目 次 1.1 概 要 1.2 寿 命 分 布 1.3 累 積 ハザード 法 によるワイブルパラメータの 推 定 1.4 実 験 の 手 順 1.5 考 察 とレポートの 作 成
1.1 概 要
ライフサイクルエンジニアリング 3 資 源 環 境 問 題 の 深 刻 化 から, 従 来 型 の,モノを 社 会 に 供 給 するという 生 産 システムの 役 割 の 見 直 しが 求 められている. 社 会 が 求 めているのはモノそのものではなく,モノが 提 供 してくれる 機 能 である.したがって,モノは 循 環 させながら, 社 会 へ 機 能 を 提 供 する ことができれば, 環 境 負 荷 を 増 大 させることなく, 社 会 へ 必 要 な 機 能 を 提 供 することが 可 能 になる.このような 生 産 の 考 え 方 を 循 環 型 生 産 と 呼 ぶ. ライフサイクルエンジニアリングとは, 循 環 型 生 産 を 実 現 するために 必 要 な, 製 品 ライフサイクルの 計 画, 実 現, 評 価 のための 工 学 である. 本 実 験 では, 製 品 ライフサイクルの 計 画 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 を, ライフサイクルシミュレーションを 通 じて 学 ぶ.
実 験 のスケジュール 4 第 1 週 : 寿 命 分 布 とその 推 定 寿 命 の 概 念 累 積 ハザード 法 によるワイブル(Weibull) 分 布 の 推 定 第 2 週 : 部 品 寿 命 と 部 品 リユース 部 品 リユースの 仕 組 み ライフサイクルシミュレーション(LCS) LCSによる 部 品 リユースと 部 品 寿 命 との 関 係 の 把 握 第 3 週 : 部 品 リユースのための 部 品 共 通 化 戦 略 部 品 リユースのための 部 品 共 通 化 戦 略 LCSによるライフサイクルシナリオの 評 価
1.2 寿 命 分 布
製 品 部 品 の 機 能 と 寿 命 6 製 品 や 部 品 の 寿 命 は, 基 本 的 には, 要 求 される 機 能 とそれらが 実 現 する 機 能 が 次 の 関 係 を 満 たさなくなったときに 尽 きると 考 えられる. 要 求 機 能 レベル < 実 現 機 能 レベル 機 能 レベル 実 現 機 能 寿 命 故 障 要 求 機 能 時 間
寿 命 データ 7 いま,ある 台 数 の 機 器 を 一 斉 に 使 い 始 めたとする. 時 間 の 経 過 とともに 機 器 に 故 障 が 発 生 した 場 合, 故 障 した 機 器 は 修 理 せずに 廃 棄 するとする.この 結 果, 残 存 機 器 数 ( 故 障 せずに 稼 動 している 機 器 数 )は 時 間 とともに 減 少 し ていく.このとき, 各 機 器 の 使 用 開 始 から 故 障 するまでの 時 間 を 集 めたもの が 寿 命 データである. 観 測 時 間 と 故 障 数 機 器 番 号 1 2 3 4 5 x t 3 x t 1 x t 2 r=0 r=1 r=2 r=3 r=4 r=5 x t 5 x t 4 時 間 残 存 機 器 数 の 変 化 残 存 機 器 数 0 t 3 t 1 t 2 t 5 t 4 時 間
寿 命 データの 整 理 8 20 15 10 5 各 時 間 区 間 で 故 障 した 機 器 数. 後 述 の, 故 障 時 間 密 度 関 数 f (t) に 対 応. 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 100 時 間 70 60 50 40 30 20 10 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 100 時 間 各 時 間 区 間 の 最 初 の 時 点 にお ける 残 存 数. 後 述 の, 信 頼 度 関 数 R (t) に 対 応.
信 頼 度 関 数, 故 障 時 間 分 布 関 数, 故 障 時 間 密 度 関 数 9 [ 信 頼 度 関 数 ] 横 軸 に 動 作 時 間, 縦 軸 に 初 期 台 数 に 対 する 残 存 機 器 の 割 合 をとると, 時 間 とともに 単 調 に 減 少 する 曲 線 が 得 られる.これを, 信 頼 度 関 数 と 呼 び,R(t) で 表 す. [ 故 障 時 間 分 布 関 数 ] 一 方, 縦 軸 に 故 障 の 累 積 数 を 初 期 台 数 で 規 格 化 した 値 をとると, 使 い 始 めてから 機 器 が 故 障 するまでの 動 作 時 間 の 分 布 関 数 となる.これを, 故 障 時 間 分 布 関 数 と 呼 び,F(t) で 表 す.これ は, 信 頼 度 関 数 と 次 の 関 係 がある. F(t) = 1 R(t) 信 頼 度 関 数 故 障 時 間 分 布 関 数 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 時 間 時 間 [ 故 障 時 間 密 度 関 数 ] 故 障 時 間 分 布 関 数 が 微 分 可 能 なとき, f(t) = df(t)/dt を 故 障 時 間 密 度 関 数 という.これは, 時 間 間 隔 (t, t+dt) において 機 器 が 故 障 する 確 率 を 示 す. 故 障 時 間 密 度 関 数 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0 時 間
故 障 時 間 分 布 関 数 と 故 障 時 間 密 度 関 数 の 計 算 10 寿 命 試 験 の 結 果 をもとに,R(t), F(t), f(t)の 求 め 方 を 考 える. 機 器 使 用 開 始 後 の 経 過 時 間 をt (t = 0, 1, 2,...)で 表 し, N(0): 使 用 開 始 時 点 での 機 器 の 総 数 N(t): 時 刻 t で 故 障 していない 機 器 の 数 ( 残 存 数 ) N(t 1) N(t): 時 間 区 間 (t 1, t] において 故 障 した 機 器 の 数 とすると, R(t) = N(t) N(0) = N(0) N(t) F(t) = = N(0) 残 存 機 器 数 総 機 器 数 累 積 故 障 機 器 数 総 機 器 数 N(t 1) N(t) 故 障 機 器 数 f(t) = = N(0) 総 機 器 数
故 障 率 11 [ 故 障 率 ] ある 時 点 で 残 存 している 機 器 のうち,その 後 の 単 位 時 間 に 故 障 するものの 残 存 数 に 対 する 割 合 を 故 障 率 という. 故 障 機 器 数 故 障 率 = 残 存 機 器 数 [ 故 障 率 関 数 ] 時 刻 t まで 故 障 しなかったという 条 件 のもとで, 時 間 間 隔 (t, t+dt)で 故 障 する 確 率 は 次 式 で 表 され,これを 故 障 率 関 数 と 呼 ぶ. f ( t) ( t) R( t) 前 頁 の 表 現 にならえば, t i-1 ~ t i 間 での 故 障 数 { N( t 1) N( t)} ( t) N( t 1) t i-1 における 残 存 数 となる(f (t)との 違 いに 注 意 する). 残 存 数 t i-1 t i 時 間
バスタブ 曲 線 12 機 器 の 故 障 分 布 は,その 原 因 となる 劣 化 故 障 の 特 性 に 依 存 する. 複 雑 な 機 器 の 場 合 は, そのライフサイクルの 中 で, 故 障 の 特 性 が 変 化 し, 次 の3つの 期 間 に 分 けられる. 初 期 故 障 期 : 機 器 の 使 用 開 始 直 後 は, 設 計 製 造 上 の 欠 陥 によって 初 期 故 障 が 発 生 する 可 能 性 があるが, 時 間 とともにこれらの 原 因 が 取 り 除 かれる.このため,この 期 間 の 故 障 率 は, 時 間 とともに 減 少 するDFR(Decreasing Failure Rate) 型 となる. 偶 発 故 障 期 : 機 器 が 安 定 して 作 動 している 状 態 では, 故 障 は 偶 発 的 に 発 生 すると 考 えられ る.そのために, 故 障 率 は 一 定 のCFR(Constant Failure Rate) 型 となる. 摩 耗 故 障 期 : 構 成 要 素 の 劣 化 が 進 展 し 始 めるために, 故 障 率 が 時 間 とともに 増 加 するIFR (Increasing Failure Rate) 型 となる. 以 上 のことから, 機 器 の 故 障 率 は, 時 間 とともに 下 図 のように 変 化 すると 考 えられる.これを その 形 状 からバスタブカーブ(bath-tub curve)と 呼 ぶ. 故 障 率 初 期 故 障 期 偶 発 故 障 期 摩 耗 故 障 期 規 定 の 故 障 率 時 間
故 障 時 間 密 度 関 数 と 寿 命 13 故 障 は, 確 率 的 に 起 きる 事 象 と 考 えられるので,それによって 規 定 される 寿 命 も 確 率 分 布 に 従 うことになる.このような 場 合 の 寿 命 の 設 定 に 用 いられる のが,MTTF(Mean Time To Failure; 平 均 故 障 寿 命 )やB10ライフである. MTTF t f ( t) dt f ( t) dt 0. 1 0 10 B 0 となる 時 間 f(t) f(t) 10% MTTF 時 間 B 10 ライフ 時 間
1.3 累 積 ハザード 法 による ワイブルパラメータの 推 定
ワイブル 分 布 15 代 表 的 な 故 障 時 間 分 布 関 数 としてワイブル 分 布 が 知 られている. これは,スウェーデンの 科 学 者 W. Weibullが1939 年 材 料 の 破 壊 強 度 の 分 布 として 提 唱 したものである. 3つのパラメータ( 形 状 パラメータ, 尺 度 パラメータ, 位 置 パラメータ)に より 様 々な 寿 命 データに 適 合 可 能 である. t F( t) 1 exp f ( t) m t m 1 m 1 m t exp m t ( t) ( として) また, 平 均 故 障 時 間 は, 以 下 の 式 で 与 えられる. 1 MTTF 1 m m t, m, m : 形 状 パラメータ : 尺 度 パラメータ : 位 置 パラメータ
ワイブル 分 布 のパラメータ 16 形 状 パラメータ m: 分 布 形 が 変 わる. 故 障 率 関 数 とは 以 下 の 関 係 がある. m<1:dfr 型 m=1:cfr 型 ( 指 数 分 布 に 一 致 ) m>1:ifr 型 尺 度 パラメータ : 時 間 の 単 位 を 与 える.これにより 時 間 軸 が 伸 縮 される. 位 置 パラメータ : 時 間 軸 の 原 点 を 移 動 する( 本 実 験 では 以 後 0 とする). 0.10 0.08 0.06 0.04 m 1 2 m 1 m 4 0.10 0.08 0.06 m 2 m 1 0.04 m 1 2 m 2 0.02 0.00 0 10 20 30 40 50 f(t)とmの 関 係 時 間 0.02 m 4 0.00 0 10 20 30 40 50 (t)とmの 関 係 時 間
累 積 ハザード 法 による 故 障 分 布 の 推 定 17 故 障 分 布 がワイブル 分 布 に 従 うと 仮 定 して, 寿 命 データから,ワイブル 分 布 のパラメータを 推 定 し,F(t), f(t), (t)を 求 めることを 考 える. そのための 方 法 として, 一 般 に 広 く 用 いられている 累 積 ハザード 法 を 適 用 する. 一 般 に, 故 障 率 (t) と 信 頼 度 R(t) の 間 には 以 下 の 関 係 がある. R( t) exp{ ( t) dt} 故 障 率 は 医 学 統 計 の 分 野 ではハザード 関 数 (あるいは,ハザード レイ ト)と 呼 ばれている.この 値 を 時 間 (0, t) で 積 分 したものを 累 積 ハザード 関 数 と 呼 び,H(t) で 表 す. t 0 H ( t) ( t) dt F(t)=1 R(t)から, F( t) 1 e t 0 H ( t) となり, 累 積 ハザード 関 数 H(t) と 分 布 関 数 F(t) とは1 対 1の 関 係 にある. これより, F(t)を 求 めるためには, H(t)を 推 定 すればよいことが 分 かる.
累 積 ハザードの 求 め 方 18 時 点 t i における 故 障 率 (ハザード) (t i )は, 以 下 により 推 定 できる. ( t ) t i ( ti, ti t i t) における 故 障 機 器 数 における 未 故 障 機 器 数 したがって, 累 積 ハザードは, t 0 のとき 近 似 的 に 以 下 の 式 で 求 まる. Hˆ ( t) i: t t i ( ti, ti t i t) における 故 障 機 器 数 における 未 故 障 機 器 数 故 障 台 数 t i t i + t t 真 壁 肇, 信 頼 性 工 学 入 門, 日 本 規 格 協 会
累 積 ハザードの 求 め 方 19 具 体 的 には, 以 下 のような 表 を 作 成 して, 累 積 ハザードを 推 定 することができる. が 故 障 の 発 生 を 示 している. ハザードは,その 時 間 区 間 での 故 障 数 ( 一 つずつ 故 障 するので1)を 直 前 の 未 故 障 数 で 割 って 求 められる. 寿 命 データ データ 順 位 (i) 故 障 ま での 時 間 t i の 直 前 における 未 故 障 数 (t i, t i + t) の 故 障 数 ハザード の 推 定 値 累 積 ハザードH(t i )の 推 定 値 t 1 1 t 1 5 1 1/5 1/5 t 2 2 t 2 4 1 1/4 1/5+ 1/4 t 3 3 t 3 3 1 1/3 1/5+ 1/4+1/3 t 4 4 t 4 2 1 1/2 1/5+ 1/4+1/3+1/2 t 5 5 t 5 1 1 1/1 1/5+ 1/4+1/3+1/2+1/1
ワイブルパラメータの 推 定 20 前 頁 の 表 より 求 まった H(t) にワイブル 関 数 を 当 てはめて,ワイブルパラメータを 推 定 する. ワイブル 分 布 の 分 布 関 数 F(t) は, = 0 として, F( t) 1 e t これと, F( t) 1 e から, t H ( t) 両 辺 の 自 然 対 数 をとれば, ln H ( t) m m H ( t) m ln t m ln ここで,ln H(t) = Y, ln t = X, m ln = B とおけば, Y mx B これより, 図 に 示 すように, 縦 軸 に lnh(t), 横 軸 に ln t をとって H(t i ) をプロットした ものに 直 線 を 当 てはめ,その 傾 きと X 軸 切 片 より,m と を 求 めることが 出 来 る. Y x ln H ( t) 傾 きが m を 与 える x x X ln t 0=m lnt m ln より が 求 まる
1.4 実 験 の 手 順
実 験 の 手 順 22 (0) 来 週 の 準 備 :ライフサイクルシミュレータのインストール (1) 実 験 器 具 の 確 認 (2) Excelを 用 いたワイブル 分 布 の 計 算 Excelでワイブル 分 布 の 計 算 とそのグラフ 表 示 ができるようにして,パラ メータの 変 化 によりワイブル 分 布 の 形 がどのように 変 化 するかを 調 べる. (3) シャボン 膜 の 寿 命 測 定 針 金 の 輪 の 中 に,シャボン 液 の 膜 をつくり,その 寿 命 を 測 定 する. (4) 累 積 ハザード 法 によるワイブルパラメータの 推 定 Excelを 用 いて, 累 積 ハザードを 求 める 表 を 作 成 する. 表 を 基 に, lnh(t) を Y 軸 に,lnt を X 軸 にとったグラフを 描 き, 形 状 パラメータ m と 尺 度 パラメータ を 求 め,シャボン 液 膜 の 寿 命 分 布 の 特 性 を 調 べる.
23 (0) 次 週 の 準 備 :ライフサイクルシミュレータのインストール(1) LABFSRV01 common 経 営 システム 入 門 実 験 B LCE LCS フォルダを 自 分 のPCのデスクトップにコピーする. フォルダ 内 の setup.msi をダブルクリックし, 下 記 の 手 順 でインストー ルを 行 う.
24 (0) 次 週 の 準 備 :ライフサイクルシミュレータのインストール(2) スタート RecycleSim を 右 クリックし, プロパティ 互 換 性 管 理 者 として 実 行 する にチェックを 入 れる.
1 (0) 次 週 の 準 備 :ライフサイクルシミュレータのインストール(3) シミュレータのファイルメニューから 開 く を 選 択 し,デスクトップの LCS フォルダ 内 の test.prj を 選 択 し, 開 く を 押 す. 右 上 の, 次 へ を4 回 押 す. 左 下 の シミュレーションの 実 行 を 押 す. データ 変 換 が 終 了 しました.プログラムを 終 了 します. のメッセージ が 出 ればテストは 完 了. OK ボタンを 押 して,プログラムを 終 了 する 2 4:4 回 押 す 5: 結 果 保 存 先 が, C: RecycleSim Result になっていることを 確 認 する 6 25 3 7
(1) 実 験 器 具 の 確 認 26 各 班 に 写 真 1で 示 す 実 験 器 具 がそろっていることを 確 認 する. シャボン 液 ( 後 から 配 布 する) ストップ ウォッチ 針 金 トレイ 写 真 1 実 験 器 具
(2) Excelを 用 いたワイブル 分 布 の 計 算 27 LABFSRV01 common 経 営 システム 入 門 実 験 B LCE 第 1 週 フォルダ 内 の Weibul 雛 形.xls を 自 分 のPCのデスクトップにコピーし, ファイル 名 を 半 角 の 学 籍 番 号 ( 例 :1X15C001)に 変 更 する. Excelファイルを 開 き,ワイブル 分 布 のF(t),f(t), (t)を 求 める 式 をセル に 設 定 し,t を0~50まで 変 化 させたときの 各 値 を 求 める. この 際, 形 状 パラメータ m と 尺 度 パラメータ は, 別 のセルに 値 を 設 定 するようにし, 計 算 式 中 ではそのセルを 参 照 するようにする.なお, 位 置 パラメータ は 0 にしておく. 計 算 された F(t),f(t), (t) の 変 化 を 示 すグラフを 散 布 図 を 用 いて 描 く (マーカはつけない). 形 状 パラメータと, 尺 度 パラメータの 値 を 変 更 し,グラフの 形 がどのよう に 変 化 するかを 調 べる. 与 えた m と に 対 してMTTFとB10ライフを 求 める. MTTFは,Excel 上 で t f(t) を 累 積 して 求 める. B10ライフは,F(t)が 0.1 になる t を 求 める(ちょうどよい 値 にならないとき は 前 後 の 値 を 直 線 補 間 して 求 める).
(3) シャボン 液 膜 の 寿 命 測 定 28 針 金 で 写 真 2のような 輪 を 作 る. 大 きさはトレイにおさまれば 適 当 でよい. シャボン 液 をトレイに 深 さ1~2mm 程 度 入 れる. 輪 をシャボン 液 に 浸 けて 膜 を 張 らせる. 膜 をはってから, 消 えるまでの 時 間 をストップウォッチで 計 る.なるべく 条 件 を 一 定 にするように 姿 勢, 風 の 影 響 等 に 気 をつける. データは20サンプルとる. 結 果 は,ワイブル 分 布 を 計 算 したExcelファイルの 累 積 ハザード 法 のシートに 記 録 する. 写 真 2 針 金 で 輪 を 作 る 写 真 3 輪 にシャボン 液 の 膜 を つくり 寿 命 を 測 定 する
(4) 累 積 ハザード 法 によるワイブルパラメータの 推 定 29 Excelファイル 上 に, 累 積 ハザード 値 を 求 める 表 を 作 成 する. Y 軸 に lnh(t i ) を,X 軸 に lnt i をとってデータをプロットし( 散 布 図 を 使 う), これに 直 線 を 当 てはめる. 直 線 を 当 てはめるには,グラフのデータ 点 を 右 クリックして, 近 時 曲 線 の 追 加 機 能 を 使 用 する. 近 似 直 線 の 傾 きと X 切 片 からワイブルパラメータを 求 める. 近 似 直 線 の 式 を 表 示 させるには, 近 時 曲 線 の 追 加 のオプションタブで グラフに 数 式 を 表 示 する にチェックを 入 れる. 求 めたワイブルパラメータを,(1)で 作 成 したシートに 与 えて, F(t),f(t), (t)のグラフを 求 める. シャボン 液 膜 のMTTFとB10ライフを 求 める.
1.5 考 察 とレポートの 作 成
考 察 とレポートの 作 成 31 レポートには 以 下 のデータを 記 載 する. 累 積 ハザードの 計 算 表 lnh(t i ),lnt i をプロットし, 直 線 を 当 てはめたグラフ 近 似 直 線 式 求 めたワイブルパラメータ( 形 状 パラメータ, 尺 度 パラメータ) 求 めたワイブルパラメータを 用 いて 描 いた F(t),f(t), (t) のグラフ MTTF,B10ライフの 値 シャボン 液 膜 の 寿 命 分 布 に 関 して 以 下 の 考 察 を 行 う. 推 定 したワイブルパラメータの 値 から, 寿 命 分 布 の 特 性 を 考 察 する. 寿 命 に 影 響 する 要 因 を 考 察 する. 必 要 に 応 じて 追 加 実 験 を 行 い, 考 察 した 要 因 の 寿 命 への 影 響 度 合 いを 検 討 する. レポートの 提 出 レポートはMS-Wordで 作 成 し, 印 刷 したものを 提 出 する. レポートの 提 出 と 同 時 に 作 成 したExcelファイルを, LABFSRV01 common 経 営 システム 入 門 実 験 B LCE 第 1 週 提 出 フォル ダに 提 出 する.(ファイル 名 は, 半 角 の 学 籍 番 号 ( 例 :1X15C001)とする.) 実 験 時 間 内 に 完 成 できない 場 合 は,10 月 26 日 ( 月 )9:00までに 実 験 室 に 提 出 する.