状 の 状 態 ( 以 下 無 症 候 性 キャリア という ) その 後 の 発 熱 下 痢 倦 怠 感 等 の 持 続 状 態 ( エイズ 関 連 症 候 群 ) さらに 病 期 が 進 行 してエイズと 診 断 される 病 態 までの 全 経 過 をまとめてHIV 感 染 症 という ロ 感 染 源 感 染 経 路 HIVは エイズ 患 者 及 びHIV 感 染 者 ( 以 下 HIV 保 有 者 という )の 血 液 等 に 含 まれているとされているが 感 染 源 として 重 要 なものは 血 液 精 液 及 び 膣 分 泌 液 である したがって HIVの 感 染 経 路 は HIV 保 有 者 との 性 的 接 触 による 感 染 HI Vに 汚 染 された 血 液 を 媒 介 した 感 染 ( 輸 血 注 射 針 等 による) 及 び 母 子 感 染 がある しかし 唾 液 感 染 や 昆 虫 媒 介 による 感 染 はなく また HIVに 汚 染 された 血 液 に 健 常 な 皮 膚 が 触 れただけでは 感 染 しないとされている ハ 潜 伏 期 間 HIV 感 染 後 エイズ 発 症 までの 潜 伏 期 間 については 3 年 以 内 が 約 10% 5 年 以 内 が 約 30% 8 年 以 内 が 約 50%であるといわれ 15 年 以 内 に 感 染 者 のほとんどがエイズ を 発 症 すると 推 定 されている ニ 症 状 等 (イ) 初 期 症 状 HIVに 感 染 しても 一 般 的 には 無 症 状 であるが 一 部 の 感 染 者 は 感 染 の 2 週 間 から 8 週 間 後 に 発 熱 下 痢 食 欲 不 振 筋 関 節 痛 等 の 感 冒 に 似 た 急 性 症 状 を 呈 することがあるといわれている この 急 性 症 状 は 2 週 間 から 3 週 間 続 いた 後 自 然 に 消 退 して 無 症 候 性 キャリアにな るとされている (ロ)エイズ 関 連 症 候 群 無 症 候 性 キャリアの 時 期 を 数 年 経 て その 後 全 身 性 のリンパ 節 腫 脹 1 か 月 以 上 続 く 発 熱 や 下 痢 10% 以 上 の 体 重 減 少 倦 怠 感 等 の 症 状 が 現 れるとされており この 持 続 状 態 を エイズ 関 連 症 候 群 と 呼 んでいる なお このエイズ 関 連 症 候 群 には 軽 度 の 症 状 からエイズに 近 い 病 態 までが 含 まれ るものである (ハ)エイズ エイズ 関 連 症 候 群 がさらに 進 行 して 免 疫 機 能 が 極 端 に 低 下 すると カリニ 肺 炎 な どの 日 和 見 感 染 症 カポジ 肉 腫 などの 悪 性 腫 瘍 あるいはHIV 脳 症 による 神 経 症 状 などを 発 症 するとされている この 時 期 が エイズ と 呼 ばれる 病 態 で 複 数 の 日 和 見 感 染 症 を 併 発 することが 多 いとされている なお エイズの 予 後 は 不 良 であり 日 和 見 感 染 症 に 対 する 治 療 により 一 時 的 に 好 転 しても 再 発 を 繰 り 返 しやすく あるいは 他 の 日 和 見 感 染 症 を 合 併 して 次 第 に 増 悪 し エイズの 発 症 から 3 年 以 内 に 大 部 分 の 患 者 が 死 亡 するといわれている ホ 診 断 HIV 感 染 症 の 診 断 は 血 液 中 のHIV 抗 体 を 検 出 する 検 査 により 行 われるが ゼラ チン 粒 子 凝 集 法 (PA 法 ) 等 のスクリーニング 検 査 によりHIV 抗 体 が 陽 性 と 判 定 され た 血 液 については さらに 精 度 の 高 いウエスタンブロット 法 等 による 確 認 検 査 が 行 われ これが 陽 性 であれば HIV 感 染 症 と 診 断 される なお HIV 抗 体 が 陽 性 となるのは 一 般 的 にHIV 感 染 の 6 週 間 から 8 週 間 後 であ るといわれている (3) 労 災 保 険 上 の 取 扱 い エイズについては 現 在 HIV 感 染 が 判 明 した 段 階 で 専 門 医 の 管 理 下 に 置 かれ - 16 -

定 期 的 な 検 査 とともに 免 疫 機 能 の 状 態 をみてHIVの 増 殖 を 遅 らせる 薬 剤 の 投 与 が 行 われることから HIV 感 染 をもって 療 養 を 要 する 状 態 とみるものである したがって 医 療 従 事 者 等 が HIVの 感 染 源 であるHIV 保 有 者 の 血 液 等 に 業 務 上 接 触 したことに 起 因 して HIV に 感 染 した 場 合 には 業 務 上 疾 病 として 取 り 扱 われる とともに 医 学 上 必 要 な 治 療 は 保 健 給 付 の 対 象 となる イ 血 液 等 に 接 触 した 場 合 の 取 扱 い (イ) 血 液 等 への 接 触 の 機 会 医 療 従 事 者 等 が HIVに 汚 染 された 血 液 等 に 業 務 上 接 触 する 機 会 としては 次 のような 場 合 が 考 えられ これらは 業 務 上 の 負 傷 として 取 り 扱 われる a HIVに 汚 染 された 血 液 等 を 含 む 注 射 針 等 ( 感 染 症 廃 棄 物 を 含 む )により 手 指 等 を 受 傷 したとき b 既 存 の 負 傷 部 位 ( 業 務 外 の 事 由 によるものを 含 む ) 眼 球 等 にHIVに 汚 染 された 血 液 等 が 付 着 したとき (ロ) 療 養 の 範 囲 a 前 記 (イ)に 掲 げる 血 液 等 への 接 触 ( 以 下 記 の2において 受 傷 等 とい う )の 後 当 該 受 傷 等 の 部 位 に 洗 浄 消 毒 等 の 処 置 が 行 われた 場 合 には 当 該 処 置 は 業 務 上 の 負 傷 に 対 する 治 療 として 取 り 扱 われるものであり 当 然 療 養 の 範 囲 に 含 まれるものである b 受 傷 等 の 後 に 行 われたHIV 抗 体 検 査 等 の 検 査 ( 受 傷 等 の 直 後 に 行 われる 検 査 を 含 む )については 前 記 1の(3)のイの(ロ)のbと 同 様 に 取 り 扱 う c 受 傷 等 の 後 HIV 感 染 の 有 無 が 確 認 されるまでの 間 に 行 われた 抗 HIV 薬 の 投 与 は 受 傷 等 に 起 因 して 体 内 に 侵 入 したHIVの 増 殖 を 抑 制 し 感 染 を 防 ぐ 効 果 があることから 感 染 の 危 険 に 対 し 有 効 であると 認 められる 場 合 には 療 養 の 範 囲 として 取 り 扱 う ロ HIV 感 染 が 確 認 された 場 合 の 取 扱 い (イ) 業 務 起 因 性 の 判 断 原 則 として 次 に 掲 げる 要 件 をすべて 満 たす 者 については 業 務 に 起 因 するもの と 判 断 される a HIVに 汚 染 された 血 液 等 を 取 り 扱 う 業 務 に 従 事 し かつ 当 該 血 液 等 に 接 触 した 事 実 が 認 められること( 前 記 イの(イ) 参 照 ) b HIVに 感 染 したと 推 定 される 時 期 から 6 週 間 ないし 8 週 間 を 経 てHIV 抗 体 が 陽 性 と 診 断 されていること( 前 記 (2)のホ 参 照 ) c 業 務 以 外 の 原 因 によるものでないこと (ロ) 療 養 の 範 囲 前 記 (イ)の 業 務 起 因 性 が 認 められる 場 合 であって HIV 抗 体 検 査 等 の 検 査 によりHIVに 感 染 したことが 明 らかになった 以 後 に 行 われる 検 査 及 びHIV 感 染 症 に 対 する 治 療 については 業 務 上 疾 病 に 対 する 療 養 の 範 囲 に 含 まれるもので ある 3 MRSA 感 染 症 について ( 略 ) 4 報 告 等 (1)エイズについて 労 災 保 険 給 付 の 請 求 が 行 われた 場 合 には 補 504 労 災 保 険 の 情 報 の 速 報 の1の(1)のロの(ニ)に 該 当 する 疾 病 として 速 やかに 本 省 あて 報 告 すること (2)C 型 肝 炎 ( 他 のウイルス 肝 炎 を 含 む ) エイズ 及 びMRSA 感 染 症 に 係 る 事 案 に 関 し その 業 務 起 因 性 について 疑 義 がある 場 合 には 関 係 資 料 を 添 えて 本 省 あ て 協 議 すること - 17 -