SPI Japan 2008 プロセス 定 着 への 取 組 み ~テーラリングからはじまるプロセス 改 善 ~ 平 成 20 年 11 月 25 日 株 式 会 社 インテック SI 事 業 本 部 プロジェクトマネジメント 室 相 澤 武
目 次 1. 背 景 2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 -プロセス 定 義 展 開 定 着 の3 段 階 3.おわりに 1
1. 背 景 私 の 所 属 する 部 門 では エンタープライズ 系 システムの 構 築 に 取 り 組 んでおり そのプロジェクト 形 態 は 新 規 システム 開 発 既 存 システム 改 修 保 守 パッケージ 導 入 と 多 岐 に 渡 っている そのため 標 準 プロセスを 各 プロジェクトに 適 用 するにあたっては 該 当 するプロジェクトの 特 性 にあわせた 標 準 プロセスのテーラリングから はじめる 必 要 がある また テーラリングした 結 果 をもとに QAでチェックすべきプロセスを 選 択 しており テーラリングをきちんと 実 施 することが 標 準 プロセスを 定 着 させるうえでの 第 一 歩 となっている 2
1. 背 景 1-1. 標 準 プロセスについて 業 務 プロセス 標 準 IP3 とは INTEC Processes for best Performance and high Productivity (~ 良 いプロセスが 最 上 の 成 果 高 い 生 産 性 をもたらす~) マネジメントプロセス/プロジェクトマネジメント 標 準 (PMS) 立 ち 上 げ 計 画 実 行 監 視 コントロール 終 結 開 発 プロセス/ 開 発 プロセス 標 準 (DPS) 要 件 定 義 基 本 設 計 詳 細 設 計 プログラム 設 計 組 織 プロセス/ 組 織 プロセス 標 準 (GPS) 単 体 開 発 結 合 テスト システム テスト 2008 年 度 下 期 から 運 用 開 始 運 用 保 守 プロセス/ 運 用 保 守 プロセス 標 準 (OPS) 各 標 準 では プロセスや 工 程 毎 に 作 業 目 的 作 業 手 順 作 成 成 果 物 などを 定 義 している 3
1. 背 景 1-2.テーラリングによる 標 準 プロセスの 最 適 化 マネジメントプロセス プロジェクト 活 動 の 流 れ 開 発 プロセス 組 織 プロセス 立 ち 上 げ 計 画 実 行 監 視 コントロール 終 結 要 件 定 義 基 本 設 計 詳 細 設 計 プログラム 設 計 単 体 開 発 結 合 テスト システム テスト 認 定 計 画 QA 実 施 1QA 実 施 nqa 完 了 QA テーラリング 記 録 作 成 ( 計 画 ) テーラリング 記 録 見 直 し( 実 施 1) テーラリング 記 録 見 直 し( 実 施 n) テーラリング 記 録 の 見 直 しを QA 実 施 タイミングとあわせて 行 っている テーラリング 記 録 見 直 し( 完 了 ) 4
1. 背 景 1-3.これまでの 経 緯 2003 年 度 2004 年 度 2005 年 度 2006 年 度 2007 年 度 2008 年 度 プロセス 改 善 に 関 する 取 組 み 本 部 内 の 一 つの 開 発 部 門 を 対 象 本 部 内 の 全 ての 開 発 部 門 を 対 象 プロセス 定 着 への 取 組 み 6 月 CMMIベース (レベル2 相 当 ) のプロセス 改 善 活 動 を 開 始 4 月 CMMIレベル3 相 当 プロセスの 取 組 みを 開 始 ( 仕 組 み 作 り) 5 月 業 務 プロセス 標 準 (IP3+)の 本 部 標 準 化 宣 言 1 月 QA 専 任 化 開 始 第 1 期 (プロセス 定 義 ) 第 2 期 (プロセス 展 開 ) 第 3 期 (プロセス 定 着 ) 5
2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 2-1. 課 題 第 1 期 プロセス 定 義 フェーズ 標 準 プロセスのテーラリング は 組 織 としては はじめての 取 り 組 み 第 2 期 プロセス 展 開 フェーズ 不 慣 れなPM 上 位 管 理 者 は テーラリングの 方 法 がよくわからない 第 3 期 プロセス 定 着 フェーズ テーラリングノウハウの 共 有 化 ができていない 6
2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 2-2. 第 1 期 プロセス 定 義 フェーズ(1) ポイント 展 開 のための 準 備 を 万 全 に テーラリングガイドの 充 実 は 事 例 を 蓄 積 してから 課 題 標 準 プロセスのテーラリング は 組 織 としては はじめての 取 り 組 みで あったので テーラリング 作 業 のし 易 さ 再 利 用 の 際 のデータの 活 用 し 易 さ を 考 慮 する 必 要 があった 7
2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 2-2. 第 1 期 プロセス 定 義 フェーズ(2) 改 善 策 標 準 プロセスをテーラリングした 結 果 を 記 録 する 標 準 フォーマット テーラリング 記 録 を 定 義 した 演 習 形 式 のトレーニング テーラリング 実 習 の 実 施 8
2-2. 第 1 期 プロセス 定 義 フェーズ 2-2-1.テーラリング 記 録 とは テーラリング 記 録 の 目 的 部 門 における 典 型 的 なテーラリングパターンを 確 立 し それを 活 用 す ることで プロジェクトが 実 施 すべきプロセスを 明 確 化 しテーラリング 作 業 の 効 率 化 を 図 る テーラリング 記 録 の 構 成 プロジェクト 特 性 システム 特 性 テーラリング 記 録 (DPS) テーラリング 記 録 (PMS) 参 考 プロジェクト 9
2-2. 第 1 期 プロセス 定 義 フェーズ 2-2-2.テーラリング 記 録 -プロジェクト 特 性 - プロジェクトタイプ 新 規 システム 開 発 既 存 システム 改 修 保 守 パッケージ 導 入 開 発 プロジェクトの 規 模 と 期 間 開 発 規 模 受 注 金 額 要 員 数 開 発 期 間 開 発 対 象 システムの 特 性 システムの 重 要 度 システム 障 害 が 引 き 起 こす 結 果 の 大 きさ 対 象 (ビジネスアプリケーション 科 学 技 術 計 算 組 み 込 みシステム) システムの 複 雑 性 他 システムとの 相 互 接 続 性 移 行 の 難 易 度 セキュリティに 対 する 要 求 度 合 い 性 能 に 対 する 要 求 度 合 い 利 用 者 の 特 徴 (ユーザ 数 規 模 特 定 度 合 い) 保 守 性 再 利 用 性 に 対 する 要 求 度 合 い 10
2-2. 第 1 期 プロセス 定 義 フェーズ 2-2-3.テーラリング 記 録 -DPS- フェーズ 名 アクティビティ 名 タスク 名 入 力 成 果 物 1 要 件 定 義 1-1 要 件 の 調 査 と 分 析 1-1-1 現 行 業 務 /システム 調 査 現 行 業 務 /システムのドキュメント D1-01 D1-02 D1-03 D1-04 D1 05 1-1-2 情 報 ニーズの 調 査 D0-01 D0-02 システム 企 画 書 システム 提 案 書 アンケート/インタビュー 結 果 D1-06 D1-07 業 務 棚 卸 表 業 務 定 義 書 ( 現 行 ) 業 務 機 能 関 連 図 または 機 能 階 層 図 ( 現 行 ) 業 務 フロー 図 業 務 用 語 集 問 題 点 ニーズ 一 覧 表 問 題 点 ニーズ 分 析 表 計 画 時 テーラリング (タスク 単 位 の ) 結 果 理 由 ( の 場 合 ) D1-01 D1-02 D1-03 D1-04 D1 05 D1-06 D1-07 成 果 物 計 画 時 テーラリング ( 成 果 物 単 位 の ) 結 果 業 務 棚 卸 表 業 務 定 義 書 ( 現 行 ) 業 務 機 能 関 連 図 または 機 能 階 層 図 ( 現 行 ) 業 務 フロー 図 業 務 用 語 集 問 題 点 ニーズ 一 覧 表 問 題 点 ニーズ 分 析 表 の 場 合 は 理 由 の 場 合 は 代 替 成 果 物 名 特 異 用 語 が 存 在 しない 課 題 管 理 表 にて 代 替 課 題 管 理 表 にて 代 替 1-1-3 システム 化 課 題 の 設 定 D0-01 D0-02 1-1-4 システム 化 範 囲 の 検 討 D1-08 D1-09 システム 企 画 書 システム 提 案 書 現 行 業 務 /システムの 調 査 分 析 結 果 情 報 ニーズ 調 査 の 結 果 システム 化 基 本 方 針 システム 化 課 題 説 明 書 D1-08 D1-09 D1-10 D1-03 D1-11 システム 化 基 本 方 針 システム 化 課 題 説 明 書 プロジェクト 対 象 範 囲 説 明 書 ( 新 ) 業 務 機 能 関 連 図 または 機 能 階 層 図 外 部 インターフェース 仕 様 D1-08 D1-09 D1-10 D1-03 D1-11 システム 化 基 本 方 針 システム 化 課 題 説 明 書 プロジェクト 対 象 範 囲 説 明 書 ( 新 ) 業 務 機 能 関 連 図 または 機 能 階 層 図 外 部 インターフェース 仕 様 要 件 定 義 書 3-4 業 務 フローにて 代 替 課 題 管 理 表 にて 代 替 業 務 プロセス 標 準 で 定 義 し ているタスク/ 成 果 物 一 覧 計 画 時 テーラリング 結 果 理 由 ( の 場 合 ) D1-01 D1-02 D1-03 D1-04 D1-05 D1-06 D1-07 D1-08 D1-09 D1-10 D1-03 D1-11 成 果 物 計 画 時 テーラリング 結 果 業 務 棚 卸 表 業 務 定 義 書 ( 現 行 ) 業 務 機 能 関 連 図 または 機 能 階 層 図 ( 現 行 ) 業 務 フロー 図 業 務 用 語 集 問 題 点 ニーズ 一 覧 表 問 題 点 ニーズ 分 析 表 システム 化 基 本 方 針 計 画 時 テーラリング システム 化 課 題 説 明 書 欄 と プロジェクト 対 象 範 囲 説 明 書 ( 新 ) 業 務 機 能 関 連 図 または 機 能 階 層 図 外 部 インターフェース 仕 様 完 了 時 テーラリング 欄 がある の 場 合 は 理 由 の 場 合 は 代 替 成 果 物 名 特 異 用 語 が 存 在 しない 課 題 管 理 表 にて 代 替 課 題 管 理 表 にて 代 替 要 件 定 義 書 3-4 業 務 フローにて 代 替 課 題 管 理 表 にて 代 替 11
2-2. 第 1 期 プロセス 定 義 フェーズ 2-2-4.プロセス 定 着 に 向 けたトレーニング プロジェクト 活 動 の 流 れ マネジメントプロセス 開 発 プロセス 立 ち 上 げ 計 画 実 行 監 視 コントロール 終 結 要 件 定 義 基 本 設 計 詳 細 設 計 プログラム 設 計 単 体 開 発 結 合 テスト システム テスト PM PL 向 け 基 礎 研 修 標 準 の 概 要 説 明 課 題 (テーラリング)の 実 施 (PMS DPS 全 体 ) 上 級 SE 中 級 SE 向 け 基 礎 研 修 標 準 の 概 要 説 明 課 題 (テーラリング)の 実 施 (DPS 全 体 ) SE PG 向 け 基 礎 研 修 標 準 の 概 要 説 明 課 題 (テーラリング) の 実 施 (DPS3~6) 12
2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 2-3. 第 2 期 プロセス 展 開 フェーズ(1) ポイント テーラリングに 慣 れること 課 題 テーラリングの 方 法 がよくわからない テーラリングは 実 施 したが テーラリングの 結 果 実 施 しないと 決 めた プロセスの 実 施 しない 理 由 が 適 切 でないものが 多 かった 13
2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 2-3. 第 2 期 プロセス 展 開 フェーズ(2) 改 善 策 SEPGによるテーラリング 記 録 レビューの 実 施 テーラリングがはじめてのPM 上 位 管 理 者 が 担 当 するプロジェクトに はSEPGがテーラリング 記 録 作 成 レビューの 支 援 を 実 施 した テーラリング 記 録 の 分 析 展 開 フェーズ 後 半 では 蓄 積 したテーラリング 記 録 の 分 析 を 行 い 改 善 すべきプロセスの 洗 い 出 しを 実 施 した 14
2-3. 第 2 期 プロセス 展 開 フェーズ 2-3-1.テーラリング 記 録 の 分 析 以 下 の2 点 を 目 的 に 蓄 積 されたテーラリング 記 録 の 分 析 を 行 った 弱 点 プロセスの 発 見 と 実 施 のための 施 策 の 検 討 実 装 率 が 低 いプロセス できるための 施 策 を 検 討 すぐにプロセス 改 善 をするのではなく 実 施 するための 方 策 を 考 える 成 果 物 の 代 替 率 が 高 いもの 成 果 物 サンプルの 見 直 し(プロセス 資 産 ライブラリの 充 実 で 代 替 ) テーラリングノウハウの 整 理 テーラリング 時 の 留 意 点 テーラリングガイドの 説 明 の 充 実 化 プロジェクト 特 性 別 にみたテーラリング 傾 向 プロジェクト 特 性 別 のテーラリングパターンとして 整 備 15
2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 2-4. 第 3 期 プロセス 定 着 フェーズ(1) ポイント 専 任 QAによるチェック よくあるパターンについてはテーラリングも 定 着 してきた 課 題 特 殊 なテーラリングが 必 要 となるプロジェクトにおいてテーラリング 作 業 に 時 間 がかかる ノウハウの 横 展 開 ができていない 16
2.テーラリング 実 施 上 の 課 題 と 改 善 策 2-4. 第 3 期 プロセス 定 着 フェーズ(2) 改 善 策 テーラリング 記 録 作 成 時 の 留 意 点 の 作 成 テーラリング 記 録 上 の 不 備 を 削 減 するために テーラリング 記 録 作 成 時 の 留 意 点 をまとめ 周 知 した テーラリングパターンの 作 成 蓄 積 した テーラリング 記 録 を 分 析 し テーラリング 時 のサンプルとし て 参 照 できるように パターン 化 を 行 った パターン 化 するにあたっては テーラリングの 結 果 実 施 しないプロセ スが 多 いケースをピックアップした 17
2-4. 第 3 期 プロセス 定 着 フェーズ 2-4-1.テーラリング 記 録 作 成 時 の 留 意 点 テーラリング 記 録 作 成 に 不 慣 れなPMや 上 位 管 理 者 向 けに テーラリング 記 録 作 成 時 の 留 意 点 をチェックリスト 化 し 提 供 した 結 果 が の 場 合 その 理 由 が 正 しく 記 載 されているか 特 に 本 来 は 実 施 すべきとの 認 識 はあるが 阻 害 理 由 があり 結 果 と して 実 施 できなかったものについては 理 由 が 作 成 できなかった 等 の 結 果 だけではなく なぜできなかったかの 理 由 が 記 載 されてい ること 複 数 タスクをまとめて 実 施 する 場 合 の 記 入 要 領 結 合 テストとシステムテストをまとめて システムテストとして 実 施 す る 場 合 など テーラリング 記 録 上 どのように 記 入 すればよいかを 記 載 した 18
2-4. 第 3 期 プロセス 定 着 フェーズ 2-4-2.テーラリングパターンの 整 理 特 殊 なテーラリングが 必 要 となるプロジェクトをピックアップ 所 属 する 部 門 のプロジェクトタイプ 全 てをカバーするのではなく 特 殊 なテーラリングが 必 要 となるプロジェクトタイプをピックアップした 多 くのプロジェクトで 参 照 できるように 粒 度 はあまり 詳 細 化 せず プ ロジェクトタイプで 識 別 できる 粒 度 とする 粒 度 を 詳 細 化 しすぎてしまうと 汎 用 性 が 低 くなってしまうため タスクを 実 施 しない 場 合 の 理 由 の 充 実 を 図 った 19
2-4. 第 3 期 プロセス 定 着 フェーズ 2-4-3.テーラリングパターン 利 用 時 の 留 意 点 テーラリングパターンはあくまでも 雛 型 として 位 置 付 け テーラリ ングパターンを 使 用 したプロジェクトでの 更 なるテーラリングはOKと する テーラリングパターンは テーラリングを 行 う 際 の 雛 型 であり それを もとに 各 プロジェクトでのテーラリングを 行 う 運 用 とした また テーラリングパターンで 説 明 の 不 足 する 部 分 は 別 途 テーラリ ングガイド で 補 完 できるようにした 使 用 したテーラリングパターンを 記 録 に 残 すようにした 20
3.おわりに プロセス 定 義 展 開 定 着 の 各 フェーズで 改 善 をすすめ 現 在 テー ラリングパターンの 適 用 まで 到 達 した テーラリングパターンは 適 用 したばかりであり まだ 適 用 による 効 果 の 把 握 までには 至 っていない 今 後 は あらかじめ 用 意 されたテーラリングパターンの 他 に 利 用 者 が 独 自 の 観 点 で 類 似 プロジェクトの 情 報 を 引 き 出 せるように システム 化 も 計 画 している 21
ご 清 聴 ありがとうございました 22